鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

ローソンが本屋機能を強化、専用棚設置店1000店舗

どんどん減少していく街の本屋さん

減少するのは個人経営の小さな本屋だけでなくそこそこの大型店も突然撤退したりする

個人経営の本屋さんなどは半分はエロ本販売に切り替えて生き延びてきたがすでに限界だろう

エロはネットで間に合ってしまう

しかも無料で

エロ本を支えてきたのは老いてなお元気な老人たち

その購買層はどんどん減少していくばかりである

ネットがなかった時代はエロ本は橋の下に捨てられていた

みんな処分に困るのだろう

小学生時代などはそんなエロ本をみんなで持ち帰り秘密基地に隠しておく

「うわっ、すげえ」

今とは比べようにもないモザイクだが俺たちは大人の階段を一歩一歩足元を確かめながら登ったのであった

うちの近所に入居していた大型店は突然撤退した

しかも2店舗連続で撤退

今はツタヤが入居している

最初に入居してた本屋は旭屋書店

関西を拠点としてる本屋さん

昔はラシックにも展開してがどうやら東海地方からは既に撤退してるみたいだ

写真集など良い品揃えをしてたのだが写真家の写真集など買う人は少ない

俺が毎回アラーキーを買っていたせいかアラーキーの新作だけは必ず入荷してくれた本屋だった

しかし3年ほどで撤退

ある日いつものように本屋を訪れると巨大なシャッターが降りていた

俺は動揺した

なぜ?

大型店が撤退するとは思ってもみなかったからだ

ネットの噂では次の入居はどうやら決まっているらしい

とにかく本屋周辺の店舗がみんな撤退を示唆してきたそうだ

本屋はショッピングモールや百貨店において集客力がある

その集客力を狙って他の店舗も近くの場所を抑えていたのだ

「同じ場所に本屋さんを入居させないのなら撤退します」

一斉にCD屋や大型スポーツ用品店が言い出したそうだ

商品は売れなくとも暇つぶし需要で集客力だけはある本屋

しかし経営は厳しい

その最初の本屋の棚などの備品と本全て引き取る形で次の店舗はオープンした

半分はデザイン雑貨を置いている

都会にまで出ないと買えないようなオシャレな文具系中心の雑貨がいっぱい置いてあった

やがてカリモク60の家具まで扱いだした

しかし悲しいかな

田舎ではデザインより価格重視

ボールペンに数千円以上出す客などいないのだ

昭和の喫茶店に置いてあるような家具のカリモク60など売れないのだ

当然本も漫画しか売れない

文庫本コーナーなど日々縮小されていった

岩波文庫は一応置いてあるだけ

いつから存在してるのか?

すでにボロボロの岩波文庫であった

当然欲しい本が置いてあっても買うのに躊躇する

新品でありながら完全に古本なのだ

岩波文庫は本屋買取のため返品できない

その本屋の棚のスペースを埋めるためだけにボロボロの岩波文庫は存在していたのだ

そして売れて空いたスペースには新たに岩波文庫が補充されることはない

本屋的には返品できない岩波文庫など仕入れたくないのだろうな

やがてスカスカの歯抜け状態になり少しずつ講談社学術文庫ちくま学芸文庫に占領されていった

それでも同じこと

岩波文庫を読まない客は講談社学術文庫ちくま学芸文庫も読まない

さらに明治、大正、昭和の文豪系も芥川賞作家の純文学も読まない

ネット時代で雑誌も売れない

専門書もしょぼい品揃え

本当に欲しい人は街まで出てしまうだろう

売れないづくしで2店目の店舗は他の場所に雑貨店として再オープンした

最後は展示品のカリモク60を半額処分

それでも売れないカリモク60の家具たち

東京なら一瞬で完売しそうだが

もはや家具に数万円など出したくないのだろう

その本屋は今、名古屋市大名古屋ビルヂングに小さな店を出している

半分は雑貨だ

俺はいつもランチの後でふらふらと立ち寄り本を1〜2冊購入する

品揃えは少なくジャンルも偏ってるがとにかくセレクトが良いので

「あれも欲しいこれも欲しい」となり

いつも何を買うか迷ってしまうのであった

この本屋を訪れるたびに狭いスペースでもアイデア次第でなんとかなるんだなと思う

ただどれだけ売れているのかは不明だが

本のコーナーにはいつも俺しか客はいない

この形態で経営するにはやはり場所が重要だろうな

そして今は3件目のツタヤが入居

純粋に本と文具だけの店だ

品揃えはそこそこ

椅子に座って本を読んでる老人も多数いる

レジにはいつも行列ができる

どうやら成功しているみたいだ

ただ個人的に作家名のアイウエオ順に並べてあるツタヤは非常に本が探しにくい

やはり出版社ごとに分けて欲しい

 

