鯖棒亭日乗(下)

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木造復元名古屋城、屋根の色どうします?

様々な問題が噴出している名古屋城の木造復元

今度は屋根の色で悩んでるそうだ

20日の開かれた有識者会議で議論されたが結論は出ていない

名古屋城天守閣の屋根

素材は銅瓦だということ

現在は緑青と言う胴が錆びた状態の緑色である

サビと言っても鉄みたいに腐食してボロボロになるのではなく

銅板の表面に皮膜を作り内部の腐食を防いで

さらに抗菌力まであるのだ

見た目的にもキレイな緑色になる

鎌倉の大仏や自由の女神も同じ緑青である

しかし名古屋城天守閣の本来の屋根の色はどうやら黒色らしい

工事を請け負う竹中工務店

史実に忠実な黒色

新品の銅板そのままの色(赤銅色を提案

ただし史実に忠実な黒は銅瓦を黒に塗装するという

今回の木造復元化で目指す年代は1750年「宝暦の大修理」

この時の姿そのままに再現したいと名古屋市は考えている

この宝暦の大修理の時にそれまで土瓦だったものが銅瓦に交換され黒色に塗装されたというが当然塗装されたものはハゲる

すっかり塗装がはげた銅瓦は銅がむき出しになりやがてサビが出て現在のような緑青色となったそうだ

現代でいうペンキというものが登場したのはおそらく明治に入ってからだろう

それでなくとも塗料というものは銅には密着が悪いものだ

現代の最新の技術ならその辺りもクリアできるだろうが宝暦という時代に一体どんな塗料を塗ったのか?

あの頃だと漆や柿渋など天然系の塗料しかなかったはずである

当時で何年ほど黒色の状態で保たれたのだろうか?

屋根は常に紫外線や雨風にさらされるために壁などよりも耐久性が悪くなる

現代でも20年から25年ごとに塗装し直さなければならないかもしれないな

確か東京スカイツリーが25年ごとの塗り替えだ

その点、無塗装の銅板の色なら維持費はかからない

その代わり新築時にかなりの違和感が出るだろう

リフォーム直後の白すぎると言われた姫路城みたいに

「赤すぎる屋根」と言われてしまうかもしれない

サビが出て緑青色に変わるまで我慢我慢なのだ

有識者会議でもこの辺りの意見が出たそうで

市民感覚では、新品の銅の色は違和感がある」「緑青色は市民に分かりやすい」との意見が出た

そして黒色のほか、緑青色に塗装する意見も出たそうだが

色を塗るのなら黒も緑青も同じことだと俺は思う

緑青の色を塗るなら今から屋根に使う銅瓦をサビさせて緑青にしてしまえばいいのだ

とは言っても俺は銅が何年ほどで緑青になるのかは知らない

山奥の橋などは鉄部に薬品を使い黒サビ化させて塗装のコストを抑えてるとも聞く

サビで悪いのは赤錆であり黒サビは緑青と同じく表面に幕を作って保護する役割があるのだ

緑青もそのような方法で早く作り出せないのだろうか?

無知な俺ではそのあたりの知識は持ち合わせていないので確かなことは言えないが

塗装だけはやめたほうがいいだろうな

そのままエイジングされて味が出るのを楽しんだほうが俺はいいと思うな

新品のものに古色をつけるのは偽物だと思うのだ

仏像だって本来は極彩色だった

それが経年劣化で今の見慣れた木の色になっている

しかし本来の極彩色に修復された仏像もそれはそれでアリだと思うのだ

それがありのままの姿なのだから

かつて工藤静香が「嵐を起こして素顔を見せるわ」と歌ったように

キムタクもビックリでいいじゃないか