鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第20ステージ

2019年ツール第20ステージ

泣いても笑っても総合の争いはこの日が最後

アルプス最終決戦の山頂ゴール

アルベールヴィル〜バル・トランス
距離59・5キロと極端に短い

これは前日の天候不良のために土砂崩れが発生して道路が封鎖されてしまった為にコース変更となった

主催者としても苦渋の決断だっただろう

レースは進行中

考える時間なんか僅かしかない

そこから全ての段取り変更をしなければならないのだ

 

今日のコースは前半30キロほど平坦を走り山を30キロほど登るヒルクライムコース

超級山岳を一つ登るだけなステージである

しかも距離が約60キロと前代未聞な短さ

レースはスタートからハイペースな展開が予想される

トップレベルの選手で行うヒルクライムはちょっと楽しみだ

 

前日のベルナルのインタビュー

感極まって号泣するベルナル

ロードレースの美しい場面である

 

そして20ステージ

スタートラインに並び最後の最後まで補給食のジェルを絞り出し食べ尽くすベルナル

両隣にはサガンとバルデ

先輩たちと丁寧に挨拶を交わす22歳のマイヨジョーヌである

 

当日はネットでも情報が錯綜

ネット上に上がる動画や写真は豪雨

前日同様とてもレースができる状況ではない

錯綜する情報

いよいよ中止が濃厚になってきた

現地では辻さんがインスタやツイッターで情報を出してくれてるが

現地にいてもわからない

果たしてレースは行われるのか?

やきもきしながら情報を集める

「中止決定!」との情報が入る

落胆する

これでもかと落胆する

「なんでこんなことに・・・」

しばらくして続報が入る

「中止かどうかまだわかりません」との情報が

選手たちは集まってきてるらしい

レースの準備も進められてるそうだ

「一体どっちなんだ?」

とりあえずこちらも準備してスタートを待つしかない

放送開始の21時05分を

 

放送が始まる

無事第20ステージはスタートするそうだ

ただ急激な天候の変化も予想されるためいつ中止になるかわからない状況

自然のことなど誰にもわからないのだ

それでも現地は快晴

すでに路面も乾いている

無事レースは始まった

 

スタート開始から飛び出す選手が多数

次から次へとワチャワチャと出てくる

メイン集団も逃がさない

距離が短いだけにタイム差は最小限に抑えてくる

急なコース短縮で予定してた現地制作のビデオが次から次へと流される

その度にライブ中継画面は小さくされて片隅に追いやられる

その間にもレースは進んでいく

 

集団の中でアラフィリップとベルナルが横に並び言葉を交わしお互いの健闘を讃え拳を突き合せる

 

気がつくと29名ほどの逃げ集団

ニバリ、ウッズ、ザカリン、ルイコスタなどエース級の選手に加えてスプリンターもちらほらと混じっている

これはタイムアウト対策か?

できるだけ先頭付近で登った方が後が楽になる

しかし流石に今日は逃がさない

総合争い最終ステージ

今日で出し切っても構わない

メイン集団は2分30秒ほどで追走する

 

平坦区間を終えていよいよ超級山岳へ突入

集団コントロールはイネオス

ようやくマイヨジョーヌを手にしたイネオスが集団コントロール

しかし今年のマイヨジョーヌはフルームでなくGトーマスでもない

22歳のベルナルなのだ

 

デヘント、ウェレンスの仲良しコンビが飛び出す

何もできないかもしれないが、やれることはやろう作戦

彼らにとってはいつもの練習かもしれないな

 

登りに入るとメイン集団からFDJのライヒェンバッハが飛び出す

ピノを失ったFDJ

ピノのために!」の思いも強いのだろう

なんとか一矢報いたい

 

マイヨジョーヌを獲得してリーダーチームとなったイネオス

追う立場から追われる立場になった彼らは本気で逃げを潰す気もない

彼らはライバル勢のそばにいればいい

みんなで仲良くゴールすればパリでのマイヨジョーヌはほぼ確定だ

そんなイネオスにしびれを切らしてかユンボがコントロールに入る

メイン集団はペースアップした

 

大きな逃げ集団もどんどん人数を減らしていく

さすがにいつもと違うヒルクライムレース

本来なら各チームのエースとアシスト数名で登る峠である

登れない選手たちを吸収しつつメイン集団は登っていく

 

先頭も5名に絞られる

ニバリ、ザカリン、ウッズ、ギャロパン、ペリション

残り15キロ

リッチーが遅れた

結局何もできなかったリッチーポート

来年はニバリがトレックにやってくる

リッチーもこのまま終わってしまうのだろうか?

