鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2023ツール・ド・スイス「ジーノ・メーダー落車により死去」

また起きちゃったな・・

現在スイスで開催中のツール・ド・スイス

フランスで開催されたドーフィネと並ぶツール・ド・フランスへの前哨戦とでも言うべき重要で人気なレース

とにかく景色は最高に美しく

世界で最も美しいレースと言われることも

広大なアルプスを走る1週間である

そんなスイスの第5ステージ

山岳三連戦の最終ステージ

最も重要な山岳ステージとなった

全長211キロ

1級山岳と2つの超級山岳

最後にそびえる超級アルブラ峠(距離17.4km/平均6.8%)

この山頂を越えると

ゴールまで残り10キロ

下りで勝負が決まる

そしてこの下り区間で事故は起きた

 

ジーノ・メーダー選手

日本の新城幸也選手と同じバーレーン・ヴィクトリアーズに所属する

国籍はスイス

ツール・ド・スイスは地元のレースでもある

1994年1月4日生まれ

26歳

元々トラック競技の選手だったそうで

そこから2019年にディメンションデータに加入

2021年にバーレーンへ移籍

ジロ・デ・イタリア第5ステージで逃げ切り

区間優勝

一躍トップ選手の仲間入りを果たした

そして同年のツール・ド・スイスでも区間優勝

その他のレースでもアシストとしての仕事をこなしながらも

チャンスがあればいい走りを見せる

自転車レースが好きな人なら誰もが知ってる

トップ中のトップ選手でもある

さらに年齢も26歳

これから全盛期に入る年齢

残念でならない

 

そもそもジーノは本来ジロ・デ・イタリアに出場予定だった

それが開幕直前でコロナ陽性

急遽代役として新城が出場した

おそらくスイスは地元なんで最初からスケージュールには入ってたと思うが

ジロの後で走るスイスとツールの前に走るスイスではかなり意味合いも違い

「もし?あの時コロナに感染しなければ・・・」

なんて事を考えながら

一人追悼ライドをしてきたが

人生ってわからないな

なんでこんなことに

 

詳しい状況はわからない

日本では中継が見られなかった

そしてネットで調べても先頭のユアソを写す映像だけしか無い

ただ落車した場所はYouTubeなどで出てくる

 

www.youtube.com

 

サムネは違う選手だが

内容はジーノについてである

最後の超級を超えて下に入る

時速100キロ越えのダウンヒル

なんらかのミスで落車

イネオスのシェフィールドともに

崖から落ちる

ジーノが倒れていた場所は

石で作られた排水溝みたいな場所だった

水の中に横たわってたとの情報もある

その場で蘇生が行われ

一度は蘇生しヘリで搬送

しかし6月16日午前11時30分に病院にて死亡した

一緒に落車したシェフィールドは怪我はしたが命に別状はない

死因はわからないが

石で強打したのか?

投げ出された時に首など折れたのか?

MTBだとプロテクター装着で

首など守るネックゲーターもつけているが

ロードの選手は全て剥き出しで

ペラペラの服1枚で時速100キロで下る

それがどれだけ危険なことか

過去にも度々死亡事故は起きている

それでも選手は走らなければならない

命をかけて

 

今回も同じレースを走るレムコもレース中に橋から落ちた

重傷を負った

ジロでウェイラントは死んだ

どれも下りでの事故

生きるか死ぬか紙一重な世界

それがロードレースでもある

近年より面白くするために下ってゴールのレイアウトも増えた気がする

欧米人はよりアグレッシブなレースを好むのかわからないが

あまりに危険なコースは選手たちが団結して抗議

コース変更となる場合もある

さらにレース中の状況判断で下り区間ニュートラルになることも過去にはあった

とは言っても今回は下ってゴールとなるコース

下りで勝負決まる重要な場面

見たところ路面は悪くない

ただ近年機材の進化でとんでもなく速度が出るようになってると選手たちが口を揃えていう

「怖いぐらいに早い」と

空気抵抗を減らすためにハンドルも調整してバイクコントロールも難しくなってたり

様々な要因も絡んでるのだろうが

全て自己責任な世界でもある

 

最近ロードレースでもプロテクターとの議論も起きてるそうだが

今の段階では現実的ではないだろう

何人事故で死のうが変わったのはヘルメット装着が義務になったぐらいか

あとはせいぜい危ないコーナーに何かを置くぐらい

しかしそれも全てのコーナーに置けるわけもなく

事故は防げない

なら事故が起きた時にどうするか?

そこの解決方法が何もない

強いて言えばプロテクターだが

わずかでも疲労を軽減するためにこまめにあらゆるウエアを着たり脱いだりする選手たち

果たして受け入れるのか?

プロテクターは動きにも制限が出る

MTBのような短時間なら我慢できるが

長時間のロードレースでは難しい

そしてそのためにコースが短縮となることはレースの魅力が下がることにも繋がるかもしれない

そもそも自転車は欧州が本場で

ファンも含めた彼らが納得しないと無理なわけで

そこには文化の違いもあり考え方も違う

危険も含めてロードレースなのかもしれない

とは言っても見てる方も

ハラハラドキドキ

面白いハラハラドキドキでなく

ひたすら「やめてくれ」となる

怖い、とにかく見ていて怖い

そんなレースもある

 

 

でも選手が死ぬのはツライ

昨日まで元気だったのに

今はもういない

どうか安らかに

R.I.P.

 

 

 

 

第6ステージはステージキャンセル

20キロの距離をバーレーンの選手が先頭で追悼ランとなった

 

 

www.youtube.com