鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

柿安「鶏の信州味噌焼き重弁当」669円

今日は久しぶりに街に繰り出した

緊急事態宣言が出て以降久しぶりに電車に乗った

とは言っても最寄りの駅までは自家用車

帰りにちょいと寄りたい場所があったからだ

途中からは電車に乗る

満員電車とまでは行かないがそこそこの乗車率である

やはり学校が始まるだけで混み具合が違うのだろう

窓は開かない

しかしアナウンスでは「換気されてます」放送

どこかの私鉄でもあったが空調で換気できるのかな?

顎マスクの若いサラリーマン以外は皆マスク着用

アナウンスでもマスク着用のお願いが流れていた

顎マスクサラリーマンはよくありがちな社会人になっても粋がっていたいタイプ

大学デビューに多いタイプだな

「コロナ関係ねえ」とでも言いたいのだろうが

流石にマスクなしで乗車する勇気もなく

顎マスクにすることで世間に抵抗してるのだろう

まるで中学生が学生服のカラーを外すかのように

 

そんな俺は初めてお出かけ用に購入した某オーガニックコットンのマスクを着用

当て布としてガーゼが同封されていたので当て布してみた

途中で布がずれてしまい

ガーゼのほつれた部分が

鼻にあたりやたらとこそばゆい

後から気づいたのだが最初の位置が悪かった

当て布は口だけで良い

俺は鼻にまで当ててしまっていた

しかしこんな電車の中でマスクに手を突っ込んで位置を修正することなどできるはずもない

男の場合はよくアレのポジションがしっくりこないことが多い

以前俺は自転車で走行中に違和感を感じ

自販機の影に隠れて股間に手をツッコミ微調整していた

その姿を通りすがりのおばさんに見られ

変態を見るかのような目で見られたのを思い出した

「我慢我慢」

俺は駅に降りるまで我慢することにした

俺は気を紛らわすために1冊の本を取り出した

「浮遊霊ブラジル」

 

浮遊霊ブラジル (文春文庫)

浮遊霊ブラジル (文春文庫)

 

すっかり忘れていた本

短編集だがタイトルにもなってる浮遊霊ブラジルだけまだ読んでなかった

こんな浮遊霊になるなら死んでも良いかな?などと思いながらも電車は進んだ

 

 

 

乗り換えの駅に着く

さんまの姿寿司が売られている

正直食べたい

帰りに時間があれば買っても良いななどと思いつつ

電車を乗り換えた

今度の電車はガラガラである

とは言っても座席は満席

ドア付近だけは何故か密ができている

通路はガラガラ

俺は通路の真ん中まで進み無意識につり革を掴んだ

「あっ」

なんてことだ

俺はこんなこともあろうかと事前に銅製のフックを持参していた

 

 こう言う奴

類似商品ではあるが

近所で980円だった

そして銅製のフックは俺のポケットの中に入っている

しかし一度つり革を掴んだ以上は無意味である

周りを見渡すと誰もつり革は掴んでいない

しかも「あのおっさんつり革掴んでるよ」的な視線が突き刺さる

こんな状況で銅製フックなど出せるわけもなく

俺は「コロナ関係ねえ」的な雰囲気を醸しつつ

そのままつり革を掴むことを選んだ

「落ち着け落ち着け」

「触ったからと言って感染して免疫暴走を起こすわけではない」

「粘膜にさえ触れなければ俺は安全だ」

そして俺はあることに気づいた

つり革を掴んでるのは左手だ

俺の利き手は右手である

不意に顔など触れる手は右手である場合が多い

左手はアレの時に雰囲気を変えたい場合に使うぐらいだ

しかも今日の俺はマスクにメガネも着用

この状況で粘膜に触れる可能性は低い

あとは電車を降りてすぐに手を洗えば良い

「つり革上等!!」

俺は完全に開き直った

周りのおっさんたちはつり革を掴んでいないため電車の中でフラフラ

しかし俺は揺れない

今朝は千葉で地震があったが俺は揺れない

「勝ったな」

俺は勝利を確信した

 

 

駅につき

頭の中で「触るな左手」と何度も何度も繰り返しトイレへ向かった

そして思う存分手を洗った

石鹸をつけて般若心経を唱えながら洗った

ぎゃーていぎゃーていはらそうぎゃーていぼーじそわか

般若心経

「これで安心だ」

俺はクリーンになった

 

とある用事までは時間がある

俺は本屋に飛び込み一冊の本を購入

 

漱石を知っていますか (新潮文庫)

漱石を知っていますか (新潮文庫)

  • 作者:阿刀田 高
  • 発売日: 2020/06/24
  • メディア: 文庫
 

 夏目漱石の解説本である

少し立ち読みしたら面白そうだったので購入

と言うか俺は漱石に弱いのだ

いつもならここで時間調整でスタバに入るところだが

時代はコロナ

スタバはガラガラだが流石にマスクを外してまでまずいコーヒーを飲むこともないだろう

俺は小雨なこともあり散歩することにした

30分

梅雨の蒸し暑さもあり俺は汗だくになった

それでも去年購入しておいた無印のリネンシャツは快適だ

ただインナーのエアリズムが乾かないのがアレだが

ただエアコンの効いた室内ではエアリズムは抜群の効果を発揮する

そこが難しいところ

外では意味をなさい

外でいくか?中でいくか?

