鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

2018年ツール・ド・フランス 第9ステージ

2018年ツール第9ステージ

前半最大の勝負どころ石畳のステージ

今年はそこそこ本気な石畳ステージである

放送が始まると既に石畳に突入

そしてリッチーポートが鎖骨を押さえている映像が

今年もリッチー・ポートは落車でリタイアとなった

運がないな

やはりグランツールを勝つ器ではないということなのだろうか?

サクソバンク時代にジロで頭角を現した頃から結構期待してただけに残念である

年齢的にそろそろ厳しくなってくるしな

若い若いと思ってた彼も33歳なんだよな

そしてトニーマルティンも前日の落車の影響でリタイア

なんか一つの時代が終わるような気がするな

マルティンも何もできなかった

HTC時代から好きな選手だけにもう一度TTで勝つところが見たかったな

最初はトーマス・デヘント、カルメジャーヌらを10名の逃げができる

4分リードで最初の石畳区間へ突入

まずはこの日一番ついていない男

ロマン・バルデがパンクする

フランス革命記念日とW杯決勝で浮かれるフランス

そんな中でフランス唯一の期待の星バルデは苦戦した

とにかく落車にパンクが多いステージ

石畳スペシャリストからしたら物足りないかもしれないが普段石畳を走らない選手たちは大変だ

特に体重の軽い選手は体が跳ねてしまう

次第に痺れだす手ハンドルがしっかりと持てない

脳まで揺らされる

集中力が切れてしまう

なんでもない場所での落車も多かったステージだ

フルネーウェーヘンが転び

ベルナルも転ぶ

石畳スペシャリストのテルプストラまで転ぶ始末

セクター12では集団落車でニバリ、ウラン、デュムラン、アダム・イェーツ

総合エースたちがみんな仲良く転ぶ

難易度の高いセクター9で優勝候補のヴァンアーベルマートがペースを上げるとバルデが2回目のパンク

こういった落車のトラブルを避けるためにも石畳のステージではエースは常に前方でレースするのが鉄則である

一番安全なのは先頭と言われるぐらいだ

風を受けてでも一番前で走る方がいい

それは先頭なら自分の走りたいラインを走れるからだ

荒れた石畳は安全に走れる場所が限られている

とは言っても石畳苦手な総合エースたちは前方を走る力がない

コースが違えば得意とする選手も変わるところがサイクルロードレースの面白さでもある

山では無敵なフルームたちが石畳では転びまくるのだ

そしてセクタ−8でフルームとGトーマスが落車

そしてその後でクウィアトコウスキーも落車した

そんな中でなぜかモビスタが人数を揃えている

バルベルデも元気だ

一体モビスタに何が起きたのか?

正直一番苦手なチームだと思っていたのだが

と思ってたらランダが落車

ジルベールとウランも落車

そしてバルデがこの日3回目のパンク

これでこの日一番ついていないフランス人の座を不動のものとした

カメラに向かって「ダメだ・・・」と首を振るバルデ

彼の後方からはランダを含むグループが

このグループに合流してなんとかライバルからは7秒差でこの日のレースを乗り切った

先頭はゴダンとヤンセファンレンズバーグが逃げていたが残り19キロ地点で吸収

ここからはこの日の優勝候補同士の戦いである

セクター2でクイックステップのベルギーチャンピオン、ランパルトが動く

そこにマイヨジョーヌを身に纏うベルギー人BMCヴァンアーベルマートが反応

すかさずトレックのデゲンコルブも続く

パリ〜ルーベチャンピオンの二人である

しかしここにサガンが反応できない

ここで反応しないとサガンの勝機はなくなってしまう

後方のメイン集団に取り残されたサガン

ジルベールやユンゲルスストゥイヴェンたちと抜け出すも誰も前を引いてくれない

そりゃそうだ

クイックステップもトレックも前方に選手が逃げている

そのためにサガン引くが

途中で諦めた

すでに勝負は前に3人に絞られた

最後のスプリント勝負

お互いがお互いをけん制する

「どうぞどうぞ」

「いえ結構です」

「あなたが先行してください」

結局デゲンコルブが先頭に出されてしまう

一番スプリント力があるために一番不利な先頭へと追いやられたのだ

チラチラと後ろをけん制しながらゆっくり走るデゲンコルブ

「まだかまだか」

ギリギリまで粘る3人

するとデゲンコルブが最初に動く

スプリント開始

体を激しく上下に動かすいつもの縦乗りスプリント

番手のヴァンアーベルマート絶好のチャンス

ここでデゲンコルブを使って加速しながら前に出るはずだったが・・・

雄叫びと共に両手を上げてゴールしたのは

ジョン・デゲンコルブだった

ヴァンアーベルマートに並ばせることなくスプリントで勝ちきった

HTCで頭角を現したデゲンコルブ

ピュアスプリントもいけるが登り基調のゴールで強さを発揮した

パリ〜ルーベも制してミラノ〜サンレモも制して

さぁこれからという時に不運な練習中の交通事故

死んでいてもおかしくないほどの事故から復帰するも結果が出せない

トレックに移籍しても結果が出せない

そんなデゲンコルブをチームは辛抱強くエースとして使い続けてくれた

そして2018年ツール第9ステージでのステージ勝利

見事に復活

涙涙の復活であった

そして既に彼も29歳

デゲンコルブは終わってはいなかった

 

 

校庭をママチャリで二人乗りするキッテルとデゲンコルブ

「マーちゃん、俺たちもう終わっちまったのかなぁ?」

マルセル・キッテル

「バカヤロウ、まだ始まっちゃいねえよ」

 

今度はキッテルの番だな

 

 


Kids return (1996) - Ending scene

 

 

 

今日は休息日

しかし日本は猛暑

39度

昨日は自転車で50キロほど走ってきたが

同じように猛暑の中を走るバカどもが20人ほどいた

みんなクソ暑いがどうしようもなく走りたくなるんだろうな

夏だし

ツールだし

 

第10ステージ予想

いよいよ本格的な山岳ステージが始まる

しかも長距離移動の休息日明けにこんなステージを持ってくるところがなかなか意地悪だ

総合では誰が脱落するかだな

予想は再び逃げ切りカルメジャーヌで

もう暑すぎて頭が動かない

俺の部屋の室温36度を超えている