鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

今度こそバルギル

2017年ツール・ド・フランス第13ステージ

ピレネー山脈の2日目

距離は101キロと通常の半分と非常に短いコース

しかし短いから楽ができるのではなく最初から最後まで激しい高速バトルで勝負に絡む選手には非常に厳しいコースだ

今回のコースはどうやら浅田監督率いるエキップ浅田のトレーニングコースだそうで

もちろん教え子の新城選手にとっても地元みたいなコースである

それだけに今日は逃げたいところ

しかし他にも逃げたい選手は多い

そしてこの日はフランス革命記念日

フランス人にとっては大切な日である

日本人の場合は愛国心がありすぎるとそれはそれで少々厄介なことになるからな

建国記念日とかも曖昧だし

前日はアルがマイヨジョーヌを獲得

果たしてスカイはどう出るのか?

正直このままの差で20ステージのTTまで行ってしまえばフルームの総合優勝はほぼ確定である

よほどのことが起こらない限りは

その他の総合争いは1秒でもフルームから差を広げておきたい

アル、バルデ、ウラン

しかしアシストがあまり機能していないだけに勝負どころまではコバンザメ戦法でいくしかないだろう

そしてアスタナの貴重なアシストでありエースでもあるフグルサングがパーレードランからおかしい

両手を離して走るフグルサングに余裕は全くない

どうやら相当骨折した手が痛いみたいだ

おそらく痛みでハンドルに手を置けない状態

そしてフグルサングは痛みをこらえて走るもレース途中でリタイアとなった

この日のコースは1級山岳を3つ登ってから下って平坦走ってゴール

最後の1級山岳を終えてからも先は長い

どこで誰が仕掛けるのか?

それとも仲良く総合系集団でゴールするのか?

レースが始まった

早速ヴォクレールがアタック

そしてバルギルもアタックをかける

ヴォクレールは引退前にもう一花咲かせたいベロベロアタック

バルギルはもちろん山岳賞アタックだ

しかし逃げたい選手は他にも多い

次から次へとアタックがかかる

やがてシャバネル、ジルベール、デマルキの3人逃げに

しかしこれも決まららない

新城も積極的にアタックを繰り返すが決まらない

そうこうしてるうちにスプリントポイントが迫ってきた

これでしばしアタック合戦は休戦

とりあえずはスプリンターの争いだ

マシューズ、キッテルの順番で通過

少しだけマシューズがキッテルとの差を詰めた

スプリントポイントを過ぎると再びアタック合戦

新城が入る10名ほどの逃げグループができるも決定的なものとはならない

そのまま1級山岳へ突入

デマルキが抜け出して最初の1級山岳を通過する

スタートから激しい超高速バトル

すでに残り70キロ地点

メイン集団からコンタドールがアタック

この日のコンタドールはかつての輝きを取り戻しつつあるかのようなキレがある

そこになんとスカイのランダがついていく

コンタとランダ

スペイン人連合で仲良くローテーション

メイン集団から20秒ほど差をつけて山頂を越えた

そして先行するデマルキも交わして先頭へ出る

まさかのコンタランダの逃げ

早め早めのコンタの仕掛けは予想通りだが決まるとは思わなかった

しかしコンタドールが元気だとツールは面白くなる

たとえ総合上位は難しくとも

ランダの逃げは全く予想していなかった

前日に監督ともめたことが関係してるのだろうか?

本当のことはスカイの中の人にしか分からない

スカイはいつも通りに集団をコントロールしてフルームを発射させたほうがいいような気もするが、とにかくランダは逃げた

次の1級山岳に入ると

メイン集団からはキンタナが飛び出す

これに反応してバルギルとクウィアトコウスキーがアタック

3人で追走グループを結成する

かなり豪華な逃げメンバー

メイン集団はタイム差2分半ほどでコントロールする

先頭のコンタランダと追走のキンタナたちとの差は30秒

2つ目の一級山岳を越えた

そしてすぐに最後の1級山岳がやってくる

全く談笑する暇もないこの日のステージ

ランダは仕切りにコンタドールを励ましながら走る

最大勾配18パーセントの壁が迫る

追走のキンタナ、バルギルもぐんぐん追い上げてくる

山頂付近でコンタランダにキンタナたちが合流

山岳ポイント目指してバルギルがアタックしてポイントゲット

これでこの日の目標の半分以上は達成した

あとはできることならステージ優勝

今度こそ勝ってガッツポーズをしたい

クウィアトコウスキーはどうやらチームからフルーム介護のために呼び戻された模様

メイン集団に合流して総合争いのメイン集団は8人となる

アル、フルーム、バルデ、ウラン、イェーツ、マーティン、マインティーズ、クウィアトコウスキー

メイン集団は先頭から1分43秒遅れで18パーセントの壁を越えていく

先頭の4名は仲良くローテーションして下りをこなしてゴールの街へ入る

メイン集団との差は再び2分まで開く

勝負はスプリント勝負に持ち込まれる

コーナーの多い街中を走り抜けていく

スプリント力はほぼ互角だろう

最初にコンタドールがアタック

キレのいいコンタのスプリント

しかしバルギルが反応してコンタを交わす

そしてそのままゴール

フランス革命記念日にフランス人バルギルが今度こそ本当にステージ優勝を遂げた

しかし今日は泣かないバルギル

でも嬉しいバルギルであった

 

残すは総合争い

最後の下りは勾配が緩く結構踏みこめる下りだ

そのために集団での牽制アタックが続く

フルームにバルデにウラン

だが決まらない

さすがに完全マークから抜け出せない

そこで比較的マークのゆるいDマーティンとサイモン・イェーツが飛び出す

この二人なら多少は先行させてもOKだ

結局二人はバルギルから1分39秒差でゴール

フルーム集団も特に争いもなく同タイムのゴールとなった

先頭との差1分48秒

総合上位の順位は変動なしだ

そしてランダが総合5位まで上がった

再び生まれるのかスカイの中の確執

ただTTが残ってるだけにランダがフルームを交わすのはかなり厳しい

 

敢闘賞はコンタドール

真の敢闘賞はバルギルだろうが「頑張ったで賞」的な敢闘賞に、あまり嬉しそうでないコンタドール

やはり彼が欲しかったのはステージ優勝

そして我々が見たかったのは久しぶりのバキューンである

そんなコンタドールが子供の頃からの憧れだったバルギル

憧れの選手を力でねじ伏せてのステージ勝利となった

総合は無理だが山岳賞は独走中だ

今後はフランス人マイヨジョーヌ獲得のためにチームを超えてアシストしたいとも語った

次なる勝負はアルプスである

 

今日は一癖ある平坦ステージ

細かなアップダウンもあるそうで一筋縄にはいかないステージみたいだ

そしてここはエキップ浅田の本拠地

これはもう新城の逃げを期待するしかない

おそらくキッテルはスプリントには絡めない

スプリント勝負ならマイケルマシューズだろうが

期待を込めて優勝は新城の逃げ切りで

 2位はヴォクレール3位ゴティエと同僚対決で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝バルデ黄アル

2017年ツール・ド・フランス第12ステージ

いよいよピレネー山脈に突入

クイーンステージに次ぐ勝負どころ

前半は平坦だが残り半分は山だらけ

2級1級超級1級2級

特に最後の2級山岳は距離は短いが急勾配だという情報だ

そしてその場所は小型機の滑走路らしい

全く想像がつかないな

急勾配な滑走路って

レースが始まると予想された通りにアタック合戦が始まる

その中には新城も含まれたが、なかなか逃げが決まらない

山岳賞狙いのバルギルも必死にアタックするが逃げには乗れず

プランBで途中から逃げる作戦に変更だ

なんせ長丁場、総合が動けば逃げは簡単に吸収されて次の動きが始まる

逃がしてもらえるかどうかは全てスカイ次第だろう

気がつくと12名の逃げが決まる

その中には緑男キッテルとマイケルマシューズが

彼らは中間スプリント狙い

キッテルにとっては

初めてのおつかいならぬ初めての逃げだ

お父さんお母さんも心配だろうが

ちゃんとカメラが見守ってくれる

それも国際映像で

その他の逃げメンバーにはディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ

今日も逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

今年も逃げるスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)

