13−2
大阪桐蔭が大差で金足農を下して史上初2度目の春夏連覇を達成した
予選からたった一人で投げ続けてきた金足農の吉田くん
試合開始から少々力みすぎな場面
四球と安打でノーアウト1塁3塁
それでも大阪桐蔭の3番4番を全力投球で連続三振
連投ながらも力強い出だしだったが続く5番の根尾くんを四球で満塁に
どうもストライクが入らない吉田くん
続く6番石川くんも3ボールに
こうなるとどうしてもストライクを取りに行ってしまうのがピッチャーの心情
そして必然的に甘い球となる
これを右中間越えの2点タイムリーとなってしまう
そのあとも1点追加で初回から3−0となる
王者大阪桐蔭の先発はこれまた連投となる1番を背負う柿木くん
他にもプロで通用しそうな優秀なピッチャーを揃えている大阪桐蔭だがエースとしての意地を尊重したのかもしれないな
2回に金足農は1死1塁3塁のチャンスを作る
しかしサインミスなのか3塁ランナーが飛び出し挟まれタッチアウト
結局無得点に終わる
後から思えばこのミスが勝敗を大きく変えたかな
ただ吉田くんも連日の連投で限界がきていた
4回から下半身が動かなくなったと
確かに初回投げてたような力強さが無い
本来なら抑えれるべきコースでもヒットにされてしまう
そして打たれ出すと止まらなくなる
野球は流れが大事だ
一旦攻撃の流れをつかんだ大阪桐蔭は容赦なく吉田くんを打ち込む
投げても投げても打たれてしまう
吉田くん自身も完全に自信を失っているかのようだ
しかしこれが高校野球でもある
全国から集められたエリート集団の大阪桐蔭
勝って当たり前のチームだけに彼らには彼らなりのプレッシャーがある
そして彼らが目指すのは甲子園優勝のその先、プロ野球である
一方秋田代表、金足農業高校は全員が地元出身
しかも常にレギュラー9人での戦いである
将来は農家となる子達も多いんじゃ無いだろうか
そんな金足農が秋田代表として103年ぶりに決勝へ進んだ
第1回大会で準優勝となった秋田代表が100回記念大会で準優勝
これも何かの巡り合わせなのかもしれない
150キロの球を投げる大会ナンバーワンピッチャーの吉田くん
でも最後の最後で力尽きちゃったな
試合途中で今大会初めてマウンドを譲った
しかしなんとかならないのか?
せめて決勝は中3日置くとか
体ができていない高校生を酷使しすぎである
これではプロになってもすぐに故障して選手寿命も縮めてしまう
松坂もそうだが
日本のエースを背負ってきた投手はみんな手術手術だからな
今日は大阪以外の人はみんな金足農を応援してたんだろうな
俺も久しぶりに高校野球を試合開始から終了までちゃんと見た
この試合がプロ野球なら根尾くんの2ランでチャンネルを変えるところだが流石に高校野球でそれはできない
どんなに大差がつこうが最後まで見届けたくなるものである
そして自分の時と重ね合せる
俺の場合は部活としての野球は中学までであとは草野球だが
しかも補欠で公式戦出場は無し
紅白戦や練習試合でも部員数が多いため1イニングのみ
打席は3試合に1打席回ってくれば良い方
結局3年間で10打席ぐらいしかなかった気がする
守備も外野なんで球は飛んでこない
3年間で一回もボールには触れていない
ただひたすら厳しい練習をしてきただけ
夏休みなんか毎日朝の8時から夕方6時まで練習だった
それでも3年間野球を続けたのは野球が好きだったからだろうな
仲間とキャッチボールができるだけでも楽しかった
俺たちのチームは常に優勝候補の筆頭だった
特にピッチャーがよくて各高校からもスカウトが来ていた
そんな俺たちは万年3位止まり
本気で全国いけると思ってんだがやはり世間は広いもんだ
そんな県レベルのスーパーエリートが集まりその中からさらに競争を勝ち抜いたのが大阪桐蔭だからな
そりゃ強いはずだ
俺も中学時代は部活が終わってから自主的にランニングと素振りをやってたが俺には才能というものが全くなかった
結局真剣にやる野球は中学で最後にした
そのあとは補欠軍団を集めて草野球チームを作った
大人になってからは先輩に誘われて草野球
それと並行して草サッカー
遊びでのスポーツも楽しいのだが高校野球を見ちゃうといつも思うのだ
緊張感のある真剣勝負の公式戦に出たかったなぁと
なんか今日は妙に感慨深くなってしまった
最後の試合
負けるとやはり全員で泣く
悔しさもあるがこの仲間で野球ができなくなることが寂しかった
吉田くんというスーパースターを中心に勝ち上がってきた金足農
最後は力尽きて大量失点したが誰も彼を責めることはないだろう
むしろここまで連れてきてくれたことに感謝だろうな
そして吉田くんもチームメイトに感謝の気持ちを残している
人は負けて強くなる
大阪桐蔭も1年前の敗戦があったからこそエリート集団ががより一層努力した
勝つために必死に練習してきた
今日の敗戦は金足農の選手にとって今後の人生に置いて大きな力となることは間違いない
常に負け続けてきた俺は死ぬ直前に人類最強の男となることであろう
それまでずっと負け続けてやる