鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

粉瘤を除去してきた

以前から俺の背中には、瘤らしきものがあった

痛みもないのでそのまま放置していたわけだが

それが3週間ほど前から痛みが出だしたのだ

俺はなんとなく家にある軟膏類を適当に塗りたくっていた

軟膏を塗るとなぜか痛みが治まる気がするのでいずれ治るだろうと安易に考えていた

それがここ数日寝返りが打てないほどに痛みがひどくなってきた

恐る恐る患部を触ると結構大きくなっている

そして背中を鏡に向けていろいろ角度を変えながら確認してみた

「うわっ!これあかん奴や・・・」

俺は親父の皮膚ガンを思い出した

確か急に大きくなるのは皮膚ガン・・・

俺の頭にまず浮かんだのは死である

そして次に植物

こいつらの面倒をどうすればいいのかと

映画レオンではレオンが大切にしていた友達でもある観葉植物はレオンの死後、地面に植えられた

オリーブは庭に植えてもいいな

でも酸性土にしなければならないから結構掘り起こさないと

サボテンや観葉植物は貰い手があるだろう

1年草の花なども庭に植えるか

などと植物どもの身の振り方を考えていた

外に出ると黒い野良猫がすり寄ってきて俺の足に顔を擦り付けてくる

「お前は自力でなんとかしろ」

「そうやって愛想振りまいてれば誰か面倒見てくれる」

その後、俺は幸之助号に油を差しタイヤに空気を入れた

「もうお前と一緒に走れないかもしれないな」

そう言うと俺は六角レンチで各ボルトが締まってるか点検した

一応、明日医者に行ってみるか

「ちょ、待てよ。何科へ行けばいいんだ?」

俺は短い付き合いとなるかもしれないMacBook Proを起動させた

途端に飛んでくるWi-Fi

早速ネットにつないだ

検索検索

脂の塊?

そういえば以前もそんな症状が出たことがあったな

あの時は抗生物質かなにかで治った

粉瘤?

俺は粉瘤を調べてみた

調べたことを後悔するような画像が出てくる

皮膚科のHP達だ

記事を読んでみると、どうやら俺のしこりはこの粉瘤かもしれない

突然赤くなり痛みが出たのは化膿してるらしい

王蟲の目も赤くなるとヤバイけど粉瘤も赤くなるとヤバイんだな

そしてこの粉瘤は皇太子様もなったことがあるぐらい一般的な病気だそうだ

粉瘤とは、いわゆる老廃物などが溜まってできる瘤である

中には脂や垢などがたんまりと

そしてとても臭いらしい

写真をみると粉瘤の中身はまさにうんこなのだ

原因は良く分からないらしいが良性の腫瘍

放置しても癌になる可能性はほぼゼロだという

ただごく稀に癌化したという報告もあるみたいだが

まぁ大丈夫だろうということ

そして手術も昔は切開手術だったが最近では穴を開けて絞り出すらしい

数分で終わる日帰り手術で治るらしいのだ

ただお値段は八千円から数万円と書いてある

結構かかるんだなぁ

でも放置しても絶対に治らないそうなので、やはり治すしかないのだ

扇風機欲しかったんだが

仕方がない

俺は一大決心をして今朝1番に病院へ行った

皮膚科である

ちゃんとネットで評判も調べた

予約はかなり入ってるみたいだったが直ぐに見てくれた

俺の背中を見るなり看護婦さんが一言

「嗚呼これね」

「痛いでしょ?」

と言いながらテキパキと治療の道具の準備をし始めた

看護婦さんの反応から見ても一般的なものらしいな

やがて先生がやってきた

まずは超音波で検査だ

画面を見ていろいろ説明してくれる

一番深いところで3センチですね

ここに毛穴がありここから脂などがたまり化膿したと

「ここ見てください、ここ」

「まずここに4ミリの穴を開けちゃいます」

「で、その穴から中の膿を絞り出します」

「麻酔が痛いですけど我慢してください」

「ん?4ミリ?」

「4ミリの穴って相当なもんだぞ」

ちょっとドキドキした

麻酔を打たれた

麻酔は想像してたより痛くはない

歯医者でも慣れてるしな

何本が麻酔を打たれていよいよ穴あけ作業だ

しかもパンチで開けるらしい

いつ開けたのかは分からなかったが確実に俺の体に4ミリの穴が空いたらしい

そしてついに絞り出しの作業が始まった

「うっ痛い!」

先生がぎゅっと摘むたびに蜂に刺されたかのような強烈な痛みが俺を襲う

どうやら麻酔があまり効いてないらしい

「痛いですか?ごめんなさいね」

今更謝られても仕方がない

これも修行だと思い俺は心の中で必死に般若心経を唱えた

こんな痛みなんでもないさ

俺は必死に痛みと戦った

ネット調べた時には痛みは全くないと書いてあったのに・・・

でも我慢できない痛みではないな

なんとかギリギリだが我慢できる

本気で腰を痛めたときのマッサージに比べれば屁でも無いわ

さすがにあれは「やめてくれぇええええええ」と叫びたくなる痛みである

そんなこんなでなんとか本日の治療は終わった

しかしまだ全部膿を取りきれてないという

「とりあえず穴は蓋をしときます」

「ん?蓋?」

そんなもので俺の体に空いた穴を塞ぐのか?

「また明日来てくださいね」

「明日もこの痛みと戦うのかよ・・・」

俺はすっかり意気消沈してお金を支払った

三千円

以外と安いな、でも明日大量に取られるかもしれない

一応お金は3万ほど用意しておかなければ

 

患部が右肩の付け根だけに右腕を動かすと痛みが走る

痛み止めが効いてるうちはいいが1日3回しか飲めない

塗り薬はまだ塗ることができない

そして風呂にも入れない

1番困るのが酒が飲めないこと

3日ぐらい我慢しないとな

そして木曜日は行けそうに無いな

残念だ

明日も痛いんだろうな・・・

なんでこうなった