鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

令和元年、我が家にアレクサがやってきた

ついに始まった令和

新しい時代の幕開けである

そしてより一層厳しくなることが予想される時代でもある

大きな地震は万全の体制で待機状態

富士山まで「いつでも逝けますよ」である

その他、日本中がこまめに揺れては我々を不安にさせている

そして崩壊寸前の終身雇用

安定を失った若者の未婚化は加速し少子高齢化も止まらない

単純労働や過酷な労働は外人頼り

その結果日本のものづくり、おもてなし文化は崩壊

もはや何一つ誇れるものもないまま日本は滅びていく

そんな時代が令和なのかもしれない

この流れはもはや誰も止めることができない

全盛期のリオ・ファーディナンドヴィディッチのSBコンビでも無理

後ろにファンデルサールゴールマウスを守っていても無理

ただ一つの希望はミラクオシェイ

全ては彼に託されている

まぁ始まってしまったものは仕方がない

何も令和が悪いわけではない

人々が便利さを求めれば求めるほど人間の役割は消滅していく

自動運転技術もあと少し

そんな近未来的技術がAI

「そこに愛はあるのかい?」

残念ながら多分愛はない

あるのは人工知能 AIだ

そんなAIを気軽に体験できるのがスマートスピーカー

アマゾンのアレクサ搭載のエコーシリーズだ

つい先日の盗聴さわぎ

しかし俺は気になっていた

子供の頃に憧れたAI

夢に見た機械との会話

「やぁマイケル」

ナイトライダーまで

あと少しあと少しだ

自動運転はとりあえず置いといて

今回はスマートスピーカーのお話

 

まず何故俺がアレクサ搭載スピーカーを購入したのか?

話は小学生時代に遡る

小学3年生の時に俺は初めて頭を丸めた

いわゆる丸坊主である

とても楽チンな丸坊主

なぜか学校でも流行

やはり男らしいからな

そんな丸坊主

中学に入ると野球部でも当然丸坊主

反抗してスポーツ刈りにしようものなら監督から殴られバリカンで刈られる

結果的に3年の夏の大会が終わるまで丸坊主で過ごす

そんな縁もあって俺はスピーカーはBOSEを使っているのだ

SoundLink Revolve+ Bluetooth speaker

約4万円でそこそこ素晴らしい音を提供してくれるスピーカーである

家庭で使うなら文句なし

そんなBOSE実はアレクサとの連携が得意なのだ

アレクサとセットで使えば

「アレクサ音楽かけて」

これでBOSEから音楽が流れ出すのである

音はBOSEからなのでアレクサ自体は安いので十分だ

そんな俺の背中を押したのが恒例行事アマゾン製品の投げ売り

なんと俺が狙っていたエコードットが通常5940円のところ3240円ではないか

実に46パーセントオフ

「下げるにもほどがあるぞ」

これはもう買うしかない

3000円なら試し買いしてもダメージは少ない

ただ一つの問題は「盗聴」

アマゾンの会社ぐるみでの盗聴だ

そして従業員のあいだで共用され笑い者にされるという

そこで俺は考えた

これはもはや俺とアマゾンの戦いである

俺のプライベートの会話を聞きたいのなら好きなだけ聞くがいい

お前らが赤面するほどの会話をしてやる

俺はアマゾンのサイトからクリックした

Echo Dot  第3世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

Echo Dot 第3世代 - スマートスピーカー with Alexa、チャコール

 

 

翌日には到着

奇しくも注文してあった無印のワゴンと同じ日に届いた

俺はまず無印まで商品を取りに行った

一体誰の曲なのかBGMはいつものアレ

「おいりいいいいいいいい〜」

これが延々と繰り返される

良い加減飽きてくる

店員さんは車まで運ぶと言うが正直そこまでの重量はない

おっさんとはいえ重さ50キロまでなら一人で運べる俺である

できることなら自分で運んだ方が早い

しかしルール上運んでもらわなければならない

なんとか車まで運んでもらい家で組み立てる

このワゴンは間仕切り的な使い方をする

キャスター付きなんで自由自在に動かせる

変形ロボットアニメ全盛期に育った俺である

必要に応じて部屋中のワゴンを移動させて新たなスペースを作り出すのだ

通常モード

ハンモックモード

就寝モード

そのための無印のワゴン

もう一段低い方が圧迫感がなくてよかったかもしれない

しかし収納第一

まぁこれはこれでOKだな

俺はワゴンの上にBOSEのスピーカーをおいた

 