難しい問題だな

 

 

で、俺は用事を済ませた

時間は11時半

いつもならランチとしけ込むのだが

なんせ時代はコロナ

マスクやフェイスガードに衝立を見るだけで食欲がなくなる

なんかあまり外食をする気にはなれない

しかし腹は減っている

俺はとりあえず自分の車まで戻ることにした

話はそれからだ

 

 

駅につき

駐車場から中古の車を出す

既に14万キロ走行

購入した時は9万キロで諸経費込み30万だった

正直俺の自転車の方が値段は高い

それでも車は何の問題もなく走る

この辺り流石愛知県のメーカーだな

俺は常に10万キロ以上走行した中古に乗ってきたのでわかるが

他のメーカーは10万キロ超えるとガタガタになり走らない

某やっちゃえなんか「ボディ歪んでるだろ?」と感じるぐらいだしな

しかし某愛知県のメーカーは非常に優秀だ

古くなっても優秀だ

ただ車としての面白さは皆無

悪い意味で優等生すぎる

ただ道具としての車

なので動けばなんでも良いのだ

 

 

駐車券を入れてお金を入れる

領収書ボタンを押す

「前の人がコロナなら俺は2週間後には免疫暴走だな」と思う

アルコール除菌をしてハンドルを握りアクセルを踏んだ

どのくらい走っただろうか?

俺は弁当を買うためにスーパーに立ち寄った

サバの塩焼き弁当が気になるが

「蓋が閉まらないほどの唐揚げ弁当」も気になる

なんせ名前が素晴らしい

しかしカロリー高そうで躊躇する

おかずもご飯も非常にボリュームたっぷりである

そんな俺の目に飛び込んできたのが「柿安」

どうやらこのスーパーには柿安が惣菜店として店を出している

そしてついでに弁当も販売しているのだ

「柿安か」

三重県は桑名の会社

デパ地下などで人気だな

値段を見る

スーパーの弁当とは50円から100円ほど高い

俺は悩んだ

しかし俺は思い切ることにした

俺はこの弁当が食べたい

それがこの「柿安 鶏の信州味噌焼き重」だった

値段は税込み669円

弁当としては高価な部類に入る

それでも俺が購入に踏み切ったのはこの弁当が美味いと知っているからだ

メインの味噌焼きは随分とデパ地下でお世話になった

ただカロリーが意外と高いのが玉に瑕ではあるが

俺は弁当を手に取った

一度手にした商品はできる限り買うこと

これもコロナ時代の掟である

俺は弁当を買った

 

 

再び中古車を走らせる

ラヂヲはつけない

どんな時も運転に集中したいからだ

俺は仕事で借りてる倉庫に車を止めた

「さぁ昼飯だ」

 

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柿安 鶏の信州味噌焼き重

弁当は車の中で食べる

膝の上に弁当を載せる

そして俺は蓋を開けた

 

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お気にりのズボンが汚れないようにハンカチを広げる

水玉のハンカチ

裏だがな

俺は水玉が好きだ

山岳王の証である水玉が好きなのだ

 

弁当はメインが鶏の信州味噌焼き

副菜にナスの揚げ浸し、焼きネギ、小松菜のお浸し?、茹で卵、香の物

俺はまず鶏の信州味噌焼きを一切れ食べる

「相変わらず美味いな」

冷めていても美味い

やはりこれは弁当の基本である

この弁当を温めて食べようなんて野暮な考えは持たない方がいい

ご飯は薄く底に敷き詰められている

ご飯も一口

「悪くないな」

ご飯がそこそこ美味いのも高級弁当の証

スーパーの298円弁当の米は食べるのが辛いほどまずい

正直白飯だけでも十分な俺である

「重」などと高級ぶったネーミングだが

いわゆる「のっけ弁」

次にナスの揚げ浸しを食す

「ああ、しみじみと美味い」

俺はナスの揚げ浸しが大好きだ

柿安の弁当のいいところは副菜を手抜きしないこと

他の弁当だとメインは気合入れるが副菜は適当な店も多い

しかし柿安は副菜も一定のレベルで美味い

焼きネギもちゃんと甘味があって美味い

当然茹で卵も美味い

茹で卵などは卵であって卵でないものが入ってる弁当も多いしな

コンビニとかコンビニとかコンビニとか

要するに業務用の玉子風加工食品

しかし柿安はちゃんと玉子

これだけでもこの弁当を買った甲斐はあるのだ

小松菜のお浸しと思われし物も良いアシストをしてくれる

味噌で充満した口の中を爽やかにしてくれるのがお浸しだ

鶏肉は正直普通の柔らかな鶏肉

地鶏のような旨味はない

しかしそれを補うのが信州味噌

この味付けは素晴らしい

ご飯どんだけでも行ける

これぞ日本の味だな

 

 

最後に香の物

これは普通

おそらく

自家製ではないだろう

 

 

「ああ、うまかった」

「ごちそうさま」

 

まぁコロナ時代弁当と言う選択も悪くはないな

たまには少しだけ贅沢してみるのも悪くはない

 

 

本日の東京コロナ48人

今日も安定の横ばい

減ることはない