鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

ゲートタワー「弍澤千」鰻屋のランチ、恵那鶏の照り焼き丼

8月も最終日

想像を絶する激務の中で今日は休息日な俺

思いの外、気分が良く午前中に元気を取り戻したので調子に乗って名駅はゲートタワーを目指した

スティーヴンキングならダークタワーだが名駅ならゲートタワーというぐらいすっかり高島屋へはデパ地下にしか足を踏み入れなくなった俺である

そろそろいいかな?

俺は平日のランチを楽しむためにゲートタワーでと思い足を踏み入れた

ゲートタワーはごく一般的な商業ビルであり決して各階にボスキャラがいて最上階にはラスボスがいるようなタワーではない

そのため無駄な血を流すことなく上へ上へと登ることができる

さすがに平日だと空いている

俺はビックカメラユニクロ三省堂すら無視してひたすら上へと登った

たどり着いた場所はレストラン街12階

すでに人がいっぱいである

それもそのはず11時45分

俺はもう一階だけ上へと登った

13階

仏教なら吉数となる数字13

西洋では忌み嫌われる数字13

そんな13階に俺は足を踏み入れた

目指すはスペインバルのパエリアランチ

早速店を発見した俺は店内を覗き込んでみた

すでに満席である

しかも客層は若い女性ばかり

どれにしようか?目映りしてしまう

しかしよく考えてみたら俺はランチを食べに来ただけである

俺はふと店の前に並べられた椅子に注目してみた

「な、なんてことだ・・・」

そこにはずらりと並んだ若い女性たち

やはりブエルタの影響なんだろうな

みんなスペインを感じたいのだろう

今年で引退のコンタドール最後の勇姿を見届けたいのだろう

果たしてフルームのコンディションはどこまで維持されるのか?

以外と頑張ってるニコラスロッシュは表彰台に登れるのだろうか?

俺はありえない行列に目を伏せて第2候補地へと向かった

さらばスペイン

俺は同じフロアを素早く移動した

時間的に1分1秒を争うからだ

瞬時の判断が勝敗を分ける

俺は素早く首を左右に動かして周りの状況を確認した

まるで旧国立で行われたマンチェスターU VS 鹿島アントラーズの親善試合の時のキレキレ本山みたいに

あれは確かパクチソンやエブラが移籍してきた年だ

「あった!」

俺は見つけた

和風の店舗を目指して足早に移動した

どうやら店内はガラガラである

迷うことなく俺は店内へと侵入して右手人差し指を高く突き上げた

「一人です」

「カウンターへどうぞ」

孤独な俺はカウンターへと案内された

俺の他には孤独な人間が数名いるだけだった

店の名前をいうのを忘れていたが

明治34年に岐阜県多治見市にて創業した老舗の鰻屋「澤千」の別形態店

うなぎと鮎がメインの割烹ダイニング「弍澤千」だ

以前から俺はチェック済みだった

ようやく今日俺は足をふみいれる決心がついた

それはなぜか?

実は昨日の俺は多治見にいた

多治見での仕事を切り上げて録画してあるブエルタを見るために248を制限速度内で爆走していたのだ

すると途中からピタリと動かなくなり渋滞が始まった

空にはヘリコプターが3機ぐるぐる旋回している

ただ事ではない

パトカーや救急車がけたたましくサイレンを鳴らしながら走っていく

レスキュー車もサイレンを鳴らしながら高速へと侵入する

多分事故は高速で起きている

それなのになぜ国道248も動かない?

