鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

15万円の椎茸

のとてまり

能登で栽培されている高級椎茸である

こののとてまりが12月17日に金沢市中央卸売市場で初セリが行なわれ1箱6個入り500グラムが今までの最高額の15万円で落札された

ちなみに過去の最高値は10万円だという

写真を見て見るとかなり肉厚な椎茸で焼いて食べたら絶品であろう

収穫された椎茸のうち傘の直径が8センチ以上、肉厚3センチ以上の基準をクリアするものが全体の2〜3%

そこからさらにエリートを選抜して4割だけが「のとてまり」の称号を得る事が出来るそうである

俺が椎茸なら真っ先にはじかれ商品にはならずに捨てられてしまうであろう

やはり最後まで残る物は優秀なのである

競り落としたのは金沢市の料亭「加賀料理 八百辰」

お吸い物して出したいそうである

確かに焼き椎茸だと数人しか食べられないしな

でもやっぱり椎茸は焼いて醤油を少し垂らして食べるのが一番美味い

後はフライだな

ここまで来ると完全に丹波松茸に匹敵する値段

たかが椎茸だと思う人も大勢いるだろうが俺は松茸より椎茸の方が好きだ

しかし流石に椎茸に15万は出せない

安くて美味しいから椎茸が好きなのであって松茸並みの値段になると考えものである

俺が最後に食べた松茸は京都の本家たん熊の土瓶蒸しである

土瓶蒸し自体は非常に香りが良くそして最高に美味い!

これほどまでの土瓶蒸しを食べたのは初めてである

まさに「もんもな料理」さすが本家たん熊である

しかしその中に入ってる小さな松茸の味は正直分からなかった

それはあまりにも小さすぎるからであるが

本家たん熊だけにあの松茸は丹波松茸だと信じたい

香りは最高だ

でも土瓶蒸しの中に入っている松茸のみを食べた場合は正直一般的な寿司屋で出される土瓶蒸しの中に入ってる小さな小さな松茸と区別がつかないのである

これは俺の舌が鈍感なのも理由のひとつであろうが

ただコンビニやスーパーで売られている松茸弁当のペラペラにスライスされた松茸との違いは流石に俺でも分かる

まぁあそこまでペラペラにスライスしたら松茸の食感が台無しなんだけどな

香りも無い食感も無い松茸にいったいなんの意味があるのか?

ただ高級というイメージだけである

それでも売れる松茸関連の商品

流石である

その点椎茸は出汁に使われるような名わき役

しかし椎茸こそ主役を充分にはれる実力派のキノコなのである

椎茸もスーパーで売られているのはあんまり美味しく無い

やはり産地で食べるのがいい

俺が普段自転車で走ってるコースにも椎茸の産地がある

TV局が何回も取材に来ていたりする

まぁここの椎茸は正直美味いのだが観光地価格的な強気な値段設定なので付近の産地直売所で買うのが好ましい

あとは家で焼いて食べるだけ

産地に行けば椎茸の源木も売られているので自宅で椎茸を栽培する事も可能である

とても肉厚な椎茸が自宅で

もう最高である

焼き椎茸に椎茸のフライに椎茸ごはん

それはもう至福の時間を過ごせるのである

友達同士でバーベキューをやっても1番人気は牛肉ではなく椎茸なのだ

安い肉より高い椎茸のほうが美味い

熱々の椎茸の肉汁がジュワー

ハフハフしながら食べる

そしてビールをグビグビ

思い出すだけで口の中に唾液がたまってしまう

そして15万円の椎茸「のとてまり」

料亭ではお吸い物にされるそうだ

やはり出汁ものとてまりで取るのだろうか?

でも干さないと出汁にならないよな

なんかとても贅沢で手間のかかるお吸い物だ

そして出汁殻の、のとてまりでもいいから食べてみたいな

のとてまり出荷されてから今年で6年目だそうだが

今後加賀料理の新定番となるのかもしれない

もう治部煮なんかにしたら最高に美味いんだろうな

そして最高にお高いんだろうな