鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

モドリッチ、GKへのアドバイス「怖がるな。ミスしない人間なんていないんだ」

今回もPKで勝ち上がるクロアチア

あの極限のプレッシャーの中でのPKである

日本も負けた

ブラジルも負けた

その裏でモドリッチがGKにかけた言葉がある

全文を掲載すると

 

「お前のことを心配していなかったら、こんなことは言わないよ。ただ代表チームで、お前が一歩を踏み出せていないように感じるんだ。それはプレッシャーがあるからか?」

「お前が自信を持っていなかったら、チームに影響が及んでしまう。だけどさ、ミスなんて誰でもするものじゃないか。ミスをしない人間がいるんだったら言ってみろよ。なんで、お前だけ一つのミスもすることができない? 思うに、お前は恐怖を感じているんだろう。だけど怖がっていたら、すべてがもっと悪くなっていくだけだ」

 

「お前は素晴らしいGKさ。分かってるだろ?」

 

立派だね

これはもうお釈迦様の領域に達してるね

キャプテンモドリッチ

プレーでも牽引してくれるが

精神的な支えでもある

イングランドも負けちゃったし

クロアチアには優勝して欲しいね

「ミスをしない人間はいない」

確かにそうである

ただ一人だけ特別な人がいて

それがお釈迦様であるが

完璧な人はお釈迦様だけなんだから

人間なんて誰もが不完全で

良い所もあれば悪い所もある

だから人間なのである

 

で、あの日本のW杯の歴史を切り開いた「ジョホールバルの歓喜

1998年W杯アジア最終予選

ダエイ、アジジ、マハダビキアなど当時別格の強さだったイランとの第3代表決定戦

試合前から情報戦が始まっていて

突然怪我したふりするアジジ

練習後車椅子で「足痛いヨォ」的な姿を披露

だがその時日本もイランの練習にスパイを送り込んでいて

アジジが練習後軽快に車椅子に飛び乗る姿を確認していたとか

「あ、あいつ演技してるよ笑」

日本代表には見透かされていた

試合も緊迫

前半39分に中田さんのパスから中山が先制ゴールするも

後半開始25秒

アレほどハーフタイムで岡田監督から「気をつけろ」と言われていたのに

25秒でダエイのシュートをアジジが押し込み同点に

さらに後半14分ダエイが逆転ゴール2−1となった

絶対に負けられない日本

後半18分にFW2枚替えと言う禁じ手を出す

中山、カズがOUT

城、ロペス IN

この時に城にかけれらた監督の言葉はただ

「点取ってこい」

だけで戦術的な話は何も無く岡田監督も精神的に追い詰めれらてたみたいである

そしてこの交代が結果を出す

中田のクロスから城が頭で押し込み同点

しかも苦手な左からのボールを押し込んだ

最初はオフサイドポジションにいた城

それを見た中田が切り返し

一呼吸おいてからクロス

この間に城は戻りオフサイドを回避して再び飛び出した

お互いの阿吽の呼吸である

試合は同点のまま延長Vゴール

この延長開始と同時についに日本の秘密兵器が登場する

野人「岡野」

岡野は最終予選一試合も出ていない

試合に出たくて出たくて

「なんで出してくれないんだ?」と岡田監督に問い詰める

すると「お前は秘密兵器だから」と

すっかり気をよくした岡野

しかし待てど待てど出番が来ない

試合中も岡田監督の前を走りまくりスライディング

「いつでも秘密兵器いけますよ」アピール

しかし逆に怒られる

で、延長Vゴール

一時期採用された容赦ない決着方法で

ゴールが入った瞬間に試合終了となる

一つのミスが致命的

そんな延長Vゴールを岡野は知らなかった

で、ルールを本田泰人に聞かされ

「それ、やばいっすね笑」と

この時の岡野はある決心をしていた

「今まで試合に出ていない自分が関わっちゃだめだと」

とてもこんなプレッシャーのかかる場面で自分は試合に出れないと

なので何が起きても他人事のはずだったが・・・

そんな時突然「岡野ぉおおおおおお」

と、自分を呼ぶ岡田監督が

さらに小野コーチが自分へ近づいてくる

思わず後退りするも

逃げ場は無い

延長開始

ついに日本の秘密兵器が投入された

とにかく足が早い岡野

バスケットシューズで100メートル10秒8で走った記録もあるぐらい早い

延長で疲れまくってる両チームの選手たち

そこにスピードスター野人を走らせる

中田のパスが走らせる

中田のパスは強い

常に世界を見据えたパスを出す

相手のDFもGKも取れな場所へ

他の日本人FWでは追いつけない

しかし野人なら追いつける

途轍もないプレッシャーの中で

パスを受けシュート

枠を大きくそれるが

最初はまぁそれでもいい

そして再び中田からのスルーパス

独走

しかしイランのDFが追ってくる

しかしこれは岡野にとって好都合で

独走よりDFがいてくれた方がプレーしやすい

しかしここで何故かDFが足を滑らせてしまう

「おい!」

気がつくと岡野はGKと1対1

目の前に迫るGK

誰もがここでシュートを選択する

しかし極限状態だった岡野はあろうことか横に見えた中田にパスを出してしまう

真横へのパス

このパスに先ほどのDFが追いつきクリア

パスを出した中田も頭を抱える

ゴール裏の日本サポーターも罵声を浴びせる

そしてテレビで見ていた日本中の人が

「打てよ・・・」と

自分でもやらかしたと思った岡野

せめて岡田監督に慰めて貰おうと監督の方を見ると

ベンチ前で怒りに震えた監督が

「岡野ぉおおお〇〇すぞ!」

 

 

これが日本とクロアチアの違いである

ただこの後

中田がドリブルでチャンスを作る

岡野もなんとか挽回しようと中田を信じてゴール前のスペースへ走る

しかし既に中田は岡野を信用してなかった

「ミスばかりする岡野じゃだめだ」

ここは自分で・・・

シュートを選択する中田

強烈なシュートをGKが弾く

そしてこぼれたところに

野人が走り込んでいた

もう外せない

野人は体ごと押し込むつもりでスライデインングしながらボールを押し込んだ

日本のW杯はここから始まった

 

「岡野○○すぞ」

 

途轍もないプレッシャーの中でさらにプレッシャーを与えた日本

「ミスしない人間なんていないんだよ」と緊張をほぐす言葉をかけるクロアチア

どっちが正解かは

結果が全てである

 

 

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