鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

僅差キッテル

2017年ツール・ド・フランス第7ステージ

山岳ステージ前の平坦ステージ

そして七夕である

フランスに七夕イベントがあるのかどうか知らないが

とにかく七夕である

肝心のレースはこの日もあっさりと逃げが決まった

デヘントが前に出ていたが結局逃げない

ヴォクレールも逃げない

おそらく明日逃げたいのかもしれないな

そして意外なことにワンティも逃げない

結局はマキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

マヌエーレ・モーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ

ヨアン・ジェーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

の4名の逃げが決まった

注目なのはキャノンデールのファンバーレだ

この日も215キロと200キロ越えのステージ

コンタドールも言っていたが200キロ超えのステージはいらないな

長すぎて見てる方もツライ

どうせメイン集団もおやつ食べながらの談笑タイムになるだけだ

途中4級山岳があるがポイント少なすぎて誰も興味を示さない

まぁ取れるなら一応取っておくかぐらいの感覚だろう

リーダーチームのスカイは明日に備えて体力温存

この日も心の中は「別に逃げ切られても構わないし」だ

逆にスプリンターチームは山岳前に勝てる可能性のあるステージは勝っておきたい

この日も集団をコントロールしたのはクイックステップやロットソウダル

タイム差2分半ほどでレースは進んでいく

そしてこの日も何も起こらない平穏なステージ

途中横風が吹くとピリピリしだすが、どうやら最近はレース前に各チーム車を走らせてコースと風を確認してるそうだ

そのために集団も警戒すべき場所はわかっている

そしてみんなが警戒すれば事件は起こらないのである

情報を入れすぎるというのも安全面では良いことなんだろうが、やはりレースはつまらなくなるな

平坦ステージはとにかく何も起きない今年のツールだ

途中ではワイン畑が広がる

正式にはブドウ畑だが

ブルゴーニュ

名前だけは知っている

ワインは温度管理がめんどくさいので飲まないが、たまに無性に飲みたくなる

そんな時は日本酒の純米大吟醸で白ワイン気分を味わうぐらいだ

レース終盤は横風警戒もありピリピリ感が持続する

しかし道がクネクネ

やたら風向きも変わり結局は何も起こらないが集団はポジション争いも含めて自然とペースアップ

残り40キロでタイム差1分

この日も逃げきりの可能性は、ほぼゼロ

最近、実況解説陣がやたらと「ほぼほぼ」という言葉を使うがアレは辞めた方が良い

谷崎潤一郎あたりが放送を見ていたら激怒してクレームのツイートをすることであろう

とにかく激しい今年のスプリント争い

実力的にはキッテル断トツでその他大勢だが

各チームは終盤まで綺麗にはトレインが組めない

最後はエースが単独でスプリント争い

今までならそんな混戦状況では勝ちきれなかったキッテルだが今年は明らかに進化している

とは言ってもできることならチームの助けを借りたい

FDJが一気に後方から上がる

デマールとブアニがぶつかり合う

残り2キロ

サンウェブ、FDJ、クイックステップ、ディメンションデータ

この日はクイックステップが先頭で残り1キロのフラムルージュを通過した

しかしエースカヴェンディッシュを失ったディメンションデータのトレインも強い

誰でいく?

やはりボアッソンハーゲン?

ボアッソンハーゲンとクリストフの争いだ

そしてマイケルマシューズ

ボアッソンハーゲンが伸びるがこの日も後ろからキッテルがグイグイ加速

ハンドル投げるボアッソンハーゲン

まさかのボアッソンハーゲン?かと思われたがカメラはキッテルへ

写真判定では後ろから差してきたキッテルと同着に見える

何回見ても差は全くわからないが

勝ったのはキッテル

まさに紙一重

しかしあまりにも大きな差

それがツールの1位と2位

勝者と敗者

西方浄土と地獄

絶好調キッテルが3勝目でマイヨベールも獲得した

そしてこの日のデマールは後方で沈んだ

 

キッテルはゴールラインを少し間違えていた

まだ200メートルあると思ってたところで残り150メートル

結果そのことが幸いして最後まで踏み切ることができた

そして最後の勝敗を決めたのはハンドル投げのタイミング

極僅かなコンマ何秒というタイミングの差

その差はあまりにも小さく大きかった

 

 

今日は山岳ステージだが最後の一級山岳を登ってから平坦が11キロあるそうだ

しかも一級山岳とは言え平均勾配6パーセントでほぼ一定勾配

つまり仕掛けどころのない一級山岳

そして仕掛けて抜け出て山頂を先頭で超えてもゴールまでは残り11キロもある

クライマーが単独で逃げるには長すぎる距離だ

タイム差を少しでも縮めたいコンタドールとキンタナだろうが

今日仕掛けるのは難しい

おそらく総合系は小集団で仲良く山頂超え

そこからの11キロが勝負所

平坦が強いのは圧倒的にフルーム

そして次にリッチーポート

山頂フィニッシュならアルやマイカも期待できたが

あとはチーム力の差だろうな

そこで今日の予想はフルームで

でも逃げが決まるかもしれないな

本当の勝負は明日ということで

逃げ切りカルメジャーヌ

2位にフルーム

3位にリッチーポート