鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第21ステージ

2019年ツール第21ステージ

ツールもいよいよ最後のステージ

ランブイエ〜パリ・シャン=ゼリゼ
距離は128キロ

とは言ってもパリの周回コースに入るまでは基本パレードラン

これは正式ルールではなく暗黙の了解

総合優勝の争いは20ステージまでで終わり

21ステージはステージ優勝だけ争いましょうというのがツールなのだ

当然正式ルールではないので再逆転を狙って逃げてもルール的には構わない

ただ世間体的に世界中から袋叩きにされることだろう

コースは基本ど平坦なんでまぁ逃げ切りは難しい

そして最後は大集団のスプリントになるのでタイム差もつかない

結局総合成績を争う意味がないので3週間頑張ったご褒美

思いっきりツールを楽しみましょう的なパレードランとなる

 

スタート地点前方には表彰台メンバーと4勝ジャージが並ぶ

白の新人賞ジャージだけは繰り下げでゴデュが着ている

ポイントのサガン

山岳のバルデ

そんな中にアラフィリップも先頭にいる

これはおそらく総合敢闘賞

3週間含めての敢闘賞

世界中の誰からも文句が出ない総合敢闘賞だろう

 

選手たちは0キロ地点まで移動

ここから一応はレーススタートである

アラフィリップがふざけてファーストアタックをするフリをする

これまた誰かがやるいつものおふざけだ

でも実際にアラフィリップが逃げたらフランスは盛り上がるのかも知れない

 

とにかくのんびりとサイクリングだ

時速30キロぐらいだとも言われている

素人なら一般的なスピードだがこのレベルの選手にとってはかなり遅いスピードである

この日もアラフィリップとベルナルが握手を交わす

沿道ではフランス軍も声援を送る

イネオスのチームカーからは早くも恒例のシャンパンがベルナルに渡される

走りながらシャンパンで乾杯

しばし記念撮影タイムだ

そのあとでチーム全員にシャンパンが渡されて横一列に並びイネオスおめでとう写真タイム

しかしその後ろではサガンがおふざけ

サガンは謝りすっと前へ逃げる

何年か前はマシューズがシャンパンを横取りしてたな

イネオスは全員グローブが黄色になっている

恒例のチームカーも黄色だ

そしてGはサングラスも黄色だ

多分最初から用意されていたはず

でも今年は一回もマイヨジョーヌを着ることがなかったな

 

ニバリとクロイッゲルがお話

これも毎年恒例

リクイガス歴代のエース同士の談笑タイム

すぐ後ろにはサガンもいる

みんなリクイガスの元チームメイトであり

元エースである

 

Gとアラフィリップもお話

「来年マイヨジョーヌ狙うのか?」的な会話かな?

ちなみにアラフィリップは総合系にはならないそうだ

やはり彼はクラシックライダー

これからもクラシックでガンガン勝利を目指すそうだ

 

今度はゲシュケとバルギルがお話

この二人も元チームメイト

「契約切れたらうちこない?」

それとも単純に世間話か

 

先頭ではドイツ人選手が集合

このようにみんなそれぞれ

チームメイト

元チームメイト

死闘を繰り広げたライバル

自分のチームに勧誘したい選手

同国の選手

練習仲間

お友達

楽しそうに談笑をしながらパリまでのんびりとパレードラン

これがつまらないという人も確かにいる

最後まで真剣勝負レースがみたいと

でも俺はこのパレードランが大好きだ

多分これがなかったらツールにハマってないと思うほど大好きだ

俺もまたシャンパンを取り出し

「お疲れ様」と一人で乾杯する

正直3週間テレビ観戦でも相当辛い

毎年毎年この3週間睡眠不足で乗り越えた自分に乾杯なのだ

 

実況解説陣がバルデラマの話をしている

懐かしい

大きなボンバーヘッドが特徴のコロンビアの司令塔

バルデラマはとにかく動かない

そしてインサイドキックのみ

そんなバルデラマを俺たちは真似したものである

戦術「全員バルデラマ

動かずにインサイドキックでパス回し

当然攻められまくった

 

 

今度はイェーツ兄弟が二人で喋っている

正直同じチームなんだし普段からいくらでも会話してるだろうに

本当に仲良し兄弟だ

そしてどっちがアダムでどっちがサイモンなのか?

