鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2020年 奈良・京都の旅 01

さて今年も新年恒例 旅のお話

正直今年は迷っていた

例の消費増税が俺にかなりの経済的ダメージを与えているからだ

しかし俺は考えた

いつ何が起きてもおかしくない時代

「冥土の土産だと思って行ける時に行っておけ」

俺は自分で自分の背中を押した

「押すなよ押すなよ」

などと自分で自分を押すようにけしかけてた部分はあるのだが

 

場所の選択はすぐに決まった

限られた予算と時間

やはり移動にはあまりお金と時間をかけたくはない

そうなるとやはり関西

京都、奈良がメインとなる

俺はいつも旅のテーマを決める

今回のテーマは「初奈良、初京都」

サブテーマとして「THE極楽、お迎えが来るその時」

ここ数年俺は極楽を再現された場所を回っている

今回もまぁ同じことである

ちなみに極楽とは一般的に天国だと思われてる場所

しかし正式には天国とはキリスト教イスラム教が行く場所であり

仏教徒は天国ではなく極楽浄土目指すことになる

極楽の中でもまた様々な極楽があるのだがその辺りはこれから書いていく予定である

 

今回の旅も前回同様二泊

これは近年俺の老化に伴い1日で回れるエリアが少なくなってきた事情がある

そして奈良は広い

朝から夕方まであっても一つのエリアを回りきれないぐらい広い

そのために一泊だとどうしても半日半日の観光となり中途半端になる

なので今年も二泊に決定

予算的には15000円プラスで行けるはず

ホテル6000円、朝昼食1500円 夕食3000円 その他雑費4500円(交通費、拝観料、御朱印、お土産などなど

まぁこんな予定

毎月1000円ちょい貯金すれば15000円は出せる金額

月に1000円節約するのもそんなに難しくはないしな

そんな楽観的な考えで俺は予算を計上し二泊三日の旅をするのだ

 

拠点は奈良に構える

俺自身京都は数えきれないほど旅している

そんな中で今回のテーマは初奈良、初京都

となるとまだ観光してないエリア・・・

となると京都市内からは外れた場所となる

電車やバスなど交通網を調べた結果

奈良から行った方が便利だと判明

しかも住所的には京都なのに通ってるバスは奈良交通なので奈良から1日乗車券が使えてお得に回れるのである

 

俺の奈良での常宿は奈良ホテル

今回も奈良ホテル

しかし予算的に一泊が限界

例年ならもう少し安く泊まれるのだが現在奈良ホテルは110周年キャンペーンプランで総額はやや高い

一番安い部屋で一泊18000円

記念ステッカーがもらえるとか

夜のビュッフェが2割引とか

そのビュッフェ利用なら翌日の朝食ビュッフェが半額とか

次回の宿泊半額券とか

まぁこれは新館などのお安い部屋に適用されるわけだが

どうせ高い部屋に宿泊する客層はお金持ちだろうから半額にしなくても問題はない

むしろ彼らには積極的に消費してもらい国内でお金を回してほしい

それがお金持ちとしての使命だと思うのだ

 

一泊は奈良ホテルで決定

これは2日目とする

そうなると初日は・・・

俺は個人的に藤田伝三郎が好きなのである

これは全て北森鴻さんの小説による影響が大きいわけだが

なので藤田観光

ホテルフジタに決定

一泊素泊まり5800円

ちなみに夕食朝食の割引券もサービスしてくれた

これなら予算内

早速俺は予約した

ついでに奈良ホテル日本食レストラン「花菊」も予約した

早めに予約しておけば夜景が見える席をキープしてくれる

しかし残念なことに奈良の夜は真っ暗である

 

 

ワクワクしながら計画を立てる

大体の計画はすぐに決まった

あとは細かい情報収集

主に交通機関だが

これは正月の間に調べた

バス乗り場や時間

メジャー観光地なら問題ないが僻地となるとバスの本数が少ない

そうなると情報が最大の武器となる

あとは飯

僻地のお寺でも国宝を所有し紅葉の季節には賑わうだけに飲食店は近隣に数店ある場合が多い

しかし俺の経験上、大型連休明けの観光地は休日となる飲食店が多い

そのために僻地に行く場合は弁当持参が必須

俺は大抵パンを買って持っていく

あとは非常食用のミニ羊羹だな

当然水も持参

でも大抵自販機はある

それでも俺は自販機はおろかトイレすらない僻地のお寺にも行くことがあるので水も大事である

 

今回も前置きが長くなりすぎてるな

さっさと書くか

そんなこんなで旅の当日

朝は5時に起きて準備開始

自宅からはバスで移動

東海道線に乗り換え琵琶湖線に乗り換え京都へ

「新幹線で行けよハゲ」

などと思われる方もいるだろうが

これも全ては経費削減

旅はのんびりと普通列車が良い

本を読みながらのんびり列車旅

気がつくと京都に到着

奈良まではJRと近鉄が利用できるが

そのまま奈良まで切符が買ってあるので奈良線へ乗り換えて奈良へ向かう

車内はほぼ外人で埋め尽くされている

満員だ

座る場所などない

でも大丈夫

奴らが目指す場所は伏見稲荷

どうせすぐに降りるのだ

伏見稲荷をすぎると車内は座れるぐらいに空く

俺はBOX席に座り本を読む

すると前の席に人が座る

見た所40代前半の女性

おそらくひとり旅

一目見れば大抵わかる

既婚者か独身者か

俺も同じだからな

彼女はちらっと俺の方を見る

おそらく彼女も俺と同じことを思っただろう

「おっさんのひとり旅かよ・・・」

当然ここからは何も生まれない

 

