2019年 奈良と京都の旅 02
俺は南大門を仁王様に睨まれつつもほうほうの体で通り抜け大仏殿へと向かった
そして外からお賽銭を入れて参拝
「今回は時間がないのでここから失礼します」と伝えて裏手へ回ることにした
遠くには戒壇院が見える
当初の予定では戒壇堂の四天王にも挨拶行く予定だったが検討の結果無理だと言うことで俺は二月堂を目指した
以前戒壇堂を訪れた時は一悶着あったしな
俺以外拝観者は誰もいないのに
「何故先に御朱印帳を預けていかない?」と嫌味ぽく怒られた
そして俺はちゃんと説明したのだ
「ちゃんと参拝した後で御朱印は貰うべきだと」
実際にこのルールを守らないと怒られるお寺もある
当然だ納経の証明としての御朱印だ
お寺の都合で勝手にルールを変えられては困る
しかし混み合ってる時はいたしかない
それがお寺の望むことなら
しかしあの時は俺しかいなかった
それなのに・・・
なので俺には戒壇堂はあまり良い印象はないが中におられる四天王の方々は大変素晴らしい方々なので再会を楽しみにしていた
裏手には広大な空き地が広がる
大きな礎石もある
昔は何かお堂が立っていたのだろう
長い歴史上何回も焼けてる東大寺である
大仏殿を離れると途端に静かでのどかな光景が広がる
森の中に鹿が集団でくつろいでいる
俺のバックパックには小さな鈴がついたお守りがぶら下げてある
その音が気になるのか鹿がみんな俺の方に寄ってくるのだ
すると角の大きな鹿がピーピー鳴いて群れに戻そうとする
彼がこの辺りを仕切ってるみたいだ
しばし鹿と戯れた俺は二月堂を目指す
あのお水取りで有名な場所だ
もちろん国宝
ちなみにこの辺りは三脚は使用禁止エリア
俺はスナップ専用なので関係ないがな
お水取りの時は三脚立てちゃうんだろうな
どこにでも鹿はいるもんだな
生まれ変わるのならここの鹿になるも良いかもしれない
そして芝生の上の黒豆みたいなものは全て糞だ
松葉に刺して小皿に置いたら食べちゃうだろうな
さすがに眺めが良い
左手の屋根の上に金ぴかが乗っかってるのが大仏殿だ
二月堂には大観音、小観音と言われる二体の十一面観音がお住まいになってる
しかし何人たりとも見ることが許されない絶対秘仏だそうだ
フェノロサでも無理だったんだろうな
そしてついに法華堂へと向かう
別名三月堂とも言われる
ここも国宝
しかし後になって気づいた
中の仏像に圧倒されて俺はこの後で写真を撮ることを忘れてしまっていたのだ・・・
鹿しか撮っていない
仕方がないな
鹿だけにな
法華堂
こここそが大仏殿をスルーしてでも来るべきお堂である
俺の中では東寺の講堂の立体曼荼羅の次に好きな場所だな
まさに圧巻である
奈良に来てこれを見ないで帰るのは非常にもったいない
しかし南大門の仁王像にすら興味を示さない観光客
当然ながらこんな辺鄙な場所まではこない
そしてこの日も俺は独り占め
貸切状態
「やっぱりすげえなぁ」
中央に存在感たっぷりな姿で佇んでいる
光背の光が矢のようになって周囲を照らしてる
奈良時代に作られた
身長は3・62メートル
三眼八臂
つまり3つの目と8本もの腕を持つのだ
それでいてまったく不自然には見えない
素晴らしいお姿である
脇を固める
with B
そしてその四方を四天王が囲み
さらに前方を金剛力士像が守る鉄壁の守備陣
まるでカテナチオ
かつてのイタリア代表かのようだ
俺はしばし圧倒された
どのくらい時間が過ぎたのだろう?
ふと我に返った俺は慌ててお堂を飛び出したのであった
その後で四月堂を周り
甘酒飲みたいなと思いつつも
俊乗堂など小さなお堂を数カ所周り次から次へと御朱印をGETしたのであった
冷えるな
ちょうどこの時に地下で篠山紀信の大仏写真展が開催されていた
無料である
特別篠山紀信に思入れはないがついでなので見ていくことに
10枚ほどだろうか
さすが篠山紀信
うまいな
でも撮影許可もらえて同じ機材と優秀な助手を用意してくれれば俺だって
一枚はさすが起信と思わせる光の取り込み方
まぁ仏像は基本ポートレートだ
それだけに得意分野なんだろうな
でも羨ましいな
俺も仏像撮りたいよ
ちなみに俺が以前撮影した大仏殿の多聞天がこれだ
大仏殿だけは撮影OKな東大寺であった
だけど〜僕には機材がない〜
切ないな
そして再び南大門を抜ける
帰りもなんとか無事に南大門通過
しかしみんな何をしに東大寺に来てるのか?
南大門も普通に通り過ぎるだけ
大仏だけで満足しちゃうのだろうか?
もったいないよなぁ
もっと楽しまなきゃ
俺は十輪院へと向かった
つまり今の「ならまち」である
奈良ホテルにも近いしな
ついでにならまち散策だ
03に続く