はじめてな事はいつだって嬉し恥ずかし
今日は齢48歳にしてはじめての水出しコーヒー
最近巷では「コールドブリュー」とか気取った言い方をするそうだ
まぁ要するに水出しコーヒー
何らかの方法でお湯でなく水からコーヒーを抽出するというわけだ
サードウェーブ到来以降すっかり定着した自宅で淹れるコーヒー文化
やはり暇を持て余すなら自宅で贅沢にコーヒーを楽しみたい
そして気温は連日の30度越え
まだ湿度がないだけ幸いだが
「たまには冷コーでも」
そこで水出しコーヒーなのだ
俺は過去の記憶を遡ってみたがおそらく店でも水出しコーヒーは飲んだことがない
そもそもちゃんとした喫茶店でコーヒーを飲む行為も数回しかない
一度ちゃんとした喫茶店でアイスコーヒーを注文した
まだ20歳そこそこ
しかもデート中である
出てきたアイスコーヒーは想像してたものとは違う
普通の熱々のコーヒーと氷が入ったグラスが出てきたのだ
どうやら熱々のコーヒーを氷入りのグラスに注ぐということらしい
俺はやや緊張しながらもコーヒーを氷入りのグラスに注いだ
見事にコーヒーはグラスの外に溢れた
おそらく半分は溢れた
あれ以来俺はアイスコーヒーを注文するのをやめた
水出しコーヒー
水で抽出するので最初からそこそこ冷たい
抽出後に温めて飲むのもよし
そのまま冷やして飲むのもよし
要するに勝手にしやがれということ
帽子を斜めに被り脱ぎながら放り投げればいいのだ
ただし温めるには少々手間が必要
やはり冷たいまま飲む方が無難だな
令和になって随分と日も経った
現在トランプ大統領も来日中
そして日本列島はそこそこ暑い
今日は休日
朝5時
起床だ
「アレクサ朝の音楽」
アレクサはボサノバをかける
何だかとっても優雅な朝だな
「こんな日は水出しコーヒーでも」
「否、あえてコールド何とかって言いたいな」
「何だっけ?」
「コールドブリューか」
「アメリカだしな」
「トランプも来日してるしな」
俺は事前に購入してあったハリオの雫を用意した
ビックのポイントが余ってたので購入したやつだ
こいつはスローと言いながらも約1時間で抽出する
正確には40分程度
忙しい朝にも十分戦力となるコールドブリューなのだ
それにしてもやはり水出しと言う方が楽でいい
どうも横文字は苦手だ
中出しは相当な覚悟が必要だがほとんどの人はその場の勢いでついついしてしまう
しかし水出しはそんな覚悟もリスクも心配ない
ただ豆と水があれば1時間後には幸せが訪れるのである
今俺の林檎時計にニュースが届いた
帯広で38度
やはりおかしい
しかし俺は帯広が北海道のどの位置にあるのかよく知らない
俺にとっては札幌も十勝も帯広もみんなひっくるめて北海道
北海道はでっかいどうなのだ
俺は豆を取り出した
カルディで購入した
鳥とお友達の豆
何だっけ?
