鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2019ツール・ド・フランス第5ステージ

2019年ツール第5ステージ

サン・ディエ・デ・ヴォージュ〜コルマールを走る175・5キロ

中級山岳で獲得標高は2200メートル

ちなみに獲得標高というのは登った距離の合計である

コース全体に3級、2級山岳が散りばめられたコース

そして絶好の逃げコース

俺の予想でも多分激しいアタック合戦から10人以上の逃げ集団ができているつもりだったが・・・

 

蓋を開けてみると

なんとたったの4人

その中には予想通りウェレンスの名前はあるもののタイム差は2分

完全に集団に泳がされてる逃げである

どうやら最初はデヘントも逃げようとしていたみたいだ

でもことごとく潰され結局容認されたのがこの4人

 

ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)
マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン)
トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード

 

まぁ豪華なメンバー

でも逃げ切りは無理

集団で何かが起きない限り無理

その何かとはマイヨジョーヌを巻き込む集団落車だが

さすがに落車で勝負は決まって欲しくない

 

どうやらサイモンクラークがマイヨジョーヌから5分ほどしか遅れてないらしく

マイヨジョーヌをキープしたいアラフィリップだけに安全圏内で泳がされる

第6ステージが厳しいステージなので総合系チームはおやすみしたい気分

スプリンターチームはゴール勝負できる位置にスプリンターを連れていけないのである程度自由が与えられるステージ

逃げたい人はどうぞ好きにしてください

そんなんで逃げステージかと思ったが

やはりサイモンクラークの存在

そして登れるスプリンター、パンチャーで勝負したいチームが多すぎた

クイックステップだけのコントロールではやがて力尽き逃げ切りが決まるだろう

しかしこの日一番やる気を見せたのがサガンのボーラ

そしてマシューズのサンウェブ

その他狙えるコロブレッリとトレンティンにファンアールト

そうなるとバーレーン、ミッチェルトン、ユンボあたりも集団をちょい引き

これは一応唾をつけとくか的な引き

何も仕事しないで選手がステージ勝っちゃうと後からネチネチ言われかねない

「おたく全く引いてないのにゴールスプリントだけ参加しちゃうんだ」

まぁルール的には問題ない

しかしこれがロードレースの紳士協定の一つである

こういった暗黙のルールや紳士協定がいっぱいあるのがロードレースであり面白さでもある

ルール上は問題ない

しかし守らないと自分たちのチームがピンチの時に誰も助けてくれないのだ

 

逃げとのタイム差は最大で2分半ほど開くがだいたい2分から1分半で推移する

山岳賞ジャージのウェレンスは西川きよし作戦

コツコツと小さな山岳ポイントを積み重ねていく

この時にも選手同士で話し合いが行われたりする

選手たちはチームが違えど利害が一致すれば協力し合う

特に逃げ集団は目的が同じ

とにかくゴール前までは皆仲間なのだ

今回は山岳ポイントを欲しいウェレンスが山岳をトップ通過させてもらう代わりの交換条件として先頭を多めに引くという条件を出してたみたいだ

「俺さ、水玉のジャージ着てんじゃん」

「この赤白のやつね」

「今年からデザインが変わって賛否両論だけどその話はとりあえず置いといて」

「まぁ君たちもバカじゃないんだからわかってるとは思うけど、俺山岳ポイント欲しいんだよね」

「監督からも言われてるしさ、来年の契約もあるし」

「でも正直、山頂で争いたくないんだよね」

「ほら僕って結構独走力あるじゃん」

「僕の足が元気な方が君たちにも有利だと思うんだよね」

「だ・か・ら 交換条件として僕に山岳ポイントを取らせてくれたら前多めに引かせてもらいます」

「ダメかな?」

 

「それで良いよ」

 

「あざっす」

「では早速前引かさせて貰います」

 

こんな感じだろうな

 

 

