鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2018年ツール・ド・フランス 第21ステージ

2018年ツール第21ステージ

いよいよ本当の最後のステージだ

総合成績の争いは20ステージで終わり

21ステージではステージ勝利のみ争う形式となっているがこれは決してルール上そう決められてるわけではない

近年では21ステージはパリ、シャンゼリゼへゴールするスプリントステージ

そのために総合成績が入れ替わるようなタイム差は生まれにくい

そのために暗黙ルールとして総合成績は争わないという紳士協定がチーム間で結ばれているのだ

これもマイヨジョーヌへのリスペクトからくることなんだろうな

そして21ステージはパリの周回コースに入るまではのんびりとパレードランになる

それぞれ4賞ジャージが前方に並ぶ

マイヨジョーヌ  Gトーマス

マイヨヴェール  サガン

マイヨアポワ   アラフィリップ

マイヨブラン   ラトゥール

そしてその中に今年で引退のシャバネルも並んだ

去年はヴォクレールがそして今年はシャバネルが

フランスの一時代を気付いた二人がツールからそしてレースから姿を消す

そして受け継がれていく

バルデ、アラフィリップ、カルメジャーヌ、ラトゥールたちに

毎年書いているが俺がツールを好きになったきっかけがこのシャンゼリゼへと向かうパレードランだ

スタートを切られても選手は誰も飛び出さない

毎年ふざけてアタックしようとする選手は出てくるが

今年は悪ノリ、マイケル・マシューズがいないのが寂しいな

スカイはいつもスペシャルジャージに身を待とう

今年はスカイの文字が黄色になっていた

チームカーにも黄色のラインが入る

ベースが水色なのでまるでアスタナのチームカーのようだ

チームカーから恒例のシャンパンが渡される

Gトーマスとフルームが並んで乾杯

今年ツールが終わるんだなぁと感慨深くなる

3週間という長い戦いを終えて選手たちはチームメイトや元チームメイト、同国人どうし談笑する

とりあえずパリに入るまではパレードだ

みんながシャバネルに話しかける

偉大な選手がまた一人姿を消すのは寂しい

今年はいつもよりペースが早い

気がつくともうパリだ

セーヌ川が見える

周回コースに入るとシャバネルが単独でアタックする

プロトンはこれを見送る

シャバネルへのリスペクト

そしてプレゼントだ

シャバネルは一周単独でパリの街を走る

集まった観客に小さく手を振りながら

様々な思いが頭の中を駆け巡っているのだろう

逃げ屋らしい彼の最後のツールだ

そしていよいよ最後の戦いが始まる

今年は有力スプリンターが軒並みリタイアしてしまった

カヴェンディッシュ、キッテル、グライペル、フルネーウェーヘン

歴代のシャンゼリゼの覇者が不在だ

そして逃げ切りのチャンスでもある

レースが動き出した

アタックが始まる

飛び出したのは

シルヴァン・ディリエ(アージェードゥーゼール)

テイラー・フィニー(EFエデュケーションファースト・ドラパック)

ミヒャエル・シェアー(BMC)

ダミアン・ゴダン(ディレクトエナジー

ニルス・ポリッツ(カチューシャ・アルペシン)

ギヨーム・ヴァンケイルスブルク(ワンティ・グループゴベール)