彼女は宇治で降りた

「極楽浄土か・・・」

宇治平等院もまた重要な極楽の寺

やはりお一人様は極楽を目指すのかもしれない

宇治でさらに人は少なくなる

そして奈良へ到着

実に1年ぶりに奈良へと降り立った

まず荷物を預けるためにホテルを目指す

ホテルへ荷物を預けついでにトイレも済ます

「さぁ昼飯だ」

すでに時間は11時過ぎ

去年はカレーを食べた

非常に美味しかった

しかも俺が目指すバス乗り場への通り道にある

しかし新たな店も開拓したい

昭和生まれの人間は正月をすぎるとやたらとカレーが食べたくなる

「おせちも良いけどカレーもね」

そんな俺は今回もカレーを選択

店は決めてあった

ホテルの隣

「本格インド料理MANNA

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本日の日替わりカレーはサツマイモ、しめじ、ほうれん草

実に日本的だな

店に入る

適度に混んでいる

案内された場所に座る

店員さんは外人さん

インド人なのかパキスタン人なのかはわからない

でもこの店のシェフはかつてインドの5つ星ホテルで修行を積んだシェフである

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もっと安いランチでも十分なのだが

せっかくなので店のオススメのマハラジャランチを注文

カレーは3種類

チキンとベジタブルと日替わりカレー

日替わりカレーは例の奴だ

ナンは食べ放題でライスも付く

タンドリーチキンとエビバージョンのタンドリージンガ

ドリンク付き

これで1180円

この日の俺のランチ予算は1200円である

予算内

 

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マハラジャランチ

カレーはすぐに登場

マハラジャランチ

でもパンツ丸出しで踊るお姉さんはいない

「これはどうやって食べるべきなのか?」

南インド風に小皿を外に出して大皿で混ぜ合わせるのか?

周りを見るがみんなそのようなことはしていない

とりあえず俺はサラダを食べて器を外に出す

ナンをちぎりカレーに浸して食べた

「おお、なんて深みのあるカレー・・・」

「このゴロゴロ具材はチキン」

まずはチキンカレーから食べた

辛さは最初に聞かれたが無難に普通を選択

しかし少し後悔

ほぼ辛みはない

この辺り日本人用にアレンジしてあるみたいだ

それでもカレーはうまい

正直最近は無印のレトルトで満足してしまう俺だが

やはりちゃんとした店で食べるともっともっとカレーはうまい

次は日替わりカレー

サツマイモだけに甘みが良い感じだ

ちょっと酸味もありこれはこれでうまい

そしてベジタブルカレー

これはジャガイモ他

これもコクとまろやかさとスパイシーさが絶妙なバランスを保ちうまい

これから俺は仏教旅に出る

インドは仏教発祥の地

あのお釈迦様を生んだ国である

それだけにこの選択は正解だな

俺はひたすらナンをちぎりカレーにつけて食べた

時には2種類3種類ブレンドしながら自分の味を探した

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タンドリーチキン、タンドリージンガ

「うまそうだ」

「でもこれはどう食べるのか?」

「まぁいいか」

俺は手でつかんでタンドリーチキンを食べた

「これもうまいなぁ」

今まで食べてきたタンドリーチキンとは別物だな

とは言っても本格的な店で食べるのは初めてなので比較しようがないのだが

うまいからOK

ついでにエビもOK

手はベトベト

 

俺はひたすらナンを食べた

おかわり自由だしな

最初はおかわりするつもりだったが

ナンを食べ終える頃にはすでに満腹だ

そして今度はライスでカレーを食べる

ライスは国産ではなくインド産なのかもしれないな

「ナンもいいけどライスもね」

やはり俺は米が好きだな

そして日本人である俺は日本の米でこのカレーを食べてみたいなと思うのであった

 

満腹だ

結局ナンのおかわりはできなかった

最後を締めくくるのはラッシー

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ラッシー

ラッシーと聞くと昭和世代は犬を思い浮かべるだろうが

これはドリンクである

いわゆるヨーグルトジュース

俺はラッシーを飲んだ

「な、なんて濃厚な・・・」

ラッシーもシャバシャバ系濃厚系と店により様々だというが

俺はこの店のラッシーは好きだな

もはや名犬だな

 

 

満腹となった俺は商店街を抜けて近鉄奈良駅を目指す

再びトイレを済ませて

バス乗り場を探す

バスの時間もあらかじめ調査済み

数分でバスは到着

バスに乗り俺は唐招提寺を目指した

ついに唐招提寺へ行ける・・・

奈良旅を始めて何日目だろうか?

ようやく俺は鑑真の唐招提寺へと向かう

 

「随分と長いことかかっちゃったな」

 

 

02へ続く