鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

KITTE名古屋「三重人」秋限定 季節の彩りランチ御膳 1280円

さて今日は秋雨前線の影響で雨である

俺は休暇を取ることにした

明後日からは台風

進路が南寄りにならなければ大丈夫だろう

午前中に用事を済ませるべく俺はいつもの場所へ

そして時間つぶしのためにいつものスタバへ

JRは遅延することが多い

俺は早めの電車で早め早めの行動を心がけている

そのために予定の時間より45分も早く到着する

以前ならドトールがあったが今は取り壊されてしまった

そしてドトールのあった場所の隣に突如スタバが出現した

個人経営の喫茶店も消滅

結局はスタバしかないのである

今日のスタバはガラガラ

俺はいつものように単語を並べた

ドリップコーヒー

ショート

ホット

俺は単語を並べる前に頭の中である言葉を繰り返す

エスでなくショート」「エスでなくショート」「エスでなくショート」

これをやらないことには注文時に「エス」と言ってしまい再び大勢の前でスタバ流の注文術の説明という辱めを受けるのだ

普通の店なら店員さんはちゃんと空気を読んで一番小さいサイズを提供してくれる

しかしスタバは一筋縄ではいかない

最初から完璧に指導されるのだ

おそらく気が短い人ならぶちぎれることだろう

「言い間違えただけだろ!」と

なので俺は間違いのないように頭の中で3回繰り返す

エスでなくショート」と

今日もなんとか間違えずに注文できた

俺は安堵してマグカップをもち椅子に腰掛けた

「どっこいしょ」

ついつい出てしまう口癖である

そして俺はおもむろにカバンの中からiPadを取り出しテーブルの上に置いた

これ見よがしに置いた

俺はアップルペンシルを取り出してさらさらと書き始めた

「アイウエオ」

特別書き示すことはない

ただ単にアップルペンシルを使いたかっただけである

俺はアップルペンシルをカバーに収納してヤフーニュースを見た

なんと樋田は高知県警職務質問を受けていたそうだ

日本の警察はバカなのか?

丸坊主とはいえあの顔見ればわかるだろ

なぜ逃す

おそらく大阪から出たとは思いもつかなかったんだろうな

そのために樋田のことなど全く頭の中になかったのだろう

そんなことを思いながらコーヒーを飲む

相変わらず不味い

インスタントコーヒーより不味いってよっぽどだよな

どうやらスタバの豆は日本で焙煎していないらしい

アメリカで焙煎して輸入

結果として劣化しまくった豆が日本で出回る

これがスタバのコーヒーのまずさの原因の一つではないかと言われているみたいだ

あとはマシーンの洗浄とかだろうか

家庭用のコーヒーマシーンなら一回一回洗うしな

あの手間が安物マシーンと安物豆でも味をよくする

しかし経営陣はこのコーヒーを飲んでどう思ってるんだろう?

正直客に出していいレベルではないと思うのだが

ただひたすら苦いだけ

それでもスタバに入らざるおえない

他に店がないからだ

 

俺は時間を潰し午前中の予定を済ませた

今日も結構疲れている

やはり年々体力が衰えていく

安倍政権は70歳まで働けというが

たぶん無理

正直今すぐ隠居したい

そして自転車で日本一周したい

道の駅で記念撮影したい

温泉の無料デーに行きたい

外人にただ飯食べさせてもらいたい

 

さて時間は午前11時半

腹ペコな俺である

朝から何も食べていない

俺はいつものように名駅へと向かった

さぁどうするか?

何も決まっていない

ふと思い出した

先日の「ぐっさん家」で南インドカレーが出ていたことを

俺はようやく南インドカレーの食べ方を知った

なんでも混ぜてしまえばいい

自分オリジナルのカレーを楽しめばいいのだ

そうなるとキッテだな

俺は久しぶりにキッテ名古屋へと向かった

12時前

まだガラガラだ

俺はカレーの店をめざ・・・ん?

「三喰撰酒 三重人」

三重県の食材を使った料理と酒

気になりつつも予算オーバーでスルーしていた店である

手ごね寿司がイチオシみたいだ

そんな俺の目にあるメニューが飛び込んできた

秋限定 季節の彩りランチ御膳

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ランチと御膳は並べる必要があるのだろうか?

ランチ限定の御膳だから並べたかったのだろうか?

