鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

今治タオル騒動「例の工場は下請けでした」

今治タオル

関連工場でのベトナム技能実習

ほとんど休みが無い状態での過酷な長時間労働

残業代もほとんど出ない中で脳出血で倒れ意識不明

NHKで放送されるとネット上では犯人探し

「一体どこの工場だ?」

違う工場に苦情の電話も殺到

今回の問題をツイートした学生には大学へ今治タオル側から苦情が

「ブランドが傷つけられる。大学としての対処を」

何かが間違ってるな

治らない騒動

緊急事態に今治タオル工業組合も緊急声明を発表

「当組合に所属する企業ではありません」

「でも下請けでした」

今後技能実習生の労働環境に対して指導、支援していくとのこと

 

 

国産おたくの俺も今治タオルは好きなブランドの一つ

まぁ貧乏な俺はタオル程度しか買えないのではあるが

そして今治という町には非常に思い出深い

初めてしまなみ海道を走破した時の感動

思わずバリィさんストラップを購入したものである

そんな今治を代表するブランド

そして今や世界に誇れる国産ブランドでもある今治タオルだけに

今回の騒動でのイメージダウンは非常に残念である

あれだけの商品が流通してるだけに下請けに丸投げは仕方が無い

でもそれは元請けがちゃんと管理指導しないと良いものは作れない

実際に製造してる人が嫌嫌作ったものなんか使いたくは無いのだ

物さえよければ日本人が作ろうがベトナム人が作ろうが関係無い

だが「そこに愛はあるのかい?」

下請けに丸投げされ

過酷な労働環境で製造されるタオル

やはり製造者にはちゃんと誇りを持って作って欲しいと思う

そのための労働環境は整えてあげるべきなのだ

だからこそ我々は国産の素晴らしい製品を欲しくなるのだ

 

早速組合に参加してる企業全部集めて話をするそうだが

個人的な意見を書くと

確かに日本の職人は残業代なんか無しで毎日毎日文句も言わずガンガン働く

そのような土壌が昔からあるにはある

しかしそれを外人にまで押し付けちゃダメ

自分が半人前の間は給料は安くても仕方が無いと思うのが日本の職人である

結局ものづくりは金じゃ無いと俺は思う

でも企業としては金儲けしないと存続できない

そのあたりでどんどんエスカレートしていくんだろうな

さすがに今時頑固職人では老後ホームレスまっしぐら

ただ個人的にはそれでも構わないとも思う

金のために製品の質を落とすぐらいなら職人なんかやめちまえばいいのだ

なので日本のものづくりを外人に伝えるのは実際難しいのかもしれない

結局日本人って損得勘定無しで仕事しちゃうかなら

だから良いものを作れる

ただそれはあくまで社長であり親方が単独でやることでこれを従業員にまで押し付けてはダメだ

他人の健康管理こそ完璧に行わないと

何かあってからでは遅い

自己犠牲は社長や親方だけでいい

ただ弟子の前で親方がガンガン仕事しちゃうと弟子まで無理しちゃうので

親方は人に気づかれないところで働くのが大事

あくまで隠れて働く

隠れてガンガン働くのだ

 

今治タオルは人気になり大きくなりすぎたのかもしれない

外人さんを奴隷のように扱わないと成り立たないのなら待遇を良くして値上げすれば良い

それで客が離れるならそれはそれで仕方が無いこと

安かろう悪かろうで良いのなら他でも作れる

やはり今治の技術力を世間が認めたからこそ今がある

これからはより一層厳しく管理していかなければならない

世間では「どうせ作ってるのは下請けだしな」との認識が広がった

ちゃんとした製品を作れるのなら下請けに丸投げでも良いと思う

その時に下請けに不当に安く仕事をさせないことだな

これはどの業界でも同じだが

鬼平で言えば密偵が下請けになるだろう

密偵たちは平蔵に惚れて命をかけて最高の仕事をしようとする

会社としても長谷川平蔵にならなければならない

下請けから信頼されるような立派な会社に

そうすることで

「元請けさんの顔に泥は塗れねえな」となるのだ

 

結局は自己責任の自営業になった方が質は良くなる

全部自分に跳ね返ってくるわけだから手の抜きようがない

何でもかんでも工場は大きくするべきでないな

結局は零細が一番

大きくなればなるほど名前で商売してしまうからな

 

物の値段ってのは

コレをいくらで売るのでは無く

コレをいくらで買ってくれるだからな

そこに価値というものが生まれるんだよ