平坦のスペシャリストたちが逃げた

残り52キロとはいえ

余裕をかましてタイム差を与えると危険なメンバーだ

この日どうしても勝たなければならないデマール

メイン集団はFDJとボーラのコントロールで1分以内に抑え込む

トレックやコフィディスバーレーンなども牽引に参加し始めるとそれまで仕事してきたFDJはこっそりと姿を消して後方で待機だ

温存

最後の最後にトレインを組んで最終コーナーを抜けるために

さすがに今年はピュアスプリンターでなくても勝てるチャンスがある

残された登れるスプリンター系も「俺も俺も」状態

解説の中野さんと同じようにベンナーティに期待する人も多いかもしれない

年齢的に厳しいとわかっていても

そんな中でもやはり地元フランスのデマールが優勝候補、対抗がクリストフだろう

ボーラが引いているがサガンは微妙かな

怪我さえなければサガンが面白かった

予定通り逃げが吸収

ポリッツが最後の最後まで粘ったが

スプリンターチームが逃がさない

そして鐘が鳴らされ最終回に突入

ルーブルのトンネルをくぐると金色のジャンヌダルクが選手を見守る

左へ曲がると夏限定の遊園地の観覧車が現れる

そしてコンコルド広場

オベリスク

左に曲がり右に曲がるこれが最終コーナーだ

レースは残り2・5キロでマルカートがアタック

吸収されると同時にカウンターでランパルトとオスが出る

何かをしたいと話していてらしいベルギー勢

ここで動いてきた

オスはサガンのアシストだが結果的にランパルトの動きを助けてしまう

残り1キロ

最後のフラムルージュを通過

グングン加速してメイン集団を引き離すベルギーチャンピオン、ランパル

FDJも大慌てで追走だ

ジルベールといいランパルトといいFDJはいつもクイックステップの攻撃に大慌てだ

そのまま逃げ切りあるか?と思われたが流石にコンコルド広場に入ると失速

最終コーナーを抜けて吸収された

トレックが先頭に出る

デゲンコルブが早めに仕掛けた

その番手にクリストフ

落ちてきたランパルトのすぐ横を怒涛の加速で駆け抜けるデマール

ボアッソンハーゲンもきている

忘れちゃいけないラポルトもいる

向かい風の中で残されたスプリンターガチガチの力勝負

クリストフが先頭に出る

ハンドルを投げるデゲンコルブ

デマールは厳しい

勝ったのはクリストフだ

右手を挙げて叫ぶ

ようやくシャンゼリゼでの勝利

彼もまたゴール後に号泣した

 

そしてゆっくりとGトーマスとフルームが並んでゴール

フルームが手を叩き祝福

Gトーマスがフルームの肩に手を回しお互いを称えあった

 

イギリスではなくウェールズの旗を掲げるGトーマス

ウェールズ人だという誇り

Gトーマスのスピーチが始まる

ようやく安心したのかいつものような冗談も出てくる

チームメイトの名前を出しながら一人名前が出てこない

デュムランにも突っ込まれるGトーマス

途中で問題行動を起こして失格となったモズコンの名をを出して笑いを取る

「彼は今どうしてるかな?」

そしてフルームへの感謝の気持ち

「フルームを尊敬する。厄介なことになりそうで緊張したけど、君は偉大なチャンピオンだよ。いつも尊敬している」

子供の頃からの夢だったマイヨジョーヌを着てこの場に立っていることが信じられないと語る

そして最後に

「子供たちよ、夢は大きく見よう。それは無理だと言われても、自分自身を信じ続けよう。努力すれば最後には全て報われる。ありがとう、VIVE LE TOUR(ツール万歳)!」

彼はマイクを落とした

 

北京、ロンドン五輪でトラック団体追い抜きの金メダリストでもあるGトーマス

今年のツールはアシストで出場しながらも彼がマイヨジョーヌとなった

 

 

来年のスカイはどうなるんだろう?

フルームは2年契約してるがGトーマスとの契約はまだ更新されていないそうだ

流石にスカイから離れたらアシスト人が厳しいからスカイに留まるのだろうが

どちらがエースとしてツールに出るのか?

フルームとの友情が壊れなければいいが

チームとしてはまずフルームのツール5勝を目指したいところだろう

フルームもそれを匂わせている

しかしフルームと言えども簡単には勝てなくなってきている

今年もツールに専念すれば良かったのだが

二兎を追うものは一兎を得ず

同じくデュムランは安定の2位

来年の最大のライバルになること間違いなしだ

そしてチーム内での争い

来年こそはリッチーポート

今から沸くワクワクする

長く辛い3週間もようやく終わり

俺も眠ることができる

あの猛暑の中

エアコンが壊れている室温36度の中

睡眠時間4時間でよく耐えたものだな

俺も自分で自分に敢闘賞をあげたい

それでもツールが終わると寂しくてたまらない

当たり前のように仕事から帰ってくると放送が始まったツール・ド・フランス

完全にツールロスである

しかし一ヶ月もすればブエルタが始まる

モビスタは再びトリプルエースで挑むそうだ

スカイはどうなる?

バーレーンは新城は?

永田さんは一足早くマラガに飛んで水着のお姉ちゃんを眺めていた

早く来ないかな

ブエルタ

去年はコンタドールがとんでもないドラマを見せてくれた

今年はどんなドラマがあるのか?

 

とりあえず今週の土曜日

クラシカ・サンセバスティアンだな

まだまだ俺の寝不足は終わらない

 

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