鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

東京五輪ロードレース男子、カラパス金メダル

やっぱり東京五輪やってよかったな

今日は待ちに待った男子ロードレース

中継は10時50分からネット配信のみ

なので朝のうちにサクッといつもの50キロコースを走ってきたが

みんな考えてることは同じで

朝の7時には自転車乗りがワンサカ

みんなワクワクが止まらない

昨日走り込んだおかげで今日は絶好調

いつもの峠も久しぶりに30キロ台のスピードで登り切れて

コレも大腿四頭筋強化月間の成果だなと

膝の関節が変形してきてるので太ももを鍛えてる最中である

で、帰宅

しばし休憩してロードレースのスタートだ

スタートは東京都武蔵野の森自然公園

「ん?無観客なはずなのにやたらと人が多いな」

スタート地点から沿道は密であった

まさか不人気ロードレースにここまで観客が集まるとは驚きでもある

とにかくロードバイクが大嫌いな日本人

轢き殺しても問題ないとさえ思ってる人がほとんどである

実際に自転車で走ってると嫌がらせはよく受ける

特に白いハイエースと黒いハイエースから嫌がらせを受ける

でも何故かシルバーのハイエースは嫌がらせをしない

この辺りトヨタも考えるべきだな

で、東京五輪

最初はパレード走行

街中を抜けてようやくレースは開始となる

しかしクソ暑い日本

ほとんどの選手はヨーロッパからの移動である

開始直後のアタック合戦はほぼ起きずに

あっさり逃げが決まる

お兄ちゃんサガンが逃げに乗った

やはり兄弟だけあって似てるなぁと再確認

逃げ集団も結構仕切ってたな

「俺の弟はあのサガンだぞ」

で、メイン集団も暑いので逃げを泳がす

どんどん泳がす

最大で20分弱開いたのかな?

中継の情報が無さ過ぎてわかりにくかったが

せめて逃げと追走集団のタイム差ぐらいは常時出して欲しいものである

心配してた中継のカメラ

コレはどうやらベルギーの撮影隊が来てたそうで

文句なし綺麗な映像となった

正直ツアーオブジャパンのブレブレ映像だったら・・・と心配してた

ヘリもブンブン飛び回って

フランスのように低空飛行はできないが

それでも日本の風景を捉えてくれていた

沿道には観客は途切れることなくいく

「ユキヤ!」と新城に声援が飛ぶ

段ボールには「アレ、タディ」

ポガチャルのハミ毛にキュンキュンしたおばさんファンかもしれない

選手が子供に向けて優しくボトルを転がす

そのボトルに気付く子供

しかしおそらくボトルは取らない

アレがファンサービスのお土産だとは思わないだろうな

落ちてるものを拾って持ち帰ると言う行為

多分お母さんに怒られる

 

いいかげん逃したところで

ファン・アーヴェルマートが先頭を引き始める

そろそろ追撃開始だ

ロードレースは基本10キロ1分差が目安

コレは平坦の目安なんで山岳ステージだともう少し余裕が出る

とにかく長い今回のレース

240キロで獲得標高も5000メートル弱

とんでもないコース

俺なんか3日かけても走れるかどうかわからないね

三国峠なんか泣きながら自転車押すレベル

そんなコースをわずか6時間で走りきる

ロードレースは基本的にレースの平均時速40キロが目安となる

240キロの距離なら大体6時間となる

ちなみに琵琶湖一周が200キロである

一人で先頭を引き続けるファン・アーヴェルマート

彼は前回の五輪金メダリスト

そんな彼が自分の成績は二の次でベルギーチームのために集団を引くのだ

ロードレースはコースにより活躍する選手が変わる

平坦が得意な選手、山岳が得意な選手様々である

今回は非常に厳しい山岳ステージ

ベルギーチームにはレムコとワウト

二人の怪物がいる

なので前回の金メダリストと言えどもアシストに回るのだ

コレが美しき自己犠牲

全てはチームのために

五輪ともなるとチームが全員エース状態な国も多い

なんとかペダルで言う箱根学園だな

たまに俺が俺がとなる場合もある

それでも同国同士みんな団結

さらに普段のチームメイトも国を超えて助け合う場合も

過去にはアイゼルが国を超え完全にカヴェンディッシュのアシストなっていた

可愛い息子のためなら国から託された使命など

 

さらにスロベニアのトラトニックが牽引に加わる

ここからほぼこの二人の牽引でレースはすすむ

スロベニアはツールチャンピオンのポガチャルとブエルタ番長のログリッチがいる

今一番強い国だな

人口はかなり少ないのに

で、レースは道志道から本格化する

イタリアのチッコーネが先頭に出て鬼びき

歌手のマドンナの遠い親戚?とも噂されるチッコーネ

上りが得意な選手である

チッコーネが引くと縦1列に伸びる

そして力無きものは脱落する

さらに籠坂峠

バルベルデも遅れる

新城はギリギリのところで踏ん張る

今回も転んだGも遅れる

スペインのオマールフレイレもギリギリ

この辺りコンディションの差が出てきた

 