パチンコ屋の看板では江頭が伝説を作るとかほざいている

そんな昨日の多治見インター付近であった

そんなこともあり「これも何かの縁だな」と思った俺は多治見の名店で食べることを決心したのだ

とは言ってもさすがに鰻を食べるほど羽振りは良くない

そんな俺が求めたのが「鶏」である

恵那鶏の照り焼き丼1200円

ランチメニューでは最安値である

しかしそこは老舗の鰻屋

普通の照り焼き丼ではないはず

おそらくタレはウナギのタレだと想像できる

俺はワクワクしながらカウンターへと腰掛けた

カウンターはとても広く快適である

この辺りとても好感が持てる作りだ

俺はメニューを見た

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手書きのメニュー

写真でなく絵である

しかも俺の目指す照り焼き丼は絵すら無い

まぁいい

俺には鮎や鰻を食べる余裕は無い

俺は注文した

照り焼き丼と生ビールを

それにしてもなんて魅力的なメニューなんだ

うなぎはもちろん

鮎丼や御膳系

これはまたこないといかんな

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生ビールの登場

キリン1番絞りだ

俺は疲れ切ったからだにガソリンを注ぎ込むべくこいつを飲んだ

「ああぁあああああああ、なんてことだ」

シュワシュワっと体の芯まで冴え渡る爽快感

疲れなんか全て吹っ飛びそうだ

そしてちゃんと適温で提供されている

些細なことだが名店の気配を感じた

そして俺の前にはガラス張りの厨房が丸見えだ

見えすぎちゃって困るぐらいに丸見えだ

そしてその中では先ほどからウナギが焼かれているのだ

さすがに鰻屋に来てウナギを口にできないのは辛い

仕方がない

頑張るしかないのだ

いつの日かウナギが食べられるような立派な男になるまで我慢我慢

そしてその時は来た

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恵那鶏の照り焼き丼 1200円

小鉢、サラダ、味噌汁、漬物付き

「ウォオおおおおお、な、なんだこれは」

予想以上のランチに俺は驚愕した

主役の照り焼き丼はもちろんだが隣の味噌汁がとても大きく美味そうだ

サラダも小鉢も漬物も

詳しく見てみよう

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照り焼き丼

こんがりと香ばしく炭火で焼かれている

そしてご飯にはタレが少々

予想通りウナギのタレだ

俺は早速一口食べた

皮がとても香ばしく焼かれている

柔らかい

そして地鶏特有の程よい弾力

噛めば噛むほど染み出してくる鶏の旨味

そして僅かながらにかけられたタレがうまい

このタレの量が絶妙

多すぎると偽ウナ丼に成り下がってしまう

しかし少量にすることで鶏の旨味を最大限に引き出すことに成功しているのだ

これ以上多くても少なくても成立しないタレの量

恐れ入った

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忘れいていた

いつもなら糖分の吸収を抑えるために真っ先に食べるサラダだ

その忘れていた理由が

ランチのサラダにしては本格的すぎるからである

実に色とりどりな野菜たち

見てるだけでも楽しくなる一品だ

そして生野菜だけでなく野菜チップスがパラパラと存在している

この野菜チップスにより彩だけでなく食感まで楽しませてくれるのである

1200円なのに、ランチのサラダなのになんて手の込んだ・・・

俺は再び恐れ慄いた

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小鉢よ

おまえもか

もはや懐石の一品である

漬物すら見ただけで判断できる確実に美味い漬物

そして事実、美味い

これらだけで酒が何杯飲めることだろうか?

多治見は焼き物職人の町

だからこそスタミナのあるウナギ文化ができたウナギ激戦区だ

そして汗を掻く職人のためなのか東海地方独特なのか味付けは関西の人からすれば濃いめだ

だがそれも悪くはない

決して悪くはないのだ

1200円のランチの小鉢なのにこのクオリティ

三たび恐るべし

f:id:sababou:20170831161429j:plain最後に味噌汁

味噌汁と侮るな

存在感抜群の味噌汁に仕上げてある

野菜や椎茸など具も盛りだくさん

食べる味噌汁となっている

そして何よりこのサイズがいい

飲んでも飲んでも

まだ・・ある・・・・のだ

だめだこんなものを1200円で出しては

お得すぎるではないか!

大名古屋のレアルの焼き鳥丼が日向小次郎なら

ここ弍澤千の照り焼き丼は大空翼

どうやら俺は名駅鶏丼最強2トップを見つけてしまったようだ

今度はウナギを食べてみたい

そしてもう一つの売りの鮎も食べてみたい

今日は本当にいい日だ

また来よう

近いうちに

 

ごちそうさまでした

 

俺は合計1890円を支払って店のパンフレットをもらい外へ出た

店の外には相変わらず人はいない

カウンターにも誰も客はこなかった

通りすがりの人は看板のメニューを見ては立ち去っていく

なんでここで食べない?

こんなに美味いのに

 

 

さてこれからブエルタ観戦

まだ昨日のステージは見ていない

そして今日の夜のつまみはデパ地下で買った

鶏レバフライ

今日は鶏祭りだな