鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

名駅ゲートタワー「厨 盛田」三河赤鶏吟醸酒粕漬け焼き膳 1500円

忙しい日々

今日は強引に休みを取った

今日休めなければしばらく休めなくなる可能性もあったからだ

すっかり涼しくなった

今日は秋仕様でお出かけの俺である

しかし周りを見渡すと半袖短パン野郎があちらこちらに

あいつらは寒くないのだろうか?

まるで小学生みたいな奴らだな

俺も小学校の6年間は真冬でも半袖短パンで過ごした

正直我慢比べみたいなものである

男としての意地

今の子供達もそんなバカみたいなことをやるのだろうか?

名駅高島屋では大北海道展が開催されている

正直食べて応援と行きたいところだが先立つものがない

そして人ごみが嫌いな俺はゲートタワーへ逃げた

目的は先日食べられなかった某蕎麦屋の天丼を食べるため

今日は二人しか並んでいない

しめしめ

俺はメニューを確認した

先日はなかった

ディナー限定の文字が貼り付けてある

どうやらランチで出すぎたようだな

限定メニューのため儲けが薄いのだろう

ランチを避けて夜だけにしやがった

こういう店はダメだな

正直2度と訪れることはないだろう

でっかいえび天丼食べたかったが残念である

失望した俺は彷徨い歩いた

下町のイタリアンの店の限定パスタがうまそうだ

しかも生パスタでサンマのやつ

でも限定10食

無理だろうな

俺は諦めた

いつものように12階13階をくるくる回る

天丼食べたいがつな八でも3000円

高いよなぁ

そうなるといつもの店か

でもたまには新規開拓したいしな

そんな俺は前回断念した店に入ることにした

決め手は空いてたから

他の店はどこも行列ができているがこの店はガラガラだったのだ

厨 盛田

あのソニーの創業者の実家が経営する店である

ソニーが創業した頃はソニーの社員の給料は実家の盛田酒造が肩代わりしてたとも言われる酒蔵である

「ねのひ」と聞けば東海地方の人なら分かるかもしれない

知多半島をお遍路した時に盛田酒造さんの前を歩いたな

酒だけでなく味噌も作っている会社だ

そんな盛田酒造が経営するレストラン

厨 盛田なのだ

盛田の蔵出し調味料と地元食材

まぁマズイわけがない

ただ問題は少々お値段が・・・

それでもランチなら1500円程度のメニューも取り揃えてある

f:id:sababou:20180913155219j:plain

いつか箱膳食べたいな

俺は下の方の小さな写真のメニューに注目した

f:id:sababou:20180913155317j:plain

おでん、魚、鳥、豚

これが主なメニュー構成

おでんが気になるが味噌おでん

味噌を知り尽くした盛田が出す味噌おでんだから間違いないと思うが

味噌おでんにはすっかり飽き飽きしている俺である

魚は少々高い

四つ足は却下

そうなると残りは三河赤鶏

しかも1500円

なんとか出せる金額である

俺は意気揚々と店内へ侵入した

一人だということを店員に告げると厨房前の大きなカウンターへと案内された

店の内装はかなり金がかかっている

テーブル席の向こうの窓からは名古屋市内が一望だ

空いてる割にはなかなかいい店である

何より隣との間隔が広い

そしてカウンターはガラガラだ

ざっと店内を見渡す

和食系だけにお年寄りが多い

そして皆箱膳を食べてるような気がする

すごいな

金持ちだな

俺もいつかは箱膳だな

しかしその前に試食だな

今日は赤鶏で観念しておいてやろう

俺は一緒に生ビールを注文した

確かメニューには味噌ビールがあったような気がしたが

やはり名古屋ではできる限り味噌は避けたい

普通のビールを注文した

酒蔵が経営する店で

f:id:sababou:20180913160118j:plain

まずはちりめんじゃこが運ばれてきた

どうやら白飯にかけて食べろやハゲということらしい

俺は少し食べてみた

素材の味を生かした薄味でとてもうまい

これならご飯の甘さを殺さずにお互いを引き立てあうことだろう

f:id:sababou:20180913160253j:plain

そして生ビール

いたって普通だが

決して冷えすぎていない適温でビールの味が分かる

当たり前のことだが冷え冷えビールが好きな日本人

適温で出す店は少ない

秋だしな

ビールものんびりと飲める季節だ

そしてこのグラス

杯だな

こんなところにも酒蔵としてのこだわりが感じられる

俺は午前中の余韻に浸りながらのんびりとビールを飲んだ

高級店は静かに落ちついて飲めるのがいいな

この時俺は日本酒も飲んじゃおうかな的衝動に駆られていたのだ

f:id:sababou:20180913160702j:plain

大きく分けて本醸造と純米か

やはり米

純米だな

この純米大吟醸の盛田Black

原酒と書いてあるな

原酒は水で薄めていない分アルコール度数がやや高い

80ミリだとロック仕様か

日本酒のロックは初体験だな

これにしよう

後で注文だな

そんな俺の前に料理が運ばれてきた

f:id:sababou:20180913160955j:plain

三河地鶏吟醸酒粕漬け焼き膳 1500円

これで1500円なら高くはないな

なかなかうまそうだぞ

盛田くん

自分ところの吟醸酒酒粕三河赤鶏が漬け込んであるというわけか

俺は早速赤鶏を食べた

横に添えてるのは赤味噌

八丁味噌

レジの横に売っていた

とりあえずはそのままだな

高級な蕎麦屋でも最初は塩で食え塩で食えうるさいしな

こういったおせっかいな店は避けがちな俺である

何をどう食べようが好きにさせろと思う

櫃まぶしもそうだ

俺はそのまま食べたいのだ

薬味なんぞ邪魔なだけである

f:id:sababou:20180913161440j:plain

 

