鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第13ステージ

2019年ツール第13ステージ

ポーで行われる個人タイムトライアル

距離は27・2キロで獲得標高は360メートルと平坦コースだが

最後に勾配17パーセントの短い登りが設定されていて少しいやらしいコース

大本命のローハン・デニスがチームと揉めたようで前日リタイヤ

バーレーン補欠の新城は何を思う

 

距離はそれほど長くないだけにあらゆる選手にチャンスがある

TTが苦手な総合のエース達もどれだけGトーマスからタイム差を広げられずに済むかが鍵だ

まずはデヘントが暫定2位に圧倒的な差をつけてトップタイムを叩き出す

個人TTというのは基本的にTTが得意な選手か総合優勝を狙う選手しか本気で走らない

勝つ見込みのない選手はとにかく体力を温存して走るステージだ

おそらくデヘントも今まではそうだったのだろう

今年のジロは最終日がTTだったので全力で走ったら驚きのステージ3位

考えてみれば世界最強の逃げ屋が遅いわけがない

常に先頭を走り続けるデヘント

やはり本気を出せば早いのである

 

優勝候補の一人でかつて世界最強TTスペシャリストだったトニー・マルティンチームオーダーからかゆっくり走る

これもおそらく今後の山岳ステージに備えてのことだろう

そしてこの日の優勝候補

まだ実力の底がまったく見えない驚異の新人ファンアールトに悲劇が

デヘントに迫るタイムで走行中

少しでもタイムを縮めようとした結果だろう

インコーナーを攻めすぎてフェンスに激突

フェンスとフェンスのつなぎの金具か何かに足が引っかかり高速からの落車

見た瞬間に「ヤバイ・・・」

アスファルトに染み込む血液

すぐに関係者が布で選手を隠す

残念ながら彼はリタイアとなった

詳しい怪我の状況はわからないが太ももに深い傷を負ったとのこと

おそらく筋肉がえぐれてるかもしれないな

自転車選手にとっても大事なところ

そして選手として一番伸びる時期に長期の離脱

1日も早い回復を願うが果たして100パー戻るのか?

ちょっと心配だ

 

 

キュング、シャフマンも落車

特にシャフマンは顔を歪めながらなんとか走りきったが見るからにダメだと言うのが分かる状態だった

そして彼もリタイアした

 

リッチーは良いタイムを叩き出す

マスも予想以上の好タイム

食べて応援のティボ・ピノもなんとか踏ん張った

多分森永効果だな

久しぶりに食べたピノはとても美味しかった

 

頑張ったのはウラン大先輩

そしてクライスヴァイク

バルデはバイク交換というギャンブルに出て大失敗

もはやフランス人でさえ彼の存在は忘れてしまうことだろう

そしてアダムもかなりタイムを落とした

 

こうなると気になるのはイネオスの二人

Gトーマスとベルナル

Gトーマスは総合争いする選手の中では一番早い

ベルナルもそこそこ早い

しかしこの日のベルナルはあまりタイムが伸びない

Gトーマスはステージ優勝を目指して爆走

そしてマイヨジョーヌを守りきれるかどうかアラフィリップがスタートする

計測が間違ってるんじゃないかと思うぐらいの中間タイムを叩き出す

なんとGより早い

マイヨジョーヌマジック」と言う言葉がある

全ての自転車選手憧れの黄色いジャージを着ると実力以上の力を発揮するという

そしてアラフィリップも信じられないタイムで走っている

もうフランス人大興奮

消えたバルデ

ピノの失速

最後の望みアラフィリップがトップタイムで走り抜ける

なんとGトーマスから14秒の差をつけてステージ優勝

大興奮のアラフィリップ

そしてフランス人

総合優勝は厳しかと思われていたアラフィリップもこれで優勝候補に名乗りを上げた

こうなると同じチームのマスは「えっ!エースは僕じゃないの?」となる

しかしチームとしてはカードが増えた

アラフィリップに注目が集まる中でスルスルっと表彰台狙いだな

 

 

総合順位は

 

1位 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) 53:01:09
2位 ゲラント・トーマス(チームイネオス) 0:01:26
3位 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィズマ) 0:02:12
4位 エンリク・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ) 0:02:44
5位 エガン・ベルナル(チームイネオス) 0:02:52
6位 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ) 0:03:04
7位 ティボー・ピノ(グルパマFDJ) 0:03:22
8位 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト) 0:03:54
9位 ナイロ・キンタナ(モビスター) 0:03:55
10位 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット) 0:02:33

 

 

2位のGトーマスを中心に考えるとわかりやすい

とにかく大本命はGトーマス

そうなると現在マイヨジョーヌのアラフィリップはGから1分26秒の貯金がある

超級山岳が苦手な彼は今後の山岳ステージでこの貯金を切り崩しながら走ることとなる

 

Gトーマスはとにかくライバルから遅れなければいい

金魚の糞のようにケツを眺めながらくっつき、山頂ゴールのステージで力があれば最後の最後で踏んで差を広げる

後は落車をしないこと、体調管理を万全にすることだな

 

3位のクライスヴァイクはGトーマスから46秒遅れ

このタイム差は簡単には縮まらない

どこかで攻撃をしてイネオスのアシスト陣崩さないとダメだな

まずはGトーマスを丸裸にして

「恥ずかしい・・・」

となったところで他のエースとも協力して全開アタックだろう

 

4位のマスは微妙な立場

チームとしてアラフィリップでいくのか?

もしそうならマスは貴重なアシストとなる

全てはアラフィリップ次第だな

でもマスの塩焼きもうまいんだよなぁ

 

5位のベルナルも同様

一応Wエースには変わりないが

自身の順位アップを兼ねた攻撃の許可が出るのか?

それともGを守りなさい指令が出るのか?

とりあえずは今日のステージを見てからだな

 

6位のブッフマン

この辺りになると表彰台争い

7位のピノ

8位のウラン

9位のキンタナ

10位のアダム

も同様だが

そこはツール

何が起こっても不思議ではない

3週間のレースの中で誰でも1日は調子の悪い日があるという

Gトーマスにその日が訪れる可能性も無きにしも非ず

とにかくみんなで協力することだな

Gとのタイム差を縮めるまでは仲間にならないと無理

 

キンタナのモビスターはランダとバルベルデのアシストが交互に攻撃を仕掛けるはず

そこに他の選手も便乗すればいい

そして多分キンタナは自滅する

 

 

とにかく今日の第14ステージ

トゥールマレー山頂ゴール

ピレネーの壮大な景色も楽しめるコースだ

TTでお疲れだろうし

とりあえず逃げを容認して総合は総合で戦うことになるかな

そうなると予想は難しいな

サイモンもアシストに徹するしな

逃げ切り勝利、カルメジャーヌ再びと言いたいところだが

ここを待ってましたニバリが本気を出す

ここで逃げるためにあえて総合の順位を落としたと思いたい

第14ステージはニバリで

 

そしてもう一つの戦い総合争い

最後の最後でピノ、クライスヴァイク、 G、ベルナル、マスが飛び出す

アラフィリップは30秒ほど失うかな

さすがにTTで力を使い果たした

総合争いは上位はアラフィリップ以外ほぼタイム差なしかな

と思ったが

117キロとショートステージか・・・

スタート直後からワチャワチャな展開になりかねんな

考えても仕方がないな

始まってからのお楽しみだ

 

今日は8時05分から放送開始

忘れないように書き記しておく