 

そんなうちの近所の本屋事情

その他はレンタル店との併設店

半分以上はレンタル

残りのスペースを本と文具で分け合う

こうなるともはや欲しい本などまず見つからなくなる

そしてアマゾンで購入という悪循環である

そんな厳しい現実の本屋だが

どうやらローソンが新しい形態の店を出店してくるそうだ

目指すは本屋としてのコンビニ

書籍販売を強化した店舗だという

書籍専用棚を設置して文庫本やビジネス書など揃える

とりあえず年内をめどに1000店舗

将来的には4000店舗を目指しているという

「頭、大丈夫か?」と思いたくなるような戦略だ

頭の中でカイガラムシが繁殖してなければ良いが

その他、書店併設店の拡充やコミックの品揃えを充実させたいとしている

あらゆる部分から本屋機能を強化していこうとしてるんだな

その核となるのが書籍棚設置店か

書籍棚には一般的なコンビニに置いてある雑誌コーナーとは違って

文庫本や料理・健康などの実用書などを充実

文庫本では映画化やドラマなど映像化された作品などの売れ行きが好調で歴史物なども人気が高いそうだ

よくありがちなアレだな

池井戸潤コーナー

俺はドラマも見てないし本も読んだことないので知らないが売れるんだろうな

なんかタイトルだけで読む気が無くなる

読まず嫌いはダメだとわかってはいるが

角川文庫のカバーのせいで買う気が無くなるのと同じだろうな

歴史物はたまに読む

でも池波正太郎じゃないんだろうな

さすがに司馬遼太郎は置いてあるかな

想像するに駅の本屋って感じだろうか?

あの感じだと新刊以外ノーサンキューとなる場合が多い

気になる書籍専用棚設置店の売上は一般店と比べて1日あたり600円も多いという

「一応売れてるんだな」

「1日平均1冊から2冊ってところか」

「これで大丈夫か?」

オーナーの負担とかになってないのか?

また本部だけウハウハシステムじゃないのか?

そして書店併設店の方は書籍大手の文教堂と提携してるそうだ

現在10店舗を展開

さらに増やしていきたいと言う

これはまぁ良いだろう

あくまで本屋の隣にあるコンビニだ

ただ俺は買わないけどな

羽振りの良い連中はいろいろ購入してくれるだろう

これらのローソン本屋戦略の理由は若者の本離れとネットに対抗してのことらしい

そして全国の本屋減少

専門書などを置く大型店も閉店ラッシュ

この緊急事態になんとかしたいと考えたのだろう

どうやら狙う客はネットができない老人みたいだ

「ん?なんか矛盾してるな?」

「若者の本離れ対策というのは建前上の理由かな」

そもそも本を読まない連中はコンビニに本が置いてあるところで読まない

なんでそんな簡単なことがわからない

本を読まない人は活字が並んでるだけで拒否反応を起こすのだ

その逆として俺のような活字中毒は小さな字でぎっしりと文字が並んでれば並んでるほど本としての魅力を感じる

最近ありがちな大きな文字でスカスカ系の本はページを見た瞬間に閉じてしまうほどだ

なんか失敗することしか想像できないな

やはり本部だけウハウハシステムなのかな

奴隷という名のフランチャイズオーナーから新たに摂取する方法を考え出したのかな

本を読む老人てネットも出来ると思うんだよな

説明書や指南書など読める力を持ってるんだし

バカな俺だって必死に本読んでパソコン覚えたんだし

SCSIなんか電源入れる順番まであった

あれに気づくのに一週間かかったな

「なんで動かねえんだよ」

でも店に聞くのも恥ずかしくて

関係ないプログラムの本まで読んでしまったぐらいだ

 

とりあえず今のところ1日600円売上アップか

なんか他のもの置いたほうが良いのでは?

中途半端な品揃えでは書籍目当ての集客にもならない

それならいっその事文庫本の「今月の新刊」だけ扱うようにしたほうが良いのでは

ちくま文庫も揃えてくれれば俺は毎月買うけどな

その上で特集を組むとか

獅子文六特集とか

あのあたりなら昭和世代に売れると思うし平成世代にもある意味新鮮だろう

でも無理だな

 

みんな本読まないからな