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鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

万作にて霧島鶏の鶏すき鍋御膳

「今日はちと冷えるな」

小雪が舞うと言うよりもみぞれがボタ落ちる初春

確か今日は愛知県稲沢市国府宮神社のはだか祭りだ

この寒い中、本当にご苦労さんである

俺はJRの車内でスマホをいじっていた

すると鬼平犯科帳の鍋特集の記事が出ていた

玉ひでの軍鶏鍋

駒形どぜうのどぜう鍋

浅草一文のねぎま鍋

玉ひでの軍鶏鍋は名古屋の高島屋上のレストラン街の五鐵にて同じような味の鍋は食べられるが確か夜のみである

俺は一度だけ軍鶏鍋と親子丼のセットを食べたことがあるがとてもうまかった

どぜう鍋は駒形ではないが同じ池波先生御用達の名店で食べたことがある

これももう最高に美味かったのだが今はその店は無くなってしまったそうだ

ねぎま鍋は流石に食べたことが無い

マグロのカマトロと千寿ネギを椎茸と昆布の出汁で食べる精進料理だそうだ

精進料理ならマグロは大丈夫なのか?と思ってしまうが、この記事を書いた人が間違えたのかどうかは分からない

通常なら魚もダメである

江戸時代は冷蔵庫がなかった為に腐りやすいトロは捨てられていたのだが、そのトロをもったいないと鍋にしたのがこのねぎま鍋だそうだ

これも一度食べてみたいもんだ

トロは生ではあまり美味しく無いが火を通すことにより脂が抜けて美味くなる

そして鍋にすればその脂が極上の出汁となるのだ

食べたいが流石に東京にいかないと無理であろう

 

そんな池波正太郎の世界にはまり込んだ俺はランチをとるために大名古屋ビルヂングへと向かった

先ほどアジフライの話をしていて、先日アジフライを食べたばかりだが大名古屋の3階にある東京から来た魚系居酒屋のランチメニューにアジのたたきとアジフライのランチがあったことを思いだしたのだ

そのために俺は3階まで上がった

デパート内のレストラン街は店内にトイレが無い

なので先にトイレを済ませておくのが大人のマナー

と、いうか今日は冷えるので小便が近くなってしまうからだが

本当に歳は取りたく無い物だ

朝からほとんど水分を取っていないのに何故出る?

いったいどこから出る?

念入りに手を洗った俺は一応新しいランチメニューが開発されていないか各店舗のチェックに入る

お気に入りのぎゅんたで足を止める

冬季限定で牡蠣を使ったメニューが2種類増えている

「これもいいなぁ」

俺は今日のランチ候補に入れて次へ回る

お向かいのレアルのまかない丼も気になる

唐揚げに焼き鳥のタレをかけた丼である

「一応これも候補980円だし」

そして俺は宮崎料理の万作の前へ

俺が過去に二回ランチをした店である

最初の頃はとにかくお客が少なくて常に呼び込みのお姉ちゃんが立っていたが、今となってはすっかり・・・ほぼ満席なのである

それもそのはず何とランチメニューが12種類にも増えている

俺は思わずランチメニューも見た

俺が今まで食べたのは鳥南蛮と宮崎堪能御膳である

どちらもとても満足のいくランチだった

新たにラーメンやうどんにしらす丼に海鮮丼なども増えている

そして順番にランチメニューを物色していく俺の目に飛び込んで来たのが

「霧島鶏の鶏すき鍋御膳」1200円

200円ほど予算オーバーだが、今日は朝飯を抜いた分1200円まで出しても良いだろうと、俺の中にいるリトル俺から許可が出た

鶏すき鍋

いわゆる軍鶏鍋であると言っても過言ではない

ようするに使用してある鶏が軍鶏か霧島鶏かの違いだけである

酒、醤油、みりんの割り下で味付けされた軍鶏鍋はすきやきの元祖とも言われる

ついてくるのは

霧島鶏の鶏すき

温玉

香の物

ご飯

である。生卵でなく温玉なのは軍鶏鍋の「玉ひで」と同じだ

俺は迷うことなく入店した

店先にいたお姉ちゃんに一人だと告げる

すぐに目の前のカウンター席に案内される

これでほぼ満席である

しかしこれも俺のブログの効果なのかな?と思ったが俺のブログでの食レポ編はアクセス数が少ないことで有名だ

おそらく数人しか読んでいない・・・・はず

口コミで広がったのだろうか?