まぁいい

俺は秋いっぱいのその御膳に釘付けになった

そして並んでしまったのだ

おばちゃん三人組の後ろに

店内は非常にバタバタ

待てども案内されない

見たところ席はそこそこ空いている

それでも誰も案内しに来ない

「いらっしゃいませ」の声すらない

放置プレーか

悪くはない

やがて俺の前の三人のおばさんが案内されて俺の番になり俺はカウンターへと案内された

案内された場所に座ろうとすると隣の人が「そこ人が来ます」

俺は途方にくれた

どうしていいのかわからなかった

案内された場所は誰も座っていないにも関わらず予約済みだったのだ

すると反対側の席に置いてあった荷物がどかされた

そこに突如空席が出現したのだ

俺はようやく座ることができた

お茶とおしぼりが運ばれてきて俺は注文した

「これと生ビール」

俺はしばし待った

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まずは生ビールが運ばれてきた

キリンの一番搾り

俺は一口飲んだ

疲れた体に染み渡るうまさである

周りを見渡すとやはり秋限定御膳が多いみたいだ

みんな小さな鍋をグツグツさせている

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「お肉が煮えましたらお召し上がりください」

そう言われた俺はしばし待った

途中で何回も蓋を開けた

「まだだまだだ」

しかし気になる

煮えすぎないように

俺は先に鶏肉だけ平らげた

なかなかだな

三重県の地鶏なんだろう

伊勢鶏

汁がうまい

この小さな鍋は「キノコ鍋」

主役はあくまでキノコなのだ

さすが秋だな

しかし箸がまだ届いていない

小さなレンゲなのかスプーンなのかわからないものだけだ

汁をすくおうにも中々すくえない代物

それでも俺はちまちまと器に汁を移動させたは飲んだ

「うまいなぁ」

小鍋仕立て

池波正太郎になった気分である

鍋は一人食べるもの

大勢で食べると肉の取り合いで喧嘩になるからな

小鍋はグツグツ煮える

しかし待てど待てどメインはやってこない

カウンターの前は厨房で割烹形式だが

なんか落ち着きがないな

奥のごちゃごちゃした厨房も丸見えだし

この店は完全に設計が悪い

無理に割烹スタイルにする必要はなかった

見たくないものまで見えているではないか

フロアの店員さんも相変わらずバタバタしている

そしてキノコ鍋はグツグツ煮える

果たして箸が来ないうちに食べてしまっていいものなのだろうか?

そしてこのスプーンでは非常に食べにくい

そしてキノコ鍋はさらにグツグツ煮えるのであった

 

俺はようやく決心をしてキノコを食べることにした

非常に食べにくい

それでも俺は食べた

でもうまい

やはり秋はキノコだな

椎茸も肉厚でうまいぞ

人参は普通

俺はビールを飲んだ

この鍋にうどんをぶち込みたい衝動に駆られるがあいにくうどんは持参していない

もう少し先の宮きしめんからきしめんを頂戴したいな

きしめんの方が早く煮えるしな

そんなことを考えていたらようやくメインの御膳がきた

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秋の彩りランチ御膳 1280円

これで1280円ならかなりお得だな

芋ご飯、アオサの味噌汁、浦村産カキフライ、茄子田楽、刺身、伊勢鶏南蛮、秋野菜、キノコ鍋、他

さつまいもチップスも散りばめられている

この花は食用なんだろうか?

銀杏もある

栗の甘露煮もある

これは楽しみだ

俺は風貌は完全におっさんだが女子みたいに少量づついろんな種類の料理をちまちま食べるのが好きなのだ

会席の八寸みたいなのがたまらなく好きだ

これは八寸の親分みたいなものだな

これがメインである

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俺はまず刺身から食べた

脂まみれのマグロだ

赤身派の俺は脂まみれが苦手だ

まずはわさびを乗せてと

醤油にわさびを解かすのはご法度である

池波先生の男の作法に反する行為なのだ

そもそも醤油を入れる小皿がない

醤油は机の上に置いてあるが

目の前で作業している料理人に目で合図を送るが無視される

どうやらアイコンタクトが通じなかったらしい

さてどうする俺?

醤油はマグロの先にちょこんとつけたい

しかしそのためには小皿がいる

仕方がなく俺は直接脂まみれのマグロに醤油をかけた

「うわあ・・・」

少々かけすぎた

やってしまったことは仕方がない

俺は醤油まみれの脂まみれマグロを食べた

口の中に入れた途端にとろけるマグロ

脂の臭みが無い・・・

くどく無い

これはとてもいいマグロだ

ただマグロのうまさも無いな

やはり赤身だな

赤身とのバランス

脂だけ食べてもダメだな

でも名古屋で食べるにしては十分すぎるほどうまい

俺はもう一切れ

わさびを乗せて

醤油を数敵

「うわぁ・・・」

再び俺のマグロは醤油まみれとなった

素材はいいのに

ツメが甘い店だな

なぜ醤油皿が無いのか?