彼らは最初の1時間を時速48・5キロで逃げた結果

メイン集団とのタイム差は最大で6分半まで広がった

逃げが決まると直ぐにフルームは、おトイレタイム

奇しくも黄色い花満開のひまわり畑の前で黄色いジャージの男がトイレ休憩となった

レースはそのまま進みスプリントポイントに差し掛かる

キッテルとマシューズの一騎打ちだ

僅差でマシューズが中間を制して20ポイントゲット

しかしキッテルが2位に入ってるために17ポイントゲットでその差3ポイントしか縮められなかった

まさかキッテルがついて来るとはマシューズも予想外だっただろう

しかしかなり登れるスプリンターのマシューズにはもう一つのお仕事が残っている

同僚で山岳賞を狙うバルギルのための山岳ポイント潰しだ

逃げメンバーの中で今後バルギルの山岳賞のライバルになり得る可能性のあるデヘントのポイントをを潰すためである

4級2級山岳はデヘントが1位通過したが1級山岳では見事にマシューズが1位通過を果たしてこの日のバルギルの山岳賞キープを確定させた

それにしてもスプリンターが一級山岳山頂でスプリントして制する場面なんて初めて見たな

新城がヴォクレール引き連れて登った時も驚いたが

キッテルは1級山岳で予想通り逃げ切り終了

しかし初めての逃げはある意味成功

中間スプリントポイントで被害を最小限に抑えたからだ

キッテルパパママも一安心だろう

あとは無事にゴールするだけだ

BMCのキュングが走りながらのおトイレタイム

カメラは前方から映している

「あっ!」と思った時は遅かった

そのあともしばらく映し出されるジャンボ魚肉ソーセージ

スイッチングが気づいていなかったのかもしれないな

彼のアレは世界中に生中継された

逃げは11名になった

一方メイン集団はスカイが通常通りコントロール

その差は4分20秒で超級山岳へ突入した

まず一つ目の動きが期待される超級山岳だが、逃げグループでは生き残り争いとなる

超級山岳に入ると逃げのメンバーも力の差と体調の差が出てくる

さすがに超級ではごまかしきれない

まずはデヘントが抜け出してカミングスが後から合流して先頭は二人になる

その後からゴチエが単独で追いかける展開だ

超級の山岳ポイントを目指してデヘントが仕掛けるがカミングスに交わされて1位通過ならず

そのままカミングスの一人逃げが始まる

追走のメイン集団は順調にタイム差を縮めていく

しかしアスタナのフグルサングは落車骨折の影響で遅れ始める

また一人主役が怪我で脱落した

フォルトゥネオからブエとフェイユが二人でアタック

スカイは無反応

行かせても問題のない選手とチーム

無事に通行手形は発行された

しかし結局は力及ばず再びメイン集団へと吸収される

義兄弟

どうやらフェイユがブエのお姉ちゃんと結婚してるそうだ

親戚一同かなり盛り上がったことであろう

そのあとでバルギルが山岳賞アタック

それに乗っかろうとコンタドールが「俺を忘れるなアタック」

しかしスカイは無反応

かつての絶対的王者のアタックだがちょっと寂しい気がする

一つの時代が終わりを迎えようとしている

そしてバルギルとコンタドールも淡々と引き続けるスカイに吸収された

一人逃げのカミングスは超級山岳を通過

メイン集団との差は2分

逃げ切りは厳しい

下るに入る

特に攻めてる分けではないがスカイがオーバーランその中にはフルームも含まれる

それに巻き込まれてアルもオーバーランで二人とも停車を余儀なくされる

落車がなかっただけマシだ

二人のトラブルはトラブルではくミスなのでライバルたちは待つ義理はないのだが何故か律儀に二人が復帰するまでペースを落とすメイン集団

まぁスカイのアシストに最後までお仕事をして欲しかったのかもしれないな

フルームとアルを置き去りにするには、まだまだ早いってことだろう

それだけみんないっぱいいっぱい

一級山岳に入る

この日もこの男がガンガン集団を引き続ける、クウィアトコウスキー

給料上げてやってほしいな

相変わらずスゴイ仕事量だ

そして今度はキンタナがついていけずに脱落

やはりジロのダメージは相当大きい

残り8キロカミングス吸収

12名で1級山岳は争いなく通過する

やはり勝負は最後の急勾配の2級山岳だ

アルとバルデの表情がいい

フルームはいつものように分からない

スカイの引きはニエベに交代

残すアシストはニエベとランダ

この時点で二人もアシストを残すスカイ

やはり圧倒的なチーム力だ

一週目はこの二人の仕事は少なかったがそれも計算してのことだろうか?

短い下りを終えるといよいよ滑走路へと突入

残り2・4キロだが最大勾配20パーセントだ

最後の最後でこの勾配はさすがにこのレベルの選手でもキツイ

スカイは最後のアシスト、ランダを投入した

ランダがかなり調子よさそうだ

太い眉毛でグイグイ牽引

ここで同じく眉毛の太いコンタドールが遅れた

ハイペースで誰も動けない

残り1・5キロ

まだ動けない

残り1キロフラムルージュを通過

まだランダが引いている

そして誰も動かない

残り800メートルでジョージベネットがアタック

しかしランダが冷静にコントロールして吸収

残り500メートル

ウランが前方に上がりスプリントに備える

そこでアルがアタック

イタリアントリコロールに身を包んだ顔の長い男

自転車を大きく左右に振りながらガシガシ

アルのアタックには全員が反応

こうなったらあとは力勝負だ

そしてやってくる最大勾配

フルームが遅れた!!

アルにウランとバルデが迫る

まさに力勝負

エース同士のガチバトル

勾配がかなりキツイ

なかなか進まないスプリント

そして確実に遅れていくフルーム

ランダは前方でスプリントに参加

最初に仕掛けたアルは力尽きバルデに交わされる

フランス期待の星に迫り来るコロンビアの野獣

この激しい戦いを制したのは

フランス人、バルデだった

 

ウラン、アルは2秒差でゴール

そしてマイヨジョーヌのフルームは22秒差となった

ボーナスタイムが加算されて

マイヨジョーヌはアルの手に

2位のフルームとは6秒差

3位のバルデが25秒差

4位のウランが55秒差となった

 

バルデはこの最後のコースを試走していたそうだ

そして勝負どころまで我慢してたんだな

結果的にスカイのアシストがバルデのアシストでもあったのかもしれない

盤石かと追われたフルームだが

ここにきてまさかのマイヨジョーヌを手放すことに

今日も厳しい山岳ステージ

距離は短いが、短いだけにハイペースなレースになる可能性が高い

スカイの復讐

マイヨジョーヌ奪還のためにスカイが全力を出すのかもしれないな

ピザ野郎には渡さない

やはりフィッシュアンドチップス

しかしフルームの調子が分からない

たまたまバッドディだったのか?

それとも落ち始めてるのか?

どっちにしろこれで俄然と面白くなった今年のツールだ

 

そこで今日の予想

距離は101キロと短い

そのために凝縮された高速バトルが最初から最後まで続く

最後は1級を下ってゴール

ここでフルームのスーパーダウンヒル

しかしなんか嫌な予感がする

何も起こらねければいいが

総合上位で仲良く下りきればフルームだろうが

そしてこの日はフランス革命記念日

当然勝ちたいフランス人

こんな日に狙うのはディレクトエナジー

最初からチーム一丸でアタック合戦

ヴォクレールとシャバネルにケムヌールそしてカルメジャーヌ

映画ならヴォクレールのベロベロで逃げ切りだろうが

さすがに今の彼では難しい

カルメジェーヌの2回目の逃げ切りも厳しいかな

バルギルも逃げたいけど調子が落ちてきてるような気がする

やっぱりスカイが意地の攻撃仕掛けてきそうだしな

最後は総合上位のスプリントで

優勝ウラン

2位Dマーティン

3位アル

 

そのあとでバルデ

少し遅れてフルームだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5勝目キッテル

2017年ツール・ド・フランス第11ステージ

ピレネー山脈の入り口の街ポーへゴールする平坦ステージだ

距離は203キロ

ほぼ平坦だが4級山岳が一個だけある

特別この僅かな山岳ポイントを欲しがるものは今年のツールにはいない

レースがスタートすると一斉に3人が飛び出す

マルコ・マルカート(イタリア、UAEチームエミレーツ

マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

フレデリック・バカールト(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)

そしてこの日もこの3人の後に続く者はいなかった

メイン集団も5分差程度で抑えて走る

この日も集団を引くのはクイックステップとロットソウダルとカチューシャ

それぞれキッテル、グライペル、クリストフのためだ

クリストフは水面下でアスタナとの交渉が進んでるらしいが、アル、フグルサングと総合系を抱えるチームだけに大丈夫なんだろうか?

