鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

大名古屋「浪速ろばた八角」ちゃんこ鍋定食780円

今日は休み

天気も良く風も強くなく山の方へ紅葉を見がてらサイクリングでもしたい気分だが、残念なことに俺の体は8月からの激務でボロボロになっていた

とりあえずは治療だ

そのために今日は身体中をほぐしてもらってきたのだ

壊れた筋肉をあえて破壊することで本来人間が持つ再生能力の手助けをしてやるのがマッサージなのだ

午前中俺の全身の筋肉は揉みほぐされ破壊された

明日から少しづつ再生回復していくことだろう

俺は昼飯を食べるために名駅へ向かうことにした

今日はいろいろと用事がある

仕事に没頭している間に季節は秋

そして正月まで約1ヶ月半なのだ

やらなければならないことが山積みである

物置の解体

網戸の張り替え

障子の張り替え

庭の木の剪定

家の大掛かりな模様替え

とても1ヶ月では無理なのだ

これらは7月から取り掛かったのだが気がついたら11月

そして自転車にも乗れていない

歳をとればとるほど1年は早くなるが今年は特に高速だったな

夏から秋へ一気にワープした感じである

そんな俺は電車の中でもついつい考え事をしてしまう

そしてふと気づくと名鉄の中吊り広告の「冬のトリンプビッグバザール」の色取り取りの下着の写真をぼっと見ているのだ

「これでは変態では無いか・・・」

慌てて目をそらすものの、気がつくと再び見てしまっているのだ

これはもはや本能なんだろうな

人間煩悩はまず消すことができない

特に愛欲、性欲に関してはほぼ不可能である

しかしその性的欲望の持つ膨大な力を仏心に変えてしまおうというのが真言密教の教えでもあるのだ

この辺り非常に誤解を招く危険な教えなので誤解を招く表現もあるかもしれないが

俺は必死に愛染明王を思い浮かべたのであった

やがて電車は名駅に到着した

名駅は休日なこともあってすごい人である

年々人が増えていく気がする

一体彼らは名古屋に何をしにくるというのか?