いい焼き具合だ

素晴らしい

そして適量の肉汁が溢れ出してきている

濡れ濡れだな

この皮の部分なんかたまらんぞ

10個ぐらい食べたいな

しかし俺に与えられた赤鶏はわずか3つ

俺はそのうちの一つをそのまま食べた

「おおぉおおおお!!!!」

粕漬けにされた三河赤鶏

旨味が凝縮されている

そして柔らかい中に程よい弾力が

噛めば噛むほど口の中に鶏の旨味が吟醸酒の旨味が広がる

まるで俺の口の中で4−4−2のフォーメーション

もちろんセンターはフラットだ

両ウィングがワイドに展開する

センターをロイキーンが閉めて

スコールズが左右に展開

そして自ら前へ

ジャックナイフのギグスは誰も止まらない

右サイドのガリーネビルとベッカムのコンビネーションから放たれる残酷なまでに美しいクロス

中央で待ち構えるのが他人だが見分けのつかないツートップ

ヨークとコール

もうどっちでもいいからゴール決めてくれ

わかりやすく表現するとこんな感じだな

そのくらいこの三河赤鶏は美味い

おそらく俺が今まで食べた鶏肉のベスト3に入るだろうな

他の一つは志る幸の鶏のうま煮

あとは地元の焼き鳥屋の鶏皮

この店は高齢化で消滅した

f:id:sababou:20180913162635j:plain

味噌汁はとても具沢山

一見煮詰まりすぎな外見だが

これがまた飲んでみると

実に・・ちょうどいいい・・・

なんだろう

洗練されてるわけではないがかなりのレベルでの成功例だな

田舎の味噌汁

囲炉裏にかけられた大鍋からすくって飲みたくなるような

もうあとは白飯だけで十分だ

そうか味噌も自前だもんな

そりゃ美味いはずだ

添えられる漬物は細切りにされた奈良漬けが結構いける

これはラストだな

それまで我慢我慢

f:id:sababou:20180913163005j:plain

改めて全体を見渡してみる

向かって右サイドに赤いのが

これがいわばベッカムである

イケメンベッカム

世間的にはおしゃれなイメージだが若い頃の彼は高級ブランドを着るだけの田舎の若者

彼がおしゃれになったのはスパイスガールズと付き合いだしてからである

後の嫁だな

完熟トマトサラダ

実は30代の頃まで全くトマトが食べられなかった俺

最近はもったいないので食べるが

それでも正直美味いとは思わない

その俺がこのサラダは美味いと思った

ワシワシ食べた

さすが完熟だな

f:id:sababou:20180913164329j:plain

左ワイドにはギグスが展開している

これが南蛮漬け

今回は小エビの南蛮漬けだ

南蛮漬けが大好きな俺

南蛮はやはりタレの配合だな

名古屋ぽく濃いめの配合だが

悪くないな

ちゃんと酢の切れ味が抜群だ

さすが醤油も自前だ

知り尽くしているだけに最大限に生かしきっている

やはりグラウンドは広く使わないとな