少なくともツールでは満足なトレイン要因は用意してもらえないだろう

この日は向かい風

それでも平均44キロほどで走る逃げ集団

メイン集団も途中からやる気を出して2分半までタイム差を縮めて維持する

コースは直線の平坦

集中を欠く選手も多いだろう

そんな中、補給ポイントで落車が発生した

アスタナのカタルドが手を痛めてリタイア

同じくアスタナのエース、フグルサングも手を痛めたもようだが再スタートした

あとは総合優勝を狙うバルデも落車

怪我の具合は軽いみたいだが、本当のことはわからない

途中から集団が横風を警戒してピリピリし始める

そのために自然とペースアップ

残り30キロ地点では逃げとの差が30秒に

もういつでも捕まえられるタイム差だ

すると逃げの3人の中からボドナールが単独アタック

他の二人をぐんぐん引き離す

さすがに独走力のあるボドナール

去年のツールではサガンやフルームと一緒に逃げ切っている

あと30秒が縮まらなくなる

そしてメイン集団はこの日も激しく位置取り合戦を繰り返す

全チームが横風を警戒している

すると残り22キロ地点でまたまたコンタドールが落車

すでに総合争いからは大きく離されているが、アシストに助けられてなんとか集団復帰を果たした

それにしても引退が近い選手は本当によく転ぶ

逃げのボドナールとの差は一向に縮まらない

残り10キロ地点では40秒

コースも逃げ有利なコースが続く

逃げ切りか?

少しづつだか差を縮めながら残り1キロのフラムルージュを通過

まだ捕まえられない

各チームはスプリントに備えての位置取り

残り250メートルでようやくボドナールが吸収される

あと250メートル

200キロ以上逃げてきて残り250メートル

しかしその250メートルは200キロよりも遥かに遠い

そして集団はそのままスプリントに入る

キッテッルが強すぎるためにまともなスプリントでは勝てない

ボアッソンハーゲンが雪辱を晴らすロングスプリント開始

続いてマイケルマシューズ

キッテルはこの日もかなり後方からのスプリント開始

その番手をフルーネウェーヘンが取る

グングン加速するキッテル

ついにボアッソンハーゲンも捉えて先頭に立つ

フルーネウェーヘンはキッテルに並びかけるも交わすまではいかない

この日も最後まで踏み込まずに勝利を確信してのガッポーズとなった

 

それにしても強すぎるキッテル

 

まともにやりあってはまず勝てない

とりあえずレースはピレネーに入る

スプリンターはしばらくおやすみ

今日は逃げが決まる可能性が大きい

総合も動くが逃げは逃げで逃がしてもらえそうな予感

ウランが総合上位でなければローランとか面白かったが

さすがに自由はもらえないかな

あとはコンタドールの介護をしなくてもいいのならパンタノも狙えそうだ

UAEのウリッシ

BMCはロッシュ

でもやっぱり山岳賞狙いで確実に逃げるバルギルだな

 

優勝逃げ切りバルギル

2位ヴィエルモーズ

3位フルーム

 

 

 

 

 

 

 

余裕4勝キッテル

2017年ツール・ド・フランス第10ステージ

休息日明けの平坦ステージだ

9ステージ時の落車の影響でマイカもリタイア

9ステージはスカイのクウィアトコウスキーに助けられながらもなんとかゴールしたが痛みがひどくて10ステージにてリタイアとなった

これでボーラはスプリントと総合のエースを失った

一週目で主役たちが姿を消していく中で始まった2周目

ピレネーを目指す平坦ステージ2連戦

4級山岳が2つあるが、それだけである

今年は1円貯金争いすら起こらないツールの山岳争い

何かが変わり始めてる気がする

レースが始まる

最初にアタックを仕掛けたのはワンティのオフルド

グイグイと踏み込んで後続を突き放す

そして後ろを振り向く

誰もついてきていない

思わず頭を左右に降るオフルドであった

この日も誰も逃げたがらない

オフルドのバイクのトップチューブには愛する家族の写真が貼ってある

「今日はパパ頑張るからな」と家族に伝えたかもしれない

しかし無情にもプロトンは無反応

それに見かねたのか同じワイルドカードでの出場のフォルトゥネオのジェスベールが来てくれた

3キロ地点でめでたく合流

この日は二人の逃げが決まった

メイン集団はクイックステップとロツトソウダルが牽引

いつものヴェルモトだ

ロットソウダルのバクと交代しながら集団を引いた

逃げとのタイム差は5分半まで開く

選手たちはフランスの観光地でもある今日のステージをおやつを食べては談笑して走りに抜けていく

周りにはこの日も広大なひまわり畑が広がり古城もたくさんある

しばしレースのことは忘れて風景に見入ってしまう

4級山岳はジェスベールがゲット

中間スプリントはオフルドと仲良く分け合う

メイン集団では中間スプリントポイント争いが軽く勃発

みんなそれほど踏み込むことなくライバルの後ろで通過してなるべくポイントが開かないようにする

ワンデーなら途中で動きもあるようなコースだがステージレースでは誰も動かない

この日もただひたすら逃げを泳がしながらゴール前まで進んでいく

残り距離が少なくなるに連れて集団内での位置取りが激しくなる

スプリンター系、総合系入り乱れてトレインを組む

残り7キロで予定通り逃げは吸収

若いジャスベールが敢闘賞をゲットした

逃げを吸収してより一層激しくなる位置取り争い

ロットソウダルとカチューシャの争いだ

残り5キロを切るとコーナーが続く

仕事を終えたアシストがバラバラと集団から離脱

残り1キロのフラムルージュはロットソウダルとカチューシャが先頭で通過

カオスな状況の中で全体のペースがやや落ちる

誰が行く誰が行く?

今年のツールは最初にサガンが押し出されることが多かったがサガンはすでにいない

次第にトレインも崩壊

エース単独や発射台のみとなる

残り300メートルでまずはクリストフが発射

それを合図に各スプリンターもスプリント開始

後方からフォルトゥネオの選手が迫り来る

そしてその番手には緑男キッテルだ

この日も後方からのスプリントを開始したキッテル

フォルトゥネオフォルトゥネオの選手をうまく発射台として使い加速する

残り200メートルだ

この時点でキッテルの勝利は確定

デゲンコルブやブアニにフルーネウェーヘン

みんな軽くぶっちぎり

最後は足を止めて余裕の両手を広げてからのガッツポーズでゴール

2017年のツール4勝目を決めた

 

今の状況を見てるとキッテルVSその他

そしてキッテルが頭3つ分以上抜けている

まるでパワーが違う

一体どうすれば彼に勝てるのか?

クイックステップ以外のチームが団結して横に並んで手をつないで道を塞ぐしかないな

まずは早めにエースを前に出しておいてアシスト陣がキッテルの前で道を塞ぐ

そして前に出ていた残りのエーススプリンターたちがフラムルージュをスタート地点として勝負をする

これだな

 

今日も平坦ステージ

しかもピレネー

また誰も逃げたがらない

おそらくワンティでも「おまえが行けよ、いえいえあなたがどうぞ」状態かもしれない

そしてやっぱり勝つのはキッテル

優勝キッテル

2位クリストフ

3位ブアニ

 

 

 

 

 

 

あじフライを大曽根駅で

とある平日の日

俺は名古屋市大曽根という場所にいた

ある用事を済ませるためだが

予定の時間が2時間半ほど空いたので時間を潰すことにした

どこか公園みたいな場所で読書でもしようと思い

近くに徳川園があることを思い出したのだ

徳川美術館も併設されている徳川園

いわゆる昔の大名屋敷である

1695年に造営された尾張藩2代藩主徳川光友の隠居所の大曽根御屋敷跡

大名屋敷らしく池泉回遊式庭園が今も残されている

街中に今でも残る静かな緑溢れる庭園

入場料は300円だ

ドトールで粘るよりは徳川園の方が有意義な時間を過ごせる

我ながらなかなか良いアイデアである

ただ残念なことにこの庭は空襲で丸焼けになっている

その後、昭和によくありがちな古いものを大切にしない風潮により

ただの公園として整備された

そして平成17年再び大名庭園として再整備されたのだ

そのためにどこか新しさも感じる大名庭園となっている

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庭園には巨大な池「龍仙湖」がある

その周りをのんびりと散策

平日とはいえ人はほとんどいない

おじいさんが一人ベンチに腰掛けているだけだ

その後5〜6人の老人の団体客が訪れた

俺が滞在した1時間に限ればそれだけであった

俺は紅葉や松などの剪定を見ながら池泉回遊した

ブクブクと太った色取り取りの鯉たちが仕切りに口をパクパクさせている

今度生まれ変わるのならここの鯉になりたいな

と、俺は思った

個人所有の小さな池でなく、この巨大な池で餌も毎日ちゃんと貰えて天敵もいない

好き勝手に泳ぎまわり人間を見つけては口をパクパクさせればいいのだ

しかしこの大きな庭

維持費ってすごいんだろうな

隠居屋敷か

やはり徳川の力は相当なものだったみたいだ

こんなに大きな隠居屋敷はいらないが、静かな場所に俺もこじんまりとした平屋の建物と茶室と小さな庭を完備した隠居屋敷が欲しいものである

仮にこれだけの敷地があったら日本庭園ではなく雑木ガーデンにしてMTBのコースを作りたいな

ちょうどいい具合に高低差もある

そんなことを妄想しながら俺は徳川園で一番涼しい場所、大曽根の滝へと向かった

どうやらこの大曽根の滝とやらは木曽山脈をイメージして作られたそうだ

そんな説明を聞かされても俺にはさっぱり木曽山脈には見えない

そしてここから流れる渓流が木曽三川だそうだ

やがて木曽三川は伊勢湾へ流れ込む

そんなリアル自然をリスペクトして再現した徳川園なのだ

俺は腰掛けた

大曽根の滝の前に設置してあるベンチに

そして、しばし読書に勤しんだ

マイナスイオンが俺を優しく包み込む

俺は時間が経つのも忘れて平松洋子さんのエッセイを読んだ

「あじフライを有楽町で」

時は11時だ

朝から何も食べていなかった俺は腹ペコであった

昼からの予定の前に腹ごしらえでもするかな?

