鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第8ステージ

2019年ツール第8ステージ

舞台は中央山塊

マコン〜サン・テティエンヌ
距離は200キロで獲得標高が3900メートル

とにかく数えるのがめんどくさいほど山ばかりのステージ

登っては降っての繰り返し

でも一応数えてみた山は7つ

2級が5つで3級が2つ

この辺りに住む別府3兄弟の末弟は「小さなリエージュ」だと表現

クライマー向けの厳しいコースだと言っていたそうだが果たしてどうなるのか?

 

この日のステージはボーナスポイントが設定されている

果たしてここで総合争いが動くのか?

アラフィリップとチッコーネの仁義なきマイヨジョーヌ争いが勃発するのか?

それとも何事もなく逃げがポイント取るのか?

蓋を開けてみないと誰もわからない

慌てずに十分蒸らしてから蓋は開けるべきだが

たまに炊飯途中で蓋がぱかっと空いてしまった時の精神的ショックは計り知れない

 

放送が始まると4名の逃げ

 

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)
ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)
ニキ・テルプストラ(オランダ、トタルディレクトエネルジー

 

なんと世界最強逃げ屋の二人が逃げている

デヘントとデマルキ

他の二人も十分すぎる実績を持つかなり強力なメンバー

油断すると集団は追いつけない

そしてメイン集団はボーラとサンウェブが牽引

どうやらサガンとマシューズが狙いに行くみたいだ

タイム差はほとんど変わらない

アラフィリップはマイヨジョーヌ奪還のためにボーナスポイントを取っておきたいはず

このままでいいのか?

 

展開は何も起こらない

逃げと集団の追いかけっこ

それでもこれだけ山が詰め込まれているとレースに夢中になる

よくあるダラダラ逃げではない

そこそこのペースでレースは展開していく

ドゥクーニンクも集団を引く

やはりアラフィリップも本気で狙いに来ている

タイム差は3分半ほど

一体今はどこの山を登っているのか?わからなくなる

 

逃げがデヘントとデマルキの逃げ屋二人になると

メイン集団はアスタナが引き始める

アスタナのコントロールでメイン集団は人数を減らしていく

スプリンターもここまで

サガンはギリギリのところで踏ん張っている

果たして最後まで残れるのだろうか?

 

そこそこテクニカルな下りでデマルキがオーバーラン

かろうじて落車は回避する

残り50キロ

タイム差は3分30秒ほどで変わらない

さすがに一筋縄ではいかない逃げ職人たち

メイン集団はEFも牽引に加わる

これによりタイム差は縮まり始める

最後の3級山岳

タイム差1分ほどで最後の戦いが始まる

追いつくのか?逃げ切られるのか?

実に微妙なタイム

 

イネオスが転んでいる

嫌な予感が的中だ

Gトーマスが落車に巻き込まれている

どうも落車の多いGトーマス

不思議と落車は続くのだ

幸いGトーマスに怪我はない

そしてバイクも壊れていない

すぐにリカバリー開始

なんとか集団に復帰を果たす

 

先頭では単独逃げとなったデヘントが最後の山岳をトップ通過

いよいよステージ優勝が見えてくる

メイン集団からはアラフィリップがアタック

爆発的な加速力でぐんぐん集団を引き離す

かろうじて反応できたのは絶好調のティボ・ピノだけ

他のメンバーは動けない

アラフィリップとチッッコーネの差は6秒

マイヨジョーヌ奪還へ向けての爆走だ

アラフィリップは2番手通過でボーナスタイム5秒GET

あと1秒

あと1秒でマイヨジョーヌ奪還だ

 

レース開始から繰り広げられてきた追いかけっこ

未だにデヘントは捕まえれない

世界最強逃げ屋のデヘント

まだまだギアを残している

最後最後で再び加速する

アラフィリップも全力で追うがタイム差は縮まらない

相棒のピノも悪くはない

しかしデヘントは捕まえられない

 

 

残り1キロ

フラムルージュを通過

後方確認するデヘント

ここでデヘントが勝利を確信

寡黙なデヘントが少し感傷的になってるようにも見える

とにかく200キロ逃げてきた

逃げ職人として仕事完遂まであと数百メートル

様々な思いがデヘントの頭の中を駆け巡る

なんとしてでもチーム1勝

前日のステージではユアンはあと一歩まで迫った

そして今日は自分が・・・

 

ゴールライン手前

両手で口を覆い、ヘルメットを抱かえる

「信じられないよ・・・」

そしてゴールとともに雄叫びをあげる

「ウォオおおおおおおおおお」

両手は腰のあたりで力強くガッツポーズ

 

トーマス・デヘントはこの厳しいコースを逃げ切った

 

 

そしてアラフィップとピノがゴールへ

アラフィリップとして3位で十分

マイヨジョーヌは奪還できる

一方総合優勝を狙うピノは1秒でも多くタイム差が欲しい

なんとしてでも2位が欲しい

二人の間で話し合いができていたのか?

空気を読んだのか?

アラフィリップはピノに2位を譲った

3位アラフィリップ

マイヨジョーヌ奪還成功

これでフランス革命の日はフランス人がマイヨジョーヌを着てツールを走ることになる

 

 

優勝のデヘント

2位のピノ

3位のアラフィリップ

それぞれがWIN WINなレース

ただ一人チッコーネだけが肩を落とした

 

 

今日はフランス革命記念日

フランス人にとってはとても大事な日である

そんなフランス革命記念日をフランス人のアラフィリップがマイヨジョーヌを着て走る

そしてコースはフランス期待の星バルデの故郷

引き続き中央山塊で1級3級3級で最後は下ってゴール

そして今日もボーナスポイント

逃げが決まる可能性もあるが

やはりフランス革命記念日

そしてバルデの故郷

もう難しいことは考えない

最後の3空山岳はまさにバルデが子供の頃から走ってきた峠

「どうぞ勝ってください」

主催者からのプレゼント

最後3級山岳手前でバルデがピノとともにアタック

下りでピノを引き離し

故郷に錦を飾る

 

今日の第9ステージ予想はバルデで