鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

大名古屋「万作」にて鶏ラーメンと塩唐揚げ、とりめし

今日は少し遅めの昼飯となった

中央線の車内では女子大生と思われし女性が仕切りに「チャラい男の格好良さ」を力説していた

そんな俺は当然の事ながら腹ぺこである

朝から何も食べていない

さて、どうするかな?

ゲートタワーは予算オーバーかも知れないし、下調べもしていない状態なのでクルクルと一人クリテリウムを開催してしまうかもしれない

もはや一人クリテは恒例の事で最近ではASOよりノウハウを持っているのではないかと思ってしまうほどである

名駅に降りたった俺はとりあえず外に出てみる

この時に何かを考えていた訳では無い

なんとなく人の流れに押し出されてしまったのだ

タクシー乗場には行列ができている

彼らはいったいどこへ行くと言うのだろうか?

そう言えば5年以上はタクシーに乗った事が無いような気がする

まぁタクシーは高過ぎて乗れないのではあるが

俺はタクシーを見るとどうしてもジョニー大倉を思い出してしまう

そして頭の中に流れ出すキャロルの「ヘイタクシー」

そんなジョニーも今頃は西方浄土である


キャロル ヘイタクシー

しかし俺はそんな懐かしい思い出に浸っている暇もない

腹ぺこなんだ

井之頭五郎さんなら3段階でだんだん遠ざかり小さくなって行く所である

早く店を探さねば

ゲートタワーのエスカレーターは目の前にある

しかし13階まで上がる時間は俺には残されてはいない

一刻も早く腹に何かを納めなくてはならないのである

俺は一旦地下へ降りた

地下街?

大名古屋?

キッテ?

俺は瞬時に判断した

ゲートタワー開店で客を取られた大名古屋の飲食店が新しいランチメニューを開発しているのではないか?と考えたのだ

そして時間は午後1時

大名古屋は周辺で働く人が食べに来る場合が多い

この時間は確実に空いているのだ

俺は地下の飲食店街を通る

蕎麦屋が気になるが流石に予算オーバーである

名古屋コーチン系の店はこの時間でも満杯だ

やはり1000円以下で食べられる店は人気が高い

俺はいつものコースで3階へと上がった

予想通り3階もガラガラだ

ビル内の飲食店に入る前の掟

「先にトイレを済ませておけ」にしたがい俺はトイレに駆け込んだ

用を足しながら作戦会議だ

そして一人クリテを防ぐために俺は自分にルールを貸した

「一週だ」

これで決まらなければ入るべき店は決めてあった

気分はパリ〜ルーベのベロドローム

しかもデゲンコルブとクリストフと3人で入った気分

もはや作戦は先行逃げ切り

俺は足早に周りのメニューを確認しながら回った

ダメだどの店も代わり映えしないメニュー構成だ

ただ一つ中国料理のコースにインド風チキンソテーがあるのが気になったが

どうせ予算オーバーである

しかしなんでインド?

そしてここで周回は終である

しばしシンキングタイム

まだ入った事の無い炉端焼き屋に魚フライ定食が増えていた

3種類の魚フライの写真

気になるが今日はフライな気分ではない

ここでシンキングタイム終了

強制的に俺は宮崎料理の万作へと向かった

すでに今回で4回目である

決して外さない安定感が俺に勇気を与えてくれるのだ

以前から気になっていたメニューがある

本格的に暑くなる前に食べておきたい

鶏ラーメンと塩唐揚げの定食だ

ガラガラの店内に俺は一人侵入した

「カウンターのお好きな場所へどうぞ」

俺はカウンター席を二つも占拠した

一つは俺のカバン置き場である

新しいメニューが増えている

冷汁御膳とミックスフライ御膳だ

ミックスフライには海老フライが

「そこまで名古屋にこびなくても良いのに・・・」

冷汁は無茶苦茶美味いが今はまだその時では無い

俺は注文した

「鶏ラーメンと塩唐揚げで白飯をとりめしに変更してください」

「あと生ビール」

今日の俺はひと味違う

通常なら1000円のメニューに250円もの大金を追加して白飯をとりめしに変更してやったのだ

鶏、鶏、鶏

まさに鶏祭である

前回来た時は隣に座るオッサンがニワトリのような動きをしていたが今日はガラガラなので快適に食べられそうだ

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なにわともあれ

生ビールだ

いかんすげえ美味い!

