鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

生まれ月格差は大人になっても縮小しないそうだ

生まれ月格差

日本の小学校では4月入学のためにその年の4月生まれから翌年の3月生まれまでが同学年となる

同学年でも4月生まれと3月生まれでは1年の差があるのだ

特に小学校1年生の入学時の1年の差はかなり大きいと言える

入学した時からハンデ1年

これはかなり不利である

俺は3月生まれではないが1月の後半生まれである

そのためにやはり周りよりも背は低く様々なものが覚えられなくて苦労した

そして自然と「自分はバカで運動神経もない」のだと思い込むようになってしまった

まぁ実際にバカでノロマな亀なのだが

こういった1年の差は成長するに連れて縮まっていくかと思われていたのだが実際はそうでなく大人になってもそのままなのだ

実際にプロスポーツ選手は4月生まれが多いという

高校や大学に入学しても生まれ月の差はそのままなために同学年の中の争いで負けてしまうんだろうな

これらのことについては世界中で研究がされてるそうだが

イギリスとオランダのサッカー選手では相対年齢と呼ばれる同学年での実年齢の違いが高い選手が多いという

簡単に言えば日本でいう4月生まれが多いということだな

そしてこの傾向は他のスポーツでも同じことが見られるという

そして運動神経だけでなく学力も同じなのだ

そのために俺はいつまでたってもバカなまま

中学の時なんかほぼオール1である

格差が縮まらないといううことは最終学歴や就職先にも影響が出てくる

なので子作りするときは仕込む時期を考えたほうがいいってことだろうな

俺のような水瓶座なんか変人ばかりだしな

俺は中学で野球部に入った

俺の中学では1年の入部の時に背の高いやつだけ10数人選ばれてレギュラー候補とされた

背の低い残りカスの俺たちは入部時から補欠となり練習メニューも別々にされ

監督からはほとんど野球を教えてもらえなかった

そのために独自でプロ野球選手の真似をしたり野球漫画の真似をして野球を覚えたものである

例をあげれば淡口のけつプリプリとかだな

里中のサトルボールとか魔球の開発ばかりしていた

そして俺は3年間補欠

一回も公式戦に出場することはなかった

これも全ては生まれ月が影響していたのかもしれない

もしも俺が4月生まれだったら俺の人生はもっとバラ色だったのかもしれないな

やはり背が高いと言うのは何かと有利である

俺の小学校時代の友達はとんでもなく背が高かった

おかげでいつも中学生に絡まれてはカツアゲされていた

しかしそこは小学校1年生

大金など持っているはずもなく

なけなしの10円20円を取られる

「なんだお前らこれだけしか持ってないのか?」

どうやら中学生は完全に俺の友達を中学生だと思い込んでるみたいだ

やがて小学1年生だと言うことがわかるとお金を返してくれてそれ以降は仲良くしてくれたのだ

そんな小一からバカでかかったあいつは大人になりサッカー日本代表レギュラーにまで登りつめた

一方俺は草サッカーチーム

これもまた生まれ月格差である

もう何やってもダメな俺である

多分これからも

 

 

 

行方不明の男の子

無事見つかって本当によかった

俺は幼稚園時代に家出をしたことがある

理由は忘れたが

母親にこっぴどく怒られて家出したのだ

一人だと寂しいので犬も連れて行った

しかしどこにも行く場所はなく

犬は家に帰りたがるし

結局は犬に引っ張られて帰宅した

家出というより単なる犬の散歩となっただけであった

小学生の時は川で流された

友達3人でゴムボートに乗って川下りをしていたところ急流で転覆

俺はボートが流されないように必死にしがみついた

浅瀬なので足はつくのだがいかんせん流れが速すぎる

俺は全身を岩に打ちつけながらそのまま流された

だんだん遠ざかる友達二人

やがて姿も見えなくなった

ボートは穴が空いたらしく少しづつ空気が抜けていく

しかし流れが速い限りなんともならない

俺は釣りをしている人を見つけては

「助けてぇ、助けてぇ」と叫んだが見事にみんなスルー

俺より鮎の友釣りの方が大事なんだろうな

そして所詮は他人の子

どうでもいいのである

無情にも誰からも助けられなかった俺

そのまま流されていく

まるで美空ひばりの歌のように


川の流れのように  美空ひばり

 

そして俺は気付いたのだ

「流れが緩やかになっている」

俺は必死に川岸まで泳いで崖を裸足で登った

いろんなものが足に刺さり切れる

それでも俺は登った

やがて道に出た

ここまでくればみんなのところまで戻れる

真夏のアスファルトはチンチコチン

「暑っ」「暑っ」

どれくらい歩いただろうか

なんとか遊泳場まで戻った

そしてそこには落ち込んでる友達二人の姿

どうやら俺が死んだと思っていたらしい

そしてこのことは俺たち3人の秘密となった

親に知れたら怒られるからだ

でもよく生きてたな俺

 

 

今となってはいい思い出である