鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

山岳王バルギル

2017年ツール・ド・フランス第18ステージ

アルプス2日目

最終山岳ステージの登りゴール

決戦の地はイゾアール峠だ

最後の山岳ステージとあってこの日も逃げたい選手は多い

総合とは別に逃げ切りステージ争いになる可能性も高いからだ

すでにポイント賞も山岳賞もほぼ確定状態

争いはステージと総合系に絞られる

レースがスタートする

この日も果敢にアタックを仕掛ける新城幸也新城幸也

しかし簡単には逃がしてはもらえない

小集団で抜け出してもプロントンの動きが止まらない

とにかくチームとしてステージ一勝を狙いたい

そんな総合とは関係のないチームと前待ち作戦の総合系チーム

入り乱れてのアタック合戦だ

やがてスタートから14キロ地点で54人の巨大逃げ集団が形成される

その中にアスタナは3人送り込むことに成功

アル最後の攻撃のための前待ち要員だ

その他のチームも複数名逃げ集団に入る

体調が良ければ十分ステージが狙える選手も多数入った

そして逃げメンバーの中で1番総合タイムがいいのがフォルトゥネオのフェイユで33分遅れだ

最悪30分先行させてもスカイ的には全く問題はない

メイン集団はスカイがコントロール

逃げとの差は少しづつ開いていくが常にコントロール下に抑える

コロンビア人が3人並んで談笑しながら走る

パンタノ、キンタナ、ウラン先輩だ

今日はコロンビア連合もあるのかもしれないな

先頭の逃げ集団からは3級山岳に入りカルメジャーヌとデヘントがアタックする

山頂をデヘントが1位通過で山岳賞最後の抵抗を見せる

逃げ集団の中で細かな動きはあるものの決定的なものとはならずに大集団のままスプリントポイントへ

ライバル不在のコロブレッリがポイントゲット

ポイント賞では3位につける

あとはマシューズとグライペルがリタイアとなれば緑ジャージが転がり込んでくる

今年は呪われてるかのようなポイント賞ジャージ

まだまだ油断はできない

1級山岳に入るとシカールがアタック

すかさずアスタナのルツェンコがチェックに入る

そこにギャロパン、アタプマが合流して4人の先頭集団を作る

54人の逃げ集団はここで崩壊する

力無き者は脱落していく

この1級山岳をルツェンコが1位通過したことでバルギルの山岳賞は確定した

あとはパリまで走るだけだが

下りに入ると後方からパラパラと追いつく選手も

10人ほどで逃げるがうまく回らない

ギャロパンがブチ切れる

この時に3名が逃げ集団から抜け出した

先頭はアスタナのルツェンコ、フォルトゥネオのアルディ、コフィディスのエデだ

一方メイン集団はこれ以上差を広げたくないと

この日のバルデがステージをとってボーナスタイム10秒が欲しいAG2Rがスカイの前に出て集団を引き始める

逃げグループからゴティエが合流

これにより逃げとの差はどんどん縮まっていくがAG2Rはアシストを削っていく

そしてレースは最後の超級山岳イゾアール峠へと入っていく

先頭ではルツェンコが単独で抜け出す

追走にはUAEコフィディスが2名づつ、あとはギャロパンだ

メイン集団とのタイム差は4分15秒

十分に射程圏内だ

追走からエデが脱落

メイン集団では逃げから落ちてきたデヘントがメイン集団へと合流

デヘントはバルギルと握手を交わし、共に山岳賞を争ったライバルとして勝者バルギルを祝福する

先頭は残り8キロ地点でアタプマが追走集団から単独で飛び出し先頭のルツェンコを追う。そしてこの日はコロンビアの独立記念日である

やがて先頭のルツェンコを捉えて単独先頭に

メイン集団からはAG2Rのハイペースな引きでアルが何もすることなく遅れ始める

なんとか踏ん張っては再び遅れて追いつく

かなりのハイペースで引き続けたAG2Rがついにアシストを使い切る

そして再びスカイがレースをコントロール

フルームは別にステージはいらない

しかしどうしてもステージが欲しいバルデたち

すると既に山岳賞を確定させたバルギルだがステージ優勝目指して飛び出す

これに反応したのがコンタドール

やがて前からモレンマが降りてきてコンタドールに合流して2両編成の急行となる

先頭はアタプマ2位ルツェンコで3位にバルギルが上がってくる

スカイはまだアシスト3人を残している

Dマーティンが攻撃を仕掛けるがスカイに潰される

キンタナが脱落、そしてアルも力尽きた

クウィアトコウスキーが仕事を終える

まさにオールアウト、完全停止だ

残り5キロ

バルギルがコンタドールをぶち抜く

残り1・5キロ

先頭のアタプマに追いつき一騎打ちに

そして残り1キロフラムルージュ

バルギルが加速する

ついにバルギルが単独で先頭へ

快調に登りをこなすバルギル

アタプマを引き離し独走に入る

そしてこのイゾアールの山頂を両手で天を指差してゴール

ツール2勝目

そしてステージ勝利での山岳賞確定

やはり登りゴールの山頂をトップで登ってくる水玉ジャージは絵になる

 

フルームがランダに何か話している

行けランダ!

突然ランダがメイン集団から飛び出した

フルームマークで動けないバルデたち

ランダは単独でどんどん登っていく

一方メイン集団は牽制状態が続く

誰も動かないのか?動けないのか?

すると今度はバルデがアタックだ!

動くならここしかない

すかさずフルームとウランがチェックする

すると逃げから落ちてきた同じフランス人のギャロパンがバルデをアシストし始める

まさかのフランス人連合

最後の力を振り絞りチームを超えて同国のライバルであり友人でもあるバルデをアシストするギャロパン

しかし残り2キロ

短い下りに入る手前でフルームがアタック

下りを利用してどんどん差を広げるが捕まる

そこに先行していたランダが再び合流

ランダが引く

フルーム、バルデ、ウラン残り1キロを通過

残り400メートル

ここで再びバルデがアタック

最後の力を振り絞った全開のアタックだ

最後の総合系スプリント勝負

しかしフルーム、ウランを引き離せずタイム差なしのゴール

先頭のバルギルから20秒遅れでゴールした

 

優勝 バルギル

2位 アタプマ

3位 バルデ

4位 フルーム

5位 ウラン

 

バルギルは結果的に総合9位にまでジャンプアップ

将来はマイヨジョーヌを狙いたい宣言

ジロ制覇のデュムラン

ツール、ポイント賞のマシューズに山岳のバルギル

今後サンウェブは嬉しい悩みを抱えそうだ

 

今日は3級山岳が3つあるも基本的には平坦ステージ

なんとかステージが欲しいスプリンターチームだが

逃げ屋にとっても最後のステージ

スカイもサンウェブも明日は逃げ切られても問題はない

レースはカチューシャ、コフディス、ロットソウダル、ロットNLユンボ、ディメンションデータあたりが牽引することに

しかしアシストも疲労困憊で逃げとの差は縮まらない

そこで最後のチャンス

今日の予想は

逃げ切り新城幸也

2位は総合敢闘賞へ向けてデヘント

3位にヴォクレール

完全に希望的予想だな