鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

味噌おでん

午後0時

俺は腹ぺこだった

こんな時に尾崎豊だったらバーガーショップに駆け込んでポテトをコーラで流し込むであろう。俺も若かりし頃はハンバーガー3つにポテトLコーラLなんて無茶な食べ方をしたもんだが流石にそれなりに年齢を重ねた俺は若い頃みたいな無茶はしなくなったのだ

「俺も随分と丸くなったもんだな」

決して体のことではない

そんな大人になった俺はいつものようにJR中央線に飛び乗った

車内で俺はふと先ほどのことを思い出した

確か「浅草の水谷?」と話した記憶がある

そう俺は勘違いしてたのだ「水谷」と言う店は俺の地元にある店の名前で本当は「浅草の水口」と言いたかったのだ。なのでこの場を借りて訂正させて頂くが

浅草の酒肴「水口」です

看板には水口と書いてあるが正式には水口食堂らしい

詳しくは明日暇があれば書こうと思うが

後は銀座の梅林。ここはトンカツの店でスペシャルカツ丼が有名

まぁとりあえずこれも明日暇があれば書こう

と話はいつものように脱線気味であるが、そうそう俺は腹ぺこを抱えていたのだ

そんな俺が目星をつけていたのはキッテ名古屋にある鶏だしおでんの店

俺はさっそく地下街をさっそうと駆け抜けてキッテへ向かった

今日のキッテはガラガラである

こんな光景を見るのは始めてだ。どうやらみんな飽きて来たのかもしれない

そして俺はお目当ての店の前で仁王立ちした

店の前に掲げられてるランチメニューはほとんどハンバーグ。あとは鳥南蛮とか

鶏だしおでんのスープが付くと書いてあるがおでんのランチメニューが無い・・・

「やられた!」

どうやら昼はおでんをやっていない可能性がある

店内を見てもみんなハンバーグを食べている。ここで店員に聞いてみれば良かったのだが俺はためらった。聞くのが少々恥ずかしかったのである

俺は今日は一旦退却してネットで調べてみようと思い万感の思いでこの店を後にした

この時の俺の頭の中はすでにおでんで埋め尽くされていたのだ

平日の昼間からおでんで酒を飲む

なんて贅沢な響きなんだろう。俺は大好きだ。東京なら見慣れた光景でもあるが名古屋では昼飲みの文化が無い。名古屋は車社会だからである

なので居酒屋でも昼はランチメニューで定食のみという店が多い

昼から一品料理を出して欲しいとは思うが

そんなどうしようもなくおでんが食べたかった俺は大名古屋に味噌おでんの店があることを思い出した

俺は子供の頃は「赤味噌LOVE」「赤味噌マジリスペクトっす」だったが

おっさんになった今では少々赤味噌がクドいのである

トンカツも最近では味噌よりソースだなと思うようになった

ただ「どてめし」だけは別だが

なのでおでんも関東風が好きなのである。そんな俺は迷った

「よりによって味噌かよ」「しかも写真見ると真っ黒だし」

あきらかに味噌の中でぐつぐつ煮込まれてるタイプのおでんなのである

どうしようか?俺は迷い迷い3週だけ一人クリテをして一旦トイレに行き心を落ち着かせてから決断した

「食べてみないと分からない」と

で俺はトイレを出て真っすぐに向かった「山虎」である。黒味噌おでんと串カツがメインの店みたいだ

俺はいつものように天高く右手人差し指を突き上げて「一人です」と店員に継げながら店内に侵入したのだ

いつものようにカウンターへ。今日はガラガラなので隣のイスにカバンを置いた

俺は味噌おでん定食と生ビールを注文した

それは直ぐに運ばれて来た

黄金に輝く液体

麦からの贈り物

生ビールである

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すばらしい

なんてすばらしいんだ

俺はさっそくこいつで喉を潤した

すると以外と早くメイン集団がやってきたのである

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味噌おでん定食

まずはISO200のままだったので手ぶれしていることをご了承願いたい

味噌おでん(大根、こんにゃく、はんぺん、たまご、牛スジのどて)である

王道の品揃え。なかなかいいぞ

あとは小鉢がジャガイモにあんかけそぼろ

サラダと赤出しと漬物にたっぷりの辛子である

これが味噌おでん定食の全貌

俺はビールを一口飲んで辛子をだいこんにたっぷりとかけて食べた

「嗚呼やっぱりなぁ」

まぁ一般的な名古屋人や名古屋飯目当てな観光客ならたぶんおいしいと思う

確かに不味くは無い

しかし赤味噌にうんざりしてる俺には・・・

大衆店にありがちな煮込みまくってとろとろ系

食感も何も全く無い

しかし世間ではこれが口の中でとろけるとか言ってもてはやされる現代

俺はまずこの煮込みまくり系が苦手なのだ

料亭や割烹の割とお高い店のおでんは煮込みすぎずに食感を残してある

それでいて味はしっかり染みつつも素材の味がちゃんと感じられるおでんに仕上がっているのだ

しかし赤味噌煮込み系は強烈な赤味噌の味により素材の味が全くと言っていいほど消されているのだ。そして煮込みすぎてこんにゃくもはんぺんも同じ食感

唯一赤味噌がマッチして美味しいのはタマゴだけなのだ

これは全く持って俺の個人的な意見なので世間一般的な意見ではない事をここで言っておくが。牛スジもとろける寸前まで煮込まれていて箸で摘むのもままならない

もう少し食感残して欲しいなぁ

そんなことを思いながら俺はビール、おでん、ビール、おでんを繰り返し

最後におでんの汁と言うか味噌だれと言うべきかおでんの赤味噌をごはんにかけて食べたのだ。

孤独のグルメならクライマックスシーンで「うまや、うまや、うまやあああぁぁぁ」と曲が流れるシーンである

そしてこの時の俺は確かに「うまや!」だったのだ。ごはんに味噌をかけただけ

やはりこれが一番美味い!!できれば上にネギを乗せたい所だが

どてめしのどて無しバージョン

マズイわけが無い

俺は最後に満足して店を後にした

結局は赤味噌の味だけだなと

 

ただ赤出しはなぁ

せめてミックスにしてほしいなぁ

赤づくしはやはり老体にはツライ

 

そんな俺は午前中に奈良の柿の葉寿司の話をしていたこと思い出して

デパ地下で3つだけ購入した

サバ、アジ、サンマである

これは後でブエルタを見ながら食べるのだ

久しぶりの柿の葉寿司

楽しみである