また起きちゃったな・・
現在スイスで開催中のツール・ド・スイス
フランスで開催されたドーフィネと並ぶツール・ド・フランスへの前哨戦とでも言うべき重要で人気なレース
とにかく景色は最高に美しく
世界で最も美しいレースと言われることも
広大なアルプスを走る1週間である
そんなスイスの第5ステージ
山岳三連戦の最終ステージ
最も重要な山岳ステージとなった
全長211キロ
1級山岳と2つの超級山岳
最後にそびえる超級アルブラ峠(距離17.4km/平均6.8%)
この山頂を越えると
ゴールまで残り10キロ
下りで勝負が決まる
そしてこの下り区間で事故は起きた
ジーノ・メーダー選手
日本の新城幸也選手と同じバーレーン・ヴィクトリアーズに所属する
国籍はスイス
ツール・ド・スイスは地元のレースでもある
1994年1月4日生まれ
26歳
元々トラック競技の選手だったそうで
そこから2019年にディメンションデータに加入
2021年にバーレーンへ移籍
ジロ・デ・イタリア第5ステージで逃げ切り
区間優勝
一躍トップ選手の仲間入りを果たした
その他のレースでもアシストとしての仕事をこなしながらも
チャンスがあればいい走りを見せる
自転車レースが好きな人なら誰もが知ってる
トップ中のトップ選手でもある
さらに年齢も26歳
これから全盛期に入る年齢
残念でならない
それが開幕直前でコロナ陽性
急遽代役として新城が出場した
おそらくスイスは地元なんで最初からスケージュールには入ってたと思うが
ジロの後で走るスイスとツールの前に走るスイスではかなり意味合いも違い
「もし?あの時コロナに感染しなければ・・・」
なんて事を考えながら
一人追悼ライドをしてきたが
人生ってわからないな
なんでこんなことに
詳しい状況はわからない
日本では中継が見られなかった
そしてネットで調べても先頭のユアソを写す映像だけしか無い
ただ落車した場所はYouTubeなどで出てくる
サムネは違う選手だが
内容はジーノについてである
最後の超級を超えて下に入る
時速100キロ越えのダウンヒル
なんらかのミスで落車
イネオスのシェフィールドともに
崖から落ちる
ジーノが倒れていた場所は
石で作られた排水溝みたいな場所だった
水の中に横たわってたとの情報もある
その場で蘇生が行われ
一度は蘇生しヘリで搬送
しかし6月16日午前11時30分に病院にて死亡した
一緒に落車したシェフィールドは怪我はしたが命に別状はない
死因はわからないが
石で強打したのか?
投げ出された時に首など折れたのか?
MTBだとプロテクター装着で
首など守るネックゲーターもつけているが
ロードの選手は全て剥き出しで
ペラペラの服1枚で時速100キロで下る
それがどれだけ危険なことか
過去にも度々死亡事故は起きている
それでも選手は走らなければならない
命をかけて
今回も同じレースを走るレムコもレース中に橋から落ちた
重傷を負った
ジロでウェイラントは死んだ
どれも下りでの事故
生きるか死ぬか紙一重な世界
それがロードレースでもある
近年より面白くするために下ってゴールのレイアウトも増えた気がする
欧米人はよりアグレッシブなレースを好むのかわからないが
あまりに危険なコースは選手たちが団結して抗議
コース変更となる場合もある
さらにレース中の状況判断で下り区間はニュートラルになることも過去にはあった
とは言っても今回は下ってゴールとなるコース
下りで勝負決まる重要な場面
見たところ路面は悪くない
ただ近年機材の進化でとんでもなく速度が出るようになってると選手たちが口を揃えていう
「怖いぐらいに早い」と
空気抵抗を減らすためにハンドルも調整してバイクコントロールも難しくなってたり
様々な要因も絡んでるのだろうが
全て自己責任な世界でもある
最近ロードレースでもプロテクターとの議論も起きてるそうだが
今の段階では現実的ではないだろう
何人事故で死のうが変わったのはヘルメット装着が義務になったぐらいか
あとはせいぜい危ないコーナーに何かを置くぐらい
しかしそれも全てのコーナーに置けるわけもなく
事故は防げない
なら事故が起きた時にどうするか?
そこの解決方法が何もない
強いて言えばプロテクターだが
わずかでも疲労を軽減するためにこまめにあらゆるウエアを着たり脱いだりする選手たち
果たして受け入れるのか?
プロテクターは動きにも制限が出る
MTBのような短時間なら我慢できるが
長時間のロードレースでは難しい
そしてそのためにコースが短縮となることはレースの魅力が下がることにも繋がるかもしれない
そもそも自転車は欧州が本場で
ファンも含めた彼らが納得しないと無理なわけで
そこには文化の違いもあり考え方も違う
危険も含めてロードレースなのかもしれない
とは言っても見てる方も
ハラハラドキドキ
面白いハラハラドキドキでなく
ひたすら「やめてくれ」となる
怖い、とにかく見ていて怖い
そんなレースもある
でも選手が死ぬのはツライ
昨日まで元気だったのに
今はもういない
どうか安らかに
第6ステージはステージキャンセル
20キロの距離をバーレーンの選手が先頭で追悼ランとなった