鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第15ステージ

2019年ツール第15ステージ

休息日前のピレネー最終決戦

リムー〜フォア・プラットダルビ
距離185キロで獲得標高3900メートル

中盤から1級山岳が3つ

そしてボーナスタイムに最後は山頂ゴール

この日も総合が動くステージ

 

放送が始まると大きな逃げ集団

ツールも終盤の山岳ステージになると既に総合争いから脱落したエース級が逃げに乗る

これはステージ優勝、山岳賞、あわよくば総合TOP10返り咲き

これらの思いを込めて逃げに乗ってくる

メイン集団もボーナスポイントがいらないのなら逃がしても構わない

最後の山岳まで力を残してエースに託す

 

逃げは28名

 

ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)7分19秒遅れ
アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
マルク・ソレル(スペイン、モビスター)
ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーンメリダ
ヤン・トラトニク(スロベニアバーレーンメリダ
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーンメリダ
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)9分03秒遅れ
ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード
ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード
ダニエル・マーティンアイルランドUAEチームエミレーツ)9分50秒遅れ
ロマン・クロイツィゲルチェコ、ディメンションデータ)9分55秒遅れ
パトリック・コンラッドオーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)17分13秒遅れ
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)
ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ)
オマール・フライレ(スペイン、アスタナ)
ルディ・モラール(フランス、グルパマFDJ)
ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール)
トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール)
ニコラス・ロッシュ(アイルランド、サンウェブ)
レナード・ケムナ(ドイツ、サンウェブ)
マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
サイモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)
アマエル・モワナール(フランス、アルケア・サムシック)
ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス

 

 

昨日の放送中は映像もバタバタで正直誰が逃げてるのかはっきり把握できてなかったが

キンタナ含むモビスタ連

山岳ジャージが欲しいニバリ

とにかく頑張らないと存在すら忘れられてしまうバルデ

アダムがダメなら俺が行く、サイモン・イェーツ

その他各チームのエース級がステージ狙い

もう誰が勝ってもおかしく無い逃げである

 

メイン集団はドゥクーニンクがコントロール

タイム差的にはまだ逃げを捕まえられるタイム差

でもペースは上がらない

現状維持的なペーシング

イネオスはいつものポジションで睨みを利かせる

しかし例年ほどの凄みは無い

 

やがて逃げ集団は16名に絞られる

モラール、ライヒェンバッハ、ルツェンコ、Sイェーツ、ケムナ、ロッシュ、エラダ、バルデ、ガロパン、マーティン、チッコーネ、クロイツィゲル、アマドール、ウッズ、マルタン、フライレ

 

残り65キロ

バルデがアタック

さすがにこのままではフランス人にさえそっぽを向かれる

何か爪痕を残さなければ

ボーナスポイントが設定されてる1級山岳

ここでゲシュケがアタックで独走に持ち込む

相変わらずのヒゲで安心する

CCCとしても何も出来ていないだけになんとかしなければならない

追走集団からサイモン・イェーツがアタック

先頭のゲシュケに追いつき二人でダウンヒルで逃げる

追走するバルデ

かなりイライラしている

仕切りに逃げメンバーに喧嘩を売りだす

一番の被害者はルッェンコ

ネチネチと何か言われている

そしてあろうことか若かりし頃にベットの下に隠し持ってた牛乳を腐れせたDマーティンにまで文句を言いだす始末である

 

 

残り40キロ

メイン集団から眉毛の濃いランダがスルスルっと前に出る

これは彼のお家芸

「なんとなくアタック」

すかさずフグルサングも反応するが振り切るランダ

前に待つチームメイト

アマドールとソレルを目指して走る

やはり山を登らせたら強いランダ

眉毛の太さは伊達じゃない

ハイペースで1級山岳を登りきり下へ入る

ここで前方の集団から落ちてきたチームメイト

アマドールとソレルに合体

これが「前待ち作戦」である

チームメイトをあらかじめ逃がしておいて勝負どころでエースが飛び出し合体

合体したチームメイトはロケットでいう燃料役

とにかく全開でエースを前方へ引き上げるのだ

とにかくモビスター製ランダロケット発射である

 

先頭はサイモンとゲシュケ

追走のバルデ、キンタナグループから1分30秒

メイン集団から3分30秒をつけて最後の1級山岳へ突入だ

ここでサイモンがゲシュケを引き離して独走に入る

やはりコンディションさえ整ってればサイモンは強い

ここでもう彼のステージ優勝はほぼ確定

あとは総合争いに注目だ

 

追走のランダロケット

途中で燃料を使い果たしたアマドールを切り離しソレルも切り離す

そしてキンタナを含む追走集団に追いつく

追走集団の後方ではエースキンタナが苦しんでいる

実は前日のキンタナ

かなり体調が悪いことをチームメイトに黙っていた

それであの失態である

レース後のチームバスどんな会話が行われたのか?

