忙しい日々
今日は強引に休みを取った
今日休めなければしばらく休めなくなる可能性もあったからだ
すっかり涼しくなった
今日は秋仕様でお出かけの俺である
しかし周りを見渡すと半袖短パン野郎があちらこちらに
あいつらは寒くないのだろうか?
まるで小学生みたいな奴らだな
俺も小学校の6年間は真冬でも半袖短パンで過ごした
正直我慢比べみたいなものである
男としての意地
今の子供達もそんなバカみたいなことをやるのだろうか?
正直食べて応援と行きたいところだが先立つものがない
そして人ごみが嫌いな俺はゲートタワーへ逃げた
目的は先日食べられなかった某蕎麦屋の天丼を食べるため
今日は二人しか並んでいない
しめしめ
俺はメニューを確認した
先日はなかった
ディナー限定の文字が貼り付けてある
どうやらランチで出すぎたようだな
限定メニューのため儲けが薄いのだろう
ランチを避けて夜だけにしやがった
こういう店はダメだな
正直2度と訪れることはないだろう
でっかいえび天丼食べたかったが残念である
失望した俺は彷徨い歩いた
下町のイタリアンの店の限定パスタがうまそうだ
しかも生パスタでサンマのやつ
でも限定10食
無理だろうな
俺は諦めた
いつものように12階13階をくるくる回る
天丼食べたいがつな八でも3000円
高いよなぁ
そうなるといつもの店か
でもたまには新規開拓したいしな
そんな俺は前回断念した店に入ることにした
決め手は空いてたから
他の店はどこも行列ができているがこの店はガラガラだったのだ
厨 盛田
あのソニーの創業者の実家が経営する店である
ソニーが創業した頃はソニーの社員の給料は実家の盛田酒造が肩代わりしてたとも言われる酒蔵である
「ねのひ」と聞けば東海地方の人なら分かるかもしれない
知多半島をお遍路した時に盛田酒造さんの前を歩いたな
酒だけでなく味噌も作っている会社だ
そんな盛田酒造が経営するレストラン
厨 盛田なのだ
盛田の蔵出し調味料と地元食材
まぁマズイわけがない
ただ問題は少々お値段が・・・
それでもランチなら1500円程度のメニューも取り揃えてある
いつか箱膳食べたいな
俺は下の方の小さな写真のメニューに注目した
おでん、魚、鳥、豚
これが主なメニュー構成
おでんが気になるが味噌おでん
味噌を知り尽くした盛田が出す味噌おでんだから間違いないと思うが
味噌おでんにはすっかり飽き飽きしている俺である
魚は少々高い
四つ足は却下
しかも1500円
なんとか出せる金額である
俺は意気揚々と店内へ侵入した
一人だということを店員に告げると厨房前の大きなカウンターへと案内された
店の内装はかなり金がかかっている
テーブル席の向こうの窓からは名古屋市内が一望だ
空いてる割にはなかなかいい店である
何より隣との間隔が広い
そしてカウンターはガラガラだ
ざっと店内を見渡す
和食系だけにお年寄りが多い
そして皆箱膳を食べてるような気がする
すごいな
金持ちだな
俺もいつかは箱膳だな
しかしその前に試食だな
今日は赤鶏で観念しておいてやろう
俺は一緒に生ビールを注文した
確かメニューには味噌ビールがあったような気がしたが
やはり名古屋ではできる限り味噌は避けたい
普通のビールを注文した
酒蔵が経営する店で
まずはちりめんじゃこが運ばれてきた
どうやら白飯にかけて食べろやハゲということらしい
俺は少し食べてみた
素材の味を生かした薄味でとてもうまい
これならご飯の甘さを殺さずにお互いを引き立てあうことだろう
そして生ビール
いたって普通だが
決して冷えすぎていない適温でビールの味が分かる
当たり前のことだが冷え冷えビールが好きな日本人
適温で出す店は少ない
秋だしな
ビールものんびりと飲める季節だ
そしてこのグラス
杯だな
こんなところにも酒蔵としてのこだわりが感じられる
俺は午前中の余韻に浸りながらのんびりとビールを飲んだ
高級店は静かに落ちついて飲めるのがいいな
この時俺は日本酒も飲んじゃおうかな的衝動に駆られていたのだ
大きく分けて本醸造と純米か
やはり米
純米だな
この純米大吟醸の盛田Black
原酒と書いてあるな
原酒は水で薄めていない分アルコール度数がやや高い
80ミリだとロック仕様か
日本酒のロックは初体験だな
これにしよう
後で注文だな
そんな俺の前に料理が運ばれてきた
これで1500円なら高くはないな
なかなかうまそうだぞ
盛田くん
自分ところの吟醸酒の酒粕で三河赤鶏が漬け込んであるというわけか
俺は早速赤鶏を食べた
横に添えてるのは赤味噌
レジの横に売っていた
とりあえずはそのままだな
高級な蕎麦屋でも最初は塩で食え塩で食えうるさいしな
こういったおせっかいな店は避けがちな俺である
何をどう食べようが好きにさせろと思う
櫃まぶしもそうだ
俺はそのまま食べたいのだ
薬味なんぞ邪魔なだけである
