それは突然はじまった
仕事で愛用している3代目キャラバン
まだゴーンが来日する前の日産が瀕死状態の時に購入した車である
コレ以前にも2代目キャラバンを中古で購入して乗っていたのだが
この時はまだバブルの名残も僅かにあり
景気もまだ良かった時代でもある
基本的に4ナンバーの中古車は割高となる
コレは軽自動車やその時代の人気車種同様で売れるからであるが
そのため当時でも100万出したところでろくなハイエースを買える値段ではない
しかもどんな乗り方をされてたかもわからない商用車
10万キロオーバーに100万以上出して購入するのはギャンブルでしかない
そこで瀕死状態な日産に目をつけた
ケチなトヨタは値引きが渋い
しかもハイエースなどどうしても欲しい機能はハイグレード車にしかつけない汚い商売のやり方をする
こういったところはトヨタは昔から汚い
ただそれだけ強気に出ても売れるから仕方がない
客がトヨタを選んでしまうんだからな
そこでまだ「やっちゃえ」以前の日産キャラバン
当時で新車で170万ぐらいか
希望は集中ドアロックと両側スライドドア
今でこそ当たり前の両側スライドドアだが商用車では少ない
しかし一度使うとコレは便利でなくてはならない機能でもある
で、球数が少ないので中古で探すのは難しい
今のようにネットもない
なので新車購入となった
20年20万キロ乗る予定で
3月に車検を出して車が戻ってきた
そして車屋からの1本の電話
「アレ次は車検通らないから」
「燃料もれてる」
「シール関係全部ダメ」
「バレなかったからなんとか車検通ったが来年は無理」
「1年の間に次の車探した方がいい」
車の寿命はゴムの寿命とも言われる
正直エンジンなんて30万キロ40万キロは使える
俺の周りもみんな30万キロ走ってるしな
ただしゴムは必ず劣化する
その時によほどの希少車でない限り大金をかけて修理するだけ無駄となる
それが車の寿命でもある
古い車はパーツの入手も難しい
突然の訃報で俺は動揺した
しかも今はコロナとウクライナで中古市場は高騰で球数も少ない
「よりによってこんな時に・・・」
実はもう一台普段使いの車としてカローラランクスがあるのだが
コレも17年落ちとかなり高齢である
走行距離は15万キロだが
冬場のかぶりが酷くて
正直乗るのも危ないぐらい走らなくて
エンジンは常にガラガラうるさいし
でもなんだかアメ車気分で
「トランポ欲しいなぁ」と思いつつも
今は買い替えのタイミングじゃないなと
で、ネットで商用車を探す
予算は120万
この値段だとタウンエースやバネットあたりか
でも物が無い
それだけにギャンブルとなる
「コレ買って何年乗れるんだ?」と
しかもハイエースに比べると一気に小さくなるタウンエース
長い物は屋根の上と使い勝手は悪い
今乗ってるカローラランクスがシートを倒すことで長尺ものも詰める
「それなら・・・ミニバンでもいいんじゃね?」
ミニバンなら同じ予算でフル装備の車が買える
コレがタウンエースなら・・パワーウインドウすらついてなかったりするのである
俺は昔ハコスカの窓を開けようとハンドルをくるくる回したら
「バキッ」とハンドルが折れた経験がある
そのトラウマがあるのでパワーウインドウは外せないのである
で、ミニバンで探すことに
要するに今ある車2台を廃車にして1台にまとめようと
仕事も遊びのトランポも両方使えるミニバンにしようと
で、選択肢はトヨタと日産
今はホンダが2位の売り上げみたいだが
昭和世代の俺の中でホンダの存在は完全に無いものとなっている
あの指で押すだけで凹むボディ
今は改善されてるのだろうが
常に俺の中でホンダという選択肢は無かった
そしてそれは今もない
で、アルファード、エルグランドは無駄に豪華すぎるので却下
予算的にも無理
そうなるとMサイズミニバン
VOXY、ノアかセレナ
で、最近知ったのだがトヨタにはもう一つあるみたいで
言いにくい名前の奴で「かかってこいヤァ!」みたいな名前
コレはよくわからない
で、VOXYは名前がボールペンなんで無理
ノアは中古の数が少ない
で、セレナ
セレナの利点は安くて豪華装備で室内も広くて中古も多い
しかし壊れる
実はセレナの室内は横幅こそ5ナンバー枠で若干狭いが縦はアルファードより広い
シートアレンジも良好でMTBを積むにもちょうどいい
で、旧型のセレナC26に決定
たまたま近くの日産ディーラーに良いのがある
すぐに知り合いの車屋に電話して注意事項を聞く
業界人だけが知る情報は頼りになる
店の評判とか
今後EVまでのつなぎとして最低10年、できれば15年乗りたい
そのために20万30万高くても程度のいい奴を欲しかった
色はシルバー
不人気なのか市場に出てる数が少ない
シルバーの利点は汚れが目立たなく遮熱効果が高い
ある意味理想の色である
しかも黒のようなヤンキーぽくも白のようなファミリーカーぽさも消せる
とにかく目立たなくなるのがシルバーでもある
そして売れまくったセレナ
近所でも同じ車に乗る家庭は多い
なのでスーパーでも被る
駐車場でいかに自分の車を見つけやすいか?
