俺が初めて尾道を旅したのはいつのことだったか?
あまり下調べもしないでただ単に景色の良い坂の町、映画のロケ地というだけで2泊3日の旅をした
映画は東京物語と転校生の印象が強い
「こんなに近いんだ」と衝撃を受けたものである
まずは山に入りひたすら迷路みたいに入り組んだ坂道を歩き回った
喉が渇いても自販機すらない
これが最初の失敗だ
千光寺に行くか商店街まで降りるしかない
尾道は山、線路、商店街、海、向島が平行に位置している横長の町である
俺はひたすら登ったり降りたり西へ東へ奔走した
ホテル側の海岸沿いを歩いているとある看板を発見する
「しまなみ海道サイクリング」
地図を見てみる
どうやら橋でつながった瀬戸内海の島々を渡ることで自転車で四国まで行けるらしい
その距離片道約70キロ
レンタルサイクルもある
「これは面白そうだな」
翌日に俺は自転車を借りた
当時はまだママチャリがほとんどで数台だけボロボロの一番安いマウンテンバイクが置いてあっただけだ
ブレーキの効きが甘く自分で調整した
マウンテンバイクは久しぶりだ
そして自転車に乗ることすら10年ぶりぐらいだろうか?
捨ててあったジャイアントのマウンテンバイクを自分で直して乗ったのが始まりでそのあとに5万円ほどのGTのマウンテンバイクを購入した
時代は空前の街乗りMTBブーム
俺は5万円のMTBに5万円のパーツ代を追加してカスタムした
映画「メッセンジャー」も公開された
俺は草なぎ君のセリフを真似て
「自転車はバイクより早い」
「楽勝!」
と言いながら必死にバイクを追いかけたが当然負けてしまうのであった
そして当時は飯島直子が好きだった
今でもたまに見返す大好きな映画の一つだ
何にも考えずに見れるところが良い
そんな俺は尾道でマウンテンバイクを借りた
どこまで走れるかは分からないがとにかく走ってみようと
まずは渡船で向島に渡る
そこからが本当のスタートである
どうやら道の青ラインが目印らしい
その目印を頼りにしまなみ海道を走った
島はほぼ平坦だ
しかし問題は島と島をつなぐ橋
橋の下は船が通るために橋はかなり高い場所に作ってある
そして自転車でそこまで坂道を登らなければならないのだ
これがきつかった
俺は坂の走り方をまるで知らなかった
今なら軽々と登れる坂も当時は登りきることができずに足をついた
心拍数もばくばくだ
それでも登りきった後の景色が俺をあと押しした
食べてみる
うまい!
商店街でコロッケなど食べる
いよいよ最初の目標とした多々羅大橋である
この橋を渡れば愛媛県
まさか尾道旅行で愛媛まで行くことになるとは
俺はワクワクした
そして多々羅大橋の道の駅で休憩
伯方の塩ソフトとじゃこ天を頬張る
ここから正規のルートを外れ大山祇神社へ向かう
神社まではちょっとした峠道だ
俺はまたしても自転車から降りた
「こんにちわ」
お姉さんが軽快にロードバイクで抜き去っていく
情けない・・・
地元に帰ったら早速自転車を買おう
再びこの場所をちゃんと走れるようにと俺は心に誓ったのだった
神社は予想以上に大きな神社だ
そしてその前の店にはちょっとした行列が
どうやら380円の海鮮丼
300円でカンパチの刺身も追加した
ビールが飲めないのが非常に残念だ
再び多々羅大橋の道の駅へ戻る
「だめだビールが飲みたい」
俺はここで自転車旅を断念した
帰りは高速バスを乗り継ぎ尾道へ戻った
これが俺の初めてのしまなみ海道である
このあとで2回走り無事完走も果たした
そのうち1回は土砂降りの雨だった
今ではどうってことない距離だが初心者でも素晴らしい景色に美味しい食べ物と橋を渡るワクワク感と県境越えする感動、そして最後に待ち受けるラスボスの来島海峡大橋
もっと走りたいもっと遠くまで行きたい
そう思ううちに気がつけば今治へ辿り着くことだろう
今ではすっかりサイクリングの聖地として世界中からサイクリストが訪れる尾道
テレビ番組でも何回も取り上げられていて大人気だ
先日はサイクリングイベントが中止
犯人は未だに捕まっていない
警察犬も大量投入されたがまるで効果は無し
住民にも警察にも疲れがたまってきてることだろう
橋から出るにも検問検問検問検問
もううんざりだろう
子供は外で遊ぶことすらできない
観光でやってきたサイクリストでさえ犯人じゃないかと疑いの目を向けられかねない
丸坊主で青いシャツなんか着ていたら確実に通報されるだろう
そしてGWまで一週間を切った
レンタサイクル事業を行う一般社団法人しまなみジャパンには8日以降、問い合わせや予約キャンセルの電話が相次いでいるという
14日にはあさりの潮干狩りも解禁
しかし15日までの人出は例年の5分の1の約120人
GWは例年3千人が訪れるかき入れ時なのに・・・
15日までの人出は例年の5分の1の約120人にとどまった。ゴールデンウイークは例年3千人が訪れるかき入れ時で向島町漁業協同組合の田頭組合長は「逃走が長引けば事態は深刻だ」と声を落とした
落とした声はいつ拾われるのか?
早く犯人を見つけなければ
やはり懸賞金をつけるしかないな
キャンセルが相次いでるのは逆に観光のチャンスだ
みんなで自転車に「火盗」と書いた提灯をぶら下げて捜索だな
誰もが長谷川平蔵になるのだ
今日は暑い
花粉も予報では少ないのに症状がひどい
仕事も忙しくGWまでにキリがつきそうにない
さてどうしたものか?
とりあえずはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
誰が勝つかなんて全く予想がつかないな
アラフィリップにバルベルデ、クウィアトコウスキー、意表をついた飛び出しニバリに今度こそDマーティン他伏兵も多数存在
みんながみんな警戒しきってる中で仕掛けるには勝負どころまでのチームプレイが大事
いかにしてライバルチームのアシスト陣を削るか
そしてこれが終わればジロが始まる
また眠れない夜がつづく