中間スプリントポイントは逃げからサイモンクラークがトップ通過

メイン集団ではスプリント争いでヴィヴィアーニがGET

まぁ特別見所もない

 

メイン集団はとにかくボーラが引きまくる

サガンの調子が良い証拠でもある

タイム差は相変わらず1分30秒前後

いつでも捕まえる気満々だ

2級山岳トロワエピ峠

それまで仲良く逃げてきた逃げメンバーから単独で飛び出したスクインシュ

メイン集団も迫ってきてもはやこれまで

一か八かの単独逃げに切り替える

ここでサイモンクラークは諦める

ウェレンスはせめて山岳ポイント2位GETを目指して粘る

やはり何事も「小さなことからコツコツと」である

 

一方メイン集団でもついにピュアスプリンターが脱落し始める

ユアン、ヴィヴィアーニ、クリストフ

やはり彼らは純粋だけに登りはこなせない

こうなると勝負はパンチャー対決

ペースも一気に上がる

そして単独逃げのスクインシュも吸収

ボアッソンハーゲンが遅れる

しかし下りで巧みにチームカーの隊列をかわしながら爆走

気がつくと集団復帰

チームスポンサー的にもカメラ独り占めで結構美味しい

しかしやたらと小さくなってるメイン集団

総合やステージを狙う重要な選手は全員残ってるみたいである

そしていつものように勝負トレインと危険回避トレインが混じり合い崩壊していく

下り終わるとUAEの選手が一人アタック

一昔前なら完全な勝ちパターン

ルイコスタである

しかしやる気満々なボーラにサンウェブ

残り2キロ

ルイコスタはほとんどリードを奪えないまま吸収

いつものようにカオスなメイン集団

2両編成の小さなトレインは複数存在するが

いかんせん勝負したい選手が多すぎる

ピュアスプリンターがいないのなら

「俺も俺も」状態

なんせツールでステージ取ればこの先の選手人生は安泰だ

先頭がインピー

残り200

万全の体制でインピーからトレンティンが発射される

「待ってよ!トレンティン」

一斉に他の選手もスプリント開始

この日一番仕事してきたボーラ

そんなアシストたちの思いを一心に背負いサガンが走る

なんだかんだ言ってきっちりツールに合わせてきたサガン

誰も彼には追いつけなかった

 

 

緑のジャージを着るサガン

ゴールではハルクのポーズ

やはりこの男が強くないとツールは面白くない

 

 

 

 

さぁ今日の第6ステージは大変だ

まだ週末でもないのにワクワク山岳ステージ

ロットはデヘントを逃げさせる予定だとか

このステージもまた最後から一つ手前の山頂にボーナスポイント

今度こそ総合が動くかな

そうなると逃げは潰される

アラフィリップもマイヨジョーヌ死守するために全力を出す

でも彼にはちょっと厳しいか

このコースが3週目なら逃げ切り勝利もあり得るだろうが

とりあえず総合タイムを稼いでおきたい

総合争い勃発でこの日に総合争いから脱落する選手も出てくるだろう

リッチーとかリッチーとかリッチー

注目はボーナスポイント

多分集団はイネオスがコントロール

その後ろにアスタナ、モビスタ、バーレーンの順番

イネオスはベルナルがG先輩をチラ見しながら走る

「G先輩大丈夫かな?」

しかしここで早くもGトーマスが遅れる

そしてチームからベルナルに許可が出る

「YOU!行っちゃいなYO!!」

ベルナル爆走

反応するのはフランスチャンピオンジャージのバルギル

少し遅れてティボ・ピノ、キンタナ、ランダ、アダム、フグルサング

下りで一旦一つになるも

最後の山岳、山頂ゴール

ここでベルナルが驚きの登坂を見せてツールステージ初勝利

 

これが俺の妄想

 

なので今日の第6ステージの予想はチームイネオスの「ベルナル」で

 

 

あとは豪雨にならないことを祈る

豪雨だとBS映らないしな