鯖棒亭日乗(下)

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「三十三間堂」千手観音45年の修理終了で1001体揃う

京都の三十三間堂

修学旅行でも定番な観光スポット

俺も数え切れないほど三十三間堂には通っているが常に誰かが欠けていた

修復中と書かれた部分がポツポツ抜けているのだ

その三十三間堂の1001体の千手観音様が修理終了でようやく勢ぞろいしたそうだ

その期間なんと45年

総事業費は約9億2千万円

しかし6割程度は国庫補助金だそうだ

文化庁曰く「1件の彫刻の修理期間としては過去最長なんじゃね?」ということらしい

修理は1973年から始まった

つまり俺が初めて修学旅行で訪れた時も修理中であり

俺は未だに1001体勢ぞろいした姿を見てなかったんだな

そう思うと1001体全て揃った千手観音を見に行きたくなってきた

みうらじゅん氏曰く「We are the world

とにかく圧巻である

仏像は平安から鎌倉時代に作られたそうだ

三十三間堂はとにかく横に長いお堂だ

その長さ約120メートル

その長いお堂に1001体もの千手観音様が並んでおられるのだ

一体一体お顔は全て違う

必ず自分に似た観音様に出会えるともいう

そんな観音様達だがさすがに長年の埃が付着

その原因は年間100万人とも言われる観光客達の服なのど繊維が埃となって観音様に付着しているそうだ

そのために年に数体、多い時には50体もの観音様を美術院国宝修理所に運び綺麗に掃除して漆や金箔などの修復作業を45年もの間行ってきたのだ

お堂の中心にはご本尊の千手観音坐像

いわゆる座っていらっしゃる観音様だ

まずご本尊の坐像の後ろに一体

その左右に500体もの千手観音様が並ぶ

合計1001体

ディズニーの101匹ワンチャンどころではないのだ

すでに日本では鎌倉時代にディズニーを超えていたのだ

千手観音

ごく稀に1000本の手がある仏像もあるが

大抵は通常の2本の手プラス40本の手が胴の横から生えている

通常の2本の手は前で合掌している

胴体の横から生えた40本の手、それぞれ1本づつで25の世界を救うと考えられている

1本で25

それが40本で

合計1000本となり、千手になるのだ

実際には1002本なんだが

前で合掌した手はまた違った意味合いがあるのだろう

なぜ1本で25なのか?

これは仏教において「三界二十五有」のこと

天上界から地獄まで25の世界があるという考えだ

欲界に十四有、色界に七有、無色界に四有があるとされるが、説明されてもよくわからない

そして「有頂天」という言葉があるが

これは二十五の有の頂点にある天上界のことだそうだ

昔「有頂天」と言うバンドが人気だった

ナゴムレコード

懐かしい

40本もの手には何かしら物を持たれている

法輪、錫杖、水瓶など

これらを持物と言う

何を持つかについては経典にちゃんと書かれているという

そして顔は十一面

11個の顔を持つのだ

ミルマスカラスが1000の顔を持ってたことを考えると少ないような気もするが

そんなことを言ってると頭の後ろにある暴悪大笑面に笑い飛ばされてしまうであろう

基本笑ってはいるが実はとても怖く見える顔

それが暴悪大笑面だ

多分我々人間が煩悩だらけだからだろうな

仏像はその時の自分の心情により表情が変わって見えるところが面白いのだ

しかし1001体揃ったとなると

また会いに行かなければ

三十三間堂の千手観音様に