これだけ人がいるということはJRタワーズ、ゲートタワー、名鉄のレストラン街はすでに大行列であろう

こんな時はやはりすっかり客を取られた大名古屋に限るのだ

それでも地下の店は多少は行列ができてる店もある

今日こそは蕎麦を食べてやろうと思ってたが僅かだが行列ができてたために断念した

とにかく俺は並ぶのが大嫌いなのだ

行列に並んで得られるものは少ない

行列ができてる店ほど期待値が膨らみすぎて食べた時のガッカリ感が大きいからだ

みんな行列に惑わされているだけなのだ

そんな俺はいつものように3階へ上がった

3階はいつものことながらガラガラである

ひつまぶしの店のみ大行列ができている

確か備長だったな

かなり昔に一度食べたことがあるが、ひつまぶしが嫌いな俺を満足させるまでは行かなかった店である

あれだけ人気なんだからと一応人気店のひつまぶしは食べてはいるのだが、やはり俺には合わない

そして後悔する

うな重にしとけばよかったなと

しかし大名古屋の店まで行列ができるほどひつまぶし人気も加熱している

よくあんなのに4000円近くも金出せるもんだと感心せざるおえない

しかしもっと有効的な使い方した方がいいと思う

ブコウスキーカレル・チャペックの本を買うとか

腐葉土赤玉土鹿沼土に鉢底石、そして自分が気に入った鉢と植物を買うとか

きっと細かく刻んだうなぎを食べるよりも有意義だと思う

きっと細かく刻んだうなぎに薬味を乗せて食べるよりも有意義だと思う

きっと細かく刻んだうなぎに薬味とだし汁をかけて食べるより有意義だと思う

まぁ人の価値観は様々だから仕方がないのだろうな

大名古屋のレストラン街

休日なのにどの店も直ぐに入れそうな雰囲気である

そしてあの焼き鳥レアルがランチメニューを大幅に増やしていたのだ

他にも鉄板焼きのぎゅんたもランチメニューが増えていた

やはり危機感を持ってきたのかもしれないな

これもゲートタワー効果だ

決してまずいわけでもない、むしろ安くてうまい店も多い

しかし中々大名古屋までは上がってこないんだろうな

地下道で繋がってるし伊勢丹も入ってるのにどの店も暇そうである

俺は少しだけ迷った

危うく今日も一人クリテリウムを始めかけたがすでにジャパンカップも埼玉クリても終わってシーズンオフである

こんな時は「八角」だと最初から決めていたのだ

俺は一人、八角の暖簾をくぐった

実際には暖簾はなかったような気がしたが、まぁいい

とにかく俺は店の中に入ったのだ

店内はガラガラ

一人客だということをアピールした俺はお好きなカウンター席をどうぞと案内された

俺はこの日もあえて端に座ることで池波正太郎的配慮をしてやったのだ

昼の一人酒

端でのんびり寂しく飲む方がお似合いなのだ

実は今日は仕事の打ち上げも兼ねている

と言っても一人での打ち上げだし予算も2000円以内だ

俺はメニューを見た

以前から気になっていた期間限定のちゃんこ鍋が目に入った

「ちゃんこ鍋と生ビール」

俺は即座に注文してしまった

検討することなく注文してしまった

こんなことは珍しい

よほどちゃんこが食べたかったのかも知れないな

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ちゃんこ鍋は朝稽古スタイル

つまり相撲部屋みたいに大鍋で仕込んだちゃんこ鍋を一人用に分けて客に出すスタイルである

そのため数量限定

大鍋の中身がなくなり次第終了なのだ

ちゃんこ定食は、ちゃんこ鍋、日替わりおかず1品、小鉢、漬物、ご飯で780円

漬物は食べ放題だ

正直漬物だけで酒のつまみになってしまう

そしてこの日の日替わりおかずは「カキフライ」

もう俺のテンションは上がりまくりであった

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早速やってきたビール

ワクワクが止まらない

1日15時間労働を乗り越えて勝ち取ったお金たち

俺は自分に「お疲れ様」と言って

すぐに飲み干してしまった

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すると俺の目に止まったのがこれ

キリン一番搾りとれたてホップ中瓶

「だめだ・・・俺はホップに弱い」

「あの緑色のホップの絵がたまらなく爽やかだぞ」

しかも岩手県遠野産ときている

遠野物語

大好きだ

森山大道の遠野の写真も素晴らしい

俺は早くも2本目を注文した

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やはり鍋には瓶ビールだな

俺は手酌でコップに注いだ

一人酒のいいところは誰にも邪魔されないところだ

自分のペースで自分の好きな時に飲める幸せ

日本人はどうしても他人に酒を注がなければいけない強迫観念がある

酒飲みにとって他人から酒を注がれるほど迷惑なものはない

そんなことされるぐらいならいっその事殺してくれた方がマシなぐらいだ

特に飲みかけのビールに勝手に注いでくるやつ

あれは一番ビールをまずくする方法

決してやってはいけないのだ

だから俺は誰にも注がない

たとえ何言われようとも自分の持論を展開するのだ

そこで文句言うやつがいたら俺は帰る

それだけである

酒とは生きるか死ぬかだ

こっちだって真剣に酒を飲んでいるんだ

自由な俺は早速とれたてホップを飲んだ

飲んだ瞬間にわかる爽やかなホップの香りと味

これうまいぞ!

