鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

寿司の日

今日は寿司の日である

1961年11月「全国すし商環衛連」が行なった同連第4回熊本大会会議で「実りの秋・収穫の秋・米への感謝の日」として、11月1日を「寿司の日」としたのが始まりだそうだ

歌舞伎の演目に出てくる人物が絡んでるみたいだが良くわからない

まぁとにかく今日は寿司の日なのである

だからといって俺は寿司を食べる訳では無いが

いかんせん寿司は高すぎる

しかも直ぐに食べ終わってしまう

俺が最後にまともなにぎり寿司を食べたのは5年以上前になる

初めて尾道を旅した時に瀬戸内の魚が食べたくて海岸沿いにあった寿司屋に入った

地魚の特上握り3500円

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もう最高に美味かった

この後にぎり寿司ではまともな寿司は食べていない

2年前に知多半島の海の前という絶好のロケーションの店でにぎり寿司ランチ1200円を食べたがそれはもうとても酷いものでシャリがぽろぽろと崩れるぐらい柔らかく手で食べる事すら困難な寿司であった

しかもネタはスーパーに並んでるようなネタ

祝日の昼12時なのに親子丼を食べてるお客さん2名しかいなかったからおかしいな?とは思っていたのだが俺はこれ以降にぎり寿司に関してはトラウマになっているのである

 

俺が子供の頃は毎月月末になると近所の寿司屋へ食べに行った

その頃は借家に住んでいて大家さんへ家賃を払いに行ったついでに家族で寿司屋に行っていたのだ

その当時刺身が苦手だった俺はタマゴとかウズラのタマゴとか納豆巻きとかウナギとか穴子とか食べてた記憶がある

そんな幼少の頃に俺は寿司職人が変わったのを見抜いたそうである

「なんか味が変わった?」

俺は全く覚えていないのだが俺がつぶやいた言葉だそうだ

それまで握っていた番頭さんは独立したためにその下にいた職人さんが握ったそうだ

それを幼少の頃の俺は見抜いてしまったらしい

寿司はネタで決まると思われがちだが俺はやはりシャリの握り方だと思うのだ

あの口の中に入れた時にふわっと崩れる感触がたまらなく美味い!

しかし近年では回転寿しが幅を利かせてちゃんとした寿司屋さんは苦戦を強いられている。庶民的な価格の寿司屋さんは回転寿しに淘汰され高級店だけがかろうじて残っている状況だろうか

流石に回転寿しではちゃんと握られている寿司は少ない

ただ単に酢飯の上に刺身が乗っているだけである

もちろん美味い回転寿しもある

俺が仕事で訪れた金沢で食べた回転寿司は回転寿しにしては美味かった

そして世間的にはネタが大きければ大きいほど喜ばれる風潮がある

もうネタとシャリのバランスなんか完全に無視した寿司である

俺は思うのだ

それなら刺身だけ食べれば良いのにと

やはり適切なネタの大きさもあると思うのだ

あまりに大きすぎるネタの寿司も俺は好きでは無い

江戸時代に誕生した江戸前の握り寿司は元々屋台で食べるファストフードであった

それだけに気軽に食べれる回転寿しは原点回避なんじゃないかとは思うのだが

やはり俺は年間に回転寿しに5回行くのなら1回だけ回らない寿司屋に行く

同じ金額を使うのならそのほうが遥かに満足感が高いからである

しかしアベノミクスが失敗した今では1年に一回の寿司すら食べれなくなってしまった

 

しかし握りずしだけが寿司ではない

俺のネット上の名前「鯖棒」のように押し寿司や巻き寿司、稲荷寿司に鮒寿司などのなれ鮨、ちらし寿司に蒸しずし他と実に様々な寿司が存在する

俺はおもに京都で寿司を食べる事が多い

京都ではおやつ代わりに食べられる稲荷寿司が大好きである

800円も出せばおくどさんで炊かれた最高にうまい稲荷寿司が食べられるのだ

これが俺の大好物の八坂神社前のいづ重さんの稲荷寿司

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俺は花見の季節にいつも買うのだ

もちろん鯖寿司も最高に美味いが鯖寿司は日持ちするのでお土産用に買って帰るのだ

酒飲みにとっては琵琶湖の鮒寿司

おもいっきり発酵しまくってチーズのようになっているがこれがまた日本酒の味を引き立てるのである

これは大変くせがあるので一般的には勧められないが長浜などでお試し用の少量パックが売られているので気になる人は是非試して欲しい

巻き寿司もうまい

俺はかんぴょう巻きが好きでデパ地下の店で買ったりする

ちらし寿司の仲間である京都のとり松のばら寿司も大好物でいつも買って帰る

鯖のおぼろがもうたまらない逸品である

そして絶対に忘れてはいけないのが冬の京都で食べる「蒸しずし」だ

この蒸しずしは京都の郷土料理で冬季限定

ちらし寿司を蒸して熱々なところをハフハフしながら食べるのである

おそらく最初は誰もが「何故ちらし寿司を蒸す?」と思うだろう

俺も正直なんてことをしてくれるんだと思った

でも何事もチャレンジである

俺はある日に紅葉を見た帰り思い切って寺町二条にある末廣さんで食べてみた

おもちかえりメインの小さな小さな店である

テーブル席は2席だったか3席だったか?

お向かいには有名なお茶屋さんの一保堂がある

この小さなお寿司屋さんの蒸しずしがこれである

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俺は驚いた

蒸すことによって酢の酸味は消される

流石京都の人気店らしくひとつひとつの具材が大変丁寧な仕事がしてあり無茶苦茶うまい!心も体もポカポカになるむしずしなのだ

ここは鯖寿司も有名だ

残念なことに俺はまだ鯖寿司は食べていない

ぜひとも鯖寿司も食べてみたい物である

 

そして蒸しずしは新京極の乙羽寿司も有名である

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こちらは場所的にも訪れやすい店である

 

とにかく京都は鯖寿司、稲荷寿司に蒸しずしにばらずし

もう俺の大好物のオンパレードなのだ

江戸前の握り寿司も良いがたまにはこういった庶民的な寿司も良い物である

 

ああ食べたい

たまらなく食べたい

そんな今日は寿司の日なのである