鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

消えゆくエロ本、コンビニ各社販売中止

エロ本がピンチである

東京五輪を目前に控えて訪日観光客や女性や子供に対しての配慮が理由である

そもそも女性の目に付いたり子供の目に触れる場所に堂々とエロ本が置かれていることが世界的には珍しいそうだ

コンビニではローソン、セブンイレブンが販売を中止

ファミマは当初「ずっとエロ本売るよ」的なスタンスだったが流れには逆らえず

一転して販売中止となった

これでコンビニ大手は足並み揃えての販売中止

一体我々はどこでエロ本を買えば良いのか?

とは言ってももう何十年もエロ本は買っていない

中学生、高校生とあれほどお世話になったエロ本

近所の本屋で買うのは恥ずかしい

おばちゃんの店員さんがいる店も恥ずかしい

そして若い女性の方が店員の店はもっと恥ずかしい

俺たちは隣町まで自転車を走らせては購入に適した店を探し求めたものである

まず一般紙とは隔離された場所にあるのが一番良い

周りを気にすることなくじっくりとエロ本を吟味できるからだ

しかし良く考えてみるとエロ本とは18禁

つまり高校生以下では購入不可

実際は高校生以下の時の方がエロ本にはお世話になるのにな

まぁ昭和だし

自販機でエロ本が売ってたぐらいだしな

エロ本

実に様々なタイプのものが大量に売られている

その中でも次第に自分のお気に入りの数冊ができてくる

限られたお小遣い

その中から何を買うか?

いつも頭と股間を悩ませたものである

そしてその悩んだ時間はとても有意義な時間だったと記憶している

もうあんなにギンギンに硬くなることは無くなってしまったな・・・

なんであんなに興奮できたのだろうか?

若いって素晴らしい

しかし現代のエロ本の購入者はおそらく高齢者

俺たちがエロ本から離れた原因はネットである

ネットにより無料で大量にエロが観覧できる時代になった

プロの方から素人の方まで様々な女性がネット上で裸体を晒し始めた

なので俺はコンビニでエロ本は購入したことがない

コンビニが出来始めたのは俺が高校を卒業してからだからだ

 

俺の世代はギリギリPCが使えるかどうか世代である

会社で使わざる得ない人は必死でPCを覚えた

そんな時の強いモチベーションとなったのがエロである

「エロが見たい」

男たちは必死でPCの使い方を覚えた

もしネットにエロが無かったら?

今の50代以上はPCが使えない人続出だっただろう

エロのためになんとか間に合った

エロのためになんとか会社に残れたという人も多いだろう

俺の場合は中学の時に友達がPC8801 MK2 SRを購入

いつも触らせてもらっていて

何やらクソ長いプログラムを入力してはごく簡単なゲームなどを楽しんでいた

そしてRPG

あれは衝撃的だった

こんな世界があるのかと

そして社会人になり仕事場の近くにPC屋が出来た

なんとなく店に入り一台だけあった黒いPCが目に止まり衝動買い

それがパフォーマ5420である

そこから俺の泥沼Mac人生は始まった

そしてその時のアップルは倒産寸前だった

そんな俺も料金がかかるネットは敬遠していた

当時NHKとかに行くと無料でネットもできた

モデムでピーピーガーガーな時代だ

それでもお金を払ってでも自宅でネットを始めたのは

やはりエロだった

エロの誘惑には勝てなかったのだ

 

