鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

曲げわっぱの弁当箱を買ってみた

曲げわっぱ

杉などの木材を薄い板状にして曲げて作ってある日本の伝統工芸品である

昔から日常使いとして使われてきた曲げわっぱ

最近ではレトロ感などから人気復活

どこへ行っても曲げわっぱ曲げわっぱである

インスタの影響も大きいだろう

何より白飯に梅干しをのせただけでも美味そうに見える

朝から思わず歌い出したくなるよな

「朝だ4時半だ弁当箱下げて〜」

 

俺は弁当男子というか弁当おっさんである

毎日とはいかないが外で食べざる終えない時は事前に弁当を作って持っていく

この秋からは保温タイプの弁当箱を導入して

カレー弁当やバスク弁当など丼タイプのものが大活躍であった

ちなみにバスク弁当とはチキンのトマト煮込み丼のことである

基本レトルトを使う

忙しい朝、弁当に割く時間は15分が限界だ

どうせ自分が食べるだけ

インスタで世界中に見せびらかす予定もない

ただバスク弁当となると惣菜だけで300円するので一ヶ月に1回が限界だな

普段は100円から150円以内を目指している

時間がない時は缶詰で炊き込み御飯

あとは適当に冷凍やレトルトに前日の酒のつまみの残りなどブチ込む

のり弁大好きな俺はのり弁も多い

焼きそば大好きな俺は焼きそば弁当も多い

ビバ炭水化物である

基本野菜は入れない

単価が高かくなるのと弁当に入れる程度の量では栄養なんか雀の涙程度にしか取れないからだ

それなら夜取ればいい

無理して昼に野菜を取る必要もないのだ

 

そんな俺の弁当ライフ

秋から導入した丼タイプの保温弁当箱も本格的な冬になり

その性能を思う存分発揮できなくなってきた

熱湯で容器を温めて炊きたてのご飯を入れて保温バッグに収納しておいても

昼になると冷蔵庫で冷やしたかのように冷めているのである

「なんだかなぁ」

まだステンの容器に直接ご飯を入れるタイプは多少はマシだが

ステンの容器にプラ容器を入れてご飯を入れるタイプは全く保温されていない

買って損したと後悔している

そんな俺はそれならいっそ原点回帰してみるかと思い立った

どうせ冷めるんだし

普通の弁当箱でいいだろ

作業時間も短縮できるしな

そもそも弁当とは冷めた状態で食べるもの

冷めた状態で美味しく作ってあるのが弁当なのだ

それがコンビニの台頭により温めることを前提とした弁当ばかりになった

そして漬物もほかほか

洋風に中華など無茶苦茶な弁当が日本中で増殖した

味は濃く味覚障害の若者を増産中

たいしてうまくないのに値段はそこそこ

そして食べ終わった後で襲われる強烈な胃もたれ

いつしか俺はコンビニ弁当を拒絶するようになった

「こんなの人間の食べ物じゃない」

ちなみにコンビニのおにぎりは炎天下の車内に放置しておいても腐らないほどの高性能おにぎりである

これはかつて俺が一緒に仕事していた人が毎日車内に放置してあるおにぎりを食べていたので事実である

そして俺の体はいつしかコンビニ弁当を食べると赤いぶつぶつができるようになった

原因は不明

おそらく精神的なものだろう

そんなコンビニ弁当が食べられなくなった俺の体

ランチはできる限り200円以内に抑えたい

外食なんて夢のまた夢

なので毎朝スーパーに寄っては売れ残りの菓子パンを購入して食べていた

カロリー補給さえできればいい

そしてバナナ

バナナはとてもいい

スポーツの補給食にも最適だ

ただ人間は飽きる生き物

どんな美女でも3回抱けば飽きるように

飽きてしまうのだ

今では菓子パンを見るだけで吐き気がする

ただしバナナは美味い

 

困った俺はついに自炊に踏み切ったのだ

自分で弁当を作ろうと

時間と予算さえあれば料理はなんとかなる

ただ時間も予算もない俺の弁当

基本漬物さえあれば飯は食える

栄養はこの際無視

「これならなんとかなりそうだな」

塩昆布と梅干しだけで十分

あとは飾りだ

ジオングの足と同じだ

 

 

そうやって1年間続いてきた俺の弁当ライフ

平成も終わろうとする2019年

 2つも購入した保温弁当箱が機能しない冬

俺は曲げわっぱを導入した

曲げわっぱ弁当箱

基本的に三種類ある

これは木材のコーティングの違い

白木

ウレタン塗装

この三種類である

白木はそのまま無塗装なもの

これが一番インスタ映えするかな

木の香りも抜群で杉など最初から抗菌作用もあるので抗菌効果も抜群だ

そして曲げわっぱ一番の特徴が調湿機能

無駄な水分を器が吸い込んでくれるのだ

これによりご飯がべちゃっとしない

これが曲げわっぱ最大の利点だろう

この効果も白木なら最大限に発揮できる

ただデメリットも

中性洗剤が使えない

油や匂いが染み込みやすい

そのために油物や汁物など厳重にアルミホイルなどで包む必要があり忙しい朝にひと手間増えるのだ

また使用後はしっかりお湯で洗い、完璧な乾燥が求められる

これもまた使い勝手が悪い理由だ

 

次に漆塗り

これは俺も購入した万能タイプ

白木で作られた曲げわっぱに漆が塗ってあるのだ

漆と言っても拭き取りタイプなので木目も残っており見た目的にも映える

そして「使えば使うほど・・・」

日本人の美意識でもある経年劣化による「あじ」を楽しめるのだ

漆なんで調湿機能も十分発揮される

そして漆にも抗菌作用はあるので杉とWで抗菌

これは弁当箱として非常にありがたい

さようならノロ

さらに漆により油の付着もしない

汁物も染み込まない

中性洗剤を使って洗うこともできる

これもう弁当箱界のホームラン王だな

ただしお値段少々高め

まぁ王さんの給料が高いのと同じだな

 

そして最後にウレタン塗装

白木に透明なウレタン塗装を施したもの

手入れは一番簡単だ

おそらく電子レンジも使えるだろう

油物どんとこいや

見た目も白木とほぼ同じ

とても綺麗で木のぬくもりも感じられる

ただ問題なのは

ウレタン樹脂で木の表面を覆ってしまうために

木材本来の調湿機能が使えない・・・

木は常に呼吸するもの

いわば人間の口と鼻をサランラップでぐるぐる巻きにしたような状態がウレタン塗装なのである

これはもはや完全に見た目だけ

曲げわっぱ最大の利点を捨ててでも使い勝手を選んだタイプである

 

このように三種三用な曲げわっぱ

俺はやはり漆タイプを選択

俺が購入したのは無印のやつ

3500円

容量は658mlと必要十分

これで足りなければバナナを足せばいい

仕切り板がついてないのも潔い

あれもジオングの足と同じ

飾りである

偉い人にはわからんのです

漆仕上げの曲げわっぱにしては激安価格

それもそのはず

漆の仕上げはお世辞にも良いとは言えない

それでも必要十分

素人には十分まともな製品に見えるだろう

ただ漆職人が見たらラフィンノーズ

そんな感じだろうな

この値段で大量生産

多少の手抜きは致し方がない

まぁ使う分にはなんの問題もないしな

日常使いの弁当箱

これで良いのだ

 

さぁ何を詰めようか?

とりあえず明日は外に出るのは午前中だけの予定

弁当はいらない

楽しみだな

でもやはり日の丸弁当が一番映えるな

 

 

 

朝だ四時半だ 弁当箱下げて 

今日も行く行く 親父の姿