さて今日はなかなか気分がいい俺である
やはり誰かに喜んでもらえるのは気分がいい
だからこそ人は手土産やプレゼントををあげたりするのだろう
そんな俺は現在３人から「うなぎ食べに行こうぜ」と誘われている
ちなみに全て相手の奢りである
お客さんだったり取引先の社長だったり
ありがたい限りである
背中が痛むが今日はお出かけ
明日の午後から皮膚科の予約が取れれば行ってこよう
午後３時には仕事が終わる予定である
明日行ければ日曜日は自転車で走れるかもしれないしな
やはり走りたい
ドヤ顔でチタンのバイクを見せびらかしたい俺である
さて午後も１２時を回っている
どうやら取引先の社長から電話が入っていた
電話をかけたいが午後一時まで待つのがマナー
飯の時間は大事である
そんなこんなで午後一時まで待機
大名古屋の空中ガーデンで待機
午後１時
電話をして打ち合わせ
メールなんて野暮なものは嫌いな俺である
やはり大切なことは電話じゃないとな
さぁ仕事は終了
などと思ったら急に腹が・・減った・・・
今日は敬愛する井之頭氏風にしてみた
「飯だ」
俺は急いで３階まで駆け下りた
「何を食べる？」
「何を欲してる？」
相変わらずひつまぶしの店は混んでいる
流石に午後１時
みんな午後からの仕事開始である
なので店はどこもガラガラ
味仙とひつまぶし系以外は
やはり名古屋メシは強いな
俺は入る店を決めかねていた
そしていつものようにクルクルフロアを回り始めてしまった
こうなると決まらない
３周回したところで強制的に最終ラップのカウベルを鳴らす
自分の心の中だけでカランコロン
「ええい」
俺は半ば強引に初体験の店へと突撃した
「Spice Lip」
アジアンだ
いつもなら若いお嬢さんやそれほど若くないお嬢さん方で溢れかえってる店である
それが今日はガラガラだ
やはり１時まで待機は正解だった
店内に入るとなんと一人客のおっさんが３人もいるではないか
「いいぞいいぞ」
どうやら午後１時からはおっさん天国と化すみたいである
「おっさんだってアジアンを食べたいのである」
店に入ったはいいが
困ったことが
メニューを見る俺
「だめだ・・・全部食べたい・・」
敬愛する井之頭氏ならここぞとばかりに注文しまくることだろう
ガパオライス
各種フォー
各種カレーとフォーから選ぶハーフ&ハーフというのもある
そして充実したサイドメニュー
珍しいビールも盛りだくさん
「ビール飲みてぇ」
でも我慢我慢
なんせ単品で１０００円以上のメニュー
これこそが今まで躊躇していた理由である
メニュー的には大好きなものばかり
しかし１０００円越えとなると怯んでしまう俺である
でも既に着席ずみ
俺は決めた
「タイ風焼きそばで」
いわゆるパッタイというやつだ
ちなみに俺は焼きそばが大好き
様々なアレンジ焼きそばを作り食べている
そしてパッタイも大好きなのだ
とは言っても俺がいつも食べてるのはデパ地下惣菜
あとはリトルワールド
そして自分で作るなんちゃってパッタイ
つまりちゃんとした店で食べるのは始めてなのだ
俺はスマホをいじりながら料理を待った
ちなみにスープとサラダは付いてくる
ここに白飯があれば尚いいのだが
流石にW炭水化物を好むのは日本人だけである
ラーメンライス、焼きそば定食などなど
まぁ世界的に考えてソバ系単品は当たり前だな
俺はまずは食物繊維からというマイルールに乗っ取りサラダを食べた
至って普通なサラダだがうまいな
やはり野菜はうまい
次はスープだ
これもまた普通なスープ
でもやや具沢山
十分合格点だな
俺はビールのメニューを眺めた
全品６８０円
「手が出ないな」
宝くじでも当たらない限り難しい
でも一応考えてみる
飲むなら何か？
エール
黒
まずはここ決めないと軸が決まらないのだが
そんなところすら決まらなかった
要するに全部飲みたいのだ
昔々京都のとあるビアバーで京都の地ビール飲み比べをした俺である
あの時のように全部飲みたいのである
ただ問題なのはあの時よりはるかに種類が多い
「やはり宝くじを当てるしかないか」
そんなことを考えていたら主役がやってきた
「なかなか美味そうだ」
調味料で味の変化をお楽しみくださいとのこと
あくまでお好み
自己責任だがな
俺はとりあえずレモンを軽く絞った
「もしもこのレモンが爆弾だったら？」
なんて梶井基次郎みたいな妄想はしない
ただ純粋な気持ちでレモンをかけた
パクチーとガーリックかな？
なんせアジアン慣れしてない俺である
まぁいい
俺ルールを適用させるか
要するに好きに食え
これが俺ルールである
俺は軽く混ぜ混ぜしてはやる気持ちを抑えつつ一口食べた
「おおぉおおおおお」
「予想以上の美味さだ」
「俺が今まで自作してきたなんちゃってパッタイは一体何だったんだ？セブンデイズ」「おおーおーお」「おおーおーお」
やはりアジアン
とても複雑な味
甘いのか辛いのか酸っぱいのか
しかしこれが絶妙なバランスで融合してるのである
そして米麺がうまい
もう一口食べた時点で俺のお気に入り店に仲間いり
１０００円越えでも構わない
俺はアジアを旅したいのだ
でも実際にタイに行くのは怖い
知らないうちにこっそりカバンの中にお薬を入れられて
「あのジャパニーズハゲいけないものモッテマス」などと通報されて人生終わりかねない
なので俺日本でタイを楽しむのである
半分ほど食べたところで順番に調味料をプラス
酢、砂糖、ナンプラー、唐辛子
何の説明もないので最初は困惑したが
どうやらこれらはタイの定番的な調味料でどこの店でも当たり前のようにあるみたいだ
やはりそれぞれが味に変化をもたらしてくれる
とても面白いが結局一番うまいのはノーマルだな
唐辛子は突然舌が麻痺して焦ったが直ぐに回復した
「しかしこのナンプラーはうまいなぁ」
スーパーで売られてるものとは別物だな
臭みも少ない気がする
調味料的には酢とナンプラーがお気に入り
でもやはりノーマル
そして俺は何を血迷ったか全ての調味料をぶちまけた
するとどうだろう
今まで絶妙なバランスで保たれていたパッタイが
崩壊した
甘いのか？辛いのか？酸っぱいのか？しょっぱいのか？
もうわけがわからない
混乱
俺の舌は混乱した
俺は深く深く後悔した
「やりすぎたな」
そして最初に焦りすぎた俺は麺と具の攪拌が甘かった
そのため最後はもやしだけが皿に越されたのだった
俺は延々とシャキシャキともやしを食べた
これでもかともやしを食べた
「ごちそうさま」
最後は大失敗だが
調味料トッピングは自己責任
あくまで自己責任なのである
それでも相当満足な俺
店的には
グリーンカレーが一押しみたいだな
でもガパオもチキンライスも食べたい
そして決めることができなかったビールも飲みたい
そのためにはアベノミクスに打ち勝たないとな
しかしパナは半導体の生産中止
ファミマは４０代リストラ
あとどこだっけ５０代をリストラする企業もあったな
会社から追い出される同年代のおっさんたち
厳しい時代がやってくる
みんなストレスで頭髪がスカスカになる
もはや米麺でも乗せるしかないな