本屋はどんどん大型化

やがて個人経営の小さな店は店内の半分のスペースをエロ本コーナーにするなどしてなんとか食いつないできた

それがネットによりエロ本需要も激減

個人経営の店はどんどん消滅していった

行き場をなくしたエロ本

やがて日本中にコンビニが立ち並ぶ

そしてエロ本は新たな場所を見つけたのだ

コンビニというとても開放的な明るい場所を

場所はとても小さなスペースだが

前面には大きなガラス張りで店内は明るく開放的である

365日24時間いつでも空いている

とても素晴らしい環境である

隣には一般の雑誌が並ぶ

今までつい立などで隔離されていたエロ本もコンビニにより堂々と一般紙と肩を並べる地位を得たのである

そんな時代であったが既に俺はエロ本から卒業

いわゆる「この支配からの卒業」である

ネットの世界になり写真好きが集まる掲示板などでエロ本カメラマンとも話をしたりした

エロの世界で彼らは彼らなりに自分を出そうと頑張っていた

それからだろうかエロの見方が変わった

確かにエロサイトそれぞれに撮り方の個性がある

エロ重視というより光をうまく使い美しく撮ろうとしている

そしてそれは逆にエロさを消している部分もある

いつしか俺は純粋にエロを見ることができなくなった

「これだったのか」

俺は思い出した

あのサンタフェが発売された時、某美大の奴らが冷静にサンタフェを分析していたことを

あいつらはあの若さで既にエロとアートの区別がついてたんだなと

 

コンビニという最高の場所を手に入れたエロ本たち

老若男女利用するコンビニ

そして必ず通ると言っても過言ではないエロ本前

動線が雑誌経由で作られてるからだ

そんな時にどうしても目につくこともあるだろう

「ママあれなんの本?」なんて子供が興味を持つこともあるだろう

俺なんかも親父が読んでた漫画の女性の股間がアワビになってるのが不思議で仕方がなかった

そして女性も不快な思いをするだろう

さらに外国人

「日本人エロすぎます!」

なんてSNSで世界に発信されてしまうだろう

実際に日本人はエロい

日本を作った神様がエロいんだから仕方がない

 

日本の古典はエロが9割  ちんまん日本文学史

日本の古典はエロが9割 ちんまん日本文学史

 

 

 とは言ってもオリンピックが開催される

本音を言えばコンビニ各社も店長もエロ本は置いておきたい

今までも散々言われてきたのに置き続けてきたわけだし

それにはそれなりの理由がある

エロ本を買う人は他の物も買ってくれるのだ

一般紙に隠してエロ本、新聞紙に隠してエロ本

エロ本のついでに弁当に酒にコーヒーなど

必ずと言っていいほどエロ本プラス何かを買ってくれる上客なのである

そしてその購買層はネットができない高齢者

高齢になっても性欲が衰えない人たちは存在する

俺の周りでも70代80代でも現役な人は多い

みんな自慢げに話す

「わしはまだ元気だぞ」

孫以下の年齢のミニスカートに興味津々である

そして口々にこういう

「死ぬ前にもう一回・・・」

彼らは後期高齢者になっても常にエロを求めているのだ

そんな高齢者が唯一エロ本を購入できる場所

それがコンビニだったのだ

そのコンビニからエロが消えようとしている

エロ好きな高齢者の楽しみが消えようとしているのだ

そして欲望を発散するものがなくなる

これは今後高齢者による性犯罪の増加にも繋がりかねない

既に天涯孤独

もうどうなってもいい

そんな考えから犯罪を犯す人も出てくるかもしれない

なんでも禁止にするのは簡単だ

その一方でエロ本業界の人も販売部数激減となるだろうし

エロ本を楽しみにしていた高齢者の楽しみも奪ってしまう

今後どういった形でエロ本を提供していくのか?

それも含めてエロ本販売中止を考えてあげないと

エロ本難民の方々が困ることになる

 

ネットができれば問題はない

エロ本愛好家の高齢者もスマホには興味津々だ

スマホってエロビデオ見れるんだろ?」なんて聞いてくる高齢者もいる

「ちょっとでいいから見せてくれよ」

さすがに公共の場では無理だ

子供にエロはよくないというが

完全に禁止してしまう方がもっとよくない

どうせ隠したところでみんな知ってしまう

俺たちの時も秘密基地には拾ったエロ本が隠してあった

それでも俺たちは小学6年生の時に議論した

「女はどこから小便を出すのか?」

圧倒的多数で「お尻から」と言うことに決定したが

一人だけ異論を唱えた奴がいた

そしてそいつだけが正解を答えていたのだ

ただその頃の俺たちが見ていたエロ本はモザイク真っ黒

まさか穴がもう一つあるなんてあの当時は知る由もなかった

 

 

このように人間からエロは隠せない

いくらコンビニからエロ本を消そうがあまり意味はない

そしてエロ本を消すことにより困る人たちもいる

一体どうなるのか?日本のエロ本

新たな商売のきっかけになるかもしれないな

自販機復活とか