スカイでのアシスト時代は他のエースよりも強かったリッチー

フルームと別れ自らエースになった途端結果が出なくなった

今でも思い出すサクソバンク時代のジロでの走りが懐かしい

 

 

そしてついにこの時が

残り13キロ

この日も苦しい表情で耐えてきたアラフィリップが遅れた

アシストのマスが助けに来る

限界を超えて気持ちだけで走り続けてきたアラフィリップ

マイヨジョーヌも失い

彼を支えてきた気持ちすら保てなくなってきたのかも知れない

もはや表彰台すら守れないところまで落ちていく

しかし間違いなく今年のツールを盛り上げてくれた一人である

世界中から温かい拍手が送られたことだろう

彼の脚質から言って19ステージまでマイヨジョーヌを守ったことがもはや奇跡である

世界最強のクラシックレーサーだからこそ出来たことなんだろうな

本当に強い奴しかクラシックでは勝てない

 

 

アラフィリップの後ろには山岳ジャージのバルデ

山岳ジャージ黄色信号

あとは他力でしかない

 

 

先頭ではニバリが抜け出し独走態勢に入り

見事逃げ切りステージ優勝

なんとか最後の最後で王子様への土産ができた

 

メイン集団はユンボとボーラがコントロール

お互いに表彰台争いを繰り広げる

イネオスは何もしなくていい

ニバリを捕まえる必要もない

ベルナルとGトーマスの表彰台を守るだけだ

 

ランダが出る

動けないイネオス以外の総合勢

はやみんな限界

ここで動けば自分が落ちてしまう

なんとか踏ん張るしかない

今の順位を死守するために

 

 

2位にはバルベルデ

3位にランダ

 

そしてイネオスの二人

ベルナルとGトーマスが手をつなぎゴール

事実上のベルナルの総合優勝が決まった

あとは何事もなくパリを走りきるだけである

 

ゴール後のニバリを見ていると全てを出し切ったかのようだった

短いとはいえそれだけ厳しいレースだったみたいだ

結局総合争いは現状維持を選んだ

これもイネオスが強すぎるからなんだろうな

 

 

バルベルデたちがポイントを潰してくれたおかげでバルデも山岳ジャージ確定

ピノ、アラフィリップだけに注目が集まり

すっかり忘れさられ常にイラついていたバルデ

終わってみればフランス人として表彰台を獲得

やはり安定感のバルデである

そしてニッコニコのバルデである

 

総合成績

1位 エガン・ベルナル(チームイネオス) 79:52:52
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) 0:01:11
3位 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィズマ) 0:01:31
4位 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ) 0:01:56
5位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:03:45
6位 ミケル・ランダ(モビスター) 0:04:23
7位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト) 0:05:15
8位 ナイロ・キンタナ(モビスター) 0:05:30
9位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 0:06:12
10位 ワレン・バルギル(アルケア・サムシック) 0:07:32

 

 

ここから選手たちはパリまで大移動

そしてここまで頑張って山を越えてきたスプリンターたちの夢の舞台シャンゼリゼ

前半はパレードラン

これまたツールの美しい場面

ライバル同士お互いに健闘をたたえあいながらパリを目指すのだ

 

 

 

第21位ステージは放送時間が深夜から早朝となる

さすがに生中継での観戦は無理

録画して明日の夜だな

なのでブログは火曜日以降かな

 

 

忘れてた

第21ステージ予想

ガチガチ力勝負

フルーネウェーヘンで

 

でも個人的希望はグライペル

最後に勝負に絡む姿が見たい

 

月曜日か

暑いし

仕事したくないな

ツールロス

ブエルタが始まるまでしばらく続くのだ