鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2017年ブエルタ第18ステージ

2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ

第18ステージ

中級山岳ではあるが忘れもしない2012年にコンタドールが意表をつくアタックでホアキンに対して大逆転したコースを一部区間走る

前半は平坦、中盤から3級3級スプリントポイント2級長い下りを終えて3級登りゴールなステージである

1級や超級は無いものの細かな山岳が盛りだくさんだ

勝負どころは2級山岳の頂上付近か?

そして誰もがコンタドールを警戒している

果たして警戒された中で再びアタックできるのか?

この日も逃げたい選手がたくさん

すでにスカイはステージには興味を持っていない

総合ライバルと一緒にゴールすればいい

20ステージのアングリルまではなるべくアシストも温存したい

逃してはいけない選手はチェックしつつ

この日もスカイは関所を開設する

どうしても通行手形を持っていないのに関所を乗り越えようとする選手が出てくる

しかしスカイが絶対に許さない

非常なまでに許さない

それでもレース後半

総合争いとは関係の無いエース級の選手を含む20名ほどの逃げ集団ができた

アラフィリップにポイント賞が欲しいトレンティン

モホリッチにルツェンコと既に今年のブエルタでステージ勝利をしている選手も入ってきている

ステージが欲しい選手、チーム戦略のための逃げ、ポイント賞に山岳賞

いろんな目標を持った選手がとりあえずゴール前まではチームを超えて団結する

メイン集団をコントロールするのはスカイ

逃げに対してはお先にどうぞ状態

タイム差は11分まで広がる

こうなるとステージ優勝は逃げ集団の中での争いとなる

まだ何も結果を残せていないモビスタのロハス山岳トップ通過

ポイント賞を諦めないトレンティンも僅かながらもポイントを重ねる

時折アラフィリップが遅れる場面が目立つ

しきりに無線で「待ってよマッテオ」

マッテオ・トレンティンは後ろを気にしながら走る

126キロ地点

二つ目の3級山岳オザルバ峠

ここでメイン集団からイタリアントリコロールに身を包む顔が長く口が大きいアルが飛び出す

さすがにこのままではヴィノクロフ大佐に合わす顔が無い

ガシガシと体を左右に大きく振るダンシングでメイン集団との差を広げていく

これにコンタドールやマイケル・ウッズも反応するが結局はアルの単独走に

スカイ的には全く興味を示さない

どうせ最後には捉えられる計算だ

ここでも無駄な力は使わない

慌てない慌てない

一休さん走法である

そしてメイン集団の中からはチャベスが遅れていく

個人的に今年のブエルタは期待してただけに残念だ

トリプルエースのオリカだがなかなかうまくいかない

先頭の逃げグループは2級山岳突入

ここでアルメとグジャールが抜け出して

モビスタ期待の若手ソレルとルツェンコ、アラフィリップが合流

最後の3級山岳ソレルとグジャールが遅れアラフィリップ、ルツェンコ、アルメの3人に

残り2キロアラフィリップも遅れる

ルツェンコ、アルメ二人で残り1キロのフラムルージュを通過

お互いに牽制が入り出す

騙し合いの時間だ

相手に足が残ってないのは見破られたくは無い

しかし残り800

アルメが渾身のアタック

一気に化けの皮が剥がれるルツェンコ

ゴール目前でずるずると後退

アルメが独走に

自身初のグランツールステージ勝利が目の前だ

全開にしているジャージのチャックを閉めなければ大事な大事なスポンサー様のロゴマークがテレビ画面に映らない

あれ?あれ?

だ、だめだ閉まらない・・・

あぁ・・ゴールだ

もういいや

やったぁ!!

右手で小さくガッポーズ

ロットソウダルのアルメが18ステージを制した

チームとしても3勝目

そしてアルメはなんとプロ初勝利

絶対的なエースはいないが大成功なブエルタである

一方メイン集団

デラクルスのアタックをスカイが潰す

最後の3級山岳

スカイがハイペースで登り始める

残り600メートル

ここでスカイのアシストポエルスが仕事終了

あとはフルーム自らが頑張るだけである

フルームアタックに反応したのはコンタドール

マイケル・ウッズもついてくる

しかしニバリが来ない

ニバリがついてこれない

そういえばすっかり忘れていたアルの存在

長い距離を逃げたアルだがテレビにもほとんど映ることなく

フルームからも8秒しか先行できなかった

結局フルーム、コンタドール、ウッズは同タイム

ニバリは19秒失った