誰にもわからない

 

今度はオスとニバリ

ここも元リクイガスだな

 

デヘントとウェレンスの仲良しコンビも先頭に出る

4級山岳だ

オフルドとふざけあって山岳争い

ウェレンスが見事4級山岳をGET

お友達デヘントと祝福をする

本当に仲良しな二人

本当はできてるんじゃないかと思うぐらいラブラブだ

いつだったかレース後に自転車で1000キロキャンプしながら走った仲でもある

 

どうやら今年のツールは史上最も僅差の戦いだったそうだ

確かに僅差ではあるが

アルプス見てるとやはりイネオスの圧勝だったな

クライスヴァイクは3位を守るだけで精一杯だった気がする

 

サガンとクリストフもお話

去年のシャンゼリゼを制したクリストフである

「今年は俺が勝つよ」

「俺だって負けないぜ」

 

イェーツのどちらかとGもお話

「イネオスこいよ」

「給料すげえいいぜ」

「イギリス勢で頑張ろうぜ」

 

サガンとヴァンアーベルマートもお話

サガンはどこにでも顔を出す

 

 

そして先頭にコロンビア勢が集合した

コロンビア祭りの開始である

 

ウラン

キンタナ

エナオ

ベルナル

 

今年は4人なんだな

ウランがしきりに

「写真取ってよ」アピールする

 

 

 

パリに入る

イネオストレインが前方に出る

やはりここはチャンピオンチームが先頭でパリに突入だ

サンジェルマンを抜けセーヌ川

ノートルダムが見える

プロトンセーヌ川を越えてパリの発祥の地でもある中洲のシテ島を横に眺めながら左に曲がる

そこにはあのルーヴル美術館

そしてなんと今年は特別にルーヴルの中を走らせてくれるらしい

普段では考えられない場所を選手たちは走り抜けていく

多分マカロン大統領に感謝だな

パリはちょうど夕日が

「なんて綺麗なんだ・・・」

ルーヴルの中を走り抜けるプロトン

彼らも確実にアートとなっている

 

いつもの移動遊園地

この辺りにフラムルージュがある

ここを越えて左に曲がるとオベリスクがそびえ立つ

毎年辻さんが撮影する場所もこの辺りである

最終コーナー右に曲がるとシャンゼリゼ

その先には凱旋門が見える

 

世界中の自転車乗りの憧れ

パリ、シャンゼリゼ

ようやく今年もやってきたのだ

 

 

21ステージはパリまでパレードラン

どこから本気を出すかは各チームごとで事前に決められている

そしていよいよ21ステージ本当の意味でのスタート開始

トーマス・スクーリーとオマール・フライレが飛び出す

ここにヤン・トラトニクとニルス・ポリッツが合流して4人の先頭集団

まず逃げ切りは不可能

あくまで泳がされる4人

でも逃げなければ何も起こせない

とにかく今は逃げるしかないのだ

かつて日本の別府選手もここで逃げた

そして21ステージの敢闘賞を獲得した

 

「コロンビア!コロンビア!」

そこらじゅうから聞こえてくるコロンビアの大声援

どうやら彼らははるばるコロンビアからやってきたらしい

 

そして「アラフィリップありがとう」の声援も飛ぶ

 

選手たちはいつもの周回コースへ

セーヌ川沿いを走りルーヴル前のトンネルを抜けるとそこには黄金のジャンヌダルク

移動遊園地を抜けて左に曲がり右に曲がるとシャンゼリゼ

一度も行ったことのないパリ

しかしちゃんと覚えている

それだけ何回も何回も見た光景である

この後で凱旋門をぐるっと周り再びセーヌ川へ出る

 

 

総合4位のブッフマンがパンク

幸いまだ距離はある

問題はないだろう

それにしても彼は安定感抜群だったな

いい意味で存在を消していた

今後の成長が楽しみだ

 

