鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

そば湯とわさび

最近ネット上で話題となってるそば湯とわさび

そば湯についてはとある女性のブログで書かれていたことが発端みたいである

その女性はそば湯の存在を知らなくて蕎麦のゆで汁を飲む彼氏が信じられないといった内容みたいだ

これをきっかけにネット上ではそば湯についての討論が始まった

ネット上ではそば湯の存在を知らない人がいた事への驚きから

「まともな蕎麦屋行ったこと無いんじゃないのか」

「そば湯って当たり前に出てくるものだと思ってた」

「そば湯知らんとかどんな人生歩んだらそうなるのか」

などの意見が繰り返されている

そしてこの話題の記事によると西日本はうどん文化であり蕎麦屋が少ない事を理由にあげているのだ

正直に言うと俺もそば湯の存在は高校を卒業して社会人になるまでは知らなかった

自分で金を稼ぎ自分の好きな物を食べれるようにって初めて本格的な蕎麦屋に行ってそば湯の存在を知ったのだ

しかしその時の俺はそば湯は飲まなかった

否、飲めなかっと言ったほうが正しいかもしれない

それは何故か?

俺はそば湯の飲み方を知らなかったのである

「そば湯です」と何やら朱色の漆を塗ったポットのような容器にて出されたが

それを飲む為の器が無い

いったい何に入れて飲めば良いのか?

周りを見ても誰もそば湯を飲んでいない

そして恥ずかしくて店員に聞く事も出来ない

今のようにスマホで検索することも出来ない時代であった

なので俺がそば湯を初めて飲んだのはその後しばらくしてからのことである

記憶にあるのは旅行で訪れた信州の蕎麦屋で飲んだのだ

この時は相方がいたので恥をしのんで聞く事が出来たのである

この時に俺はようやく大人になれたような気がしたもんだ

では何故こんなそば湯を知らない無教養な人間に育ってしまったのか?

それはやはり親に本格的な蕎麦屋に連れて行ってもらった事が無かったからである

子供の頃の外食と言えば寿司、うなぎ、焼肉、中華、うどん、スガキヤである

ちなみに寿司は回らない寿司オンリーまだ回転寿しが一般的ではなかった時代だ

当時回転寿しはアトムボーイしかなく物珍しさから1回だけ回転寿しに行った記憶があるが、それは子供にも分かるぐらい寿司と呼べるような代物ではなかった

うなぎは親戚が経営してたので本当に良く食べた

焼肉も中華も俺の大好物ばかりである

しかし当時の俺が一番好きだったのはスガキヤなのだ

ここの生卵が入った特製ラーメンが大好きなのだが大抵は普通のラーメンしか食べさせてもらえなかった

そして子供の頃の最大のごちそうがマクドナルドのハンバーガー

もう食べたくて食べたくて仕方が無いのにいつも親からは「あんな体に悪い物は食べては行けません!」なんていかにも昭和的な理由であまり食べさせて貰えなかったのである

うどんは特別好きでは無かったがうどん屋には大衆食堂並みに他のメニューが何でも揃っていた

このうどん屋

俺が住んでるのは日本の真ん中で独特な味噌文化のある地方だ

実はこの地方は駅に行っても立ち食い蕎麦がほとんどないように西日本同様に蕎麦文化が根付いて無い

なので近所にも本格的な蕎麦屋は少なく

蕎麦と言えばうどん屋が一応蕎麦もあります程度で出しているぐらいだった

その為か俺が子供の頃にちゃんとした蕎麦を食べた記憶が無いのだ

そして蕎麦と言えばどん兵衛緑のたぬきに市販の蕎麦を家で茹でて食べるぐらいだった

そしてその家で茹でる市販の乾麺の蕎麦はいつも茹ですぎで腰が無く

俺は蕎麦があまり好きではなかった

その結果として俺はそば湯の存在を知らずに育ったのである

 

次にわさびである

これは刺身を食べる時にわさびを醤油に溶かして食べるのか

醤油に溶かさずにわさびを刺身に乗せて食べるのかである

俺の場合は

醤油には溶かさずに刺身にわさびを適量を乗せて刺身のさきっちょにごく少量の醤油をつけてから、まず醤油の付いた部分を舌の上に乗せて食べるのである

これは子供の頃に親父から教えられたことのひとつである

「わさびは醤油に溶かすな!」

まぁその頃の俺は子供なんでそもそもわさびは付けていなかったのだが

そしてこのことについては池波正太郎の「男の作法」にも書いてあったので

俺は大人になってからはこだわりを持って刺身の上にわさびをちょこんと乗せて食べているのである

しかし俺はこの作法を他人に強要させる気は全く無い

食べ方なんて自分の好きなようにすれば良いと思っている

俺はわさびの香りと舌に触った瞬間に来るわさびの辛みを楽しみたいからやっている

そしてなるべく池波正太郎の「男の作法」のように生きたいからである

ちなみに自分の周りを見ているとほとんどの人は醤油に溶いてしまう

俺はわさびをチューブから出してそのまま舐めながら酒を飲むぐらいわさびが好きだ

でもよくばって食べ過ぎた時に鼻にツーンと来る感触だけはどうしても苦手なのである

 

 

今日の昼ごろに和歌山県震源地とする地震があった

こっちでは震度2だが

震源地がなんか不気味な気がする

南海トラフの予震でなければいいのだが

自然のことは人間ではコントロール出来ない

とりあえず今出来ることは地震が来たときに備えてあらかじめ準備しておくだけである

なにごとも無ければ良いのだが

どうしても最近は地震にたいして過敏になりすぎてしまう

 

明日は晴れるみたいだ

風がなければ自転車でひとっぱしりしたい

どこか紅葉でも見に行こうようと

毎年のように俺はひとり

おやじギャグをつぶやくのであった