コレもまた重要である
で、やっちゃえ中古ディーラーへ
そこにあいつはいた
7年落ちとは思えない綺麗な姿で
中古を買う時にまず前のオーナーがどんな乗り方をしていたか妄想することは重要で
小さな飛び石の傷はあるものの塗装の状態は良好
コレは屋根壁付きのガレージで保管されてたと思われる
コーティングもしてたかもしれないな
塗装は洗いすぎてもダメになる
で、整備、車検はディーラーまかせ
記録も残っている
ディーラーは無駄に整備してくれるからある程度信用はできる
走行距離も5万キロ
7年落ちにしては少ないが
走行距離も極端に少ないと心配な部分もある
機械は動かしてこそ壊れない
ミッション、電装系はどうしても壊れる
理想としては壊れた後で交換されたものだが
流石にそこまで考えてたら買えない
見た瞬間に丁寧に乗られてきた車だとわかる
さらに後ろの席用のモニターがない
コレがついてる車は小さな子供がいた家庭の場合が多い
そうなると車内でお菓子をポリポリ
マックの油ぎったポテトを摘んだ手でシートを触る
直距離ドライブでゲロを吐く
コレはファミリーカーの宿命で
そのリスクを避けるためにも後ろの席専用モニターはない車を選んだ方がいいね
で、交渉
やはり特殊な状況だけに値引きは無い
ディーラーのノルマの都合でローンを組んで欲しいと
俺はクラウンの新車も現金で購入した過去を持つ
今まで車はローンで買ったことはない
でも1万円引いてくれというので最小限のローンを組んだ
で、契約成立
ちなみにこの時に同じ型のセレナが他に3台あったのだが全て売れている
事故車も売れてたな
ちなみに修復歴ありと言う一般的な事故車はフレームまで逝ってる過去を持つ車なんで
人間の体同様背骨が曲がるとアレなわけで
車も事故車は避けた方がいい
令和4年4月4日
納車された
4が並ぶ不吉な数字なような気もするが
4を合わせて「幸せ」と強引に解釈する場合もあるそうだ
7年落ちとは言えピカピカなんで周りからは
「新車買ったのか?」と誤解されたほどである
俺もそうだが車に興味はないので
その車が現行なのか?旧型なのかは判断がつかない
でも81年のコルベットC3と82年のコルベットC3の区別はつく俺である
木曜日にルーフキャリアを装着
説明書がわかりにくくて2時間かかったが
決して一人では作業しないでくださいとなってたが一人で十分だな
ある程度足場必要だけどね
脚立は捨てるほどあるので問題ない
そして金曜日
中古なのに1ヶ月点検もついている
というか車検受けての引き渡しなのにな
ディーラーは色々とめんどくさい
一応それまでに車のチェックも兼ねてプチドライブへ
檜花粉全盛期なんで近場で済ませようと俺は車を走らせた
ナビもセットしないで
目的地はなんとなく「琵琶湖?」みたいな
まずは伊吹の里へ立ち寄る
伊吹山の麓にある道の駅だ
実はここではタイミングがいいと焼きサバが買える
丸ごと1匹焼いた焼きサバ
アレはうまい
しかし行きに買うわけにもいかず
いつもタイミングが難しい
伊吹山はまだ通行止め
解除されたら久しぶりに行きたいな
プリンを買おうかかなり迷うが
先はまだ長いので断念
また今度だな
次に姉川にある道の駅に立ち寄る
浅井三姉妹の郷
小谷城の近くだな
昔々たくさんの人が死んだ場所でもある
ここで「焼き鯖鮨」を購入しておく
で、琵琶湖へ向けて走らせる
法定速度を厳守しながら
琵琶湖沿いを走り
小さな駐車スペースを発見したので車を止める
琵琶湖ではウインドサーフィンしてる人がチラホラ
つまり強風である
車外に出るもあまりの強風で
すぐに車に乗り込む
今日ばかりは血糖値のことなど忘れて食べるつもりでやってきた
お小遣いも奮発して3000円ある
既にサバ寿司1100円使ってしまったが
なので朝は少なめにしてきた
で、11時過ぎ
既に腹が減ったので適当な場所を探してランチタイム
俺は再び湖岸道路を走らせた
春の交通安全運動も始まった
仕切りに「取締りエリア」との表示が
法定速度厳守
後ろからはゴキブリみたいな色の黒いBOXYに煽られる
しかし動じない
「うんこでもしたいのかな?」
「お先にどうぞ」
湖岸道路はビワイチを楽しむ自転車乗りがチラホラ
しかしこの日は強風
そして流石にこの道路の狭さで「サイクリングロード」は無理がある
政府がインバウンド見込んで整備した国際的なサイクリングロードだが
事故が多いのも納得だな
よほどの命知らずじゃないと無理
気軽にサイクリングできる道じゃない
で、途中で良さげな小さな公園を発見
「あそこで食べるか」
外は強風
花粉も飛んでる
なので車内で一人花見
「サバを食べて桜を見る会」の始まりである
うまそうだな
一口食べる
途端に口の中に広がるサバの旨味
脂が、脂が・・・口の中でダンスしてる
車内のDVDでは相変わらずバーニーが変な踊りをしてる
しかし、コレうまいな!
