鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

仏教離れで貧困坊さん激増

若者だけでなく老若男女の仏教離れ

「坊主丸儲け」という言葉があるように

今でも坊さんが儲けてると思ってる人は多いと思う

たしかに熱心な檀家が多いお寺なんかは結構稼いでたりするのだろうが

小さなお寺は厳しい状況に追い込まれてたりする

事実として全国の約7万7000寺のうち、地方を中心に約2万寺が住職のいない「無住寺」になっているというのだ

俺がお世話になってるお寺さんも実家のお寺が檀家減少で維持出来なくなり廃寺になったと言っていた

檀家は元々は江戸幕府が戸籍管理の為に定めた制度だと聞いた事がある

檀家とは特定のお寺に所属して葬祭供養や墓の管理を行ってもらう代わりに 、その檀家がお寺を経済的に支援する制度である

お寺を維持する為の檀家数は300件だと言われている

しかし浄土宗の調査によればお寺の約8割は檀家数が300件以下だと言う

もともと信仰心が薄い現代の日本人

江戸時代までは神仏習合だったこともあり神社とお寺の区別さえ付かない人も多い

参拝に訪れた神社仏閣で自分が今、手を合わせてるのが神様なのか仏様なのかも分からない、そんな人も多いんじゃないだろうか

檀家数は減少して新たな檀家もほとんど増えない

仏教好きな俺も檀家にはなっていない

 

近年は仏像ブームや御朱印ブームで観光寺と言われるようなお宝があったり歴史的に有名なお寺などへの参拝者は増えてると思う

美術館などでも仏教美術展は大盛況である

だからと言ってそれらの人が檀家になってお金を落とすとは限らない

むしろ特定の宗派に属さないで、仏教という大きな世界観が好きなだけだったりするのだ

その中には純粋に美術品としての価値だけを見いだしている人も多いと思う

俺自身は最初に司馬遼太郎空海の風景を読んで興味を持ち

親父が熱心に空海不動明王を信仰していた事もあり空海好きになった

そのためにベースは真言宗高野山派である

しかし空海の教えをきっかけに、仏教に興味が出て来て独自で勉強を始めた

とは言っても仏教はとてつもなく広大な世界なので全部を学ぶのはまず不可能だ

一番興味のある密教と原点である釈迦の教えを中心に本を読んでいる

正直、さっぱり分からないのだが

俺の場合は仏教を宗教としてはあまり見ていない

どちらかと言えば哲学として捕らえてる部分が大きいのだ

毎日仏壇の前で般若心経や自分が好きな仏様の真言を独自にセレクトして唱えているが

これは半分は供養のため、半分は自分のために唱えている

この習慣により毎日規則正しい生活も送れるようになったのだ

ただ供養と言っても仏教的には輪廻転生で生まれ変わるはず

輪廻転生から解脱する為にはお釈迦様みたいに覚りを開かねばならない

なのでほとんどの人は輪廻転生して33年だかで生まれ変わることになる

この辺りは宗派によって変わって来るみたいだが

なので自分が会った事も無い先祖なんてとっくに生まれ変わってるんじゃないかと思ってしまう

その辺りお坊さんに聞いてみたいのだが中々聞けないでいる

他にもいろんな矛盾が生じてくるのがまた仏教の面白さでもある

「なんでこうなるんだろう?」

まず疑問を持ち、そして調べて考える

それが俺の仏教なのである

 

そもそも坊さんとは貧乏な物である

必要以上のお金はいらないのだから

最低限の生活さえできればそれでいいはず

しかし日本仏教は既に奈良時代から権力を手に入れようとして来た歴史がある

そして明治時代

神仏分離で融合していた仏教神道を切り離し、神道を国家宗教と定めた

廃仏毀釈で仏像などが壊されていった

俺が先日民族資料館で見て来た修行中のお釈迦さまの像も、廃仏毀釈の時に誰かが持ち去り古道具屋で売られていたのを見つけた住職の方が買い取って来たと書いてあった

江戸時代にはだいぶ生臭坊主もいたと聞くし、民衆の仏教離れはその頃から始まっていたのではなかろうか

そして決定的なのがお坊さんでも妻帯OKになったこと

快楽を知れば愛欲に溺れる

やがて家族も出来るであろう

家族が出来れば家族を幸せにする為に稼がなくてはならない

今の時代、実家がお寺でもないのに出家しようと言う人は少ない

お寺を維持する為に世襲となっていったんだろうな

息子にお寺を継がせる為には「坊さんって稼げるぞ」と思わせることも重要な事かも知れない

そうしないと日本のお寺は日本の仏教は消滅してしまうであろう

ただ、それってお釈迦様を始めとする各宗派の宗祖の教えなのだろうか?

 

俺は空海やお釈迦さまが、大変素晴らしい事を言っているので、なるべくその言葉どうりに実践して生きて行きたいだけである

本来ならお寺もお坊さん達も俺と同じなんじゃないのだろうか?

昔と違って様々な煩悩が溢れかえってる中での修行はかなり大変だろうが欲を捨てる事から始めないといつまでたっても仏道に邁進できないと思う

欲を出してしまうから檀家は減少して世間でも仏教離れが加速して行くのだろう

でも嫁や子供がいるとそうもいかないんだろうな

坊さんとしてではなく親として

 

なのでやはり僧侶の妻帯は禁止すべきなのだ

しかし、それをやると本当に坊さんのなり手がいなくなりそうだ

負のスパイラル

ここから解脱するのは容易でないってことだな

 

日本は豊かになりすぎた