鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

渋谷のハチ公像、五輪PRの為に全国行脚?

「待ち合わせはハチ公像で」

そんな言葉を発することなく田舎でスクスクと育った俺である

実際にハチ公像は何回か見たことはある

高校3年生の時に東京へ遊びに行った時のことだ

俺たちは渋谷駅に降り立ち

とりあえずハチ公像を探した

しかし探しても探しても見つからない

ふと友達の一人が後ろを見た

そこにハチ公像は存在していたのである

俺たちはずっとハチ公像の前で周辺をキョロキョロしていたのであった

ただあからさまにキョロキョロすると田舎者であることがバレてしまう

あくまで東京人のふりをしてキョロキョロしてたのも

直ぐ側にあるハチ公像に気付かなかった理由の一つであると思われる

地元のパルコで揃えた服を着てはいるものの

俺たちはどこから見ても田舎者にしか見えなかったことであろう

そして実際の忠犬ハチ公像は俺たちの想像をはるかに超える小ささであった

それは友達の家の秋田犬とは比べ物にならないぐらい小さかった

正直ハチ公前で記念写真が撮りたい俺たち

しかし自尊心が邪魔をする

「バカ、ここで写真なんか撮ったら田舎者だってバレるだろうが!」

写真なんか撮らなくても俺たちは田舎者そのものであった

そもそも何故、ハチ公の銅像が渋谷駅前にあるのか?

亡くなったご主人を迎えにハチ公が毎日駅まで通った話から来ている

この話は神山征二郎監督により映画化もされた

 

<あの頃映画> ハチ公物語 [DVD]

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 あの名作「ふるさと」を撮った神山征二郎監督作品

当時の俺はそれだけでハチ公物語を映画館まで見に行ったものである

あの頃の映画館はもぎりのおばちゃんがたまに席を外すことがあった

呼んでも呼んでも出てこない受付のおばちゃん

上映時間は迫っている

仕方がないのでチケットを買わずに入場

そんなことができたのも昭和の映画館だった

そんな映画「ハチ公物語」はハリウッドでリメイクされた

主演はなんとリチャードギア

この映画により世界中に忠犬ハチ公は知られた存在となったのだ

そんなこともあって小池都知事がおかしなことを言い出した

「ハチ公像をオリンピックのPRのために全国移動させる」と・・・

いわゆる全国行脚

小池都知事の発案なのか?都の職員の発案なのかは分からないが

行脚先候補としては

ハチ公の生まれ故郷の秋田県大館市

初代ハチ公像を制作した彫刻家・安藤照さんの出身地の鹿児島県

などが候補地として上がっているそうだ

それなら神山征二郎監督の故郷、岐阜に来るのもありなんじゃないだろうか?

でも金ピカの信長像と被るな

とは言ってもこの件については都民から反発の意見も多数

そりゃそうだ

今更日本を回ったところでどうにかなるわけではない

それぐらい全国的に知られているからだ

むしろアピールしなければならないのは海外なのだ

そしてハチ公が移動してしまったら一体どこで待ち合わせをすればいいのか?

ハチ公像が移動したことを知らずに待ち合わせ場所に指定してしまった人たちは一生巡り会えないのでは?

そもそもハチ公は大好きなご主人様の帰りを待って渋谷駅前にいるのだ

全国行脚などハチ公自身は決して望まないことなのでは?

ハチ公が鹿児島に行ってる間にご主人様が渋谷駅に帰ってくるかもしれないしな

そんなすれ違いになったらハチ公がかわいそうである

まぁ全国行脚させるならハチ公じゃなく寅さんだろうな

渋谷のハチ公像の管理は渋谷区だ

今後東京都と渋谷区でどういった話し合いになるのか?

今後の動向に注目だな

 

しかし相変わらずバカなことしか考えないんだな

なんでだろう?俺より頭良い人たちの集まりのはずなのに

カイロ大主席卒業疑惑は出ているが

俺なんか「荒れる学校」とNHKが取材に来た高校卒である

とにかく周りはバカしかいなかった学校だ

高校3年の時に英語の先生が試しに中二の英語テストをやらせたら平均50点だったぐらい俺たちはバカなのだ

そんな俺でもわかる

ハチ公は渋谷に留まるべきだと

そして東京五輪のPRなら海外でやれ

日本でのPRなんて税金の無駄だ

 

 

 

ふるさと [DVD]

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 ちなみにこれが神山征二郎監督の名作「ふるさと」

ダムに沈む村を舞台にした認知症の老人と少年の絆

少子高齢化認知症の人も増加する今

改めて見て欲しい映画だ

確か当初は主演は笠智衆さんの予定だったはず

結果として加藤嘉さんが素晴らしい演技により後世まで語り継がれる名作となった訳だが

 

 

そしてそのダムに沈んだ徳山村を記録し続けたのが

増山たづ子さん

 

増山たづ子 すべて写真になる日まで

増山たづ子 すべて写真になる日まで

 

写真の撮り方なんか何にも分からない村のおばあさん

「ワシでも撮れるカメラ」とうことで購入したのが「ピッカリコニカ

増山さんは戦争に行ったきり帰ってこない旦那さんのためにダムに沈んでしまう村を写真として記録した

その数10万枚

これほど気持ちが写り込んでる写真はない

とにかく素晴らしい写真集

でも悲しいかな

既に絶版なんだな

定価3300円なのに

1万円の値段がついてる

 

他の写真集はまだ買えるみたいだが

これが一番構成が良いんだよな