鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

パナチタンがやって来た

先月ふとしたことからあぶく銭を手に入れた俺は暴挙に出た

こう言った金は気が変わらないうちに使わなければ生活費として消えてしまう

それではあまりにも勿体無い

こんな時しか思い切った買い物はできない

そこで俺は以前から欲しくて欲しくて仕方がなかった自転車を注文した

パナソニックのチタンロード

おそらくこれが俺の最後のロードバイクとなることだろう

この10年でロードバイクも随分と値上がりした

これからも少しづつ値上がりすることだろう

「買えるうちに買っとくか」

俺は自分で自分の背中を押した

すでに俺は50歳目前

あと何年自転車に乗れるのか?

周囲のお年寄りはフラフラ蛇行しながらもママチャリに乗っているが

さすがにあれでは体幹を必要とするロードバイクは乗れない

「自分もいつかあんな風になるのだろうか?」

それは何歳なのか?

65歳定年を迎えてからロードバイクを始める人も多いと聞く

テレビでは火野正平も元気に走ってる

となると75歳ぐらいまでは何とかいけるかな?

でも多分その頃俺死んじゃってるな

そうなると死ぬまで走れるということか

 

チタン

そこそこ軽くて錆びにくい

絶妙な柔らかさ

その気になれば硬いのもお任せあれ

さすがに万能なフレームを作れるカーボンには負けるが

耐久性を考えた場合

レースに出ない素人が趣味で乗る場合を考えるとチタンという選択肢は最高だ

同じような特徴としてクロモリも良いがやはり錆びが心配である

俺のクロモリも傷がついたところから錆びがちらほら出て来ている

チタンはとにかく溶接が難しい

なので世界中でも作れるメーカーは少ない

まぁ売れないしな

イタリアのデローザが有名だが一人で作ってるために注文を受けてから納品まで数年単位

そこで日本が誇る自転車メーカー「パナソニック」なのである

競輪選手も愛用

かつてはツールやクラシックレースで世界を圧巻

それでも日本では家電メーカーのイメージ強いためにダサイイメージ

だがそこが良い

そこが良いのだ

実際にパナソニックロードバイクに乗ってるとたまに話しかけらる

競輪選手や元自転車部でバリバリやってた人など

とにかく安くて高性能

海外では人気だが日本では不人気

それがパナソニックのオーダーバイクなのである

オーダー式なので1センチ単位でフレームが作ってもらえる

色も自由自在

あれだけあると迷って決められないだろう

そのために東京などではファッションとして乗る人もいるみたいだ

 

カスタムオーダーの場合は注文してから約一ヶ月でショップに入荷

そこで組み上げてもらい完成となる

金曜日に入荷した俺のチタン

先ほどようやく完成との連絡をもらったので早速引き取って来た

やはり軽い

軽さは正義

歳を取るとこの僅かな軽さが嬉しい

車に積むのも楽々だ

そして慎重に運搬

自宅に到着

車から降ろし

そのままズボンの裾を捲り上げチタンロードに跨った

フレーム、ハンドル、クランクのサイズはクロモリと同じだ

サドル高もクロモリと同じ高さにしてもらった

ハンドルは若干クロモリより低い

そのためちょい落差が出ている

「かっこいい」

それでも乗ってみないとわからない

これが正解なのか?不正解なのか?

俺はそのまま走り出した

「オオォおおおおおおおおおお」

「な、何だこれは?」

俺は衝撃を受けた

パナが言ってた通り「まるで女性の手で優しくしごかれ・・・」

違うな

「女性の手で優しく押されてるような加速感」

まさにその通りなのだ

数回のペダリングで高速域に突入

「ま、まさかこれほどとは・・・」

俺は滝川クリステルの旦那の親父みたいに言葉を吐き出した

「感動した!」

「司会者か!」

ダメだ・・・楽しい・・・

すげえ楽しい

チタンで走ってることが楽しくて仕方がない

Zガンダムに乗り換えたカミーユもこんな感じだったのだろうか?

「クロモリとは違うのだよクロモリとは」

あとは山だな

山へはまだ当分行けそうにない

明日午前中に台風対策が終われば走ってくるかな

それにしても初めて乗った自転車なのに体に馴染みまくり

まるで俺のために作られたバイクかのようだ

まぁカスタムオーダーではあるが

若干クロモリとはポジションが違うのにやたらとしっくりくる

まるで体の相性の良い女を抱いてるかのようだ

そしてすごい安定感

踏めば踏むほどグングン加速する

しかしとても優しいのだ

女性の手で優しく上下に・・・

俺は直ぐに絶頂に達した

 

 

 

写真はまだ取っていない

明日細かなアクセサリーを移植してからだな

名前は決めた

「ルシファーズ・ハンマー 悪魔の鉄槌」

元ネタは本家ハーレーではなく「特攻の拓

時貞くんだな

あのSRは欲しくて仕方がなかった

バイクの免許持ってないのに

そんな時貞くんの愛車をイメージして作った今回の俺のチタン

オートバイとロードバイク

まぁ同じ二輪だ

そして俺のルシファーズ・ハンマーにも幻のギアが隠されている

物理的には105で11速なのだが幻の12速があるのだ

「スピードの向こう側」

その領域に突入するために用意された幻の12速

しかし12速に入った瞬間に俺の背中から生えてた翼が砕け散り

俺は、不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまうのである

なんか色々混ざってるが

気にしない気にしない

 

 

そんな俺は漫画を一冊購入

サイクリーマン

自転車版釣りバカ日誌

よくあるレース漫画ではなく純粋に自転車を楽しむおじさんたちの物語

少し読んだが面白い

自転車の乗り方もよくかけてるし

主人公の自転車も放置してあった自転車を物置から出した時と走り込んでからの自転車がポジション変更されていたりする

とにかく読んでると無性に走りたくなる

今後楽しみな自転車漫画だな

おっさんにしか受けないかもしれないが