鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第1ステージ

今年もついに始まったツール・ド・フランス

今年はフルームもデュムランもいないツール

そしてコースはTTが少なくクライマー向け

各チーム総合系エース誰が勝ってもおかしく無いツールである

スタートはベルギーのブリュッセル

マイヨジョーヌ100周年

メルクスさん50周年

そんなこともあり第1ステージはメルクスさんの故郷ブリュッセル一周

ツール・ド・メルクスである

石畳や多少の坂はあるものの基本スプリントステージ

最後に3パー、4パー程度の緩やかな登り

このためスプリンター、パンチャー入り乱れてのスプリントとなるかもしれない

気温は25度前後と快適らしい

湿度が無いだけに単純に日本の気温とは比べられないので体感的に良くわからない

でも日本の気温39度でも自転車で走ると常に風を受けるので個人的にはそれほど暑くは無いと思う

止まると地獄ではあるが

走ってれば大丈夫

去年日中の一番暑い時に50キロほどの距離を走ってみたが案外平気なものである

気象庁が激しい運動は避けてくだいとか言っていたので試してみたが

峠の下りなんか汗かいてるだけに寒いぐらいだ

多分気象庁の人は真夏に運動したことが無いからわからないんだろうな

暑いから危険なんてことではなくちゃんと対策をしないから危険なのだ

実際に冬でも熱中症にはなるし

きちんと熱中症対策さえしてれば基本生きている

しかもツール見ながらなので平均睡眠時間は4時間

それでも生きているもんだなと思った

正直水分補給なしだった野球部の練習の方が10倍ぐらいキツイ

でもヨーロッパの45度ってちょっと体験してみたい

どのくらい暑いんだろう?

 

とにかく天気のいいベルギー

スタート前にはメルクスさんも登場してパレードラン

生きる伝説エディ・メルクス

どうやら駅の名前にもなっているそうだ

俺が生まれた頃に活躍していたメルクスさん

なので当然現役時代のことは知らない

でもすごい人なんだということだけはわかる

根性根性ど根性の時代だったんだろうな

その中でずば抜けて強かった

なんせ500勝

信じられない数字だ

 

 

レースはスタート直後から飛び出す選手が数名

金色のヘルメットがやたらと目立つ

金メダリストのヴァン・アーベルマート

まさか彼が逃げるとはお釈迦様でも知らないし

当然舎利弗でもわからない

第一ステージから体力使いたく無いのかアタックした選手は少ない

結局ファーストアタックが決まり4名の逃げが形成された

CCCのヴァン・アーベルマートコフィディスのベルハネ

あとはカチューシャの人とワンティの人

ワンティはベルギーのチームだけに会社命令だな

まぁどのステージでも逃げてくるのはワンティだが

そして同じく逃げてなんぼのコフィディス

今日のステージ

逃げ切り勝利はます不可能

さすがにスプリント狙いのチームが逃がさない

それでも逃げる価値は十分にある

最初の3級山岳

と言っても石畳の丘だが

ここをトップ通過すれば山岳ジャージ確定

明日からドヤ顔で白地に赤の水玉模様のジャージを着られるのだ

そしてレース後は額に入れて自宅に飾る

最低でも孫の代までは自慢できるのである

「おじいさんは昔ツールで山岳ジャージを着たんだぞ」

そしてこの日まさかの逃げに乗った金色の自転車に乗る男

ベルギーのヴァン・アーベルマートはコースが発表された時から

「逃げよう」と考えたらしい

彼はどうしてもこの3級山岳ミュール・ド・グラモンを1番最初に走り抜けたかったのだ

他の選手も負けじと早駆けなど試してみるがコースを知り尽くす金メダル男は冷静だ

慌てることなくアタックを潰し先行する

彼が本気を出したら誰も叶わない

石畳の坂をグイグイと30キロ弱で登り見事に山岳ジャージを確定させた

あの職人顔のヴァン・アーベルマートが赤白水玉ジャージが似合うかどうかはまた別のお話である

 

山岳ジャージを確定させたヴァン・アーベルマートはメイン集団まで下がっていく

これで逃げは3名

正直「それは無いだろ・・」と思ってるだろうな

メイン集団は3分半ほどといつでも捕まえられるタイム差で追走する

さすがにまだみんな元気だ

スプリンターチームも仲良く牽引してくれる

ニバリも非常に楽しそうにカルーゾと笑いあう

今回は総合は狙わないということだが果たしてバーレーンの王子様は納得済みなのだろうか?