混みすぎて厨房内もパニックである

まずはいつものように生ビールが俺の前へと運ばれてきた

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外は冷え冷えだが室内は暑い

そこにこの生ビールは最高だ

しかし隣のおっさんが仕切りに周りをキョロキョロしながら食べている

何回も何回も俺の方を見る

正直あまり気分のいい物ではない俺も奴を見てやった

な、なんと!

奴が見ていたのは俺だけでは無かった

常に周りの人達をキョロキョロ見ては鳥南蛮を食べる

またキョロキョロして鳥南蛮を食べるを繰り返してるではないか

これではまさに・・・・鶏・・・

鶏みたいな動きをするおっさんが鳥南蛮を食べているのだ

俺は必死に耐えた

何回も見られながらも俺は一人ビールを飲んだ

俺の反対側の席に座っている女性二人組はとっくに食べ終わっているのに、ずっと二人でしゃべっている

そろそろ行列も出来はじめていると言うのに

そんな人達に挟まれながら俺は目の前のランチメニューを見た

なんと追加料金でご飯がグレードアップするそうだ

プラス300円で冷や汁

プラス250円で鶏飯になるみたいだ

しかもやみつきになると書いてあるではないか

後はプラス200円で塩唐揚げが2個付いてくるらしい

これは酒飲みにはありがたいサービス

余裕があれば頼んでみたい

冷や汁は美味い!!でも今日は辞めておこう

鶏飯も気になるが流石に鶏すきには白飯がよく似合う

また次回にしよう

実は「鶏ラーメンと霧島鶏の塩からあげ定食」も気になっているのだ

「次はこれだな」

と心に決めて俺はビールを飲んだ

やがて隣の鶏みたいな動きをするおっさんと食べ終わっても帰ろうとしない女性達が店を出た

ようやく精神的に開放された俺の前についに主役が運ばれて来たのだ

まぁ正直に話すとカウンター越しの厨房から「鍋上がりましたぁ!!」の声が聞こえていたのでもうすぐだなと言うことは分かっていた

しかしやはり実際に料理を目の前にすると嬉しい物である

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ご飯はお変わり自由だそうだ

そして鶏すき鍋は予想外に具沢山だ

思えば先日の京都でも鶏すきは候補に入っていた

しかしやはりそこは鍋である

「おひとりさまはちょっとぉ・・・・」

となってしまい食べさせてもらえないのである

しかしここ万作は一人鍋が用意されている

一人なら鍋をつつきながら喧嘩することも無い

「てめぇ肉ばっか食ってんじゃねぇぞ豚野郎!!」と

自分が食べたい物を食べたい時に堂々と食べられる喜び

それが一人鍋の醍醐見なのである

全部食べても良い

鶏を最後まで残しても誰にも取られることは無いのだ

俺はまず温泉卵を軽く箸でくずした

中から黄身がどろっと出てくる

すかさず霧島鶏をひとつ摘んで温玉に少し絡めて食べたのだ

「おおおおおおおぉおおおおおおお」

俺は驚いた

ミスター味っ子の料理を食べた味皇のように

驚いた

流石に口から火を吐いたりはしないが

素晴らしく絶妙な弾力に噛めば噛むほど溢れだしてくる鶏の旨味

俺が今までの食べたどの鶏より美味いかもしれない

否、五鐵の軍鶏となら良い勝負かな?

京都の鳥岩楼もうまかったが、これらはみんな親子丼である

小さく小さく切られている

しかしこの鶏すき鍋の霧島鶏は

とても大きい・・・・のだ

女性なら「こんなのお口の中に入らなぁあああい」と言い出すかもしれない

そして熱々なので口の中で噛みしめながらもハフハフしなければならない

嗚呼、なんてうまいんだ

この店で数々の鶏料理を食べて来たがこの食べ方が一番美味いのである

しかし周りはみんな鳥南蛮か親子丼かとんかつを食べてる

これではいずれランチメニューから外されてしまうのでは?

