鯖棒亭日乗(下)

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2020年 奈良・京都の旅 06

2020年奈良と京都の旅06

 

いよいよ浄瑠璃寺へと向かう俺である

今回の旅の計画もこの浄瑠璃寺から始まったのだ

 

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山門が見えてきた

なかなか良いサイズ感

この門を抜けるとそこはもう極楽浄土だからね

俺はワクワクした

山門をくぐる

目の前に広がる宝池

池泉回遊式庭園である

そしてこれが浄土式庭園なのだ

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詳しい事はここに書かれているが

この浄瑠璃寺はあの平安後期に起きた浄土ムーヴメントの姿をただ一つ完璧に残すお寺なのだ

特徴としては東に薬師如来、西に阿弥陀如来を配置

真ん中の池はお釈迦様になるみたいだな

東の薬師が過去仏で西の阿弥陀が未来仏、で、現世が釈迦如来

法隆寺の金堂もこの配列である

通常のお寺はまず本堂へ参拝

なにがあっても本堂へGO

しかし浄瑠璃寺での通な参拝方法はまず東の三重塔を参拝する

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この三重塔には薬師如来がいる

まずは過去仏である薬師如来からという事みたいだな

お寺の名前の浄瑠璃も東方浄土か来てるわけだしな

この三重塔こそが人々の苦悩を救い西方浄土へと送り出す東方浄土となるのだ

三重塔で礼拝したら後ろを振り向く

すると目の前には宝池

そしてその奥には本堂が見える

この風景こそが極楽浄土なのだ

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本堂の中には9人の阿弥陀

これが九体阿弥陀

ここ浄瑠璃寺だけに現存する形である

なぜ9人なのか?

人は死ぬとお迎えが来る

西方浄土から阿弥陀様が楽団を従えてやってくるのだが

その時に故人が生前どんな人生を歩んだかにより9通りのお迎え方があるのだ

下から特上まで細かく9通りに分かれている

正確には九品往生説

上品上生、上品中生,上品下生,中品上生,中品中生,中品下生,下品上生,下品中生,下品下生の九品となる

具体的なお迎え風景は宇治平等院へ行けば見られるが

良い行いした人はそれはそれは素晴らしいお迎えで西方浄土へと連れてって貰えるのだ

現代の日本人はほぼ全員が最低ランクだろうがな

肉、魚食べるだけで罪になる

不倫、ロリコン、同性愛も重罪

でも現代では同性愛問題は扱いが難しいだろうな

仏といえど世界中から叩かれるかもしれない

 

西の本堂が西方浄土を表す

そして中央の宝池の東岸が此岸となり現代を表している

で、対岸の西岸が彼岸

これはもうおなじみだな

ここが来世となる

 

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そして彼岸の中日となる春分の日秋分の日には太陽が三重塔から登り本堂へと沈むように計算されて作られているそうだ
という事はバカボンの世界だと未来から過去へ行く事になるんだな

なかなか興味深い

「これでいいのだ」

 

宝池を感慨深く眺めたら

いよいよ本堂へGO

 

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この本堂、本来は厨子として作られているそうな

なので中に入ってお参りする事は想定してなかったとか

今は扉が締めらて阿弥陀様のお姿が見えないが

柱の間、間から阿弥陀様が見えるのだ

左右に4人ずつ

中央に一際大きな阿弥陀

まぁ障子で見えないけどね

 

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中にはいる

「こ、これはすごい・・・」

さすがにこの大きさで9人が勢ぞろいすると圧倒されるね

ここでも圧倒されたね

でも正確にはただいま順番に健康診断を受けて入院治療中なので現段階ではお二人が不在で7人となっている

そして今年の夏には真ん中のお方が入院予定

その代役として現在勧請堂に住まわれてる密教最高仏の大日如来が中央に鎮座するのだ

それが2020年7月15日から2021年6月20日

これは見逃せないな

 