俺は徳川園を後にした

併設の土産売り場でしばし足止め

ここは面白いものがいっぱいあって目移りしてしまう

しかし俺には余計な出費をする予算などない

俺は店を物色しつつ大曽根駅へと向かった

やはり11時半オープンの店が多い

結局俺は大曽根駅まで歩いてきてしまった

まぁいい

このあと予定を考えると駅にいた方が何かと都合がいい

俺は駅舎に併設されている飲食店を回った

ここもまだ開店前の店が多い

スガキヤは以前ヒドイ目に合ったからパスだな

そんな俺の目に飛び込んできたのが「かどや大曽根

どうやら名鉄が運営している居酒屋みたいだ

そして名古屋にしては珍しく昼から飲める貴重な店

食事系はラーメン、うどん、きしめんがメインとなるが

これに揚げ物を合わせた麺定食が620円で提供される

名古屋にしてはかなりリーズナブルな値段設定である

その他、おでんや串カツに土手など一品ものも昼からOK

俺は迷うことなく暖簾をくぐった

最初は麺定にする予定だった

俺は一応店内のおすすめメニューを見た「あじフライ200円」

即決だ

まずはあじフライで一杯だな

そしてそのあとで麺

ラーメンも捨てがたいが

ここは「山形だしうどん」これでいこう

よくわからんが山形を感じるいいチャンスだ

俺は単品としてあじフライ、山形だしうどん、生ビールを注文した

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早速ビールが運ばれてきた

このあとの予定まで残り45分

俺は歩き疲れた体に午後からの活力を与えるためにビールを飲んだ

やはりこれである

ここから俺の1日は始まる

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庭を見て読書して生ビール

先ほど読んでいて食べたくて仕方がなかったあじフライ

なんという黄金コース

まるでツールのクイーンステージではないか

俺は平日の昼間に揚げたて熱々のあじフライで生ビールを飲むという至福な時間を堪能した

もっとゆっくり飲みたいが、いかんせんこのあとの予定が詰まっている

俺はハフハフしながらソースをたっぷりと染み込ませたあじフライを堪能した

揚げたて熱々でサックサクだ

俺は急ぎ早に生ビールを飲み干した

厨房ではうどんが茹でられている

先ほどから「とろろ」との声が聞こえてくる

俺の想像では、さぞかし出汁を効かせたうどんと言うイメージで注文した

山形だしうどん

しかし出てきたのは冷やしとろろうどんであった

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「山形だしうどんね」と渡されたそのうどんは明らかに、冷やしとろろうどん

山形ではとろろのことを「だし」と言うのだろうか?

この上に乗ってる緑はなんだろう?

俺はとにかく混ぜ混ぜしてうどんを食べた

かなりコシのあるうどん

麺は讃岐系だ

実は俺はコシのありすぎるうどんは、あまり好きではない

最近では博多うどんがマイブーム

そして京都で食べる柔らかめなうどんが好きなのだ

でもこれはこれでうまいな

何よりも600円だしな

俺はちゅるちゅると冷やしとろろうどんを食べた

汁もあっさり系で一滴残さず飲み干した

ごちそうさま

合計1280円

名古屋としては安いな

カロリー的にもちょうどいい組み合わせ

俺は比較的満足して店を後にした

値段が値段だけに特別うまいというワケではない

しかし毎日のように立ち寄っては一杯飲みたくなるような

そんな店だった

また来よう

時間をチェック

次の予定は12時20分

急がねば

 

午後からの用事を済ませた俺は電車の中でスマホをいじくりまわした

山形で言う「だし」

調べてみた

どうやらあの緑が「だし」みたいだ

だし汁のことではなく、茄子・きゅうり・茗荷・紫蘇・オクラなどの夏野菜や香味野菜を生のまま細かく(5mm程度)刻んで醤油を絡めて冷やし、ごはんにかけて食べたりそのままお茶請けにしたりする山形の郷土料理

これが「だし」である

俺は全てを理解した

これは俺が好きなやつじゃないか

また一つ勉強になった

讃岐でなく稲庭あたりで作ったらうまそうだな

そしてその時には「だし」はたっぷりと欲しい

とろろはあってもいいが少なめだな

あくまで夏野菜を楽しみたい

酸っぱい梅干しのトッピングもありだな

それか大原の酸っぱいしば漬けを刻んだやつとか

どこかで食べれないかな?

やはり自分で作るしかないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あゝバルギル、されどウラン

2017年ツール・ド・フランス第9ステージ

翌日には待望の休息日を控えたクイーンステージ

クイーンステージと言っても髭面のおっさんが全身タイツで歌うわけではない

今年のツールで1番きつく、1番の勝負どころになるステージ

それが今回の第9ステージなのだ

フランス、ジュラ山脈

なにやら恐竜の足跡が発見されたとか

先日知ったのだが福井県の恐竜博物館は世界3大恐竜博物館の一つであるらしい

この日も逃げたいメンバーは多い

しかし超難関なサバイバルステージ

逃げ切れる可能性はスカイ次第である

ジュラ山脈から7つもの峠が登場

総獲得標高4600メートル

超級山岳は3つも登場

超級山岳ビシュ峠(全長10.5km/平均9%)

超級山岳グランコロンビエール(全長8.5km/平均9.9%)

超級山岳モン=デュ=シャ(全長8.7km/平均10.3%)

特に2番目の超級山岳はフランス最強の峠と言われてるそうで

峠マニアなんかテンダムよりも先によだれを垂らしてることであろう

スタート直後から2級山岳が始まる

いきなりの登りほど嫌なものはない

それだけに入念なウォーミングアップも必要だろう

体が温まってなければ登れない

前日からの体調不良が続くデマールはアシスト二人に守られながら最後尾でゆっくりと登る

一方集団は山岳賞狙いを含む逃げ合戦が勃発

まずはティボピノーが2級3級山岳ポイントをゲット

そしてこの日も逃げるバルギルにデヘントも山岳賞狙いだと思われる

この辺り酒をちびちび飲みながら観戦してるとカメラをあっちこっちスイッチングで誰がどこの位置なのか分からなくなる

ちなみにこの日のつまみはデパ地下、美濃吉の鯖の煮魚メインの惣菜セットだ

鯖がうまいなぁとしみじみ感傷に浸っていると

途端に逃げメンバーの構成などが変わっていく

やがてこの日も40人ほどの巨大な逃げ集団が誕生した

スカイは4分差まで差を容認

十分に逃げを捕まえられるタイム差である

40人の巨大逃げ集団とはいえこの日の山岳コースではサバイバルレースになる

さすがに相当登れる選手でないと生き残れない

案の定、最初の超級山岳に入るとバラバラと脱落する選手が

天候はあまり良くなくて路面も濡れている

下りが怖いなぁと思ってると

総合2位のゲラント・トーマスが落車

鎖骨骨折でリタイアとなった

そのあとで今度は

ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)

アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ

マヌエーレ・モーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ)の4人が落車

地面に倒れて「アァアアアあゝ、アァアアアあああ」と叫びっぱなしのモーリ

相当痛いみたいだ

この落車でモーリと前日2位と復活の兆しを見せはじめていたヘーシンクがリタイア

先頭から脱落するのではなく、本当の意味でのサバイバルレースとなっていく

ビシュ峠を下り切ると今度は

アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)

ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード

ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・ソウダル)

ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)の4人が逃げグループを形成する

ヴィエルモーズやパンタノはステージ狙いと各エースのための前待ち作戦だろうか

バルギルは昨日に続き調子が良さそうだ

そして次の超級山岳グランコロンビエールが始まる

ここで先頭はバルギルとブノートの二人に絞られて山頂はバルギルが1位で通過した

この時、追走のスカイにコントロールされたメイン集団からは6分差のリード

まだまだ安全圏ではない

そして下りに入る

後続から追走選手たちが追いついて再び12名の逃げ集団を結成

増えたり減ったり、少しトイレなどで目を離すと入れ替わっていて分けがわからない

ここからはしばらく平坦が続くために先頭の少人数で逃げるよりは一人でも多いほうが助かる

そしてこの平坦には今回も嫌がらせなのかサガンのためなのか中間スプリントポイントが設定されている

既にほとんどのスプリンターはテレビにすら映らないぐらい遅れている

その中で唯一残っているのがサンウェブのマイケル・マシューズだ

サガンがいなければこの男しかいない

かつてTOJの富士山ステージで日本のトップクライマーの誰もがこの男に敵わなかった

かなり登れるスプリンター、マイケル・マシューズだ

この中間スプリントを取るためにキツイ山岳を超えてきた

ロットソウダルなど他チームと話し合うもまだまだ半信半疑で人を信じられないマシューズ

スプリントポイントでも最大限の警戒をしながら無事に20ポイントゲット

これで一安心

あとはバルギルのために最後の一仕事だ

先頭は最後の超級山岳モン=デュ=シャへと突入

逃げグループからバークランツとギャロパンが抜け出す

かつて自転車選手であり表彰台のお姉さんだった現嫁をナンパしたギャロパン

愛のために彼は彼女と同じロットソウダルへと移籍した

そこに追いついたバルギルが先頭に立つ

彼の力なら十分ステージも狙えるが、とりあえずは山岳ポイントだろう

頂上まで残り6キロで単独になるバルギル

最後の超級山岳も1位で通過してトータル53ポイントゲット

山岳賞と敢闘賞を確定させた

一方メイン集団は2分半差で最後の超級山岳へと突入

スカイがハイペースで引き続けて集団は人数を減らしていく

突然フルームが手を挙げる

メカトラだ!

それを見たアルがこれまた突然アタックを仕掛ける

それに反応したのはキンタナ

焦るフルーム

しかしチームカーはこない、アルたちはどんどん先へ行く

去年の再現か?

レース後「あの時はマジでムカついた」と穏やかなフルームもご立腹だった

アルはアルで「フルームのトラブルのことは知らなかったんだよ。あとでチームから無線を聞かされて知ったんだ」

と語ってはいるが明らかにアルは知っていた

フルームのトラブルを確認してアタックをした

速達によりヴィノクロフから「構わず行け」とお手紙が届いたのかもしれないが

結局、リッチーなどがペースを落とすように言ってフルームたちは再びメイン集団に追いつき無線で怒られたアル達もまた集団へと戻ってきた

今度はアスタナのWエースの一人フグルサングが集団から飛び出す

ちなみに今カザフスタンのアスタナでは万博が開催中である

長い長いサバイバルレースでサイモン・イェーツ、マインティーズそしてコンタドールが力尽き集団から遅れ始める

やはりコンタドールの衰えは酷いみたいだ

落車もあったが結局何一つ攻撃を仕掛けることなく脱落した

リッチーやアルなどが攻撃を仕掛けるが決定的な攻撃にはならない

そして今度はフルームがペースアップ

ここでキンタナも何もすることなく脱落した

メイン集団はフルーム、リッチーポート、アル、フグルサングウラン、バルデ、Dマーティンに絞られた

最後の超級山岳の山頂を先頭のバルギルから30秒遅れで通過

いよいよ最後の勝負どころ

ダウンヒル

前哨戦のドーフィネでも下っているがかなり危険な下りだ

何もなければいいと思っていると衝撃的な映像が・・・

リッチーポートが落車

コーナーのイン側に落ちたリッチーはそのままのスピードで反対側の壁までふっとばされDマーティンを巻き込み壁に激しく激突

死んじゃうんじゃないかと思うような派手な落車

Dマーティンも一回転して転倒するも再び走り出す

ウランは間一髪で落車は免れたがこの時にDマーティンと接触してリアの変速機を壊した

この後はウランはずっとアウタートップかインナートップで走ることを強いられてしまう

リッチーは動けない

ドクターが駆けつけて応急処置をした後で救急車で運ばれた

検査の結果は鎖骨骨折と骨盤骨折

重症ではあるが当初心配されたほどの怪我ではなかったみたいだ

とりあえず一安心

しかしまた一人主役が脱落した

バルギルは軽快にダウンヒルをこなす

一方フルーム達は安全マージンをとってのダウンヒル

フグルサングは急に下れなくなった

やはり目の前でリッチーの落車を目撃したからだろうか?

すると追走集団の中からバルデが抜け出す

ぐんぐんとフルーム達を引き離して先頭のバルギルを追いかける

下りが終わり平坦区間に入るとバルデはバルギルに追いついた

同世代のフランス人

子供の頃からもライバルとして戦ってきたであろう二人が先頭になる

残り12キロ、バルデとの差は20秒

ここでついにバルギルが力尽きる

前日の疲れ、この日も早い段階から逃げている

単独先頭に立つバルデ

しかし後続も仲良くローテーションしながら追いかけてくる

ウランもギアが壊れているのにもかかわらずローテーションに入る

登り基調ではかわいそうなほどグイグイと踏み込んでいるウラン

ただ追い風が幸いしたのかアウタートップでもなんとかレースをこなせている

道は平坦だが結構テクニカルなコース

逃げが有利なコースだ

しかし残り2キロでついに追走はバルデを捉える

後はスプリント争いだ

普段はスプリントなどしない総合系の選手達

フルームはさいたまクリテでのスプリント勝負でサガンを下しているが、さすがにさいたまのように周りはクルクルと軽いギアで手加減してスプリントはしてくれない

ここはツールのクイーンステージ

真剣勝負である

スプリント力はウランがややリードか?

しかしここまで山岳を超えてきただけに全く様子がつかないスプリン勝負

そしてウランの自転車はリアの変速が壊れている

フグルサングが先行する

ウランがうまく番手を取りスリップストリームを使いながら加速して先頭へ

そこに何とバルギルが!

ハンドルを投げ合うウランとバルギル

手を上げて勝利を確信するバルギル

勝ったのはバルギル

誰もがそう思ったであろう

バルギルが泣いている

よほど嬉しかったのだろう

連日の逃げ

そしてかなり厳しい今日のステージだ

そして写真判定の写真が出た

「ん?」

な、何とウランの車輪がバルギルよりわずかだが先にゴールラインに到達している

その差リム分

勝ったのはウラン

ゴール前のVTRが流れる

やはり勝利を確信するバルギルが写っている

寺山修司ではないがまさに「あゝ無情」

しかし勝者はウラン

ウランが見事にこのクイーンステージを制した

今後バルギルはこの時のゴールシーンを突然思い出して

「あゝあぁああああああ」って叫びたくなるかもしれないな

 

なかなか帰ってこないスプリンター達であったが有力選手は何とかタイムアウトを免れたみたいである

しかし心配されたデマールはアシスト3人とともに間に合わずにタイムアウト

この日FDJはエースデマールを含む4人もの選手を失った

そして他のタイムアウトには

お兄ちゃんサガン、レンショー、トレンティン

確かトレンティンは昨日逃げてた気がするが疲れが残ってたのだろうか?キッテルにとっては痛いリタイアだ

そしてエースを失いモチベーションを失ったお兄ちゃんサガンとレンショー

それぞれがサガンカヴェンディッシュのアシストである

この二人も第1週目でツールから去ることとなった

 

総合は大きく動いた

1位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) 38:26:28
2位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) 0:18
3位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) 0:51
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) 0:55
5位 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) 1:37
6位 ダニエル・マーティンアイルランドクイックステップフロアーズ) 1:44
7位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 2:02
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 2:13
9位 ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) 3:06
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) 3:53

 

2位のアルが18秒

3位のバルデが51秒

4位ウランが55秒

総合争いはこの辺りだろうか?

3位争いが面白そうだ

最初はこの時点でフルームの優勝はほぼ決まるかと思われたが

アルが粘っている

そして意外なウラン先輩が4位につけている

アルは波があるだけに3位のバルデとフルームとの争いになるのかな?