今度はGがメカトラ

以外とトラブルの多いG

やたら前乗りなのが気になる

今度真似してみよう

 

コロブレッリもパンクである

今日のステージを狙いたいコロブレッリの緊急事態にエースニバリが彼を引き戻す

来年はトレックに移籍するニバリ

でもチーム内での関係は良いみたいだな

 

あぁマシューズもパンクだ・・・

 

 

残り1週の鐘がなる

ついに今年もこれで最後

なんかとても寂しい

嗚呼ツールが終わってしまう・・・

しかし見届けなければ

今年のシャンゼリゼでの勝者を

 

残り6キロ

ヴァンアーベルマートがアタックするもすぐに吸収

マシューズはなんとか集団に戻る

 

最後の凱旋門を周りセーヌ川

ここでミッチェルトンが先頭を引く

トンネルに突入だ

トンネルを抜けると最後のジャンヌダルクが選手を見守る

ドゥクーニンクがトレインを作る

フラムルージュ通過

アラフィリップが引き終わる

モルコフが上がってくる

なんか今年はワチャワチャだ

なぜか再びアラフィリップが先頭にでて最終コーナーを曲がる

「これで良いのか?」

「引きすぎなんじゃ?」

各チームトレインが作れずにワチャワチャな展開

ここでボアッソンハーゲンがロングスプリント

こうなるとヤバイ

彼を逃してはダメだ

予定外にスプリントが早まる

しかし前方にはエーススプリンターはいない・・・

ヴィヴィアーニが間に合わない

瞬時の判断で最終発射台のリケーゼがそのままスプリントする

ワチャワチャな中で後方からものすごい加速でフルーネウェーフェンとユアンがお互いに両サイドからスプリント

シャンゼリゼの右はダメだ」

シャンゼリゼは右の路面が荒れてるらしい

しかしユアンにはコースが右しか空いていない

そのまま右側からスプリンしたユアンが見事シャンゼリゼを制した

 

何度も何度も雄叫びをあげながらガッツポーズ

 

2019年ステージ3勝目である

そしてあの夢にまで見たシャンゼリゼでの勝利であった

 

 

後方ではしっかりグライペルも最後のスプリントを見せてくれた

「お疲れグライペル

グライペルのツールも終わった

 

 

 

そしてベルナルとGトーマス

仲良く手をつなぎベルナルに手を差し伸べる

「こちらがうちの勝者ベルナルです」

マイヨジョーヌを確定させたベルナルに敬意を表する

ベルナルもGを指差し

「この人がGです」「彼もまた勝者です」

これまた敬意を表した

 

若干22歳のベルナルがツール・ド・フランスで総合優勝を確定させた

 

 

マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) 82:57:00
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームイネオス) 0:01:11
3位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) 0:01:31
4位 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 0:01:56
5位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:04:05
6位 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター) 0:04:23
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 0:05:15
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 0:05:30
9位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 0:06:12
10位 ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) 0:07:32

 

 

マイヨベール

ペテル・サガンスロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

 

マイヨポワ

ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)

 

マイヨブラン

1位 エガン・ベルナル(コロンビア、チームイネオス) 82:57:00
2位 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) 0:23:58
3位 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:58:20

 

 

チーム総合

モビスター

 

総合敢闘賞

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ

 

 

 

今年もツールが終わった

数々のドラマ、感動をありがとう

 

ありがとうアラフィリップ

 

ありがとうピノ

 

そしてベルナル

 

ありがとう

 

 

 

 

今回の予想はステージ2つと総合優勝でベルナルを当てることができた

まぁ世界的に見てもみんな「ベルナルベルナル」言ってたしな

でも来年はどうなるのか?

復活のフルーム、G、ベルナル

イネオスは贅沢な悩みだな

 

そして対抗となるドュムランはユンボに移籍

これまたどうなる?

来年はニーススタートで最初から登りがあるらしい

今から楽しみで仕方がない

 

また来年だな