少なくとも某名古屋の有名店よりは10倍うまい
コレ食べるだけで道の駅に行くのもありだな
この厚みだからね
とてもジューシー
でもガリと大葉が挟んであるので油くどさを和らいでくれる
本当にうまい!
もうね店で食べてる場合じゃないね
道の駅で買って7年落ちのミニバンの中で食べる
目の前には桜
コレでもかと桜
コレだけで満腹だが
今日は食べる日
「少し散歩するか」
俺は花粉が飛び交う車外へ出た
青いラインがサイクリングロード
やはり無理がある
よほど車道を走り慣れてないと怖い
確実に高齢者に殺される
ルーフキャリアがいい感じな俺のセレナ
シルバーにありがちな「ぼやっと」した存在感のない感じだが
黒色を増やしてやることでシマリが出る
基本的にシルバーと黒の2色なのでメリハリもつく
そしてメッキも目立たないシルバー
やはり正解だね
俺のパナチタンを横に並べたい
まるでペアルックになる
子供の成長を見守ってきたであろうミニバンは孤独な初老のトランポとして第二の人生を歩むのである
で、ここからすぐの場所に道の駅がある
「湖北みずどりステーション」
いつも立ち寄る道の駅
自転車でも何回かきている
ここでカレーパンを
近江牛カレーパン 500円
お値段が相当張るが
ここのパンは長浜で人気の無添加パン工房グッテンマーマ直売所でもある
お店曰く「A5ランクの近江牛を使用。玄米入りのこだわりの生地に近江牛を使った手作りのカレーがたっぷり」とのこと
究極のクリームパンも気になるが
また今度だな
味はしっかりカレー
コレもかとカレーだな
なんか今まで食べたことのないタイプでうまい
コレも無添加の為せる技なのかもしれない
で、ここでいつも買うのが焼き鯖そうめん
長浜の郷土料理で
道の駅の奴は素朴な味でうまい
酒のつまみに会うので
コレは家に帰ってからのお楽しみ
で、仏壇のお供えに
俺が大好きな草餅の有名店「菓匠 禄兵衛」の茶餅を
木之本に本店があるお店
草餅は絶品である
帰りに竹中半兵衛の故郷へ寄り道してみる
とは言っても車には焼き鯖そうめんがあるので長居は無用
桜だけ撮影して帰路に着く
また今度だな
半兵衛さんスマン
関ヶ原から滋賀にかけて歴史がありすぎて面白い
ここは垂井だけどね
いつかのんびり妄想しながら回ってみたいが
そのためには下調べが大事でもある
今回は距離はわからないが時間は7時間ほど走った
エコモードは使わずに下道のみで自らの感覚で平均燃費12キロ
そこそこ長距離なら燃費は良くなる
低燃費走行のコツは掴んだ
要するに法定速度厳守の場合時速30キロから60キロぐらいで走るのだが
その場合にアクセルを踏まなくてもいい場面が結構ある
その時にアクセルを離し惰性で走る
さらにアクセルを踏む時はできるかぎる優しく
タコメーターと睨めっこしながら
理想は1000回転まで
ギリ2000回転ぐらいまでで押さえる
登り坂は非力なセレナには過酷だが
コレで燃費は多少は改善されるだろう
かなり運転しやすい車だし
柔らかいと思ってたサスも制限速度内でコーナーを攻めてみたが意外と粘り強く
普通に走る分には十分かと
ただシートの柔らかさだけはなんともならない
走りに関してはコレ以外は満足だな
7年落ちのセレナでの初ドライブ
コレから10年になるのか?15年になるのか?
世界的にEVへの転換期だけに予想はつかないが
しばらくはよろしく