今日は休息日

選手も我々視聴者ものんびりと休める

そしてツールはまだ半分以上残っているのだ

 

第10ステージは平坦コース

おそらくスプリント勝負だろう

逃げとスプリントチームとの追いかけっこ

でも逃げも少ないだろうな

みんなピレネーに備えて休みたいだろうし

4級山岳でのペースアップが勝負どころだがミラノ〜サンレモような展開にはならない

結局はスプリント勝負で

優勝キッテル

2位にマシューズ

3位にクリストフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げた攣ったカルメジャーヌ

2017年ツール・ド・フランス第8ステージ

この日からいよいよジュラ山脈へ

しかし総合系の本番は明日のクイーンステージ

そのために今日はまずライバルの調子を見る機会

そしてステージ狙いの選手は逃げるチャンスだ

今までの平坦ステージはほぼ逃げ切りの可能性ゼロ

ようやくこの日にチャンスが訪れた

3級2級1級と登るが

勝負所はやはり最後の1級山岳

俺の予想はディレクトネナジーの新星カルメジャーヌの逃げ切り

ツール1本にかけているディレクトエナジー

その中でもこのステージで勝てる可能性のある選手は彼だけだからだ

そんなこともあり俺はスタート直後からとにかくディレクトエナジーに注目していた

たまにロットLLユンボと間違えるが

やはりこの日は逃げたい選手ばかり

ようやく激しいアタック合戦が始まった

飛び出したシャバネルがガンガン弾く

ヴァンアーベルマートなど実力者がどんどん逃げに乗ってくる

思い出した!

このステージはシャバネルがオメガファルマの頃に逃げ切ってマイヨジョーヌを獲得したステージだ

そしてお友達で同部屋のピノーとそれぞれ山岳ジャージとマイヨジョーヌを着てホテルの部屋ではしゃいで写真を撮っていた時のステージだ

ちなみにピノーはジロで新城のステージ優勝を阻んだ男だ

レースはかなりのハイペースで進んでいく

とにかく逃げたい選手が多すぎる

決まったかと思ってもサンウェブが逃がさない

スカイはどうでもいいような感じだが

絶対にスプリントポイントまでは逃げを決めさせたくないサンウェブ

意地でもシャバネルたちを追いかける

どうやらマイケルマシューズの中間スプリント狙いみたいだ

そのままアタックと吸収を繰り返して逃げが決まらないままにスプリントポイントへ

スプリンターたちはここが今日のゴールと言っても過言ではない

最後まで残れる可能性のあるスプリンターはマイケルマシューズぐらいだ

珍しく踏み込むキッテル

各スプリンター本気のスプリント勝負

グライペル、マシューズ、キッテルの順番でスプリントポイントを通過した

これと同時に再びアタック合戦勃発

スプリンターチームはもう好きにしてください状態

総合系も最初からどうぞどうぞ状態

ちゃっかり総合を脅かす選手が抜け出さないようにスカイとBMCがチェックする

いわゆる関所みたいなものである

通行手形を持っている者のみが先へ逃げられる

とにかくハイスピードな展開

スタートから1時間半が経過した頃に気がつくと50名ほどが抜け出している

見てる方も選手たちも何が起こったのかわからない

とにかく約50名の巨大な逃げ集団が誕生した

メンバーは結構豪華なメンバーが

そしてその中にはカルメジャーヌも含まれている

実況解説陣も話してたサクソバンク時代のリッチーポートが頭角を表したジロでの50人逃げ集団の時を思い出した

これは逃げ切れるぞ!と思ったがジロの時のように集団はうまく回らない

メイン集団も常に捕まえられるタイム差で追走

これではダメだと逃げ集団の中からもセレクトがかかり

16名ほどが分かれて先頭集団になる

ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール)

グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

ミカエル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ)

セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ)

エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)

リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)他

すごいメンバーが残った

バルギルが調子よさそうだな

カルメジャーヌは集団後方を走ることが多い

日本の片隅でレース開始からずっと彼を応援している日本人がいるなんてカルメジャーヌは知る由もない

そのあともレースはハイペースで進み

常にアタックと吸収を繰り返す

いつまでたっても落ち着きを見せないこの日のレース

力無き者からどんどん脱落していくサバイバルレースである

メイン集団も常に安全圏へ止めておくようにコントロール

差は広がることも縮まることもしない

2級山岳を超えたところで先頭集団はさらにセレクトがかかる

植物で言えば間引きである

残されたものは

バークランツ、ヴァンアーヴェルマート、パウェルス、バルギル、カルメジャーヌ、ニコラス・ロッシュ、ロベルト・ヘーシンク、サイモン・クラークの8人

メイン集団から3分差

ここにヴァルグレンが単独で追いついてきて9人となる

9人となった先頭集団で最後の一級山岳だ

残り45キロで下を走るメイン集団のスカイがオーバースピードでコースを外れる

フルーム落車か!と思われたが草むらのためギリギリのところで落車回避

ライバルチームもペースダウンしたおかげでフルームたちは無事に集団へ復帰した

先頭集団ではヴェンアーベルマートなど脱落者がで始める

そして調子が良さそうだったバルギルもここで力つきる

カルメジャーヌの逃げ切りが見えてきた

しかしスカイもどんどんペースアップ

引くのは今日もクウィアトコウスキーだ

彼の引きで先頭との差は1分台に突入

勝負はまだまだわからない

1級山岳先頭の逃げ集団、山頂まで残り5キロでカルメジャーヌが渾身のアタック

おそらくシャバネル先輩からのアドバイスもあったのだろう

ニコラス・ロッシュとヘーシンクというエース級の実力派ベテラン達をどんどん引き離していく

カルメジャーヌはヘーシンクから15秒のタイム差を稼いで山頂を超えた

残りは11キロ

そのうち半分は下りであとの半分は平坦かゆるい登りだ

とにかく全開で逃げるしかない

下りでギリギリのところを攻めるカルメジャーヌ

見てる方もヒヤヒヤする

追走のヘーシンクとの差は30秒まで開く

メイン集団とは1分以上の差がある

おそらくほぼ逃げ切り確定

アクシデントさえなければだが・・・

必死に応援する俺

この日だけは完全に睡魔もぶっ飛んでいる

ガンガン走るカルメジャーヌ

下りが終わりゆるい登り返しになった時に事件は起きた

カルメジャーヌが急激にスピードダウン

そして走りながらのもも裏ストレッチ

明らかに足が攣っている

それでも必死に走る

まだまだヘーシンクとの差は開いてる

メイン集団も大丈夫だ

ペースダウンしながら痙攣が収まるのを待つ

そして再び動き出すカルメジャーヌの足

ゴールは目の前だ

そしてついに舌が出た

ベロベロとカルメジャーヌが舌を出している

受け継がれる伝統

ヴォクレールからカルメジャーヌへと

今年で引退のヴォクレールからカルメジャーヌのチームへと変わった歴史的瞬間である

これからは俺がチームを引っ張って行くんだと

強い意志の現れ

そんなベロベロ

これで優勝を確信

もう足の攣りなど関係ない

ただゴールまで走り抜けるだけだ

後方を確認

チームカーとも勝利を確信

しばし足の痛みも忘れて腕をぐるぐる回しながらのグリコポーズ

ツール初出場の24歳

そしてフランス人カルメジャーヌが第8ステージを見事に逃げ切った

同時に山岳賞ジャージと敢闘賞も獲得

ゴール後地面に倒れこみストレッチを受けるカルメジャーヌ

すでに去年のブエルタでステージ優勝はしているが嬉しいツール初勝利となった

そして俺自身も初の逃げ切り予想的中

さすがに3連単とは行かなかったが

やはり逃げ切り勝利の予想的中はかなり嬉しい

まず予想した選手が逃げるかどうかもわからない

そんな中で逃げて逃げて逃げ切ってくれた

今日は俺もお祝いムード

高島屋まで行ってアンリ・シャルパンティエのフランス焼き菓子フィナンシェとマドレーヌを購入

ヴィッテルの水を入手できなかったのが心残りではあるが

そして毎日のようにJスポのスタジオで食べられている羊羹

俺は人生初のとらやのミニ羊羹も買ってきたのだった

今日はお祝いである

レースは2位には粘りのヘーシンク

3位にはメイン集団から飛び出した哲学者マルタン

4位にニコラスロッシュとなった

 

さて今日はクイーンステージ

とにかく最初からギザギザ

おそらく触るものは皆傷つけられる

そんな子守唄のようなステージ

2級3級3級超級超級4級超級下ってゴール

明日はお休み

今日も逃げたい選手は多いだろう

前半からハイペースのサバイバルレース

デマールは生き残れるのか?

調子の悪いものはどんどん振るい落とされる

果たして誰が生き残り山頂を通過するのか?