いい焼き具合だ
素晴らしい
そして適量の肉汁が溢れ出してきている
濡れ濡れだな
この皮の部分なんかたまらんぞ
10個ぐらい食べたいな
しかし俺に与えられた赤鶏はわずか3つ
俺はそのうちの一つをそのまま食べた
「おおぉおおおお!!!!」
旨味が凝縮されている
そして柔らかい中に程よい弾力が
噛めば噛むほど口の中に鶏の旨味が吟醸酒の旨味が広がる
まるで俺の口の中で4−4−2のフォーメーション
もちろんセンターはフラットだ
両ウィングがワイドに展開する
センターをロイキーンが閉めて
スコールズが左右に展開
そして自ら前へ
ジャックナイフのギグスは誰も止まらない
右サイドのガリーネビルとベッカムのコンビネーションから放たれる残酷なまでに美しいクロス
中央で待ち構えるのが他人だが見分けのつかないツートップ
ヨークとコール
もうどっちでもいいからゴール決めてくれ
わかりやすく表現するとこんな感じだな
おそらく俺が今まで食べた鶏肉のベスト3に入るだろうな
他の一つは志る幸の鶏のうま煮
あとは地元の焼き鳥屋の鶏皮
この店は高齢化で消滅した
味噌汁はとても具沢山
一見煮詰まりすぎな外見だが
これがまた飲んでみると
実に・・ちょうどいいい・・・
なんだろう
洗練されてるわけではないがかなりのレベルでの成功例だな
田舎の味噌汁
囲炉裏にかけられた大鍋からすくって飲みたくなるような
もうあとは白飯だけで十分だ
そうか味噌も自前だもんな
そりゃ美味いはずだ
添えられる漬物は細切りにされた奈良漬けが結構いける
これはラストだな
それまで我慢我慢
改めて全体を見渡してみる
向かって右サイドに赤いのが
これがいわばベッカムである
イケメンベッカム
世間的にはおしゃれなイメージだが若い頃の彼は高級ブランドを着るだけの田舎の若者
彼がおしゃれになったのはスパイスガールズと付き合いだしてからである
後の嫁だな
完熟トマトサラダ
実は30代の頃まで全くトマトが食べられなかった俺
最近はもったいないので食べるが
それでも正直美味いとは思わない
その俺がこのサラダは美味いと思った
ワシワシ食べた
さすが完熟だな
左ワイドにはギグスが展開している
これが南蛮漬け
今回は小エビの南蛮漬けだ
南蛮漬けが大好きな俺
南蛮はやはりタレの配合だな
名古屋ぽく濃いめの配合だが
悪くないな
ちゃんと酢の切れ味が抜群だ
さすが醤油も自前だ
知り尽くしているだけに最大限に生かしきっている
やはりグラウンドは広く使わないとな
その他、おひたしや野菜の味噌煮も地味だが引き締めている
いつだってそこにある安心感
インターバルにもってこいだ
ようやく運ばれてきた
メニューには原酒と書いてあるのに店員はこれは原酒でないという
全く理解不能だ
店員が酒の知識がないのか
この辺りの接客はダメだな
酒蔵なんだから酒のメニューぐらい理解していてくれ
この場でああだこうだ言うのもアレなんで
「これでいい」と指差して注文した
飲んでみた
味わい深く濃厚だ
まぎれもない純米大吟醸の
原酒だ
今調べてみたら
ラベルにはソニー創業者でもある
十五代当主盛田久左ェ門(故 SONY名誉会長の盛田昭夫)の直筆の文字を使用しているそうだ
日本酒をロックで飲むのもなかなかいいもんだ
この店は今度はちゃんと日本酒を飲みたいな
箱膳で
赤味噌も盛田で作っている
名古屋で食べる味噌料理はイマイチな店が多い
それは赤味噌の個性を生かすのはそう簡単ではないからだ
よその地域から出店して名古屋限定メニューとして味噌料理を出す店は多いが
どれも酷いものである
しかし数少ないが味噌を知り尽くし美味い味噌料理を出す店もちゃんとある
この盛田もそうだ
赤味噌をつけてもちゃんと美味い
むしろこの赤味噌を白飯に乗っけてワシワシと
想像しただけで最高だな
あぁご飯おかわりしたいなぁ
追加料金払うから
一杯目はちりめんで
2杯目は赤味噌で
ネギも散らしたいな
白ゴマもパラパラ
要するに酒のつまみは白飯にも合う
酒蔵が作る料理
うまかった
ごちそうさま
こうなってくると味噌おでんも食べてみないといかんな
食べずに批判するのはよくない
そして酒飲みたいなぁ
今度は純米を飲み比べちゃうぞ
でも貧乏性な俺は普通の純米酒が好みだろうな
酒に雑味は必要だと思うのだった
今食べログ見てたらランチのご飯おかわりできるじゃないか
ちゃんと言ってくれよ
店員さん
少なくとも2017年はお代わりできたみたいである
帰りに俺は一冊の本を買った
漣さんが自らの半生を綴った本
確かに本の中で漣さんが生きている
少し読んでみた
またなんか大杉漣さんに会えた気がした
そんな本です
そして待望の「大杉漣の漣ぽっ」スペシャルDVD-BOXが発売される
一番、漣さんの人柄がわかる番組
これは嬉しい
まさかのDVDBOX
早速予約だな