一番絞りがかなり甘く感じられる

俺は料理が届く前に飲み干してしまった

まぁいい

次は〆のラーメンだ

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なんと豪華なランチだろうか

さすがに1250円を投資しただけの事はあるな

腹ぺこの俺にはもってこいだ

なんてことを考えていたら店員さんの説明を聞き逃していた

「こちらが柚胡椒」「溶かしてお召し上がりください」

途中の記憶が抜けているのだ

見たところ溶かせるのはラーメンだけだな

どうせ俺は五郎さんように最後には自分なりのアレンジをして食べるのだ

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鶏ラーメン

俺はラーメン屋にはあまり入らない

最近の「当店はこんなにこだわってますよ」アピールをするラーメン屋が嫌いだからだ

ラーメンとは庶民の食べ物

メニューにはさりげなく「ラーメン」だけでいい

「肴は炙ったイカでいい」のと同じである

なので中国料理屋のラーメン、大衆食堂のラーメンなどが好きだ

あくまでメニューの中の一つ

ひっそりと存在するラーメンが好きなのである

しかし存在はさりげなくとも食べたらそこには店主の愛情が注がれている

それを決して表には出さないような店が好きなのである

ここも宮崎料理の中のラーメンで自己主張はしていない

俺はさっそくスープを飲んだ

「おお!鶏の旨味が凝縮されている」「それでいてクドく無く比較的あっさりしたスープに仕上げてある」「だめだスープを飲む手が止まらない」

麺だ麺だ、早く麺を食べなくては

麺は中太の縮れ麺

ツルツルシコシコとなかなか美味い麺である

「いかんこのラーメンなかなか美味いぞ」

俺は無我夢中で鶏ラーメンを食べた

医者から「ラーメンのスープは全部飲まないように」と強く言われているのに

さっきからスープを飲みまくってしまう

そこで俺は思い出した

「柚胡椒!」

少し柚胡椒を取りラーメンのスープに溶かしてみた

さわやかな柚の香りとほどよい辛さが俺を包み込む

俺は再びスープを飲んだ

ラーメンには鶏だんごが入っている

この鶏だんごがまた美味い

さすが鶏屋の鶏だんごだ

麺を全て食べ終えた俺は次に唐揚げに取りかかった

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半分食べてみた

「やはり美味いな霧島鶏は」「しかし朝までは生きていたんだよな、こいつ」「申し訳ない」「せめてものの供養だ俺が美味しく食べてやるからな」

俺はレタスに柚胡椒を付けてみた

なかなかうまい

そして塩唐揚げにも柚胡椒

これはまたこれでうまい

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そしていよいよ「とりめし」である

俺はワクワクしながら一口食べた

甘く炊かれている

味は濃いめだがこれもまた鶏の旨味がしっかりと伝わるとりめしである

どんぶり一杯食べるには味が濃すぎるが少量を食べるには丁度いい

否、むしろこれがいい

そして何より美味い

俺は残りのラーメンのスープを飲みつつ

最後のとりめしを楽しんだ

鶏祭の最後である

 

祭は終わった

俺の口の中には鶏の旨味だけが残っている

医者に止められながらもラーメンのスープを飲み干してしまった・・・

しかも喉が渇かない

これはそこまで塩分は高く無いのであろうか?

そしてやはりこの日も外さない「万作」の安定感

まるで全盛期のマイケル・キャリックだな

縦パス一本で俺の胃袋を切り裂く憎い奴

ごちそうさまでした

 

合計1740円