真の勝負は山頂からの下り

昨日のオーバーランがどこまで響くかチームスカ

今日の予想は

今日も逃げ切りはありそうだが

総合は確実に動く

よほど登れる選手でない限り飲み込まれる

超級がありすぎてどこで動きが出るのか読めないな

これが19ステージとか20ステージなら早めにコンタドールが動くんだろうが

どちらにせよスカイの引きについていけないエースたちは落ちていく

残されるのはフルーム、アル、リッチー、マイカ、キンタナ、遅れてDマーティンそしてゲラントトーマス

やっぱり今日はフルーム

優勝フルーム

2位リッチーポート

3位マイカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僅差キッテル

2017年ツール・ド・フランス第7ステージ

山岳ステージ前の平坦ステージ

そして七夕である

フランスに七夕イベントがあるのかどうか知らないが

とにかく七夕である

肝心のレースはこの日もあっさりと逃げが決まった

デヘントが前に出ていたが結局逃げない

ヴォクレールも逃げない

おそらく明日逃げたいのかもしれないな

そして意外なことにワンティも逃げない

結局はマキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

マヌエーレ・モーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ

ヨアン・ジェーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

の4名の逃げが決まった

注目なのはキャノンデールのファンバーレだ

この日も215キロと200キロ越えのステージ

コンタドールも言っていたが200キロ超えのステージはいらないな

長すぎて見てる方もツライ

どうせメイン集団もおやつ食べながらの談笑タイムになるだけだ

途中4級山岳があるがポイント少なすぎて誰も興味を示さない

まぁ取れるなら一応取っておくかぐらいの感覚だろう

リーダーチームのスカイは明日に備えて体力温存

この日も心の中は「別に逃げ切られても構わないし」だ

逆にスプリンターチームは山岳前に勝てる可能性のあるステージは勝っておきたい

この日も集団をコントロールしたのはクイックステップやロットソウダル

タイム差2分半ほどでレースは進んでいく

そしてこの日も何も起こらない平穏なステージ

途中横風が吹くとピリピリしだすが、どうやら最近はレース前に各チーム車を走らせてコースと風を確認してるそうだ

そのために集団も警戒すべき場所はわかっている

そしてみんなが警戒すれば事件は起こらないのである

情報を入れすぎるというのも安全面では良いことなんだろうが、やはりレースはつまらなくなるな

平坦ステージはとにかく何も起きない今年のツールだ

途中ではワイン畑が広がる

正式にはブドウ畑だが

ブルゴーニュ

名前だけは知っている

ワインは温度管理がめんどくさいので飲まないが、たまに無性に飲みたくなる

そんな時は日本酒の純米大吟醸で白ワイン気分を味わうぐらいだ

レース終盤は横風警戒もありピリピリ感が持続する

しかし道がクネクネ

やたら風向きも変わり結局は何も起こらないが集団はポジション争いも含めて自然とペースアップ

残り40キロでタイム差1分

この日も逃げきりの可能性は、ほぼゼロ

最近、実況解説陣がやたらと「ほぼほぼ」という言葉を使うがアレは辞めた方が良い

谷崎潤一郎あたりが放送を見ていたら激怒してクレームのツイートをすることであろう

とにかく激しい今年のスプリント争い

実力的にはキッテル断トツでその他大勢だが

各チームは終盤まで綺麗にはトレインが組めない

最後はエースが単独でスプリント争い

今までならそんな混戦状況では勝ちきれなかったキッテルだが今年は明らかに進化している

とは言ってもできることならチームの助けを借りたい

FDJが一気に後方から上がる

デマールとブアニがぶつかり合う

残り2キロ

サンウェブ、FDJ、クイックステップ、ディメンションデータ

この日はクイックステップが先頭で残り1キロのフラムルージュを通過した

しかしエースカヴェンディッシュを失ったディメンションデータのトレインも強い

誰でいく?

やはりボアッソンハーゲン?

ボアッソンハーゲンとクリストフの争いだ

そしてマイケルマシューズ

ボアッソンハーゲンが伸びるがこの日も後ろからキッテルがグイグイ加速

ハンドル投げるボアッソンハーゲン

まさかのボアッソンハーゲン?かと思われたがカメラはキッテルへ

写真判定では後ろから差してきたキッテルと同着に見える

何回見ても差は全くわからないが

勝ったのはキッテル

まさに紙一重

しかしあまりにも大きな差

それがツールの1位と2位

勝者と敗者

西方浄土と地獄

絶好調キッテルが3勝目でマイヨベールも獲得した

そしてこの日のデマールは後方で沈んだ

 

キッテルはゴールラインを少し間違えていた

まだ200メートルあると思ってたところで残り150メートル

結果そのことが幸いして最後まで踏み切ることができた

そして最後の勝敗を決めたのはハンドル投げのタイミング

極僅かなコンマ何秒というタイミングの差

その差はあまりにも小さく大きかった

 

 

今日は山岳ステージだが最後の一級山岳を登ってから平坦が11キロあるそうだ

しかも一級山岳とは言え平均勾配6パーセントでほぼ一定勾配

つまり仕掛けどころのない一級山岳

そして仕掛けて抜け出て山頂を先頭で超えてもゴールまでは残り11キロもある

クライマーが単独で逃げるには長すぎる距離だ

タイム差を少しでも縮めたいコンタドールとキンタナだろうが

今日仕掛けるのは難しい

おそらく総合系は小集団で仲良く山頂超え

そこからの11キロが勝負所

平坦が強いのは圧倒的にフルーム

そして次にリッチーポート

山頂フィニッシュならアルやマイカも期待できたが

あとはチーム力の差だろうな

そこで今日の予想はフルームで

でも逃げが決まるかもしれないな

本当の勝負は明日ということで

逃げ切りカルメジャーヌ

2位にフルーム

3位にリッチーポート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抜けてるキッテル

2017年ツール・ド・フランス第6ステージ

この日から始まるヴォージュ山脈からジュラ山脈へ移動するための2日間

ほぼ平坦ステージ2連戦の初日である

この日もヴォクレールが集団前方に位置して逃げるぞ体制

スタートが切られると数名が飛び出す

いつもの通りワンティの選手とディレクトエナジーとUAE

どうやらヴォクレールではなくディレクトエナジーはケムヌールみたいだ

ケムヌールは後ろを振り向き集団に「もっと来いよ!」アピール

しかしこの日も無情なほど逃げたい選手はいなかった

暑さのせいなのか?ジュラ山脈を控えて体力温存なのか?

そして途中で獲得できる山岳ポイントも少ない

さすがにこれでは誰も無駄な体力は使いたがらない

スポンサーアピールのプロコンチ以外は

しかしプロコンチとはいえツールのワイルドカード2枠はコフィディスディレクトエナジーでほぼ確約されている

その他2枠の争い

しかしその中の1枠はイノーさんの置き土産的なコネ枠があるため実質残り1枠

どのチームが招待されるかは主催者の気分次第

来年も出たい

そのためのワンティ連日の逃げである

ここから216キロの長い旅の始まりである

捕まる覚悟で逃げる3人

UAEからはラエンゲン、ディレクトエナジーはケムヌール、ワンティはバカールト

のんびりとフランスの大地を駆け抜けていく

本来ならマイヨジョーヌ保持チームのスカイが集団をコントロールするのがマナー

しかしスカイは総合優勝を狙うチームであって、おそらくスプリント争いとなるであろうこの日のステージ勝利には全く興味がない

そのためにスカイ的にはフルームの総合を脅かすような逃げメンバーでない限りは逃げきられても一向に構わないのだ

むしろ一旦マイヨジョーヌを総合に絡まない安全な他チームに渡してスカイのアシスト陣を休ませてあげたいぐらいだろう

逃げとの差は4分まで開く

さすがにスプリントチームは今日のステージを狙うためにスプリンターを連れてきている

スプリンターがエースとなっているチームも多い

暑いけど仕方がなくエフデジ、クイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシン、ロット・ソウダル、コフィディスらスプリンターチームが仲良く集団をコントロール

これにより逃げ集団はいつでも捕まえられる位置で延々と泳がされるのだ

その距離約200キロ

Jスポのスタジオ内でもレースの展開が変わらないためしばしば無言になる

放送事故?かと思うとガサガサと音がする

どうやら羊羹などおやつを食べているみたい

俺も食べたいな

思わず買い置きの補給食用のミニ羊羹をボトルに入れた水とともに美味しくいただいた

ヤマザキのミニ羊羹一個50円

カロリーは170キロカロリーとおにぎり一個分相当

ちょうどいい塩梅の補給食である

とにかくレースはスプリントポイント意外一切動かない

これが平坦ステージ

最後に劇的なドラマが待ち受けている

そのために我々は睡魔と闘いながらもテレビ観戦をするのだ

想像していたより引き出しの少ない土井ちゃん

宮沢も流石にネタ切れ傾向

谷口さんがなんとか場を繋ごうとするが

この日はやたらと無言状態になる場面が多かった

レースは延々と2分差で推移

興味深かった話は宮澤崇史さんが一番最初に乗ったロードバイクパナソニックのクロモリだったこと

俺と同じじゃないか

ちょっと嬉しい気分

先日の放送ではマッサーの中野さんの知り合いのカザフスタンの選手がお金がなくてパナソニックパールイズミが支援していた

その時のことを非常に感謝していて引退した今でもパナソニックのクロモリを大切にしているそうだ

そもそも電気屋のパナソニックが何故自転車事業をやってるのか?

