鯖棒亭日乗(下)

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駅弁「日光埋蔵金弁当」1個15万円(税別)です

夢のような駅弁を目指して

そんな思いのもと夢のような弁当が誕生していた

その名も「日光埋蔵金弁当」である

値段は夢のような1個15万円

まさに夢でも見てるかのようだ

実際に値段を見たら何かの間違いかと思ってしまうであろう

何度も何度も0の数を数えてしまうだろう

この弁当は栃木県日光市で予約販売される

税別1個15万円なんで税込みだと1個16万2千円

消費税が上がれば我々が支払わなければならない金額はさらに上がる

消費税だけで1万2千円

京都の一流料亭で安い懐石コースが食べれる値段である

実はこの弁当、中身はもちろん弁当箱が豪華なのだ

むしろ15万円のほとんどは容器の値段だと言っても過言ではない

容器と箸にも江戸時代から伝わる日光彫りの名品を使っている究極の弁当箱なのだ

こんな素晴らしい弁当箱ならスーパーの380円で売られているミックスフライ弁当の中身を入れ替えるだけでも豪華に見えてしまうであろう

そんな日光彫りの名品だが

中身は別としてこの弁当箱のみで12万円もするのだ

ん?12万円??

中身は3万円?

弁当の中身だけで3万円

3万円といえば銀座で寿司が食べれるし

京都の一流料亭ではスッポン懐石が食べられる値段

いったい何に3万円もかかるのだろうか?

その気になる弁当の中身は

まずは看板商品である鱒寿司と北海道産タラバガニを使ったちらし寿司

A5ランクのとちぎ和牛を使ったヒレステーキ

日光の刺身ゆば

ロシア産のベルーガキャビア

九州産のクルマエビの塩焼き

など約10種類が入っているとそうだ

そしてこの中身は発売を開始した2006(平成18)年から基本的に変わっていないと店の人は語る

ん〜どうだろう?

食材費だけで5万円かかるそうだが

果たしてそんなにかかるのだろうか?

俺には想像もつかない食材たちなのでよくわからない

鱒寿司はたまに食べる

タラバガニも40年に1度ぐらいは食べたことがある

A5ランクの肉は栃木牛ではないが一口サイズのをコースの一品として何度が食べたことがある

刺身湯葉、これは日光ではないが京都産のを食べた

ロシアのキャビアは高校生の時に友達数人とお金を出し合って缶詰を買って食べた

車海老は友達の結婚式の時に出てきたが九州産かどうかは分からない

最高級品を集めたにしても本当に5万円するのかなぁ

入ってる量も少量だしな

星持ちの高級料亭の懐石コースで考えると店で出す値段で5万円以内に収まると思うが

食材の原価が5万というのは盛りすぎなような気もする

まぁ豪華食材には違いない

弁当箱が12万円で食材が5万円これだけですでに17万円

単純に考えても一個あたり2万円の赤字

実際に利益は全くないという

そして食材の北海道産タラバガニが高騰した時は、さらに赤字が膨らだそうである

しかしお客様サービスの一環として行っているため、今後も製造を止めるつもりはありませんと店の人は語るのだ

まぁ確かにいい宣伝にはなる

こうやって誰も読まないような俺のブログにも書かれるわけだしな

それほど数も作らないだろうから赤字だと言ってもたいした金額ではない

むしろ宣伝のための経費と考えれば安いものである

その気になる過去の販売数は

まず初年度に5万円のものを1999(平成11)年2月に20折限定で発売して、即日完売

それ以降、2000(平成12)年に3万円

2001(平成13)年に1万円

2005(平成17)年に10万円

2006(平成18)年6月に15万円の弁当を発売し、現在はすべて完売状態

15万円の弁当も当初10折限定で即完売したが、お客さんからのリクエストがこれまで以上に多かったために現在では容器が完成次第、販売するようになったという

つまり弁当箱があればあるだけ売りますよ

そして作れば必ず売れますよってことみたいだ

これまでに50折ほど売れたそうである

 

そんな夢の駅弁「日光埋蔵金弁当」の誕生秘話はこうだ

「私は27年前、東京から日光に移り住んで鱒寿司の製造を始めまして、商売が軌道にのるにつれて、栃木県内の職人さんたちと知り合うようになりました。私はもともと、日光を盛り上げる「夢のような駅弁」を作りたいという気持ちが強かったこともあり、試しに彼らに協力を呼びかけてみたところ、そうしたら皆さん、利益度外視で手伝ってくれることになったのです。

一番最初に作った弁当は、容器が木工の町として知られる鹿沼市の桐タンスをイメージした三段構造のもので、下段にミニチュアサイズの市松人形や茶器を、真ん中の段には益子焼の器にのった日光の刺身ゆば、上段には鱒寿司などを入れました。」

 

利益を度外視で仕事する職人たちあっての日光埋蔵金弁当

最初は市松人形や茶器までついてたとは

そして弁当箱の日光彫りは当然日光市内の職人さんに発注

製作は彫りに1、2か月、漆塗りに1か月程度かかる

彫りのデザインもひとつずつ異なり、容器の出来にとてもこだわっているため、彫りの具合によっては返品することもあるという

そして容器が出来上がったら写真を撮ってお客さんにメールで送り、出来に納得して貰えたら購入という流れになるそうだ

ここまでしてもらえるのなら15万円は安いと考えたほうが良いのかもしれないな

日光埋蔵金弁当

彫りと塗りだけで三ヶ月である

分担制ではあるだろうが材料費も含めて12万円はやはり安い

俺なら製造に三ヶ月かかったら100万円ぐらい欲しいところである

 

そんな日光埋蔵金弁当は完全予約制

日光市内の道の駅で予約するか製造店に直接連絡して欲しいとのこと

まず容器を製作しなければならないので長い時には半年ほどかかる

そして受け渡しは直接手渡しである

つまり日光まで受け取りに行ける人のみとなる

これは宅急便などで雑に扱われて、万が一、容器に傷が付いてしまったら職人さんたちに対して責任が持てないということ

職人さんが精魂込めて作ったものは大切に扱いたいという気持ちからの直説販売となる

主な購買層は50代、60代の夫婦

日光へ受け取りに来て、帰りの特急「スペーシア」内で食べたり、市内の旅館に宿泊し、そこでの料理をキャンセルして、代わりに弁当を食べるそうだ

そしてなんらかの記念日に「日光埋蔵金弁当」を食べる人が多いらしい

普通の紙の容器で販売したとしても7万円は欲しいという日光埋蔵金弁当

今後さらに豪華な弁当の構想もあるという

まだ実現はしていないが、たとえ赤字になろうとも作り続けたいと

 

夢のような駅弁「日光埋蔵金弁当」は、日光鱒鮨本舗さんで買えるそうだ