それでなくても冬季限定なはず

頼むみんな食べてくれ、霧島鶏の旨味を一番堪能出来るのは鍋なのだ

脇を固める具材はごぼう、ネギ、しらたき、麩、しめじ、焼き豆腐

鶏とごぼうのみのシンプルなのも良いが、具沢山なのも嬉しいもんだ

どの具から食べようか迷ってしまうが俺は一つずつ順番に食べて行った

そしてなんと鶏肉がやたらと多いのだ

他の具で誤摩化す

これはランチなどの安い鍋ではよくあることだ

しかし万作では主役の霧島鶏をふんだんに入れてある

食べても食べても

「まだ霧島鶏が隠れているではないか!」となるのだ

鶏は安くてうまい

そして比較的ヘルシーでもある

昨日すき焼きのことを書いてしまったばかりに自分でもすき焼きが食べたくなっていた。そんな俺にもピッタリな今回の霧島鶏のすき鍋

とても堪能させて頂いた

最後は残りの温玉をご飯にぶっかけて食べてやった

これで満腹である

 

ランチだから仕方が無いがちゃんとグツグツ煮込みながら食べたらもっと美味いんだろうな。名古屋限定で〆にきしめん入れてほしいな

しかし久しぶりに噛みごたえのある旨い地鶏が食べれたな

かなり満足だ

そして万作は今回で三回目の来店である

たぶんまた来るであろう

また直ぐにでも鍋を食べたい気分だ

花粉の季節なったらゆっくり食べられないからな

 

気になったのは俺の隣で食べていた女性二人組の後から入ってきた女性二人組

二人とも別々の物を注文

片方の人だけ早く出て来た

その人は友達の分が来るまで箸をつけようとしない

「食べていいよ」と言う友達

しかし待てど待てど友達の料理は来ない

それでも食べずに待っている

これではせっかくの料理が冷めてしまう

料理人にも申し訳ないし待たせてしまっている友達を申し訳ない気持にさせてしまっている

この場合は遠慮せずに食べる方が俺は良いと思うのだ

その方がみんな幸せになれるのだ

思えば、俺が若かりし頃に付き合っていた子もそうであった

某商社で秘書をしていた彼女は歩く時でさえ俺の3歩後ろを歩いた

そして俺の料理が来ないうちは決して箸はつけなかった

でも俺は食べて欲しかったし実際に「早く食べろ」と言っていた

しかしやたら古風な所があり常に「女は男に恥をかかせては行けない」と武士の時代のようなことを言っては俺に尽くしてくれていたのだが、いったい今はどこで何をしてるのやら

そんなことを思い出した今日の万作であった

 

そんな俺は今日もほろ酔い気分で大名古屋の本屋へ

毎回のことながらこの店のセレクトには感心させられる

駅の売店のような小さな店だが全部読みたくなる本ばかりである

そんな中から今日の一冊は谷崎潤一郎関係の本

 

「ほろ酔い文学談義 谷崎潤一郎〜その棲み家と女」

 

ほろ酔い文学談義 谷崎潤一郎 ~その棲み家と女~

ほろ酔い文学談義 谷崎潤一郎 ~その棲み家と女~

 

「 谷崎潤一郎研究者による、ビール片手に気軽に読める谷崎文学入門書」と内容紹介されている本である

確かに気軽に読めて、それでいて谷崎文学が分かりやすく解説してある

既に谷崎を読んだ人もこれから谷崎を読む人も楽しめる本になっていると思う一冊だ

そして俺はほろ酔いでこの本を立ち読みして購入したのであった

そして軍鶏鍋の玉ひで谷崎潤一郎が幼少の頃に住んでいた家の近所で家族でよく食べに行ってた店である

そんなこともあって谷崎が気になったのかもしれないな

まぁ俺が食べたのは玉ひでの軍鶏鍋ではなく万作の霧島鶏のすき鍋なんだが

まぁいい

似た様なもんだ

 

さて、今日の夜は雪なのだろうか?

しばらく仕事も暇になりそうだし

のんびりと本でも読みたいな

武士の娘もまだ読み始めたばかりだし

ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまでも」もまだ読みかけなのだ

 

まぁこの本を読めば鬼平のアニメがいかに作者無視で作ってあるかが良くわかる

アニメ化については池波オフィスのドラマ終了による

新たな収入源の確保などと言った大人の事情が絡んでるのかもしれないが

池波作品は限られている

その限られた作品達でいかに商売するか?といったところだろうが

ドラマの中で使用する酒の徳利の色まで指定してた池波先生

果たしてあのイケメン鬼平を見て何を思うのであろうか?