2017年ツール・ド・フランス第6ステージ
この日から始まるヴォージュ山脈からジュラ山脈へ移動するための2日間
ほぼ平坦ステージ2連戦の初日である
この日もヴォクレールが集団前方に位置して逃げるぞ体制
スタートが切られると数名が飛び出す
どうやらヴォクレールではなくディレクトエナジーはケムヌールみたいだ
ケムヌールは後ろを振り向き集団に「もっと来いよ!」アピール
しかしこの日も無情なほど逃げたい選手はいなかった
暑さのせいなのか?ジュラ山脈を控えて体力温存なのか?
そして途中で獲得できる山岳ポイントも少ない
さすがにこれでは誰も無駄な体力は使いたがらない
スポンサーアピールのプロコンチ以外は
しかしプロコンチとはいえツールのワイルドカード2枠はコフィディスとディレクトエナジーでほぼ確約されている
その他2枠の争い
しかしその中の1枠はイノーさんの置き土産的なコネ枠があるため実質残り1枠
どのチームが招待されるかは主催者の気分次第
来年も出たい
そのためのワンティ連日の逃げである
ここから216キロの長い旅の始まりである
捕まる覚悟で逃げる3人
UAEからはラエンゲン、ディレクトエナジーはケムヌール、ワンティはバカールト
のんびりとフランスの大地を駆け抜けていく
本来ならマイヨジョーヌ保持チームのスカイが集団をコントロールするのがマナー
しかしスカイは総合優勝を狙うチームであって、おそらくスプリント争いとなるであろうこの日のステージ勝利には全く興味がない
そのためにスカイ的にはフルームの総合を脅かすような逃げメンバーでない限りは逃げきられても一向に構わないのだ
むしろ一旦マイヨジョーヌを総合に絡まない安全な他チームに渡してスカイのアシスト陣を休ませてあげたいぐらいだろう
逃げとの差は4分まで開く
さすがにスプリントチームは今日のステージを狙うためにスプリンターを連れてきている
スプリンターがエースとなっているチームも多い
暑いけど仕方がなくエフデジ、クイックステップフロアーズ、カチューシャ・アルペシン、ロット・ソウダル、コフィディスらスプリンターチームが仲良く集団をコントロール
これにより逃げ集団はいつでも捕まえられる位置で延々と泳がされるのだ
その距離約200キロ
Jスポのスタジオ内でもレースの展開が変わらないためしばしば無言になる
放送事故?かと思うとガサガサと音がする
どうやら羊羹などおやつを食べているみたい
俺も食べたいな
思わず買い置きの補給食用のミニ羊羹をボトルに入れた水とともに美味しくいただいた
ヤマザキのミニ羊羹一個50円
カロリーは170キロカロリーとおにぎり一個分相当
ちょうどいい塩梅の補給食である
とにかくレースはスプリントポイント意外一切動かない
これが平坦ステージ
最後に劇的なドラマが待ち受けている
そのために我々は睡魔と闘いながらもテレビ観戦をするのだ
想像していたより引き出しの少ない土井ちゃん
宮沢も流石にネタ切れ傾向
谷口さんがなんとか場を繋ごうとするが
この日はやたらと無言状態になる場面が多かった
レースは延々と2分差で推移
興味深かった話は宮澤崇史さんが一番最初に乗ったロードバイクがパナソニックのクロモリだったこと
俺と同じじゃないか
ちょっと嬉しい気分
先日の放送ではマッサーの中野さんの知り合いのカザフスタンの選手がお金がなくてパナソニックとパールイズミが支援していた
その時のことを非常に感謝していて引退した今でもパナソニックのクロモリを大切にしているそうだ
そもそも電気屋のパナソニックが何故自転車事業をやってるのか?
創業者である松下幸之助が自転車屋に丁稚奉公してたことにより自転車界への恩返しとしてパナソニックは創業者の意思の元で今でも自転車を作り続けているのだ
ツールやパリルーベなどでも実績十分なパナソニック
かつてはマイヨジョーヌも獲得したメーカーである
いつまでもコスパのいいクロモリバイクを作り続けて欲しい
そんなこんなでレースは残り30キロを超えてからようやく始まった
徐々にペースをあげるメイン集団
逃げ集団も残りの体力と相談しながらも出せるだけの力を出して逃げる
残り20キロでタイム差は1分
何かが起こらなければ逃げ切りは不可能だ
最後の抵抗
残り10キロ地点でタイム差わずかに26秒
各スプリンターチームも本気を出し始めた
残り3キロでついに逃げグループはメイン集団に吸収された
200キロ以上の逃走劇
ラエンゲンが敢闘賞を勝ち取った
メイン集団はスプリンターチームによる激しい位置取り合戦
残り1キロを切ってからロータリーが登場
落車は無い
残り800メートルで一か八かのボアッソンハーゲンのロングスプリント
このステージで彼が勝つにはこれしか無い
しかしスプリンターたちも彼を逃がさない
残り60メートルで捕らえてそのまま集団スプリント
グライペルがいい
キッテルはどこだ?
ブアニはデマールの番手を取った
フェンス際からデマールが狭いところを強引に抜け出す
見てる方はヒヤヒヤ
カヴェンディッシュの落車が頭をよぎるが全身緑男のデマールはギリギリのところを抜け出してグライペルを捕らえた
クリストフとブアニは前を塞がれている
デマールか?グライペルか?
そこでようやくキッテル登場
後方からぐんぐん加速してきてトップに立ちそのままゴール
ステージ2勝目となった
この日も実に見ごたえのあるスプリント勝負
このために200キロのだらだらとした展開を我慢するのだ
最後だけ見ればいいと思う人も多いと思うが
やはり最初から見ないとロードレースの面白さは伝わらないのだ
なんでも無いことに意味がありそれが最終的に結果へと結びつくのである
それにしてもあの位置からスプリントでぶっちぎるとはトップスプリンターの中でも頭一つ抜けているキッテルである
彼の前が空いている限りは多分誰も勝てない
キッテルが頭2つ分ぐらい飛び出てデマールがいる
その半馬身ぐらい後ろに他のスプリンターが団子状態だろうか
キッテルがスプリントできないようにゴール前で各チームトレインを組んでクイックステップを沈み込ませるしか勝ち目は無いかもしれない
力勝負では誰も勝てない
今日もほぼ平坦ステージ
そして七夕
織姫と彦星も朝から励んでるのかもしれないな
なんせ1年ぶりだ
七夕と言えば笹の葉さらさら
で緑のイメージが俺にはある
なので今日はジャージもバイクも緑色のデマールだなといいたいが
横風分断でFDJ取り残されて結局は今日もキッテル
2位にはグライペル
3位にはマイケルマシューズ