鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2018年ツール・ド・フランス 第12ステージ

2018年ツール第12ステージ

アルプス3連戦の最終決戦

ラルプデュエズに登ってゴールするステージ

そしてラルプデュエズに辿り着くまでにも超級2級超級と超えなければならない

前日も最高に厳しいステージ

キッテルとカヴェンディッシュタイムアウトとなりツールを去った

そしてこの日のステージでも前日の疲労が蓄積してるスプリンターたち

フルネーウェーヘン、グライペル、ガビリアがこの日出走しながらも途中でリタイアとなった

その他総合ではウランも怪我の影響かリタイアとなっている

ほとんどのスプリンターがリタイアで姿を消した

これも全てはコースが厳しすぎた

運営よこれでいいのか?

すでにジロもブエルタもコースが厳しすぎてスプリンターはほとんど活躍できない

ツールまでも同じ傾向になるとスプリンターの存在意義がなくなってしまう

サガンのように登れないとツールを走ることすらできなくなるだろう

そしてチームもそんなスプリンターのためのチームは作ってこない

近年稀に見るスプリンター戦国時代なのにあまりにももったいない

そして今年もマイヨヴェールはサガンでほぼ確定だ

レースはスタートからアタック合戦

積極的にシャバネルが仕掛けるが決まらないまま最初の超級山岳へ

山岳賞狙いのバルギルが動く

現山岳賞アラフィリップも続く

バルベルデ、クライスヴァイク、マイカ、ザカリンなど総合エースたちも逃げに入る

メイン集団はスカイがコントロール

あまりタイム差は開かせないで追走する

超級山岳マドレーヌ峠はアラフィリップがトップ通過

一旦ポジションを下げてアタックしたバルギルだがさすがに一発のパンチ力ではアラフィリップには叶わない

下りでピエール・ローランが抜け出す

2級山岳を独走で超えていく

そして次にやってくる超級山岳クロワドフェール峠

とにかく長い

確か29キロだったかな

勾配は5パーセントほどだが

延々と登り続ける峠だ

日本の橋の登り程度の勾配で30キロ登るイメージか

逃げ集団はバルベルデ、クライスヴァイク、バルギル、マイカなど登れるメンバー11名

残り73キロでクライスヴァイクが抜け出して単独先頭となる

メイン集団とは6分差

まだまだ射程圏内だ

コントロールはスカイからモビスタとアージェードゥーゼールに変わる

またスカイを楽にさせるだけなのに

いくら攻撃を仕掛けようが最後には返り討ちにあうだけなのに

それでもやらなければならない

何もしなければここで終わってしまうからだ

クライスヴァイクは淡々といいペースで刻んでいく

2分遅れでバルギルが山頂通過、すでにアラフィリップは逃げから脱落している

再びメイン集団はスカイがコントロールに入ると先頭のクライスヴァイクとの差も縮まり始める

やはり逃がしてもらえないみたいだ

長い長い下ではバルギル、バルベルデもメイン集団へと吸収されていく

単独先頭のクライスヴァイクはメイン集団との差4分20秒で最後の超級山岳ラルプデュエズへと入る

21箇所のヘアピンカーブの名物峠

メイン集団もとんでもないハイスピードで突入していく

そしてついにキンタナが動く

ニバリも動く

しかし先輩キンタナを捉えに行くのは次世代コロンビア人スター今大会最年少のスカイ所属ベルナル

淡々とメイン集団を引きつつもキンタナ先輩を捕まえた

「ダメですよ先輩、後ろでじっとしていてくださいね」

すると今度は残り7キロでフランス唯一の期待の星バルデがアタックする

波状攻撃を見せるモビスタはランダの番だ

追走のスカイ

ベルナルが仕事を終えるとGトーマスが集団先頭でバルデ追走に入る

マイヨジョーヌ自らアシストの動き

やはりエースはフルームなのか

そしてフルームが動く

アタックだ

一気にバルデを抜き去り先頭のクライスヴァイクも抜いて先頭に出る

そのフルームを追走するのはジロでも死闘を繰り広げたデュムラン

そしてその後ろにぴったりとマイヨジョーヌGトーマスがマークする

再び先頭集団は一つに

フルーム、Gトーマス、デュムラン、バルデ、ニバリ、ランダ

カメラが切り替わる

ニバリが転んでいる

一体何があった?

この日はいつもに増して観客の興奮度がすごい

応援しているのか邪魔をしてるのかわからないぐらいだ

どうやら発煙筒の煙で前方が見えない中でバイクと衝突したらしい

しかし怪我はなく再び走り出すニバリ

残りのメンバーたちは一旦ペースを落としてニバリを待ったそうだが

今度はバルデが紳士協定を破るアタック

「綺麗事ばかりじゃツールは勝てないんだよ」

フランス人だけに何やってもブーイングは受けない

そして何をやってもブーイングを受けるのがフルームだ

もし?W杯でフランスがイングランドに負けていたら?

この勝負どころでフルームの邪魔をする観客がいてもおかしくないかもしれない

仕掛けたバルデだがフルームたちが全力で捕まえる

「若造よどうした?お前の力はその程度か?」

そうこうしてるうちにランダも追いつく

そのランダが残り700メートルでアタック

フルームは先ほどバルデを捕まえるために力を使ったばかり

ここはGトーマスがいくしかない

そしてトーマス的にこれは「すごくおいしい」

あくまでチームのためのチェックに入ったという口実で仕掛けることができるからだ

ゴールまでは残り距離も少ない

このまま行ってしまえばステージといマイヨジョーヌキープ

ランダを交わすGトーマス

ここでペースを落としてエースフルームを待つことはない

行くしかない場面である

後方からはデュムラン、バルデ、フルームがランダを振り切りスプリント開始

しかし数秒前でGトーマスがゴール

マイヨジョーヌラルプデュエズを制した

2位はギリギリのところでバルデ、フルームを差したデュムラン

ジロからの連戦なのに調子が良さそうだ

3位にはバルデが入った

 

総合1位はGトーマス、2位フルームとの差は1分39秒

個人TTがあるとはいえこの差は大きい

そして3位のデュムランは1分50秒

ショートステージも控えてるだけにまだまだわからないが実質この3人の争いか

そして気になるスカイの「どっちがエースだ?」問題

レース後のコメントではなんとなく「黄色い服欲しいな」的ニュアンスを出し始めたGトーマス

ジロの疲れかフルームの調子が今一つなだけに今後の動向に注目だな

でもなんだかんだ言って3周目に合わせてくるのがフルームでもある

デュムランも3周目まで好調を維持できるのか?

ニバリはショートステージでの逃げ切りもあるかもしれない

バルデは・・・

ステージで頑張れ

 

 

そしてモビスタのトルプルエース

やはり崩壊

 

 

今日の13ステージ予想

スプリントステージだろうが

ほとんどスプリンターがいない

デマールはいるのかな?

でもみんなアルプスで疲れてるし

今日は逃げステージだろうな

シャバネル親分がチームメイト引き連れて逃げるだろうが

今日の予想は世界最強逃げ屋のトーマス・デヘントで

一緒にワンティのトーマス・デハントも逃げるとややこしくて面白くなるな