 

俺はアオサの味噌汁を飲んだ

中々うまい味噌汁だぞ

かなりのレベルで味噌と出汁のバランスが保たれている

味噌汁がうまいのは何よりだ

そして俺は芋ご飯を一口

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さつまいももうまいが

それよりも米のうまさが際立っている

炊き具合もちょうどいい

このご飯と味噌汁だけで十分すぎるご馳走だ

どうも最近の飲食店は基本である白飯と味噌汁のコストを削る傾向があるが

この米はうまい

 

銀杏を食べる

大好きな銀杏

しかしこの銀杏は冷凍だ

残念

やはり銀杏は緑色でないと

 

浦村産カキフライ

まずいわけがない

みんな大好きカキフライ

肉厚で濃厚でジューシー

やはり海のミルク

安心の国産

10個ぐらい食べたい

ただ一つ問題はタルタルがカキフライに乗せにくい

牡蠣殻の器の問題もあるが

箸がつるつるしてタルタルがつかめない

俺はタルタルをタルタルで食べたいほどタルタルが好きなんだ

 

茄子田楽

「秋茄子は嫁に食わすな」

しかしこの茄子は普通だな

まぁ味噌の味にかき消されちゃうしな

味噌の扱いは難しい

 

秋野菜はかぼちゃか

普通だな

その他サラダは残ったタルタルの上にぶちまけてからめて食べた

タルタル野菜はうまい

 

さぁ伊勢鷄南蛮

これもタルタルだな

これも安定のうまさ

鶏肉もタルタルも

芋ご飯もすすむ君

 

漬物はいたって普通

もう少しこだわって欲しいな

 

 

総合的に見るとかなりお得でうまい

1280円でこの内容なら素晴らしいな

そして小鍋にうどん入れたいなぁ

あとは接客か

人数が少ないのもあるが動線が悪すぎる

店舗設計した奴に思いっきり文句言っていいレベル

カウンター席なんか立て看板どかさないと入れないじゃないか

レジに行くにしても一度店外へでないとレジへ回れないシステム

これがバタバタ接客の理由かもしれないな

なんかカウンター席だけ切り離されてる感がすごかった

 

 

 

俺は帰路の途中で以前から気になっていたあるものを購入した

フルーツサンド

昔から俺の中で「ありえない食べ物」と認識されていたフルーツサンド

「なんでフルーツをパンに挟む?」

全く理解不能であった

しかしデパ地下なんかでもみんな並んで買っていたりするし

2時間ドラマの帝王も差し入れとして京都の有名店のフルーツサンドを持っていくという

やはり携帯を真っ二つに折られて鍋で煮込まれた経験のある男がうまいと言ったものだけに説得力がある

俺はとてもフルーツサンドが気になり始めた

そして俺の最寄りの駅に併設されているスーパーには一口サイズのフルーツサンドが売っているのだ

どうやら名古屋のフレンチの名店「メゾンルパンミュラ」のフルーツサンド

俺はついに購入した

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ミックスフルーツ 388円

この店のフルーツサンドのコンセプトは

「四季をフルーツで表現する」

全国各地から旬のフルーツを取り寄せて作られる芸術品のようなフルーツサンドだ

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バナナ、パイナップル、キウイ、イチジク、オレンジ

しかも生クリームはそれぞれのフルーツの糖度に合わせて調整

つまり中身のフルーツによって生クリームの味を変えているのだ

あくまで主役はフルーツ

フルーツを引き立たせるための生クリームなのだ

そうか

この店って大名古屋の3階に入ってる非常に入りにくい店

あそこだったのか

俺は基本箸で食べたいタイプなんでフレンチは下心を持った女性としか行かないが

一度食べてみたいな

箸持参で

まぁとにかく俺は人生初のフルーツサンドを食べることにした

しかも名店の作るこだわりぬいたフルーツサンド

相手に不足はない

フルーツサンドは真ん中で真っ二つに切断されている

まさに一口サイズ

「こんな大きいのお口にはいらなぁ〜い」などと言い放つ女性にも対応済み

素晴らしいな

俺はおちょぼ口で食べてみた

「ウォオオオおおおお」

とても柔らかなパンの中に旬のフルーツの甘さが広がる

そしてそのフルーツを優しく包み込む生クリームが信じられないレベルでフワフワだ

こんな生クリームは初めてだ

「な、なんて優しい生クリームなんだ・・・」

「まるで・・そよ風・・・」

その生クリームはまるでそよ風のように自然にその場に佇んでいた

うまい

うまいのは確かだ

ただそれでも俺は思った

「何もフルーツをパンに挟まなくても・・・」

でもフルーツと生クリームだけだとそれはそれで物足らないんだろうな

パンの塩気が重要かもしれない

このフルーツサンドについては今後も検証が必要かもしれないな

でもあのスーパーの片隅で営業してる店

よくこんなコネがあったな

おかげで田舎者の俺がこんな名店のフルーツサンドを食べられる

しかも常に売れ残っているなんて田舎の特権だな

フルーツサンドもありかもしれないな

 

 

さて今日はようやく大杉漣さんの「漣ぽっ」のDVDが届いた

楽しみだ

また漣さんに会える

いつでも会えるのだ

そして土曜日からは寅さんも始まる

しばらく寅さんロスだったが

毎週寅さんに会える

楽しみだ