創業者である松下幸之助が自転車屋に丁稚奉公してたことにより自転車界への恩返しとしてパナソニックは創業者の意思の元で今でも自転車を作り続けているのだ

 ツールやパリルーベなどでも実績十分なパナソニック

かつてはマイヨジョーヌも獲得したメーカーである

いつまでもコスパのいいクロモリバイクを作り続けて欲しい

そんなこんなでレースは残り30キロを超えてからようやく始まった

徐々にペースをあげるメイン集団

逃げ集団も残りの体力と相談しながらも出せるだけの力を出して逃げる

残り20キロでタイム差は1分

何かが起こらなければ逃げ切りは不可能だ

最後の抵抗

残り10キロ地点でタイム差わずかに26秒

各スプリンターチームも本気を出し始めた

残り3キロでついに逃げグループはメイン集団に吸収された

200キロ以上の逃走劇

ラエンゲンが敢闘賞を勝ち取った

メイン集団はスプリンターチームによる激しい位置取り合戦

残り1キロを切ってからロータリーが登場

落車は無い

残り800メートルで一か八かのボアッソンハーゲンのロングスプリント

このステージで彼が勝つにはこれしか無い

しかしスプリンターたちも彼を逃がさない

残り60メートルで捕らえてそのまま集団スプリント

グライペルがいい

キッテルはどこだ?

ブアニはデマールの番手を取った

フェンス際からデマールが狭いところを強引に抜け出す

見てる方はヒヤヒヤ

カヴェンディッシュの落車が頭をよぎるが全身緑男のデマールはギリギリのところを抜け出してグライペルを捕らえた

クリストフとブアニは前を塞がれている

デマールか?グライペルか?

そこでようやくキッテル登場

後方からぐんぐん加速してきてトップに立ちそのままゴール

ステージ2勝目となった

 

この日も実に見ごたえのあるスプリント勝負

このために200キロのだらだらとした展開を我慢するのだ

最後だけ見ればいいと思う人も多いと思うが

やはり最初から見ないとロードレースの面白さは伝わらないのだ

なんでも無いことに意味がありそれが最終的に結果へと結びつくのである

それにしてもあの位置からスプリントでぶっちぎるとはトップスプリンターの中でも頭一つ抜けているキッテルである

彼の前が空いている限りは多分誰も勝てない

キッテルが頭2つ分ぐらい飛び出てデマールがいる

その半馬身ぐらい後ろに他のスプリンターが団子状態だろうか

キッテルがスプリントできないようにゴール前で各チームトレインを組んでクイックステップを沈み込ませるしか勝ち目は無いかもしれない

力勝負では誰も勝てない

 

今日もほぼ平坦ステージ

そして七夕

織姫と彦星も朝から励んでるのかもしれないな

なんせ1年ぶりだ

七夕と言えば笹の葉さらさら

で緑のイメージが俺にはある

なので今日はジャージもバイクも緑色のデマールだなといいたいが

横風分断でFDJ取り残されて結局は今日もキッテル

2位にはグライペル

3位にはマイケルマシューズ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶっちぎりアル

2017年ツール・ド・フランス第5ステージ

早くも一級山岳登りゴール

総合系の争いも見えてくる

スタート直後からのアタック合戦

この日もヴォクレールが逃げにチャレンジ

今年で最後だけに勝てないまでもベロベロがみたい

何回かアタック吸収アタックが繰り返され

気がついたら豪華な逃げメンバー

彼らで1チーム作れるんじゃないかと思わせるようなメンバー構成

トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

ミカエル・ドゥラージュ(フランス、エフデジ)

エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)

ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

総合成績が一番いいのはボアッソンハーゲン

エースを失ったディメンションデータが早速仕掛けてきた

現役最強逃げ屋のデヘントにこの日がお誕生日の元世界王者ジルベール

そしてこの人なしでツールは語れないトマ・ヴォクレール

途中に3級山岳があるが最後の一級山岳まではほぼ平坦なコース

逃げグループは最初の1時間を平均速度47・8キロで爆走した

普段ならマイヨジョーヌを保持しているチームスカイが先頭を引き、集団をコントロールするところだがこの日は違った

リッチーポート率いるBMCが集団の前に出ると高速でメイン集団を牽引し始めた

これによりレースはハイペースで進む

逃げても逃げてもタイム差は開かない

BMCのこの日にかける意気込みがうかがえる

3級山岳で逃げ集団からバークランツが抜け出し独走に入る

山岳ポイントをゲットすると再び逃げ集団に合流

しかしこの時に逃げ集団は力の残っている6人に絞られた

そして意外にもデヘントが脱落した

残り20キロでタイム差2分

最後の1級山岳へ向けて集団もより一層活性化する

BMCに加えてアスタナ、AG2R、オリカも先頭交代に加わり逃げを捕まえるべきフル加速するメイン集団

先頭の逃げ集団は脱落者をどんどん切り離していく、まるでICBM

最後の弾頭はお誕生日ジルベールとバークランツの実力派

そのまま大気圏を突破かと思われたが残り4キロで彼らも燃え尽きた

ジルベールのお誕生日アタックも終わったが見事に敢闘賞をゲット

おそらく夕食時にはケーキが用意されることであろう

しかし毎日毎日甘いものばかり食べてる選手達は果たしてケーキが食べたいのだろうか?なんなら俺が代わりに食べてあげたいぐらいだがさすがにフランスは遠い

レースは1級山岳を前にして振り出しに戻る

1級山岳ラ・プロンシュ・デ・ベルフィーユ目指してスカイがペースアップ

元世界王者クウィアトコウスキーの引きがスゴイ

一人でガンガン引き倒してニエベに交代

今年のスカイも強力なアシスト陣だと思ってたら知らない間にモントーヤとか姿を消した

フルームはいつものように下を向き苦しそうな感じにも見えるが、この男は分からない

そんな中、残り3キロ切ったところでパスタかピザが食べたくなるような全身イタリアントリコロール男がアタック

現イタリアチャンピオンのアルである

ニバリ同様顔が長い系伊達男

かなりキレのいいアルのアタックに誰も反応できない

あっという間に20秒ほど差を広げた

マイヨジョーヌのゲラント・トーマスがフルームを引っ張る

そして残り1・6キロでついにフルームが動いた

メイン集団崩壊

ギリギリで踏ん張ってた選手が遅れる

心が折れる瞬間だ

なんとか心折れずフルームに食いさがるのは、元フルームのアシスト、リッチー・ポートとフランス期待の星バルデ、そして不屈の男Dマーティンだ

キンタナ、コンタドールはここで脱落

フュージョンしてコンタナとなってた二人だが、それぞれコンタドールとキンタナの姿へと戻った

一方先頭ではアルがガシガシ走る

ステージ優勝が見えてきた

かつてニバリが勝ったこの山岳で再びイタリアチャンピオンが雄叫びと共にガッツポーズをした

2位争いはなんとDマーティン、アルから16秒差

時にリッチーはフルームのアシストとなるが最後はやはりフルームに交わされるもなんとか同タイムでゴール、3位4位の20秒差でこのステージを終えた

5位にはバルデ24秒差、6位にサイモン・イェーツ26秒差、ウランコンタドール、キンタナは34秒差でゴールした

ウランが7位に入ってる

さすがに近代コロンビア旋風の先駆者

双子のイェーツ兄弟は誰も見分けがつかないので途中で入れ替わる作戦もアリかもしれないな

終わってみれば早くもフルームがマイヨジョーヌ獲得

総合はスカイからスカイへ

2位は同僚トーマスで12秒差

3位にジャンプアップのアル、14秒差

4位がDマーティン、25秒差

5位にリッチー・ポート、39秒差

6位サイモン・イェーツ、43秒差

7位バルデ、47秒差

8位コンタドール、52秒差

9位 キンタナ、54秒差

10位マイカ、1分1秒差

流石にまだまだ総合は分からないな

マイカまで1分差

何も起きなければ挽回できない差ではあるが

何が起こるかわからないのがツールだ

再びフルームがランニングするかもしれない

途中でお腹が空いてもリッチーは助けてくれない

俺の総合予想は

フルーム

アル

リッチーと書いておいた

今の所、非常にいい感じだ

3連単当てたらさすがにお祝いしないとな

 

今日の第6ステージは

平坦なスプリントステージ

サガンといいたいところだが残念な形で既に彼はツールを去った

相変わらずクイックステップのトレインが機能しない

残り1キロ切ってからロータリーが2つあるそうだが

落車が起きないことを願う

俺の予想はブアニだな

デマールの番手について今日こそブアニ

ボクシングポーズ炸裂だな