レースはなんの展開もなく進んでいく

タイム差は少しづつ縮まっていく

でも捕まえない

あくまで泳がしておく

その方が追う方も楽だからだ

 

やがて解説の浅田さんが言っていた石畳が登場する

やはり浅田さんのいう通りそこそこ荒れている

ここでボーラがペースアップ

どうやら中間スプリントまでに逃げを捕まえてサガンに中間ポイントをとらせる作戦だ

ここでヴィヴィアーニがパンク

しかしいたって冷静にチームカーを待つ

さすが鼻がでかいだけのことはある

そして逃げが吸収

そのまま中間スプリント争いに

後ろ髪をなびかせてオスが前に出てくる

そしてサガン発射

それほど脚を使うこともなく中間ポイントをGET

これで一歩ポイントジャージに近づいた

ゴールでは2位が多いサガン

やはりここは「小さなことからコツコツと」西川きよし作戦である

 

そのまま進むメイン集団からまた一人飛び出した

おそらく監督命令

コフィディスから今度はロセットが単独で逃げた

正直どこまで逃げられるかは分からない

集団は2分ほど差をつけて追走する

ここでもまたいつでも捕まえられる距離

集団が本気を出せばスープが冷めない距離でもある

残り18キロ

落車発生

バーレーンの選手が地面を回転していく

それに巻き込まれるアスタナの選手

どうやら落車したのはカルーゾ

巻き込まれたのは優勝候補のフグルサング

かなり強く地面に叩きつけられている

顔からの出血も酷い

それでもとりあえず走るのがロードレース

走って見てから怪我の状況を考える

膝も打ち付けたようで明らかに踏めていない

緊急事態にアスタナのアシストも皆下がってきてエースを救出する

初日からの落車で軽くパニクるフグルサングを必死になだめるチームメイト

エースを精神的に支える役目もアシストの仕事である

「大丈夫だ、心配するな」

「必ず追いつく」

「話はそれからだ」

「とりあえず今はゴールすることだけ考えろ」

「俺たちが必ず集団へ戻してやる」

 

これは全て俺の妄想であるがこんな感じの会話が交わされたのでは無いだろうか?

幸いにもチームカーの隊列がある

この後無事フグルサングと仲間たちは集団復帰を果たした

レース後の検査で骨折は無い模様

しか瞼を2針縫い膝は打撲

そして2日目はTTT

チームタイムトライアル

正直今後苦しい戦いとなるだろう

 

レースは残り10キロ

敢闘賞をゲットした逃げのロセットが吸収される

ここからはもう誰も逃がさない

ゴールスプリントに備えてスプリントチームは位置取り

総合系のチームは危険回避

それぞれのトレインが形成される

「運転手は君だ、車掌は僕だ、」

速度はぐんぐん上がる

平均時速54キロ

残り2キロ

集団内はピリピリと緊張感が漂う中再び落車が発生

ユンボが転んでいる

落車は集団前方

まさか?

そのまさかで転んだのはこの日のステージ優勝候補ロットユンボのフルーネウェーヘン

そしてイネオスのGトーマスも巻き込まれ落車

ただ怪我は無い模様

優勝候補が一人脱落

残り1キロ

メイン集団はスプリント体制に入る

各チームエースアシスト入り乱れてのガチャガチャスプリント

先頭はクイックステップのリケーゼが引くが肝心のエース、ヴィヴィアーニがいない

それに気づくリケーゼ

結果的にライバルのサンウエブのマシューズをアシストすることに

慌てて先頭から離れるリケーゼ

自然と先頭に出されてしまうマシューズ

「おいおいまだ先頭に出たく無いよ、風受けたく無いよ・・・」

番手にはサガン

後ろからはユアン

残り250

もはや行くしか無いマシューズがスプリント開始

後方から加速するヴィヴィアーニがユアン接触しかけて減速

ここで彼のレースは終わった

先頭では番手を取ったサガンがマシューズを交わす

ユアンは前を塞がれて出られない

バーレーンのコロブレッリも来ている

サガンが完全に勝ちパターンに持ち込む

すると突然黄色いジャージが

ロットユンボ

誰だ?誰だ?

サガンユンボか?

ハンドルを投げ合う両者

判定は?

 

 

写真判定で勝ったのはロットユンボのテウニッセン

嬉しい嬉しいツール初勝利で初マイヨジョーヌ

エース落車で混乱する中でのスプリント勝利であった

 

サガンは惜しくも2位

でも緑ジャージ獲得には悪くは無い結果

でもステージ優勝欲しかっただろうな

そしてマイヨジョーヌ

逃した魚は大きい

 

 

どうやらゴール前200メートルの両者の平均速度

サガンが49・1キロ

テウニッセンが52・3キロ

完全にサガンを力でねじ伏せた勝利だった

 

 

今日は27・6キロのTTT

チームタイムトライアル

距離は短めで道幅も広いが

確かコースがテクニカルなところがあったはず

あの銀色のモニュメントの横

落車が発生すると非常に差がつく

でも実際にあの道を走るのかは知らない

で、一応予想

2日目はミッチェルトンスコットで

 

 

 

しかし今回はカヴさんが出てないんだな

そしておなじみのレンショー、アイゼルもいない

カヴさん一家不在のツールは寂しい

もう引退かな

まるでスプリントにすら絡めなくなってたしな

一つの時代が終わるのって本当に早いな