ただ媚びるな

もっと苦味は出してもいい

遠慮せずに苦味をホップの苦味をガツーンと出せるようになればキリンの本気が見えてくるのだが

ただそうなるとこのビールは売れなくなるという諸刃の剣

最初の一杯はこのような爽やかな香り重視でいい

そのあとで苦味重視の濃厚ビールを飲みたいものである

俺はより一層気分が良くなった

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ちゃんこ鍋定食登場

ちゃんこ鍋は写真と随分違うような気もするがまあいい

野菜大好きだな俺だ

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具材は白菜、豚肉、鶏肉、エビ、きのこ、その他

海の幸山の幸が盛りだくさんだ

俺は早速スープを飲んだ

濃いめに味付けされたスープがうまい

これだけでつまみになる味だ

俺はビールを飲んだ

俺は白菜を食べた

俺はビールを飲んだ

俺は豚肉を食べた

俺はビールを飲んだ

俺は白菜を食べた

俺はビールを飲んだ

俺は鶏肉を食べた

俺はビールを飲んだ

俺は白菜を食べた

俺は白菜を食べた

俺は白菜を食べた

俺はビールを飲んだ

俺はエビを食べた

俺はビールを飲んだ

だめだ止まらない

ここは心を鬼にしてカキフライに行こう

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カキフライは2個である

揚げたて熱々

俺はまずサラダを食べた

相変わらずここのサラダはうまい

とても濃厚なドレッシングである

というかソースだな

あえて命名するなら卵ソースだ

そして俺はカキフライに食いついた

サクッ

あぁあああ、な、なんて濃厚なんだ

これはまさにミルク

そう海のミルクだ

やはり八角はこの値段にしてはとてもいい素材を使っていると思う

特に魚介系

俺はちゃんと牡蠣の味がするカキフライにとても満足した

そしてカキフライもまたビールとの相性は抜群であった

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小鉢は切り干し大根

俺の大好物の一品だ

味は上品な味付けでとても好感が持てる

比較的濃いめの味付けのちゃんこ鍋とサラダとカキフライを食べた後、この切り干し大根は正解である

とても口の中が落ち着くのだ

そしてリセットされる

再び俺をちゃんこへと導いてくれるのだ

まるで中盤のつなぎ役

かつてマンチェスターUで活躍したダレン・フレッチャーみたいだと言えば分かりやすいだろう

タイプの違うあらゆるものへ導いてくれるのだ

ベッカムギグススコールズ

俺は再びちゃんこに夢中になった

残りのカキフライの存在を忘れるほどに俺はちゃんこ鍋に溺れた

そしてビールを胃の中に流し込んだ

さぁ宴もたけなわ

俺はラストに備えて漬物を大量に小皿に取った

クライマックスだ

BOOWYで言えばNO N.YにDreamin辺りだな

最後に夢を見てる奴らに送るぜ

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俺は残りのご飯にちゃんこ鍋のスープと残しておいた具材をぶち込んだ

即席雑炊の完成である

あくまで雑炊風ではあるが

酒の後の雑炊は最高だ

何事にも変えがたい至福な時間である

俺は一気にさらさらとかき込んだのであった

 

そして残ったビールを漬物で飲み干した

 

ごちそうさま

今日も大変おいしゅうございました

ありがとう八角さん

 

俺は店を後にした

ほろ酔いの俺はフラフラと本屋へ移動

しばし立ち読みをした

そして例の店へ行き例の物をセレクトして購入

梱包に10分ほどかかるというので隣の店で1000円の豆皿を購入した

とてもいい豆皿だ

俺は豆皿が好きだ

豆皿は万能だ

 

その後俺はゲートタワーへ行き再び本屋を物色した

「くそったれ!新潮文庫の「町でいちばんの美女」が置いてあるじゃねえか」

俺は悪態をつきながらも購入した

やはりブコウスキーを買うときは一応悪態をついたほうがいいと俺は思うのだ

次にビックカメラで掃除機を堪能した

こんなに吸い込むんだと堪能した

 

デパ地下ではスズキのなんとか焼きを購入した

これから食べる

そして飲むのだ

なんせ俺はブコウスキーを読まなければならないからな

さすがにシラフで読んでは失礼だ