バードフレンドリーのグアテマラ
ダークローストの方がアイスコーヒー向けらしいが購入した時にはそんな構想はなかったので致し方がない
まぁとにかく鳥と友達のグアテマラを用意した
柔らかい酸味とすっきりとした後味が特徴だというが
果たして水出しでどう変わるのか楽しみである
水600mlに対して豆は50グラム
ハリオのスケールできっちり50計測
購入したばかりのカリタの電動ミルに豆をセット
昨日はじめて使ってみたが
実に素晴らしい
音も静かで豆も飛び散らない
そして早い
決して安くはないが満足度はすごい
でも暇がある時は手でゴリゴリするのも悪くはない
中細挽き推奨
とりあえずダイヤルど真ん中
一般的にグラニュー糖程度の大きさと言われているが
正直俺はグラニュー糖がどのくらいの大きさなのか知らない
まずは水を少々入れて豆全体を湿らせて蒸らす
後になって気づくのだがここで俺はある失敗を犯す
「シェリー 俺は焦りすぎたのか蒸らした豆をマドラーで攪拌するのを忘れちまったけれど」
とりあえず俺は尾崎のシェリーを歌った
失敗を何とかしてごまかしたかったからだ
この後で円形のフィルターを豆の上に乗せる
そして上半身のガラス容器をセットするのだ
ジオングの足は飾りだがこいつの場合は足がないと抽出されたコーヒーが貯められない
決してこいつの下半身は飾りではないのだ
この辺り涙と同じだな
水はとても大事だ
しかしわざわざミネラルウォーターを使うほど経済的な余裕もない
なのでここは例のアレ
信楽焼のボトルで寝かした水を使う
600mlの水を俺は容器に注いだ
「ぽたっ、ぽたっ」
あとは40分程度待つだけだ
順調に抽出されてることを確認した俺はベランダに出て植物に水をやる
春らしくピンク色の花が咲く俺のベランダ
今年は花は少なめでもある
まだ去年の台風から復活できていない
放置してあった金魚草がワラワラ花を咲かす
こいつらだけはマジで丈夫だ
理想とするのは自然体
天陽くんの笑顔
あれはもう男の俺でも抱かれたくなるからな
キムタクは雰囲気で誤魔化してきたイケメンだが
天陽くんは真のイケメンだな
ちなみに芸名は知らない
水やりを終えるとそこそこ抽出が完了している
俺は自転車の整備をして抽出完了した水出しコーヒーを冷蔵庫の中に収納
そして久しぶりにロードバイクで走りに出た
随分と久しぶりなんで今日は30キロの予定
時間にして1時間半
帰宅したらちょうど飲み頃だろう
久しぶりの自転車は最高だ
気分はジロでの一人逃げ
追い風もあって爆走する
完全になりきる
そして思い出す
ステージ逃げ切り3位のあの場面
しかし俺の妄想は牽制する奴らを引き離す
ゴール手前の小さな丘で完全にぶっちぎる
日本人初のグランツールステージ優勝に向けて独走だ
横にチームカーが並ぶ
監督もメカニックもやたらと興奮している
残り500
後ろを確認
誰も来ていない
さらに踏み込む
残り200
再び後ろを確認
そして勝利を確信
俯き加減、右手でヘルメットを抑えて左右に首を振る
「信じられないよ・・・」
ゆっくりと右手を天に突き上げてゴール
という妄想をしながら30キロ走った
ダイエット中で飯が食べれなくなってるだけに朝食200キロカロリーでの自転車はキツイ
「もっと食べないとな」
軽く自転車を整備してから着替えた俺は冷蔵庫から水出しコーヒーを取り出す
「予想通りだ」
ちょうどいい具合に冷えている
「カップはそうだな・・・」
燕三条の銅製タンブラー
完成
はじめての水出しコーヒー
ベルギーのビスケットも添えた
俺はワクワクしながら一口飲んだ
「オオォおおおおおおおお」
予想をはるかに超える美味さ
やはり随分とすっきりした味わいだ
とても上質な水を飲んでるような感覚
しかしそこはちゃんとコーヒーである
持ち味の酸味は消えたかな
でもまろやかだな
やはり天陽くんだよ
そのぐらい爽やかだ
この水出しコーヒーそこそこ日持ちもするそうで
無印のピッチャーに移して再び冷蔵庫へ
あとは庭仕事してからだな
実は俺は疲れた体にガムシロ入れた甘いアイスコーヒーが飲みたかった
しかしはじめての水出しコーヒーは小島よしおかのようだ
「でもでもでもでも・・・」
これはこれで十分に甘い
ブラックでも甘い
「僕はなっちゃんが好きだ」
やはり天陽くんだな
ニトリのフェイクグリーンはかなりの出来栄え
昨日紹介した木村伊兵衛の横にはコーヒーの絵本
コーヒーの基本がとてもわかりやすく書かれてる
そして装丁がいいのでインテリアとしても活躍だな
「こいつ気取ってんな感がとても出る」
ビスコが入れられた器はカリタのドリップトレイ
波佐見焼のやつ
本来のドリッパー置き以外にも大活躍な器
一家に一個とても使えるやつだ
くまのプーさんホイホイな例のハチミツ
もったいなくて舐めれない
夏目漱石がジャム瓶を舐めるかのように舐めたいのだが