そしてこの日はあの美人で名を馳せる秘仏「吉祥天」の特別公開期間中

いよいよご対面だ

幸福の女神 吉祥天

みうらじゅん氏の片思いの人でもある

そのお姿はやはり美人さんだね

肌なんか鈴木その子もびっくりなほど真っ白だし

吉祥天こそ真の美白の女王だな

秘仏で箱入り娘だから

色彩も綺麗に残ってる

素晴らしいの一言だな

 

九体阿弥陀は当然国宝

建物も国宝

そして阿弥陀様を警護する四天王も藤原時代の国宝でこれまた素晴らしい

この四天王も色彩や截金も残ってるからね

ただ現在多聞天広目天のお二人がそれぞれ京都、東京の国立博物館へ出張中

なので持国天増長天の二人で守ってる

つまり西と北の守りが薄い

気をつけないとな

帝釈天十二神将の手も借りたいな

 

他には子安地蔵菩薩が重文

この人も藤原生まれ

腹巻を巻いてるのが特徴

寒い冬も乗り切れるし貴重品の収納にも使えるな

左手に如意宝珠を持ち右手は与願の印である

 

不動明王鎌倉時代

両脇には制咜迦と矜羯羅を従える

護摩堂の本尊だけに日焼けしたかのように焚かれている

黒さは人々を救済してきた証明でもある

 

 

俺はのんびりと本堂の中で過ごしたが

時間はまだまだある

今度は外に出て再び極楽体験だ

 

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中島には何が祀られてるんだろう?

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橋で渡れるようにはなってるが多分関係者以外立ち入り禁止

まぁここも現世と来世との境だからな

池に落ちたらどうなることやら

なんか怖いよな

 

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昔は船も運行してたみたいだ

 

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いい天気

 

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本堂前の灯篭から覗いてみた

これが西方浄土から東方浄土の眺めである

 

「薬師さんさっきの方、無事西方浄土へお迎えしましたよ」

 

なんて声が聞こえてくる気がする

 

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これは池の鯉

 

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極楽浄土に住む猫

幸せだろうな

 

俺は浄瑠璃寺を後にした

 

「さて軽く蕎麦でも食べるかな」

隣にあるそば屋のメニューを見る

ちょい予算オーバーで悩む

すると来る時に猫がゴロゴロしてた茶屋を思い出す

まぁここも隣だがな

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「やってるよ」

しかも安い

「オススメのとろろそばだな」

俺は店の中に入った

客は誰もいない

そりゃそうだ

浄瑠璃寺でも俺一人だった

まだ外人に侵されていない京都

大事にしないとな

 

 

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とろろそば 温 650円

 

「なかなかうまそうだ」

 

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よく混ぜてくださいとのこと

混ぜ混ぜ

混ぜ混ぜ

混ぜ混ぜ

「ん〜とろろが美味い!」

なんか年末から蕎麦ばかり食べてる俺である

高級ミシュラン蕎麦から緑のたぬきまで

でもこういう蕎麦が一番美味いよなぁ

田舎で食べるとまたより一層美味く感じる

 

 

 

「ごちそうさまでした」

 

予算があれば甘酒も飲みたかったが

また今度だな

大日如来に会いたいしな

 

 

さてまだバスの時間まで1時間ある

ここからは世界猫歩き

 

「良い子でちゅねぇ〜」

 

俺はしばし岩合さんとなる

 

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なんかどんどん集まってくる

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手足格納

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お前らどんだけいるんだよ

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犬もいた

首輪はしていない

野良犬なのかな?

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猫がじっと犬を見ている

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犬はずっと何か食べていた

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周辺を散歩してみるとここにも石仏が

長尾阿弥陀如来

バスで来た道だけど気づかなかったな

 

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どうやらこの奥に浄瑠璃寺奥の院があるそうな

しかし台風の倒木の影響で単独で山に入るのは禁止となっていた

残念

 

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入り口だけ撮影

いつか単独で行ける日が来るのかな?

誰か連れて行かないとダメかな?

 

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お前ら何見てんだ?

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そろそろバスの時間だ

 

俺はバスに乗り近鉄奈良駅へと帰った

 

 

07に続く