ランダはキンタナの顔を見ることなく前方へ出る

画面越しなんとなく伝わってくる空気感

「あいつ無視な」

まるで小学校の頃になんでもないことでイジメが始まる時のようだ

そのまま追走集団の先頭に出て引きまくるランダ

キンタナは一人遅れた・・・

 

 

さらに飛び出すランダ

ついにゲシュケも捉える

 

一方メイン集団

イネオスは既にかなりのアシストを失っている

アラフィリップはなんとか踏ん張っている

Gトーマスも苦しそうではあるが大丈夫だ

そんな中でピノが元気だ

この暑さの中でもまだ溶けていない

そしてピノがアタック

なんとか食らいつくアラフィリップ、ブッフマン、ベルナル

しかしここでまたしてもGトーマスが遅れる

そしてクライスヴァイクも遅れた

しかしペースで登るタイプな二人

後で追いつく可能性はある

 

とにかくピノが元気だ

再三のペースアップ

ダンシングでぐいぐいと突き放そうとする

どうやら今年のピノは6個入りではなく24個入りの大箱

「食べても食べても無くならないぜ」

「おまけに箱にはミニオンの絵まで書いてあるんだぜ」

しかもバニラ、アーモンド、チョコの3種類の味が楽しめるのだ

ちなみにピノ1個約30キロカロリーである

ツールを見ながらのピノタイムは計画的に

 

ピノの攻撃でついにアラフィリップが遅れる

ベルナルとブッフマンも遅れてピノ単独でランダを捉えに行く

フランス人も連日の大興奮

FDJのマディオ監督もチームカーの中で大変なことになってるだろう

崖から落ちないことを願う

 

アラフィリップはGトーマスグループに吸収

それでも苦悶の表情でGグループを引くアラフィリップ

本来マイヨジョーヌの彼はここで先頭を引く必要は無い

ここで引かなければならないのは総合順位下位のGトーマスとクライスヴァイクである

しかも幸いなことにGトーマスはアシストのポエルスを従えている

なのでここはポエルスに引かせるが正しい

アラフィリップは最後尾まで下がるのは危険なのでGトーマスの後ろでクライスヴァイクの前に入るのが一番良いのである

それでも必死に前を引くアラフィリップ

もはや無線からの指示すら聞こえないのかもしれない

「前へ行かなければ、前へ行かなければ、ピノピノピノピノピノ

おそらく限界を超え思考能力が低下して本能だけで走っている

 

 

激走を続けるピノ

ついにランダを捉え2番手に浮上

あとはサイモンのみ

先頭はサイモン・イェーツ

ブエルタチャンピオンでもある彼を捉えることは容易では無い

最後までハイペースで踏み続けたサイモン・イェーツが胸のロゴを指差し

「ミッチェルトン・スコット」のスポンサー名を全世界にアピールする余裕のゴールパフォーマンス

ピレネー最終決戦を制した

 

 

ピノはランダに先行して登ってくる

おそらく総合が遅れてるランダはピノのために2位を譲る

ボーナスタイムがあるからだ

これもまたロードレースである

 

 

Gトーマスがアタック

どうやら前日ほど調子は悪く無いようだ

これにクライスヴァイクも食らいつく

しかし既に限界を超えていたアラフィリップ

ついにここで脱落した

 

 

4位5位はそれぞれブッフマンとベルナルが51秒遅れで入った

 

 

 

総合順位

1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) 0:01:35
3位 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィズマ) 0:01:47
4位 ティボー・ピノ(グルパマFDJ) 0:01:50
5位 エガン・ベルナル(チームイネオス) 0:02:02
6位 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ) 0:02:14
7位 ミケル・ランダ(モビスター) 0:04:54
8位 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター) 0:05:00
9位 ヤコブ・フルサング(アスタナ) 0:05:27
10位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト) 0:05:33

 

アラフィリップはマイヨジョーヌを守ったものの30秒タイムを失った

Gとクライスヴァイクの差は7秒

Gとピノの差は15秒

ベルナル、ブッフマンも僅差だ

アラフィリップから約5分遅れているランダも十分チャンスが出てきた

そしてバルベルデも何気にほぼ同タイム

そこから30秒遅れてフグルサングとウラン

 

今年のツールは面白い

全く予想がつかない

次の勝負はアルプス3連戦

18、19、20ステージ

ここまでにどれだけ回復できるか?

今日の休息日で体調維持できるのか?

とりあえず16ステージは平坦ステージ

横風さえなければ休める

でもユンボとドゥクーニンクはスプリンターを抱えている

なんだかんだでイネオスが優勢か

他のチームとは経験値が違う

Gトーマスもきっちり復調してくることだろう

あれだけ不調だったポエルスの調子も上向いてきた

対抗となるクライスヴァイクはなんか持ってない気がする

一番怖いのはピノ

しかしツール前から絶好調なだけに最後の最後でガクッと落ちかねない

プラチックの楊枝にさして口の中に入れようとしたら楊枝から抜けて「ポロっと」落ちかねない

アラフィリップはもはや根性のみ

あと1分30秒

Gに食らいついておけばなんとかキープできる

 

 

個人的な予想はベルナルだったが

気持ちとしてはアラフィリップかピノに勝って欲しいな

でも現実的にはGトーマスかな

まぁとにかくまたピノ買ってこないとな

 

 

 

 

第16ステージ予想

アルプス前のスプリントステージ

総合争いをしなければならないドゥクーニンクとユンボ

影響はあるのか?

確実に他のスプリントチームと比べて疲れている

そうなるとここはポケットロケット

第16ステージ予想はユアン