その他、おひたしや野菜の味噌煮も地味だが引き締めている

むしろ地味だからこそ三河赤鶏が前へ前へ自由に動けるのだろう

いつだってそこにある安心感

インターバルにもってこいだ

f:id:sababou:20180913171307j:plain

ようやく運ばれてきた

メニューには原酒と書いてあるのに店員はこれは原酒でないという

全く理解不能

店員が酒の知識がないのか

この辺りの接客はダメだな

酒蔵なんだから酒のメニューぐらい理解していてくれ

この場でああだこうだ言うのもアレなんで

「これでいい」と指差して注文した

飲んでみた

味わい深く濃厚だ

まぎれもない純米大吟醸

原酒だ

今調べてみたら

山田錦」「五百万石」を使用した純米大吟醸原酒

ラベルにはソニー創業者でもある

十五代当主盛田久左ェ門(故 SONY名誉会長の盛田昭夫)の直筆の文字を使用しているそうだ

日本酒をロックで飲むのもなかなかいいもんだ

この店は今度はちゃんと日本酒を飲みたいな

箱膳で

 

俺はいよいよ三河赤鶏に味噌をつけてみた

赤味噌も盛田で作っている

名古屋で食べる味噌料理はイマイチな店が多い

それは赤味噌の個性を生かすのはそう簡単ではないからだ

よその地域から出店して名古屋限定メニューとして味噌料理を出す店は多いが

どれも酷いものである

しかし数少ないが味噌を知り尽くし美味い味噌料理を出す店もちゃんとある

この盛田もそうだ

赤味噌をつけてもちゃんと美味い

むしろこの赤味噌を白飯に乗っけてワシワシと

想像しただけで最高だな

あぁご飯おかわりしたいなぁ

追加料金払うから

一杯目はちりめんで

2杯目は赤味噌

ネギも散らしたいな

白ゴマもパラパラ

 

要するに酒のつまみは白飯にも合う

酒蔵が作る料理

うまかった

 

ごちそうさま

 

 

こうなってくると味噌おでんも食べてみないといかんな

食べずに批判するのはよくない

そして酒飲みたいなぁ

今度は純米を飲み比べちゃうぞ

でも貧乏性な俺は普通の純米酒が好みだろうな

酒に雑味は必要だと思うのだった

 

 

食べログ見てたらランチのご飯おかわりできるじゃないか

ちゃんと言ってくれよ

店員さん

少なくとも2017年はお代わりできたみたいである

 

 

帰りに俺は一冊の本を買った

 

現場者 300の顔をもつ男 (文春文庫 お 75-1)

現場者 300の顔をもつ男 (文春文庫 お 75-1)

 

 漣さんが自らの半生を綴った本

確かに本の中で漣さんが生きている

少し読んでみた

またなんか大杉漣さんに会えた気がした

そんな本です

 

そして待望の「大杉漣の漣ぽっ」スペシャルDVD-BOXが発売される

 

「大杉漣の漣ぽっ」スペシャルDVD-BOX
 

 一番、漣さんの人柄がわかる番組

これは嬉しい

まさかのDVDBOX

早速予約だな