しかし下りで一旦遅れた選手も追いつく

そして富士スピードウェイ

大観衆に迎えられる選手たち

やはり観客がいると盛り上がる

富士スピードウェイではニバリがアタック

そこにレムコも食らいつく

あともう一人

誰だっけ?忘れた

3人でしばし追走集団

しかし差を広げるまでは行かずにメイン集団に吸収される

レースは富士山麓

初めて見た景色だが

日本にもこんな場所があったんだなと

アレは感動したね

物凄い綺麗な景色で

いつか自転車で走ってみたい

そして勝負の三国峠

流石にこの峠でふるい落としとなる

どんどん脱落者が

新城も限界を迎えた

彼はパンチャー

もう少し細かなアップダウンのコースで力を発揮するタイプである

ここで少数の集団が抜け出す

結局はツールから来た選手たちが残った

あのツールを走ってから1週間経ってないのに

やはりみんな何かがおかしい

そしてこの中にワウトがいる

シャンゼリゼで勝った男がこの厳しい過ぎる山岳ステージで優勝争いをしている

なんかもう訳がわからない

 

ポガチャルも元気だ

マイケル・ウッズ

川崎さん

カラパス

ワウト

ウラン

モレンマ

サイモンかアダム

マクナルティ

フルさん

などなど

 

峠を越えればあとは降って二回目の富士スピードウェイでゴールとなる

そうなると最後はスプリント勝負になる可能性

しかしこの中にはワウトがいる

ピュアスプリンターとも勝負して勝てる男

流石に山岳が得意な選手では勝ち目はない

こうなると駆け引きが始まる

いかにしてワウトに足を使わせるか

つまりワウトを疲れさせるかが勝利への鍵である

ワウト以外の全員が同じことを考えている

しかしこの状況は逆にチャンスでもある

今どこかのタイミングでワウトを置き去りにして飛び出せば・・

残された集団は集団お見合いとなる

本日はお日柄もよろしいようで

誰もが自分で追いたくはない

お前が行けよ

ここはお前だろ

そんなことしてる間に抜け出した選手は差を広げていく

コレがロードレースは仕掛けのタイミングが大事だと言われる理由である

力がある選手が強いのは当然

しかし勝負が仕掛けのタイミングで決まるのだ

それが今回はカラパスとマクナルティ

二人がタイミングよく飛び出した

 

こうなると追走集団にワウトがいることが厄介だ

誰もがワウトに負わせようとする

そしてワウトも自分で動くしかない

ここで躊躇してたら勝ち目は無い

それでも少しは手伝ってくれる

追走の利害も一致してるからだ

とにかくワウトに一番足を使わせながらもみんなで協力して追走しましょうとなる

そしてレースはついに富士スピードウェイへもつれ込む

先頭の二人からカラパスが抜け出す

追走手段もみんな限界だ

独走するカラパス

やがて追走集団が諦める

もうカラパスには追いつかない

それならせめてメダルでも

2位3位争いに目標が切り替わる

こうなればカラパスの勝利は決まった

そのまま独走で金メダル

コロナ禍の中集まった大観衆から暖かい拍手で祝福された

 

そしてもう一つの戦い

銀銅争い

一気にペースを落とし牽制し合う

ワウトが邪魔だ

そんなワウトをみんなで先頭に押し出す

先頭が比較的不利な体制になるからだ

後ろを気にするワウト

その瞬間ワウトの死角となる位置からスプリント開始

そしてわちゃわちゃに

ポガチャルがワウトの番手につく

ワウトか?ポガチャルか?

ハンドルを投げ合う二人

写真判定でワウトが銀、ポガチャルが銅

ゴール後カラパスを祝福する選手たち

ワウトもカラパスにおめでとうと

しかし既に限界だったワウト

ソーリーとカラパスを押しどけ足早に移動して倒れ込んだ

やはり限界を超えてたんだろうな

マチュー同様シクロらしい戦い方でもある

ポガチャルなど他の選手はまだ余裕がうかがえる

それでもワウトが銀メダルと言うのはカラパスの金と同等の価値がある

 

やはり観客がいると感動が違う

しかしあの場には正直いたくないなとも思う

観客席はあまりにも密だった

おそらく8時間はあの場にいただろう

そして時間的にも飲み食いをしてるはず

デルタ株が自分のそばにいたら

風上にいたら・・・

8時間延々と浴び続ける

流石に怖いな

観客の不織布率は高かった

そして二重マスクもそこそこいた

それだけ警戒してるのだろう

その一方で鼻だしウレタンマスクも

最早、運だな

どの席になるか?

誰のそばになるか?

 

 

でも非常に面白かった今回のレース

新城も相当頑張った

増田はタイムアウトにはなったが最後まで走りき切った

ポガチャルはふざけて表彰式で金メダルを取ろうとした

本当にいいレースだった

ただ残念なのはネット配信でテレビ中継がなかったこと

明日ダイジェストは放送されるが

できれば記録として残しておきたいレースだったな

日本をあの選手たちが走ってるだけでワクワクが止まらない

あと実況解説がなかったのも残念

俺はある程度選手判別ができるからわかるが

何が起きてるのかわからなかった人も多いだろう

やはり実況解説は必要だな

 

なんか山を走りたくてたまらない

明日もう一回配信見ちゃいそうだな