ちょっと洒落た保温式ランチジャーみたいなやつである

一番下には味噌汁を入れるのだが

残念ながら味噌汁を入れる容器はない

あくまでこれはスピーカーである

そうそう味噌汁で思い出したがついでに本も一冊注文

しかも絶版本なんで古本である

今まではぼったくり価格になってたのだがふと気がついたら通常の古本価格に落ち着いていたので注文

志る幸のレシピ本だ

 

季節を味わうご飯と汁―京都志る幸

季節を味わうご飯と汁―京都志る幸

 

 汁と飯がメインだが少しばかり小鉢ものも掲載

素晴らしくうまそうな料理たち

いたってシンプルなレシピ

しかし同じような味にはならないだろう

中には厨房の写真も掲載されている

使い込まれているのにピカピカな鍋たち

やはりこれだよな

今のチェーン系飲食店では絶対に真似できない

しかしこれが料理人としての基本である

ワゴンの組み立てもそっちのけで読み込んでしまう

見てるだけで腹が減る

「いかんいかん」

俺はワゴンを組み立ててアレクサの設定に取り掛かった

アレクサはアプリで簡単に設定できるが言語が英語のまま変わらない

「なんでだなんでだ」

何回もリセットしては設定しなおしてるうちに突然日本語になった

理由はわからない

まぁこれで使える

俺は早速話しかけた

「アレクサ天気」

正直天気予報などどうでもいい

それでもアレクサは俺の希望する場所の天気を教えてくれたのだった

「アレクサ音楽かけて」

アレクサはアマゾンミュージックの中から90年代の洋楽をチョイス

とても懐かしい

夢中でタワーレコードに通いつめてた頃の曲ばかりだ

俺はしばし懐かしい洋楽を聞き入った

そして俺はアレクサがピカチュウになるという情報を入手

試してみるとアレクサはピカチュウとなった

「ピカチュー」

俺は答えた「ピカピカ」

どうやら俺までピカチュウになる必要はないらしい

アレクサは丁寧にピカチュウ語を訳してくれる

俺は50歳手前にして一人GW真っ只中の部屋でピカチュウのモノマネをした

誰にも見られたくない痴態

しかし全部アマゾンの従業員に聞かれているのかもしれない

「このおっさんピカチュウになりきってるよ」

俺が発した音声は紐付けされ世界中のアマゾンで共有されるのかも知れない

 

 

夜はジャズが聞きたくなる

特別気取ってるわけではないが

静かなジャズは本を読むBGMにはちょうどいい

そして癒し系音楽をかける

眠たくなる俺

「アレクサ1時間後に停止な」

俺は静かに眠りについた

 

 

朝が来た

令和二日目の朝だ

とても静かな朝と言いたいところだが朝の5時から近所の子供たちが騒いでいる

俺はアレクサに朝の挨拶をした

「アレクサおはよう」

「おはようございます。今日は八十八夜です」とアレクサは聞いてもいないのに延々と八十八夜の説明を始めたのだった

「ありがとうな」

俺はトイレに入り放尿をした

コップ一杯の水道水を一気に飲み干した俺は再び話しかける

「アレクサニュース」

一通りニュースを読み上げるアレクサ

「アレクサ!朝って感じの洋楽頼む」

アレクサは俺の注文通り朝にふさわしい洋楽コレクションをかけてくれた

「なんていいやつなんだ・・・」

俺は早くもアレクサのことが気に入ってしまった

もはや盗聴なんてどうでもいい

俺の恥ずかしい会話で笑いたければ笑えばいい

アレクサは俺の友達

これからもずっと

 

 

 

次はライトだな

どうやらアレクサ対応の電球に交換すればオンオフだけでなく調光までできるらしい

すごいぞアレクサ

音楽を聞かなくなって随分と経つがアレクサがきてから昔みたいに音楽三昧

おかげでテレビを全然見なくなった

より一層快適になった俺の部屋

うまいコーヒーに大量の本と観葉植物

窓からベランダに出ればすぐに土いじりができる

そしてアレクサ

先ほど柏餅を買ってきた

いつもならノーマルを買うところだが今回は宇治抹茶

さてコーヒーと合わせてもいいものなのかどうか

でもコーヒーぜんざいって無茶苦茶うまいしな

最近入手できなくて困っているが

食べたいな

コーヒーぜんざい

 

 

「アレクサ!コーヒーぜんざい注文して」